【なぜ針灸が効くのか?を解説します】
この御時世、体調が悪くなる原因は色々あると思いますが 肩・首・腰・背中が痛い、足がシビレるなどという症状が現れている時は、必ずと言っていいほど体力や免疫力が低下しているか、または疲れがたまっている時に症状が出ている事が多いはずです。
体調が悪くなると体の中の五臓六腑 (内臓) が影響を受けて働きが鈍くなり、水分代謝や免疫力の低下、または血液の流れが悪くなったりします。すると、その人の弱点、もしくは古傷である部分…肩・首・腰・背中などに痛みなどの症状が現れます。ですから鍼灸の場合は、あらゆるツボを使い血液循環・水分代謝を調えると同時に、痛みや強ばりがある部分に鍼やお灸を使い施術し症状を軽くしていきます。
【体調が悪くなる原因は様々…】
一括りには出来ませんがその方の生活習慣や食生活が関係している事が多いと思われるので、初めて鍼灸院に来られた時に、患者さんの生活習慣を知る事で大まかな原因を探っていきます。
症状や体調は日々変化しているものなんですよね。
・お腹の状態 ・背中の状態 ・舌の状態 ・脈の状態
東洋医学ではお腹・背中・舌・脈を探る事で体が発している信号(ここが辛いよ~)を察知してポイントを決めていきます。御自身でも毎日お腹の状態や、舌の状態を観察してみて下さい。
日々体調によって変化しているはずです。
【現代社会において…】
体調が悪くなる原因は色々あると思いますが肩・首・腰・背中が痛い、足がシビレるなどという症状が現れている時は、必ずと言っていいほど体力や免疫力が低下しているか、または疲れがたまっている時に症状が出ている事が多いはずです。
【どれくらい通ったら治りますかすか?】
…とよく聞かれます。体力がある方でしたら急性症状の場合は、すぐに効果が現れ、5~6回ので症状が取れる場合もありますが、冷えや疲労感、その他の慢性症状(発症してから時間が過ぎている場合…例えば、半年前に腰に症状が出たなど…)は3~5ヶ月を目安に症状の改善をはかる必要があります。
急性症状の場合は、例えば…週3回くらい、短期集中で施術を受けられる方がいいと思います。
また症状の改善と病気そのものが治る事は、少し意味が違います。例えば痛みが取れても、凝りとして肩・首・背中・腰などに、痛みを感じない凝り(痛みの種のようなもの) が残り、身体が疲れると、また痛みが再発するという事はよくある事です。ですから痛みが取れても、体の凝りが取れるまでは養生されて下さい。
【初めて鍼灸施術を受けたら気分が悪くなった~~!】
という方がたまにいらっしゃいますが、これは瞑眩(メンゲン)現象と言って、体が「休憩したい!」という信号を送っ ている状態(好転反応とも言います)ですから、このような時は1~2時間ほど横になって下さい。
【鍼灸を受けたら体調が良くなるどころか悪くなったような気がする!】
…と言う人も中にはいらっしゃいます。
これは体力が低下されている方に多く見られる現象です。これも瞑眩現象の一つですので御心配なさらないでください。
【症状の進行過程を階段で例えると…】
図1のようになります。鍼灸に来られる方は慢性症状の方が多いのですが、2段目の症状としては、強い痛みや、とても不快な状態が、このエリアの特徴です。そして病が進むと2段目から3段目の慢性症状に移行します。慢性症状の特徴としては不調ではあるが、痛みや体調不良に体が慣れてしまった状態とも言えます。 理想としては鍼灸施術で3段目から、一気に1段目の健康体に戻れればいいのですが、人間の体はそこまで器用ではありません。
カゼで高熱を出して、治っていく過程で徐々に平熱に戻っていくのと同様、昇った階段を一段一段、降りるように、鍼灸を施しても3段目から必ず2段目の「痛み・体調不良のゾーン」を通らなければ健康体には戻れません。(風邪が治る段階では体力が戻ってきているので、2段目の痛み・体調不良の状態を感じる事が無い場合もありますが、熱が下がって通常の生活に戻り無理をしてしまうと、また体調が悪くなる…。2段目の痛み・体調不良のエリアは風邪でいうとこの状態です。)
この2段目のエリアが瞑眩(体が変化する)と言われる状態です。
瞑眩現象(好転反応)と言われる現象を、もっと分かりやすく説明しますね!
a) まっすぐな状態が健康な状態です。
b) 体調が悪い時はどちらかに傾いている状態です。
c) 鍼灸施術でまっすぐの状態に戻そうとします。もともと体力がある方は、この状態で症状が取れて回復しますが、慢性症状で体力が低下されている方は、まっすぐが維持できず…
d) 反対側に倒れてしまいます。鍼灸を受けたら体調が悪くなった!と感じられる時はこの状態です。これは身体が病気を治す事に専念している状態ですので、心配なさらないでください。
e) 鍼灸施術を繰り返す事で、揺れ戻しの幅が狭くなりもとの、まっすぐな状態(健康な状態)に戻ります。 急激な施術は刺激も強い為、揺れ戻しの幅も広くなりがちですので、出来るだけ最小限の刺激で揺れ戻しの幅を少なくする為、数回に分けての施術が必要となります。
【鍼って痛くないんですか? 灸って熱くないんですか?】
よくこんな質問をされます。試しに自分の腕を軽く、つねってみて下さい。少し痛みを感じますよね!
多分、素人の人が鍼を体に刺すともっと痛いと思いますが鍼灸師が鍼を刺す時に患者さんが痛みを感じるとすれば、 つねった時くらいの痛さです。もしくは痛みを感じない場合もあります。
お灸は色々な種類と方法があります。
米粒大か米の半分の大きさのモグサに火をつけて、燃え尽きる手前で消す方法。この動作を繰り返す事で温かな感じを体感できます。
場合によっては温灸といわれるお灸も使います。
また別な方法として棒灸というモグサを筒状にしたお灸を使ったり、灸頭鍼といって鍼の頭の部分にモグサをつけたりして、時間をかけて体を温めますので、冷え症の方、生理痛がひどい方には是非お薦めです。
「あら!鍼灸施術を受けてるの?まだ若いのにぃ~!」
患者さんの中には「あら!鍼灸施術を受けてるの?まだ若いのにぃ~!」なんて言われた事がある方もいらっしゃると思います。
東洋医学では五臓六腑 (内臓) の働きが低下する事により様々な症状や病気が発病すると考えます。年齢に関係なく五臓六腑 (内臓) の働きが低下している人には鍼灸は効果があります。
【小児鍼と言われている療法もあります。】
1才~12才位までの子供を対象とした鍼灸療法で、鍼を刺す事はせず(昔は出血をさせる事を目的に行っていた方法らしいのですが…)特殊な鍼を使って皮膚表面を刺激して、子供特有の症状(夜泣きなどの睡眠障害・異常興奮・摂食不良排尿異常・呼吸器系の症状・イライラなどが原因で起こるカンムシの予防)に効果があります。大人が小児鍼されても気持ちイイと感じる刺激です。
【ほとんどが日頃の過労やストレス】
体調を崩す原因は、ほとんどが日頃の過労やストレスが原因と考えられます。それと、加齢による免疫力の低下も原因の1つですね。現代社会でストレスから逃げる事や、加齢による体力の低下は誰にでも起こりますし、避けようのない事です。ですから、身体を手入れするという目的で病気が治った後も、週に1回、もしくは月に2~3回鍼灸施術を受けられる事をお薦めします。
実は5年間、週1回定期的に鍼灸施術をしている患者さんがいらっしゃるんですが、その方の体の反応の良さに鍼灸師である私自身も驚かされる事があります。
定期的に施術を受けられている方でも肩が凝ったり、腰や背中が痛くなったり…と体の不調を訴えられますが、定期的に施術を受けられている人は軽い施術で、すぐ回復されるんです。
逆に期間が空いて、痛くなってどうしようもなくなった状態で鍼灸院に来られる患者さんの場合、個人差はありますが、身体の反応は少し悪いように思えます。
「鍼灸で治るのって肩凝りや腰痛だけかと思ってました!」
…とよく言われます。
肩凝り・腰痛で来院される患者さんは多いですが鍼灸は様々な症状に対応できます。
例えば…
"浮腫みが気になる"という方は水分代謝が低下していると考えますので水分代謝を高め症状を改善していきます。
"偏頭痛がつらい"という方は血行を調整し頭や首の筋肉を緩めます。
"最近食べ過ぎ…"という方には胃に熱がこもりやすいと考えますから胃の熱を取って食欲を抑えるようにします。
"高血圧が気になる…"という方は肩や首の凝りを取っていくと時間はかかりますが、徐々に血圧の数値も下がってきます。
このように鍼灸は色々な症状に対応しています。
【疲れを溜めた状態だと…】
やはり、疲れを溜めた状態で鍼灸院に来られると、痛みや症状がすぐには取れにくく、施術回数がかかる事が多いのが実情です。
鍼灸を定期的に行えば、ストレスとか、体力の低下によるダメージを受けても最低限のダメージですみますし、回復も早く健康状態に戻る事が出来ます。
【後日・明後日に効果が現れる方…】
また、すぐに効果が現れる方と、後日・明後日に効果が現れる方…、患者さんの症状や体調の状態により効果の現れ方は様々ですが、鍼灸施術を続けられると、効果を早く感じる事が出来るようになりますので、根気よく施術を続けられる事をお薦めします。
【東洋医学でも西洋医学でも…】
体質改善や病気の予防が健康維持には大切だと考えられてきました。東洋医学では特に「未病」といって、西洋医学的には病気とは認められないけれど「病気の前触れ」という段階を重視しています。病院に行っても「どこも異常がありませんよ!」…と言われるけど、体調が悪いんだよねぇ~~というような状態は 病気の前触れ…未病と考えてイイと思います。
ガンや生活習慣病などの大きな病気も、ある日、突然発病するわけではありません。「どうも体の調子が悪い」といった自分の体が発している声に耳を傾け、病気の芽を摘み取ることが大切です。未病を治す意味においても鍼灸療法を是非お薦めします。
【最近、色々な患者さんに鍼灸をして感じる事】
痛みが起こる3本柱とでもいいますか… この3本柱の合計が100%になると痛みを発症するんですよ。
1本目の柱は「加齢による腎虚」いわゆる老化です。
これにより瘀血や血虚が生まれ血流やリンパの流れに不具合が 起こり神経伝導の障害が現れる。
(瘀血・血虚とは血液の流れが滞ったり、血液が不足している 状態を東洋医学的な考えで表している言葉です)
2本目の柱は「運動負荷による血虚」 これは…いわゆる過労ですね!
酸素消費量の増加に よる相対的な血虚…。
3本目の柱は「風寒湿」これは気候・季節の変動です。
季節の変わり目によく体調を壊す人が多いですが、体が外気に 対応出来なくなっているとこの影響を受けやすくなります。
例えば老人の方だと…
1本目の「加齢による腎虚」が80% 2本目の「運動負荷による血虚」が10% 3本目の「風寒湿」が10% 。これで100%となり痛みが出現するんですね!
例えばこれが「加齢による腎虚」が80% 「運動負荷による血虚」が5% 「風寒湿」が5% だったら 合計が90%なので、なんとなく体調は悪いが、まぁ~ボチボチやってます。…という感じで生活は出来るわけです。
僕ら鍼灸師は勿論、痛みを取る事も仕事の内ですが、出来るだけこの3本の柱の合計が100%にならないように 鍼やお灸を使ってお手伝いしてるんですね!
【月に1回位は 体のメンテナンスに来て下さいね】
…なので、よく患者さんに「痛くなくなっても、月に1回位は 体のメンテナンスに来て下さいね!」と言うような事を言ったりしますが、これは決して営業トークでは無いんですよね!
若い人の場合は運動負荷によるものがパーセンテージの割合を占めている事が多いでしょうが、人の体は皆一様ではないので、若くても腎虚の人もいますから、色々なパターンがあります。
【今、自分の体がどういう状況なのか?】
「加齢による腎虚」が○○%
「運動負荷による血虚」が○○%
「風寒湿」が○○%
大まかな感じでいいので日々の体の状態を把握する事が健やかな生活をする上で重要な事だと思います。
《鍼灸師が分かりやすく解説します》
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院長
福田 徹 1965年生まれ
2003年 国家資格 鍼師灸師免許取得