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鍼灸って進歩してるんですか?…
治療を受けてる患者さんから、会話の中で素朴な疑問を投げかけられたんです。
「先生!…よく…医学は進歩してるから…とか…、新薬の開発とか…、ロボットアームを使って遠隔で手術をするとか…、内視鏡とか…、昔はできなかった血管内にカテーテルを入れてバルーンを膨らます…。とかをニュースで聞きますけど、鍼灸って、新しい発見とか、進歩ってあるんですか?」
う~~~ん…ホントに素朴な疑問…(^^;)
営業トーク的には「鍼灸も進歩してますよぉ~!」と言いたいところですが、僕の答えは「否!」です。
現代医学は、これからも、まだまだ進歩を続けていくでしょう。
これは…
裏を返せば、現代医学は進歩していかないといけない運命を背負っているとでも言いますか…、「長く生きたい!」「病気は『悪』なのでやっつけたい!」「死ぬまで健康でいたい!…なんだったら、死にたくない!」という、欲望?というか…野望?に近い人の不安な気持ちを、一手に引き受けているのが現代医学だからです。
所謂、昔は呪い(まじない)や祈祷で不安感を払拭していたんですが、時代の変化により「呪いや祈祷など非科学だ!…今からは科学の時代だぁ~!」と言う事で、呪いや祈祷を排除して、人の不安感を一手に引き受ける事になったのが科学や現代医学なんですよねぇ~。
だから、これからも、ナノテクノロジーとか、遺伝子操作など…、未知なる領域に足を踏み入れ、現代医学は進歩を遂げて行くと思います。
…進歩を遂げるとは思いますが、進歩を遂げた先に、人間の幸せがあるか?…どうかは、分かりません。病気が治るのは良い事だし、長生き出来る事も良い事なんだけれども、表があれば裏があるように、進歩する事での弊害も必ずあると思うので、進歩することが全て良い事だとは思えないんですよねぇ~。
「鍼灸で新しい何かが開発されたり、進歩してたりしてるのか?」…という患者さんからの問いですが…
「否!」
…です。
理由は「鍼灸は現代医学と違い、進歩の過程ではなく、進歩し終えた治療方法だから!」
こんな事を言うと、他の鍼灸師から「そんな事は無い!科学的にツボの効能とか、ツボへの刺激が脳の伝達物質に作用して…とか、今まで分からなかった事が大学のとか研究機関の研究で発表されたりしてるぞ!お前が知らないだけで進歩しているんだ!」って言われそうですが、それは進歩ではなく、証明されたに過ぎないんですよねぇ~。
多分、どこかの鍼灸師が「この方法は新しい方法です!」と言って、広告宣伝に使ったり、学会で発表したりしても、それは以前、誰かが試してやっている事だと思うんです。
まぁ~それだけ、長い年月をかけて、試されてきた治療法が、鍼灸であったり、漢方であったりするって事です。
なので…鍼灸や漢方は「新たに!…」ではなく、過去、数千年もの間に、色々な人が試していた事などを、現代の病気や症状に当てはめて、身体を健康体に近づける…。例えて言うなら…、ジグソーパズルのピースをハメ合わせるかの如く「現代人が忘れていた方法を思い出して治療法を蘇らせて治療する。」…そんな感じに近いのではないかと思うんです。
そうですねぇ~…
生活に根付いている事に例えるなら…。
皆さんは宗教に何か…進歩を求めますかねぇ?
多分、一般的な宗教には、新たに進歩って、求めてないと思うんですよねぇ~。
鍼灸とか漢方と一緒で、もう宗教は、過程的に進歩し終わったモノだと思うんです。まぁ~時々、新興宗教のようなモノが出てきたりしますが、そういうのって、まだ熟成されてない感じは否めませんよねぇ~。
まぁ~それはさておき…
鍼灸は鍼を刺したり、お灸を据えたりするイメージですが、基本的に身体を健康な状態にする事を目標に身体をサポートしていく上で、鍼とか灸を使うわけです…
鍼灸が効く…効かない…は、その患者さんの身体が、どれだけ強いか?弱いか?によると思うんです。
「進歩するから良い!」…「進歩しないのはダメ!」ではなく…
身体のあるべき姿というか、普段から、どのように身体を維持すべきか?…を生活の中で見つめ直して、鍼灸や漢方など、先人達の知恵を拝借しながら、自分で出来る事は自分で…。自分で出来ないような事になった場合は、進歩し続けている現代医学の力を借りて、身体を健康な状態に近づけるのが理想だなって思います。
しかしながら…
現在は「医療が進歩しているから大丈夫!」…という過信。もしくは…「ちょっとした事でも、すぐ病院に!」が合い言葉のようになっているような気がするんですよねぇ~。
多分、現代人は自分の身体の事は二の次で、「アレをやらねば!」「コレをやらねば!」…と健康であるための日常生活の大切さを忘れてしまっていると思うんです。
昔の人は、医学の発達が今ほどではなく、医学の恩恵にあずかれない事が多いので「病⇒死」という考えが強いから、まずは自分の身体の事を第一義としていたと思うんですよねぇ~。
鍼灸は、そういう時代の医学なので「健康など二の次だ…」という現代人の生活に適応しているか?…という事で言えば、現代人の生活や、考え方には不向きなのかもしれません。
ただ…、人という生き物は、自然の流れに逆らって生きていけるほど強くはないので、生活習慣の改善が、病気を治すキーポイントだったりする事は多々あるんですよ!
生活習慣を改善する事で、病気を治せる段階を、東洋医学では『未病』と言っているんだと思うんです。
未病の段階なら、鍼や灸や漢方薬で、健康体へ後戻り出来るのだけれども、この未病の段階を無視して、生活改善もせず、鍼や灸や漢方薬に頼る事もなく、身体を酷使すれば、結果的に、進歩し続ける現代医学に頼るしか術が無い状態になってしまう。…まぁ~所謂、大病を患う…という状態になってしまうわけです。
現代医学が悪いと言っている訳ではないんですよ!…勘違いしないで下さいね!…(^^;)
ただ、何事も、大変な事になる前に、対処していおいた方が良いっていう話しです。
名護屋と名古屋…♪
先日、唐津のちょっと先…、呼子のもうちょっと先にある、名護屋城跡で行われた『名護屋城大茶会』に行ってきました。
目的は…「人気歴史学者3人による名護屋城トーク会」と「神田伯山独演会」
人気歴史学者3人とは、NHKの『英雄たちの選択』でおなじみの磯田さんと、千田さんと、平山さん…。生で、この神メンツとも言える先生方の話が聞けるなんて!
しかも、午後からは神田伯山さんの講談も聴けるなんて!…伯山さんの講談を聞くのは2回目だけど、福岡での独演会はあっと言う間に完売するから、なかなか行けないんですよねぇ~。
ラッキーにも、抽選の応募に当たったのと、伯山さんのチケットも買えたので、こんな機会は二度と無いかも!…って思い、迷う事なく「いざ!唐津は鎮西へ!」と馳せ参じましたよ!
人気歴史学者による名護屋城トーク会…いい話が聞けて面白かったです。
トーク会が終わって、名護屋城跡をプラプラと散策してたら、裏千家の方達が野点をやっていたので、抹茶を頂きました。
抹茶は子供の頃から飲んでるので、今でも自分で抹茶を点てて飲むんですが、なにぶん我流で、今までプロ…というか、表千家とか裏千家とか…、所謂、お手前って言うんですかねぇ~…お茶をたしなんでらっしゃる人が点てる抹茶を飲んだことが無かったので、野外だし…もしかしたら、戦国の武将達もこの場所で野点したかもしれない場所で、ホンマモンの抹茶を飲むのもいいかなって…♪
いやぁ~クリーミーで美味しかったですぅ~。
僕が茶を点てると、抹茶の粉がダマになっちゃう事が多いから…こんなクリーミーに仕上げるには、茶こしで細かくこせば、こうなるかもなぁ~。…なんて思いながら頂きました。いやぁ~…勉強になりましたゎ!
その後、名護屋城博物館に金の茶室があるという話しだったので、見に行ったら、なんと…金の茶室が展示されている横に、磯田さんと平山さんが座ってらっしゃったので、チャンスとばかりに、名護屋と名古屋の違いについて質問してみたら、凄く丁寧に説明してくれましたよ!
※愛知県名古屋市より、こっちの名護屋の方が古いって事と…
※名護屋って昔から地名があり、室町時代の頃には朝鮮との貿易がこの地で行われていたとか…
※名護屋という一族がこの辺りをおさめていた…とか
※磯田さん曰く、諸説あるんだけど、名護屋には「波を越える」っていう意味があるみたいですよ!って言われてました。
※愛知県の名護屋は…コレも諸説あるんだけど、昔は那古野っていう字が使われていたとか、気候が和やかだから「ナゴヤ」になったとか…
この話し…しようかと思ったんだけど、ちょっと長くなるし、話しがズレるから、どうしようかと思っていたんだよねぇ~…って仰ってたんですよねぇ~。
ただの通りすがりの一般人からの質問だったんですけど、凄く丁寧に説明してくれました。
直接、話ができたなんて…なんて良い日だぁ~~♪ ラッキー♪
今度、NHKの『英雄たちの選択』で名護屋城を特集してくれないかなぁ~。
テレビで見ている磯田さん、平山さん…は、あのキャラのまんまでした。…千田さんは、その時はいらっしゃいませんでしたが、博物館の展示物を見た後、チラッと磯田さんと平山さんがいた場所を覗いてみたら、千田さんも座ってらっしゃって、雑談されてましたよ。
その後、神田伯山さんの講談を聴いたんだけど、三席目の仇を恩で返すという人情話…『無筆の出世』という講談…。良かったなぁ〰︎。
伯山さんの講談を聴くのは、今回で2回目ですが、機会があれば、また聴きたいなぁ〰︎♪
いやぁ〰︎本当に…夢のような1日でした♪
早起きは三文の徳
先日、いつもより1時間ほど早く起きなければ、いけない日があって…
自分自身に「早起きは三文の徳!」と言い聞かせて、布団から起き上がったんですが「そう言えば…三文っていくらなんだろうか?」…って思ったんです。
確か…、昔のお金は…「両」とか「銭」とか「文」っていう単位だったよなぁ~。
「文」って安いイメージだけど…三文って…現代の貨幣価値でいくらなんだろうか?
そう言えば…三途の川の渡し船の、渡し賃は六文銭だと、誰かが言ってたし…
三途の川の川幅がどれくらいの距離なのかは分からないけれど、福岡で身近な渡し船と言えば、姪浜~能古島へ行くフェリーだよねぇ~。片道、およそ10分で、確か…230円だったよな…。博多港から志賀島は片道30分くらいで、料金は500円くらいだったっけ?
渡し賃だけで考えると六文が200円~500円くらいかな…(^^;)
だとすると、早起きは三文の徳の三文は、現代のお金では、およそ100円~250円って事か?
「…ん?でも…三途の川の渡し船の、渡し賃は六文銭…。文銭?…文と銭が一緒になってるぞ!?」
どういう事だ?
チョイと調べてみたら、鎌倉時代~江戸時代にかけて、呼び名が少しずつ変化してるみたいですねぇ~。それと、真田の家紋の六文銭も、なにやら…六文銭ではなく、六道がどうのこうの…と言うのが本当らしい…。ややこしいなぁ~(^^;)
調べてみても、時代の違いで価値も変わってきますし、色々な説があるので、どれが正しいのか分かりませんが、江戸後期の職人さんと、米の値段で比較して算出すると、職人さんの現代の賃金での算出は一文、47.6円なんだそうな…。
で…、お米では一文8.8円なんですって!でも今、お米は値上がりしてるから8.8円じゃないでしょうねぇ~。
なんいせよ…早起きすると、焦ったり、急いだりしなくていいから、少しだけお得感を味わえる…。そんな感じなんでしょうねぇ~。
便利さを求めたら、必ずどこかにシワ寄せがくる…
よく「便利は不便…」という言葉を耳にしますが、便利さを追及すると、必ずどこかに不便が生まれる…。
便利さも、ちょうど良い塩梅で止めときゃいいのに、ドが過ぎた便利さを求めると、必ずどこかにシワ寄せがくるって、リアルに感じるようになりました。
今朝、NHKの『あさイチ』を見ていたら、テフロン加工のフライパンの話しをしていたんですが、テフロン加工のフライパンの買い換え時って2~3年らしいんですね!?焦げ付かないので便利なんだけれども、結局、ゴミが増えるって事だよねぇ~。再利用とかリサイクルとか言ってるけど、全てが再利用・リサイクル出来てる訳ではないと思うんです。
そう言えば、先日…「今後、AIの普及で電力不足となり、原発が必要…」ってニュースで言ってたなぁ~…。AIってそんなに必要ですか?今後、AIに仕事を奪われる人が大勢出てくるんでしょ!?…何だかんだ言いながら、原発を再開したいんだろうなぁ~って図式が思い浮かびます。結局、原発の再処理問題って何も解決してないよね!
あっ!そうそう!
先日、運転免許の更新の為に講習受けたんですが、その中で電動キックボードの説明を受けたんです。「環境への優しさとコストパフォーマンスの高さだとか…手軽な乗りやすさが…とか、世界中で急速に普及してるから…」という理由で普及してるみたいですが、そんなのに乗るくらいだったら「歩けよ!」って言いたくなるんですよ!
僕は鍼灸師だから「人が健康でいるためには…」っていつも考えてるんです。人が健康でいるためには動かないとダメなんですよね!人って歩かないと健康を害するんですよぉ~!…少し楽して移動したいのであれば自転車でいいじゃない!
やはり、便利さを求めると絶対と言っていいほど、シワ寄せがくるんですよねぇ~。
ただ、そのシワ寄せは、今ではなくて十数年後…数十年後…もしくは未来の人達に先送りされるから「今は便利さだけ享受出来ればいいや!」的な自己中な考え方で便利さを追及してるから、「喉もと過ぎれば熱さ忘れる…」というような感じで、いつしか慣らされている。
…そんな感じがするなぁ~。
憂うのは、ホントに面倒くさいけど…、最近、憂いたくなるような事ばかりで、「はぁ~」(-_-;)…って溜息が出ちゃいますねぇ~。
景気も良くならないし、政治家も自分が目立つ事しか考えず、目先の手柄ばかり追及しようとするし…。あっ!これ…前原さんの事ね!(^^;)
森卓さんの『ザイム真理教』を読んでると、この先、この国は、お先真っ暗って感じがするなぁ~。もう落ちるところまで落ちて、一揆でも起きない限り、何も変わらないんじゃないかな?…って思える今日この頃ですよ。
深谷伊三郎さんの『お灸で病気を治した話』
いつも腰痛の治療で来られている患者さんが「年末から鼻炎が続いて、耳鼻科に行ったら手術した方がいいと言う事になって、先日、副鼻腔炎の手術をしたら『好酸球性副鼻腔炎』という難病指定の病気らしいんですよねぇ!だから定期的にステロイドの薬を飲まなきゃいけないらしいんです。」…と仰ったんです。
好酸球性副鼻腔炎?????
漢字だけで判断すると、好酸球が原因で副鼻腔が炎症を起こすって事なのか??
好酸球って…たしか、白血球の分類だったよなぁ~…寄生虫やアレルギーの抑制に働くって授業で習った覚えがあるけど、その…免疫システムの一部である好酸球が副鼻腔炎を起こす…。…って事は免疫システムの異常って事か…。だから難病指定なのね…。
…って色々と調べていたら「好酸球性副鼻腔炎は、両側の鼻にポリープ(鼻茸)が多発する慢性副鼻腔炎で、難治性の病気です。」と表記されてる文章にでくわし、「あぁ~…好酸球性副鼻腔炎って鼻茸の事なのね!」って認識出来ました。
鼻茸かぁ~…
そう言えば、僕が鍼灸の専門学校に通っていた時の担任の先生が話しの中で、自分が鍼灸師になろうとしたキッカケとして、御自身が鼻茸に悩まされ鍼灸院でお灸をしてもらったら改善した事がキッカケで…鍼灸師になったって話されてなぁ~って事を思い出したんです。
ただ、どこにお灸をしたのか?…話されていたとは思うんですが、話しを聞いたのは22年以上前の事なので覚えてないなぁ~。
鼻茸の治療に関して書いてある本…
あったっけなぁ~??
…と、本棚から本を引っ張り出して見ていたんですが、鼻茸について書いてある本を持ち合わせていないんですねぇ~。
じゃぁ~鼻茸というワードに囚われず、鼻の不具合としてのアプローチではどうだろうか?…と、深谷伊三郎さんの『お灸で病気を治した話』を手にとって、パラパラとページをめくっていると第2集の『蓄膿症』に目がとまったんです。
『上星』というツボを使うんですが、上星の場所の周りを押してズーンとくる所がポイントらしいんですよねぇ~。
なので、先日、その患者さんが、腰痛治療で来られた際に、鼻の状態を尋ねたら「鼻の詰まりが取れない…」との事だったので、頭のお灸の話しをして、頭皮へのお灸だから多少…1~2本、髪の毛が焦げる事があるかも知れないし、お灸をした場所に一箇所だけ瘡蓋が出来るかも知れませんが、やってみますか?…と尋ねると「やってみたい!」と仰るので、上星へのお灸をしたんです。
深谷先生が書かれている通り、患者さん曰く、教科書通りの上星の位置を押しても、ズン!という感じは無いそうなんですが、上星の右側を押してみるとズンと響く場所があり、そこにお灸を据えると、患者さん曰く「熱さがツーンと詰まっている鼻にきて、ス~と鼻が通るようになった。」…との事。
同じ患者さんが1週間後に来院された時に「先日の頭のお灸…どうでしたか?」と聞いてみると、「あっ!あれから鼻の通りがイイ感じですよ!」と言われてました。
おぉ~~~!深谷灸法…凄ぇ~~~~♪(^^;)
深谷さんが「蓄膿症は体全体を整えないといけない」って書かれてましたが、好酸球性副鼻腔炎は免疫システムの異常であるならば、鼻の異常と捉えるのはなく、体全体を整える事が重要なんでしょうねぇ~。
この、深谷伊三郎さんの『お灸で病気を治した話』は、僕が鍼灸の専門学校に通ってた時に、バイト代をつぎ込み、通販で買った本で、結構…今でも、この本に助けられている事って多いんですよねぇ~。鍼灸学校に通っている学生さんには必修アイテムと言っても過言ではないと思いますよぉ~。
因みに…御存知の方も多いと思いますが、この深谷伊三郎さんって、落語家の立川志らくさんのお祖父さんです。