「忌む」…という言葉。

そんなに…頻繁では無いんですが…、4~5年に1回ほどのスパンで、患者さんと話しをしている時に「忌む」という言葉が頭に浮かぶ事があります。

忌野清志郎さんの「忌」…。忌引きの「忌」…。辞書によると「不吉(ふきつ)な事や、穢れた事として、嫌って避ける。」とあります。

漢字だけを見ると「忌」って「己」の「心」と書いて、…「忌」。

己の心が、そんなに不吉なのか?避けなければいけない、穢れたものなのか?…って思っちゃいますが…「忌」って「恐れる」の変形と考えてイイようで、「己」は「忌」の意味には関与しないんだそうな…。

さて、話しを元に戻して…

患者さんと話しをしている時に「忌む」という言葉が頭に浮かぶ…という件ですが、「時々、この患者さん…、病気を不吉な事や、穢れとして捉えてるなぁ~」って感じる患者さんに出会う事があるんです。

まぁ~確かに「健康でいたいですか?…それとも、病気になりたいですか?」と問われると、誰しも100%「健康でいたい」と答えるでしょう。

そんでもって…、不吉な事を言葉にすると、それが現実になると言うような、言霊信仰が日本にはあるので「病気=穢れ」と捉え、「言葉にするのもおぞましい…」と思っている人がいても不思議はないですね。それと、病気には伝染する病気もあるので、穢れや不吉な事が伝染する。…だから、恐れる。…忌み嫌う。…という考えが、その人の中で構築されているんでしょう。

まぁ~信じる…信じない…は個人の自由ですし、病気を不吉とか穢れと捉えるのも個人の自由でしょう。

でもね…

病気になる原因を知ろうとしない…というか、原因に目を向けないで、病気を事象と捉え、穢れや不吉な事として遠ざけていては、治るモノも治らない…と思うんですよね。

病気には遺伝的な病気もあれば、生活習慣などが原因のモノもあり、病気が遺伝する確率は50%といわれています。

なので、病気を忌み嫌う前に、修正出来る生活習慣を、もう一度見直す必要性を感じる事があるんですよねぇ~。

それと…

病気を忌むモノと捉えている人の特徴として、病気を忌むと同時に、病気になっている人も忌む傾向にあるような気がするんです。

伝染しない病気ですら、穢れと捉えて、病気になっている人を穢れた人として遠ざける…。もしくは関わらないようにする。病気を穢れと捉え忌む人の中には、そんな人もいたりします。…そこまでいっちゃってる人は、正直言って、「もう…どうしようもないなぁ~」って思っちゃいますが…

もう亡くなっちゃいましたが、以前、鍼灸の勉強会を主宰されていた先生が、「病は気づき…」という事を、よく話されていました。病気になる事は嫌な事ではあるのだけれども、病気になる事で、健康のありがたさを感じたり、今まで無理な生活をしていた事に気づいたり…、もしくは、命の尊さや、命のありがたさに気づいたり…。

…そう考えると、病気というモノは、忌むモノではない…と思えるんですよねぇ~。

あぁ~そう言えば、漫画『ONE PIECE』に出てくる、世界を支配する真の最高権力者の名前は「イム様」でしたね!…この「イム様」って「忌む」って言葉と掛けてたりするのかな?…(^^;)

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