先日、友人と近所の居酒屋さんに行った時に、居酒屋さんのトイレの壁に、ある文章が貼られていたんです。
なんでも…徳川家康の遺訓だとか…
まぁ~居酒屋とかに行くと、よくトイレの壁に「人間だもの…」的な文章が貼られていたりするんですが、ついつい…読んでしまうんですよねぇ~(^^;)
こういうのに目が行くって事は歳を取ったという事なのかもしれません。
でもね…
こう言うのって、良い言葉が書いてあるんですよね。
歴史上の人物の遺訓だとか…、辞世の句だとかは、本当に本人が書いたのか?…本人が詠んだのかは定かではないと思うんです。でも…、たとえ別な人が歴史上の人物の名をかたって書いたとしても、時代を超えて読んでみると「あぁ~あの人だったら、こんな事を言い残すかもね…」と納得出来たりするものが多いし、とても良い文章だったりするので、心打たれたりもするんですよねぇ~。
以前、鍼灸師になる前の話しなんですが、仕事を辞めて鍼灸師になろうと決めた時…、鍼灸の学校に入学する前の数ヶ月間…、収入がなくなる不安と、未知なるモノへの挑戦からくる武者震いからか…、ちょっと不安になった時があったんです。その時に行きつけのBarの常連さんが「坂本龍馬がこんな言葉を残してるよ!」と教えてくれたのが…
「世の人は 我を何とも言わば言え 我なす事は我のみぞ知る」
この言葉は、当時の僕を勇気づけてくれましたねぇ~。今でも好きな言葉の一つです。
今回、良いな~って思ったのが、この…『徳川家康の遺訓』
東照公御遺訓
人の一生は重荷を負て遠き
道をゆくが如し いそぐべからず
不自由を常とおもへば不足なし
こころに望おこらば困窮したる
時を思ひ出すべし 堪忍は無事
長久の基 いかりは敵とおもへ
勝事ばかり知て まくる事をしらざれば
害其身みにいたる
おのれを責て人をせむるな
及ばざるは過たるよりまされり
現代の言葉に直す必要はないと思うんですが…、今風な言葉に意訳すれば、こんな感じです。
人の一生は重荷を背負って遠い道を行くようなものだ。
だから急ぐべきではない。
不自由を普通なのだと思えば、不満に思わずにすむ。
自分の心の中に欲が湧いてきたら
貧しさに苦しんでいた頃を思い出せ。
我慢する事は、無事に長く安らかに生きるための基本である。
怒りは敵と思え。
勝つ事しか知らずに、負ける事を知らない奴は、大事な時に失敗する。
物事の原因や責任は、自分を責めて他人を責めるな。
能力や財力など何事も、有り余るよりも足りないくらいの方が良い。
僕が目にとまった部分は…
「不自由を常とおもへば不足なし…」
…ですかねぇ~。
確かに…、語り継がれている徳川家康の一生を顧みると、この遺訓に書かれている文章に重みを感じますねぇ~。
皆さんは、この文章を読んで、気になる一文がありましたか?