先日、鍼灸仲間からの年賀状に「ちょっと学会から距離をおこうかと思います…」というメッセージが書かれていたんです。
僕は学会というモノと関わりを持たなくなって、随分と時間が経ちますが…
人って、個人個人で話す分には、何も問題無くコミュニケーションを取れていても、集団になると、なんか…ギクシャクする事が多くなるものですよねぇ~。
こんな僕が言うのも何ですが…、
「学会や流派に固執して…、何の徳があるんだろうか?」って思うんですよねぇ~。
技術に拘りを持つのは良い事だと思うんです。
拘りを持つのなら、集団や流派ではなく、人を治療して治す事に拘った方が、治療家冥利につきるんじゃないでしょうかねぇ~。
まぁ~…「拘る事」と「固執する」の違いで、随分、心が解放されたり、また反対に肩身の狭さを感じたりするんじゃないでしょうか…。
僕は、金子みすゞさん じゃないですけど…「みんな違って、みんないい。」…これで良いと思うんですよねぇ~。
なんとなくですが…、学会とか流派って、全てがそうだとは言いませんが…、自分達のやり方の正当性を主張する感じが強くて、自分達と違うモノは認めない…的な側面を持ち合わせているようにも思えるんです…
面と向かって相手を否定する事は無いのかもしれないけれど、…話しを聞いてると…、話しの言葉尻で、やんわりと相手を攻撃する…、みたいなね…(^^;) 僕は、過去…そういう場面に出くわす事が多かったので、なんとなく学会や流派から足が遠のいていったんですよねぇ~。
技術に拘りを持っている人達の集団が流派なのかも知れないし、学会は皆が意見を出し合い、切磋琢磨する場所なのかも知れないけれども、集団になると色々な人が集まるわけですから、一癖も二癖ある鍼灸師をまとめるには、相当、癖の強い人がリーダーシップを取らないと、集団としてまとまらないんでしょうねぇ~…(^^;)
…癖の強い人がリーダーシップを取り始めると、自然と集団のリーダーがカリスマ化されていき、周りに集まった人達が、リーダーを持ち上げる比較対象として、他流派…他学会を批判し始める。
…そんでもって…時代が変わるごとに、その集団のリーダーの世襲化が始まり、親から子へ…子から孫へとリーダーが変わり…、集団が形成されていく…
…どこぞの政治家や宗教家と同じような流れが形成されるわけですよねぇ~…(^^;)
鍼灸の世界に限らず、宗教だったり…、会社だったり…、国だったり…、集団を束ねる時って、共通の敵を作って、団結を促す手法がとられたりしますが、これって…その集団にとっては、既に崩壊の予兆とも言われますよねぇ~。
でも…、以前、京セラの稲盛さんがTV番組で…「人の意見ばかり聞いていたら、物事は先には進まない…」というような事を言われてましたが…、確かに、今の日本の首相である石破さんをみてると、人の意見ばかり聞いているような気がしますしね…。もっと我を通せばいいのにって思います。
まぁ~…人の意見を聞く事と、我を通す…っていうバランス感覚が無い人はトップに立つべきでは無いと思うし…、集団を維持したり、集団を束ねるのは、本当に難しい事だと思います。
…あっ!…話しが脱線してしまいましたね。…(^^;)
僕が思うに…、技術を習得したくて、流派や学会で基礎と手技を学んだ後は、個人で技術を磨いていけばいいと思うんです。…所謂、修破離…ですわぁ~(^^;)
僕の考えとしては…、弟子とか師匠とか、先輩とか後輩とか、年齢差関係なく、鍼灸を志している仲間というくくりで、杯でも交わしながら「こんなやり方があるんだよ!」「へぇ~~~そうなんですねぇ!それ面白いですね!そのやり方…教えて下さいよ!」…ってな感じで、意見交換を気軽に出来るような人間関係を築いていれば、学会や流派に所属しなくても、鍼灸師として良い治療家人生が送れると思うんです。
…まぁ~人って、先輩面…師匠面したくなり、マウントを取りたがる人も多いから、この考え方は、現実には無理があるのかもしれないし…、ただの理想なのかも知れないですけどね…(^^;)
「仲間意識が仲間はずれを作り出す」っていう言葉も、どこかで聞いた事があるけど、○○学会とか○○流という流派は、ある程度、仲間意識の絆のようなモノも求められたりしますよねぇ~。
その集団に所属して、異を唱えるというか…、違う事を言いだすと、仲間はずれにされるか、相手にされなくなり、…その集団での居場所がなくなる。
こういう事って集団では、よく起こる事だとは思うんですが、決して褒められた事では無いと思うんですよねぇ~。
ただ…、ムッシュかまやつさんも…『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』という曲で
♪君はたとえそれがすごく小さな事でも、何かにこったり狂ったりした事があるかい…♪ たとえばそれがミック・ジャガーでも、アンティークの時計でも、どこかの安い バーボンのウィスキーでも…♪
そうさ、何かにこらなくてはダメだ…♪ 狂ったように、こればこるほど、君は一人の人間として、幸せな道を歩いているだろう…♪
…って歌ってます。
僕は、この歌詞が好きで、時々、ギターを持って口ずさんだりするんですが…、人生を生きていく上で、拘りは必要だと思うんです。
でも…『拘り』が、いつしか『固執』に変化し始めるとヤバイですよねぇ~。自分の考えを押し通したり、他人の意見に耳を貸さず、自分の意見を主張して譲ろうとしなくなったりすると、歴史上の人物を振り返ってみても、拘りが固執に変わると結果的に、ろくな事はないですよねぇ~。
…なんて事を、鍼灸仲間の年賀状を見ながら思った次第です。