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現代医学と東洋医学の活用法の順番が間違ってるなぁ~…て思う。
鍼灸院に来られる患者さんが、鍼灸院で治療を受けようと決意するまでの行程として…
まず…患者さんが体の不調を感じて…
病院に行って、検査して…薬をもらって…
そこで治ったなら「あぁ~よかったね!…治ったね!」で一件落着。
また…
肩こりや腰痛など、筋肉痛に関しても、病院に行くか…、マッサージに行くか…、整骨院に何回か通う…
それで治ったなら「あぁ~よかったね!…治ったね!」で、またまた…コレにて一件落着。
…けど、治らなかった場合…。
NHKで時々、東洋医学とか鍼灸の特番をやってるし…。鍼とか灸が効くのかな?…でも…東洋医学って何か神秘的だし…、ツボを押してもらったり、刺激してもらうと治るかも知れない。…という淡い期待を持って鍼灸院に来られる。
もしくは、以前、病院に行っても、投薬とリハビリの繰り返しで、症状が改善しなかった経験があるとか…、処方された薬が体に合わず、色々な病院をジプシーの如く渡り歩き、途方に暮れた事がある経験をもつ人は、不信感とはいかないまでも、現代医学に疑念を抱いてたりするので、そんな人が東洋医学や鍼灸に救いを求めたりするんですよね…。
そんな感じで、順序的に…最後に鍼灸院に来られる人が多いですよぉ~…。
まぁ~…コレって…保険でも同じような感じなんです。
保険を使う場合も…、これは大人の事情なのか?…医学のヒエラルキーでトップにいる、お医者さんの権利を守るためか…?保険の管轄官庁が「鍼灸はエビデンスに欠けるから…」と、鍼灸治療を軽視しているからか?…肩コリのような不定愁訴を保険で治療できるようにしたら、ただでさえ逼迫している保険の財源が破綻してしまうからか?
結局…保健医療に関しての鍼灸治療は、色々と条件の壁が高く、一般の人は御存じないと思いますが、保険を使って治療する場合も、最後の選択肢の一つとして鍼灸院に来る。…とう流れになってるんですよね。
ここで、豆知識として…鍼灸院で保険を使う場合なんですが…
保険の基本的な考えとして、社会保険とか国民健康保険とか、いわゆる国民皆保険と言われている保険は、病院以外では使えないのが基本原則なんですよぉ~!
…簡単に説明すれば…、保険は基本的に医者が行う医療の為にあり、医者以外が保険を使う場合は『お医者さんによる適当な治療手段が無い場合に限る』という条件付きなんです。…これは、お医者さんが「もうウチの病院では出来る治療はないよ!…もしかしたら、鍼灸とかで治るかもしれないから、そっちに行ってみたら?」…ってな感じで、お医者さんに同意書を書いてもらわないと、鍼灸院や整骨院では保険が使えないんです。
…まぁ~…お医者さんと提携している鍼灸院や整骨院だと、簡単に同意書を書いてもらう事は可能なんでしょうけどね…(^^;)
平たく言うと…お医者さんが、サジを投げないと代替医療と呼ばれている、鍼灸院や整骨院で保険が使えない。…という事なんですね。
しかも…疾患名が限られていて…「①神経痛 ②リウマチ ③五十肩 ④頚腕症候群 ⑤腰痛 ⑥頸椎捻挫後遺症に限る」…となってます。
なので…これを厳密に守るとするならば、肩こりとか、頭痛とか、目の奥が痛い…とか、…最近、眠りが浅い…とか、背中が痛い…とか…疲れやすい…などなど…etc…。鍼灸院には色々な症状を訴えて来られる患者さんが多いんですけど、百歩譲って、お医者さんがサジを投げて同意書を書いてくれたとしても、これらの症状を保険適応には出来ないって事になりますよねぇ~。
でも…よく考えてみて下さい。
生死に関わる病気は別として…、通常の病気の症状で、お医者さんが「もうウチの病院では出来る治療はないよ!」ってサジを投げると思いますか?…普通に考えて、サジを投げるなんて、お医者さんのプライドが許さないんじゃないかな?
…百歩譲って…現代医学のお医者さんの技術では治せない症状だったとしても…、お医者さんはサジを投げる前に、この薬が効かないのなら、コレはどうだろう?…あの薬が効かないのらば、この薬はどうだろうか?…と大量の薬を処方するはずですよね…(^^;)…そうなると、薬によって体が複雑な状態になり得なくもない…。
患者さん自身も、強い薬は、よく効くモノではあるけれども、体に与えるダメージも大きいという事を理解しておかないと、投与された薬で、体のバランスが崩れるって事も往々にしてあるんですよね!分かりやすい例としては抗癌剤などがそうですよねぇ!…副作用として、元々、体力がある人なら多少のダメージはあっても回復しますが、体力がない人に抗癌剤を使用すると一気に老け込みますよね…。
まぁ~…東洋医学や鍼灸に理解がある、お医者さんならばプライドなど関係なく、同意書は書いてもらえるとは思いますけど…。
この保険の運用順を考えてみても、鍼灸は一番最後になる…。いわゆる駆け込み寺になるような流れで、一番最後に鍼灸院を訪れるようになるわけです。
大まかに分類すると、東洋医学と現代医学は考え方が違うと思っていいと思います。同じ医学ですから考え方が似通ってる部分もありますが、ここでは敢えて、違いを強調したいと思います。
現代医学は患者さんの要望に応えて、即効性を第一義としています。現代人は「早い社会復帰を!」「完璧に治して欲しい!」「すぐに治して欲しい!」「元どおりに戻して欲しい!」…と思っているので、そのニーズに応えようと、新薬の開発や…、手術や技術の向上…、治療に必要な機械や道具などを開発して、最新技術で対応します。
東洋医学は、本来、人間の体が持っている自己治癒力を高めたり、免疫力や自律神経のバランスを取る事で病気と対峙します。(…歴史的にみれば西洋医学もヒポクラテスの時代から、つい最近まで…、今から100年くらい前までは、自己治癒力を高めたり、免疫力や自律神経のバランスを取る事で病気と対峙していました。)
…わざと、違いを強調して説明してますが、現代医学と東洋医学には、こういう違いがあると思うんですよねぇ~。
もう少し突っ込んで言えば…
現代人は、自分の生活パターンを変えずに、病気を治そうとするので、現代医学は、その患者さん達の要望というか、不安に答えるべく、限界ギリギリを攻めるような感じで、病気と対峙して治療を行うんです。なので…限界ギリギリを攻める時、強い薬を使った場合、副作用も起きやすくなります。
現代医学が病気を、どう捉えるかというと…、勧善懲悪というか、悪いモノをやっつけるイメージで病気と対峙してると思うんですよね。なんとなく…ハリウッド映画的な、悪役がいてヒーローが悪役を倒す。「悪者は悪者なんだから、やっつけないとダメでしょ!」…っていう感じで病気を治そうとします。
東洋医学は…身体が、ちゃんと機能していれば病気にもならないし、病気になったとしても、本来持ち合わせている身体の回復力で病気は治せる…。という感じで病気と対峙して治療を行うんです。
東洋医学が病気を、どう捉えるかというと…、病気を日本で言う『怨霊神』のような感じで捉えているようにも思えるんです…。怨霊神って災いをもたらすモノなんだけれども、神として祀る事で災いを収めようとする。…コレが怨霊神ですよね!太宰府の菅原さんもそうだし、崇徳天皇とか、平将門もそうですよね!…興味が無ければ、あまり気が付かない事ですが、『怨霊神』って言葉としては「おどろおどろしい」けど、意外と僕らの身近で信仰の対象になってたりするものなんですよね…。
東洋医学には「病気は気づき…」という考えがあり、病気は嫌なモノではあるんだけども「あなた…そんなに乱れた生活していると、もっと酷い病気になるし症状が悪化しますよ!」…と病気が体に教えてくれるものでもある…。そんな感じで病気を捉えているんですよね。
なので…「病気を一気に叩く!」…ではなく、体の回復力を使って、荒ぶる病気の怒りを収め、病気に対して、ゆっくりと退いて頂く。
…こんな感じが東洋医学の病気の捉え方だと思うんです。
…少し、話しが脱線しちゃいましたが…(^^;)
現代医学の技術って、この百年で凄く進歩してると思うんですよ。だから…正直言って…現代医学って、医療の最後の砦だと思うんですよね!
…最後の砦では、あるのだけれども、医療に関わらず、健康で生きていられるのなら、関わらない方が良い代物でもあります。
東洋医学って基本的に、体をいかに健康的に維持出来るようにするか。人間というか…動物が持っている自己回復力という能力を、いかに維持させるか。…という事をサポートするのに長けている医学なので、順番的には、まずは、鍼灸も含め東洋医学で生活改善をして、患者さん自身が病気にならないような体作りを心がける。
どの病気でも最初は軽い状態なはずなんですよね!
軽い状態だったら体の自己回復力や東洋医学や鍼灸のサポートで病気も治るはずなんですよ!…でも、それを放っておくから症状が重くなり重篤な症状や病気になるわけです。…で…、どうしようもなくなった場合、最後の砦として、現代医学の恩恵にあずかる…。
この流れが、自然な流れだと思うんですけど…
…でも、現代人は「早く治したい…」「無駄は省きたい…」「自分で自分の健康管理なんて面倒くさい…」「なんだったら…自分の健康はAIに管理してもらおうかな…」なんて人もいるかも知れない。…(^^;)
僕が思うに…、たぶん…忙しい現代人の考え方に、東洋医学や鍼灸の考え方はマッチしてないかもしれないけれど、初めてウチの鍼灸院に来られる患者さん達に「この症状や病気に対して、今までどんな治療を受けて来られましたか?」と話しを聞いたりするんですけど…
話しを聞いてると…、病院で処方された薬に頼る前に、患者さん自身が生活改善していたら、こうはなってないだろうなぁ~…って思う事が多いんです。
なんとなくですが、今の医療の流れというか…、現代医学と東洋医学の活用法の順番が間違ってるなぁ~って思ったりするんですよねぇ~。
…追伸
言うまでも無いとは思いますが…、緊急性が高い病気や症状の場合は、この現代医学と東洋医学の活用法の順序は当てはまりませんからね!勿論…緊急性が高い場合は現代医学…一択です…(^^;)
外の世界を見た後は…何かが変わるかも…。
先日…、休日に、とても蒸し暑く…「エアコンの除湿で暑さをしのごう…」とエアコンの除湿のスイッチを押して過ごしていたんですが、あまり除湿効果を感じなかったんです…
「あれ?…エアコン…なんか効きが悪いなぁ~…エアコンの掃除はしてるのになぁ~…」…と思いつつ、所用で数分、外に出て、また部屋に戻ると「涼しいなぁ~」って感じるんですよ…。
結局、エアコンの効きが悪くなってるのではなく、人って、ずつと同じ場所にいると、その効果を感じなくなるって事は、よくある事だと思うんです。そんな感じでエアコンが効いてる事に鈍感になってしまうでしょうねぇ~。まぁ~歳を取り、肌の温度感覚が鈍くなっているせいもあるんでしょうが…(^^;)
まぁ~…エアコンの設定温度を下げてガンガンに冷房を効かせれば、エアコンの効果を感じる事はできますけど、それじゃぁ~寒いしねぇ~。
そんな蒸し暑い日のエアコンの効き具合を感じつつ…
「やっぱ…一度、別な環境に身を置いてみるって、必要な事なのかも知れないなぁ~…」って思ったんですよねぇ~
で…なんとなく、こんな事を考えてみたんです。
よく「外国に行くと、日本の良さが分かる…」と言われます。
治安の良さだったり…、電車が時間通りに来たり…、チップを渡さなくてよかったり…ね。
まぁ~確かに、言語の問題や慣れない環境で、緊張しながらの海外旅行や、海外生活をすると、帰国した時に「日本って良いなぁ~」って思うんでしょうねぇ~。
でも、最近は海外旅行をしない若者が多いと聞きますし…、「海外旅行をしない…」というか、景気の悪さで、海外旅行する事ができないんでしょうしね…。
今はスマホで全てが完結してしまうからか…「海外に行くなんて面倒くせぇ~」…って、ネットの世界で満足してしまっているのかもしれません…。
今の日本って「米が高い!」…とか、「景気が悪い」…とか、「物価が上昇しすぎ」…とか、「労働賃金が低すぎる…」とか、色々な不満が溜まって爆発寸前…って感じですが、もしも、日本人がどんどん海外に行って戻ってきたら「日本って良いなぁ~」って思って、景気の悪さも…、労働賃金の低さも…米の値段の高騰も…、全てを受け入れるのかも知れませんねぇ~。……まぁ~そんな事は無いか…(^^;)
でも…外国って言っても色んな国がありますから…、物価が高くても、経済的に安定している国に行ったとしたら、「なんで、この国は物価は高いけど、皆が潤った生活をしていて、庭が広い良い家に住んでるんだろう?…あぁ~給料も日本に比べると高いし、この国の政治がちゃんとしてるんだ!」って分かって、日本に帰国したとしたら…
「日本って変な国だな?…なんだよ!この国…、ふざけんなよ!」…って気持が、いっそう高まって「政治がダメなんじゃない!?」って、今以上に不満が爆発するかもしれないなぁ~。…とも思いますね。
ずっと同じ環境で過ごしていて、外の世界を知らずに生活していると、今の状態が良い状態なのか?悪い状態なのか?…それすら判断出来なくなってしまうんでしょう。そういう状態が、今よく言われている「日本の失われた30年…」ってヤツなんでしょうねぇ~。
先日、HDに録りだめてた映画で、マイケル・ムーア監督の『華氏119』という映画を見たんですが、その中で、ある女性が「選挙の狂人の定義とは、同じ候補を何度も当選させて、国が変わると期待する事…」って言ってたのを聞いた時に、日本の政治家の顔が、いくつも頭に浮かびました…(^^;)
まぁ~…外国と言っても、色々な国がありますから、行く国によって、どう感じるかがポイントなんでしょうけど、スマホやネットで全てが完結している世界で生きてると、今の現状が良いのか?悪いのか?すら判断できずに、選挙に行ったとしても、美醜で判断するか…、嘘つきにすぐ騙される…。そんな世の中になっちゃうんでしょうねぇ~。
『からだと病気のしくみ講義』という本を読んでみた…
今年の5月に本屋のレジ横の棚にNHK出版が出している、『学びのきほん』というムック本を見つけたんです。手にとってパラパラとページを開いてみると、小一時間くらいで読めそうな文字数…。
まず最初に思った事は…「読みやすそうだな…」…(^^)
シリーズとしては健康の事だったり、宗教の事だったり、料理の事や、美術の事や、哲学の事…etc
色々な題材があった中で最初に手に取ったのは『からだとこころの健康学』という本でした。…1冊¥670なので、もう一冊くらい買おうかな…と物色して買ったのが『からだと病気のしくみ講義』。この2冊を購入しました。
『からだとこころの健康学』稲葉俊郎(著)についての感想は先月のブログに書いてます。
で…
今回、読んだのが『からだと病気のしくみ講義』という本。
読んでみると「心臓から出た血液が体を1周して戻ってくるまで20秒かかる…」とか、「静脈は動脈と違って硬化することはありませんが、血栓ができることはよくあります…」とか、「心臓と脳が特に低酸素に弱い臓器…」とか、「太い動脈に二酸化炭素濃度を感知するセンサーがあり、二酸化酸素の濃度が高くなると、息を吸いたいという感覚が働くようになってる…」とか、学生の頃、解剖学や生理学で学んだ事の復習的な事や、医学の豆知識が関西弁の口語調で書かれているので、親しみやすさを感じるんですが…
読んでいて、ふと…思ったんです。
この関西弁の口語調での医学の豆知識の解説…。この人の本…以前、読んだ事があるような気がする…。
…と、著者の名前を見てみると「仲野 徹」と書いてある。
あぁ~あの人か…
勿論、会った事はありませんが、7~8年前に、この人の本を2冊、読んだことがありました。
最初に読んだのが『こわいもの知らずの病理学講義』という本で、大阪大学医学部の講義の内容を書籍化した内容でした。多分、この本が売れたんでしょうねぇ~、二匹目のドジョウ…ってな感じで、翌年に『あまり病気をしない暮らし』という本が出てたので、これも読んだんですが、この本に「代替医療を疑え」というタイトルで、癌の代替療法とか民間療法のリスクについて書かれていました。
以前にもブログで書きましたが、僕自身の考え方として、癌のような大病の場合は科学的根拠が提示されている治療を軸にして、そのサポートとして鍼灸治療を活用すべきだと思っていますし、決して鍼灸のみで治そうなんて思ってはいけないという考えです。
ただ…、『あまり病気をしない暮らし』という本の「代替医療を疑え」という文章には…
「癌のように放置すると死に至る可能性が高い病気において、エビデンスのない治療法に身をゆだねるのは、あまりにも危険だと思われませんか?」
…と警告を促す姿勢をとりながら…
「他の治療法がないと診断されたので代替医療を、という人もおられるかもしれません。その心情が理解できないわけではありません。しかし、ほとんどの医師は、たとえ自分がそのような状況になったとしても、代替医療に大枚をはたいたりしたりはしないでしょう。」
…と御自身が、医学会・医者の代表者の如く、医師は代替医療を選択しませんよ!と、代替医療をヤンワリと否定され、医師が行う行為は常識的な行為であり、それ以外の行為は非常識ですよ!と言わんばかりの文章に「…ん?」と、…嫌ゃ~な感じがしたのを覚えてます…(-_-;)
なので、著者の名前を見た時に「あぁ~あの人か…」と、なったわけです。
それで…もう一度、どんな事が書いてあったか確認してみようと、本棚から『あまり病気をしない暮らし』を引っ張り出して「代替医療を疑え」という項目を読んでみると…
「標準医療と代替医療の違いは、医学的な裏付けがあるかどうか、すなわち、治療についてエビデンスがあるかないか、です。」
…って書かれてました。…出たな!エビデンス星人!!!…(^^;)
結局、この人の本を3冊読んだ事になるんだけど、関西弁の口語調で医学の豆知識を紹介されているので、親しみやすく読みやすいのですが、この著者の特徴として、ちょいちょいディスりが入るんですよねぇ~。
先日買った『からだと病気のしくみ講義』を読んでいても、著者が理解できていないものに対して「よ~うわからん」と口語調で書きながら、分からないモノをディスる…所謂…disrespect(軽蔑)するんですねぇ~。
本の内容としては勉強にもなるし、関西弁で親しみやすいのだけれど、読んでいて「よ~わからんならディスるのやめなさいよ!」って言いたくなります。知らないものは「知らない」で終わればいいのに、この人は、あえて自分が理解していないモノ・理解出来ないモノを否定の対象としてディスるんだよなぁ~。
まぁ~…これって、エビデンス星人の特徴的行動パターンでもあるんですけどね!…(^^;)
でも、多分、この人は「ディスりが嫌だったら…、俺が嫌いだったら読むな!」って言うと思うんだけど、まぁ~…買ってしまったモノは、しょうがないし…勿体ないから、読むけどさ…。このエビデンス星人の論調ってウンザリしちゃうな…って思います。
以前読んだ『あまり病気をしない暮らし』の中で、この著者は若い頃、ノーベル賞を受賞された本庶 佑さんの研究室で助手をしていたと、御自身の経歴が書かれていました。
ノーベル賞を受賞された先生の元で助手をされていたという輝かしい経歴をみるに「科学こそNO.1だ!」という自負というか、承認欲求が強い人なんだろうなぁ~。だから自分が理解出来ないモノをディスる事で自分の正当性を高めようとしてらっしゃるんでしょうねぇ~。
多分…この人、エビデンス星からやって来た、エビデンス星人だと思います…(^^;)
コレを読んでる人の中には「お前も、この著者をディスってるじゃん!」って言う人がいらっしゃるかもしれませんが、まぁ~それは、お互い様だと思いますよ…(^^;)
侵略戦争をしている、どこかの国の大統領じゃあるまいし…、故意に外敵を作って自分の正当性を強調する論法はもう古いって…!地位も名誉も権力もある人が、わざわざディスる必要はないと思うんですけどねぇ~!
出たなぁ~!エビデンス星人!
エビデンス星人に面と向かって「鍼灸って科学的根拠はあるの?」などと聞かれた事はないけれど…(^^;) 時々、雑誌や本を読んでいると、紙面に書いてある文章の内容から「あっ!この著者とか、この対談相手って…エビデンス星人だな…」って思う事があります。
エビデンス星人とは…
事あるごとに「それってエビデンスは?科学的根拠は?…科学的根拠がない治療なんて信じるに値しない…。」と、水戸黄門の印籠を出すかの如く、声高に科学的根拠を求める人。
(エビデンス星人=僕が作った造語です。…(^^;))
エビデンス星人って、現代医学の研究者や医者の中にいたりします。…また…、そういう人達が著名な人だったりすると、影響力がある分、厄介なんですよねぇ~。
所謂、代替医療と言われている医療を非難する場合、もしくは現代医療との差別化を明確にしたい時…、現代医療が最新で…最良で…最高で…ワンダフルで…アメイジングで…ファンタスティックで…マーベラスだと、マウントを取りたい時に、現代医療側の人がよく使う言葉ではありますね…(^^;)。
鍼灸はカテゴリーとしては代替医療に含まれるので、鍼灸師の僕は、この「エビデンスは?科学的根拠は?」という言葉に、とても敏感に反応しますし、正直言って嫌気がさす言葉でもあります。
「あっ!出た出た!エビデンス星人が何か言ってる!」って感じ…(^^;)
このブログで何度も書いてますが、鍼灸は『科学的根拠』という言葉が生まれる以前の医療ですし、鍼灸の刺激量を数値化する事も出来ませんしね…。科学的根拠というのは現代医学の中で通用するルールで、鍼灸は科学的根拠を提示するというルールには、そぐわない医学だと思うんです。
「科学的根拠がある事=良質・科学的根拠が薄い=悪質」と、二元論で解決するほど、人の身体って、そんなに単純じゃないんですよねぇ~。
エビデンス星人ってステレオタイプなんだろうなぁ~
例えば…同じような道着を着ていても、空手と柔道ではルールに大きな違いがあるのと同様に、人の病気を治す医学ではあるんだけれども、現代医学と東洋医学…、主に現代医学の科学的根拠を主張する人達の考えと、鍼灸の考え方とではルールが違うと言っていいと思うんです。
その事を理解せずに「エビデンスは?科学的根拠は?」とマウントを取ろうとする人達は、エビデンスというアイテムをフルに使って、相手を引きずり下ろそうと躍起になっているだけなので、相手にしなくていいと思うんですよねぇ~…(^^;)
科学的根拠を提示しようにも、以前…ブログで書いたように、鍼灸による神経伝達物質やホルモンなどの分泌量を調べるには、それなりの施設じゃないと調べられないし、なかなか研究も進まないから、しょうがないですよね…。
ただ、誤解しないで欲しいのが、例え話として、僕は癌を鍼灸治療だけで治そうなんて、これっぽっちも思いませんし、癌のような大病の場合は、科学的根拠が提示されている治療を軸にして、そのサポートとして鍼灸治療を活用すべきだと思っています。
ただね…
エビデンス星人って、自分達の治療以外を全否定するように「エビデンスは?科学的根拠は?」と問うてくるので、「出たな!エビデンス星人!」って感じで、飽き飽きしちゃうんですよねぇ~…(^^;)
鍼と灸と…、神経伝達物質と内分泌系と…、古典を学ぶ理由について考えてみた。
鍼灸や東洋医学の古典って、「実」だの「虚」だの…「陰」だの「陽」だのと…普段使わない言葉が羅列されてるし…、漢字ばかりだし…(^^;) なんとなく取っ付きにくく、わかりづらいから、初学者や今まで古典を避けてきた鍼灸師は敬遠しがちではあるけど、実のところ…臨床をやってると、ちょっと…魅力を感じる分野でもあると思うんですよねぇ~。
なので今回は「東洋医学や鍼灸の古典を学ぶ必要性」についてブログに書いてみようと思ったんですよ…。
ある時…ふと…
「なんで?神経伝達物質や内分泌に効果があるツボって、とても有名なツボばかりなんだろう?」…って思ったんです。
まずは…神経伝達物質って何?…内分泌って何?…って話しですが…
御存知の方も多いと思いますが…、神経伝達物質って、身体や脳の中で、神経と神経が情報をやり取りする時に、神経から放出される物質なんですけど、これって…高校の生物学で教わるのかな?…今は中学生で教わってたりして…(^^;)
代表的なものとしては、ドーパミンとか…、アドレナリンとか…、ノルアドレナリンとか…、セロトニンとか…、ヒスタミンとかね…。
生物学が苦手な人でも、近頃、健康を題材にするTV番組…『ホンマでっか!?TV』とか『カズレーザーと学ぶ』とか…NHKだと、タモリさんと山中伸弥さんがやっている『人体』っていう番組などを見てると、よく出てくるワードなので「なんか…聞いた事あるな…」って感じだと思います。
これらを超簡単に解説すると…
ドーパミンは前向きな気持になったり、集中を高めるのに必要だし…
アドレナリンやノルアドレナリンは心拍数を上げたり、血圧を上げたりして身体のパフォーマンスを高めるのに必要な物質だし…
セロトニンはリラックスというか、精神的に安定する働きがあったりとか…
ヒスタミンはアレルギー反応を起こす厄介者的なイメージだけど、身体の異常を教えてくれる働きでもあったりするしね…
まぁ~…精神的な安定や、身体のパフォーマンスを上げたり、痛みを抑制する働きがあったりする重要な物質が、神経伝達物質だと思ってもらえばいいと思います。
あと…、内分泌っていうのは…
体の機能を調節する腺や器官からホルモンが出て、そのホルモンが血液で運ばれて、特定の細胞に作用する事で、血圧や代謝や血糖値や…、炎症や生殖機能の調整を行ったりす、これまた…重要な働きを担っています。
私事ですが……(^^;)
高校で生物学を習ってから随分、時間が過ぎてるし…、理系の学部も出てるんですが…もう卒業して38年も経ってますしね…(^^;) その後…22~25年前に3年間、鍼灸の専門学校で、現代医学の基礎として生理学を学び、再度、復習はしましたが、もう…22年以上過ぎてますしねぇ~…(弱気…(^^;)…)
たしか…
神経伝達物質は伝わるのが早いけど、作用する持続時間は短いのが特徴で…、内分泌系は伝わるのは神経伝達物質に比べると遅いけど、作用する時間は長い。…という違いがあったと思います。
でね…
鍼灸師になって22年経つんですけど…、この22年間の間に、色々と鍼灸の本や、学会発表の論文を読んでると、昔の本には記載されてないんですが、最近は…「○○というツボは神経伝達物質や内分泌系のバランスをとる…」とか、「このツボはドーパミンの分泌を促す…」だとか、「このツボは抗炎症作用に働く…」と書いてあったりするんですよね!
最初の頃は「ほほぉ~~~!」「そうなのかぁ~~~!」「凄ぇ~なぁ~!」って思ってたんですが、ある時…ふと疑問に感じた事があって…
「なんで?スタンダードで超有名なツボばかりなんだろう?」って…思ったんです。
合谷とか…、足三里とか…、百会とか…、神門とか…、鍼灸師としては、基本の「き」的なツボばかりなのが腑に落ちないな…って思ったんです。
じゃぁ~…なんで?スタンダードな…、とても有名なツボばかりが神経伝達物質やホルモンの分泌に影響を及ぼすのか?…他のツボは影響を及ぼさないのか?…どうなの?…という疑問に関して考えてみました。
【考察…其の一】
確か…アドレナリンやノルアドレナリン…、ドーパミンやセロトニンが発見されたのが1900年代の初頭から中期にかけてだから、当時…、まずは医学会で、この情報が広まり、業界での一般常識として扱われるようになるまでに10~20年の時間が必要だったと思うんです。…今みたいにネット社会じゃありませんしね!
でね…
ドーパミンやセロトニンが発見されたのが1950年前後の頃だから、現代医学の業界で情報が行き渡った後、鍼灸業界でも…「鍼灸では、どうなんだろうか?」と研究が始まり、鍼灸が神経伝達物質やホルモンなどに影響を与えられるって事が、学会で発表されたり、書籍として発売されたりするのは、…おそらく、1990年代に入ってからじゃないのかな?…って思うんですよねぇ~。
こういう研究って専門学校では絶対無理だし…、大学とか研究施設じゃないと無理だと思うんですよぉ~。
たしか…明治鍼灸大学…今は名前が変わってましたよね!?何ていう名前でしたっけ?…あの学校が、日本で初めての4年制の鍼灸大学だったと思うんですよね…。あそこが出来たのが、確か1980年代前半の頃だったと思うから、大学の研究が軌道に乗り始めたのは90年に入ってからだと思うんですよぉ~。
日本以外の外国で、鍼灸による神経伝達物質やホルモンの関係の研究が行われたとすれば、それは、多分、アメリカのニクソン大統領が中国を訪問した時…、1971年に中国の鍼麻酔による手術が世界的に報道されているので、海外での鍼灸による神経伝達物質やホルモンの研究は1971年以降なのかもしれないと推測できますね!
昭和初期の鍼灸で、代表的な有名人と言えば、柳谷素霊さんだと思うんですが…、柳谷素霊さんが生きている時に神経伝達物質が発見されてはいるものの、セロトニンやドーパミンが発見されて…数年後に亡くなられてますから、柳谷素霊さん世代の鍼灸師の人達は、鍼灸が身体の何かに影響を及ぼすんだろう…と、想像していたのかも知れませんが、まだ…あの当時は想像の範囲内だったんでしょうねぇ~。
それと…、原 志免太郎さんって福岡の人で、お灸の研究で有名なお医者さんがいらっしゃったんですが、原先生が、お灸の研究をされていたのが1900年代初頭というか、前半なんですよねぇ~。以前、古本屋で昭和4年くらいの本…『灸法の醫学的研究』と言う本を見つけて…買って持っているんですけど「灸による白血球の影響」とか「血清に及ぼす影響」とか、お灸と血液に関しての事は書かれてますが、神経伝達物質やホルモンに関しては書かれてませんでしたねぇ~。
【考察…其の弐】
鍼灸による神経伝達物質やホルモンなどの分泌量を調べるには、それなりの施設じゃないと調べられないという事を考慮すると、普通の臨床をしている鍼灸師が、鍼灸と神経伝達物質&内分泌に関して調べることは不可能ですよねぇ~。
なので、どこかの大学の教授?研究者?…とか、研究施設の人しか鍼灸による神経伝達物質やホルモンの分泌量を計測出来ないので、想像するに…、そんなに鍼灸に関して詳しくない人が研究している可能性もあるのではないか?…って思うんです。
もしくは…臨床経験が無く、研究畑一途で鍼灸の資格を持つ研究者。または、東洋医学や鍼灸に興味を持っている医師の資格を持つ研究者が、動物実験で鍼灸による神経伝達物質やホルモンの分泌量を計測しているのではないか?
…だから、選択されているツボは、超有名な…スタンダードなツボが研究対象になっているのでは?…って思えちゃうんですよねぇ~。
【考察…其の三】
先ほど「柳谷素霊さん世代の鍼灸師の人達は、鍼灸が身体の何かに影響を及ぼすんだろう…と、想像していたのかも知れないけど、鍼灸が神経伝達物質やホルモンへの影響を及ぼすという事は、まだ分からず、…想像の範囲内だった…」と書きましたが、柳谷素霊さん以前の先生方…例えば、江戸時代の医者は治療に、薬も使えば、鍼や灸をも使って治療していたわけですから、歴史的に有名な医者で、僕が思いつく名前だと…、吉益東洞さんだったり、杉山和一さんだったり、曲直瀬道三さんだったりね!…中国の歴史的な有名なお医者さんでは、華佗さんだったり、張仲景さんだったり…そんな先生方も、神経伝達物質やホルモンの認識はなくても、神経伝達物質やホルモンが関係しているであろう症状を治療してきていると思うんですよねぇ~。
なので…
超有名な…スタンダードなツボだけではなくて、他にも色々なツボも影響を及ぼすんだと思うんです。1つのツボ…単体だけではなく、ツボの組み合わせとかね…。色々な組み合わせがあると思うので、色々と試して、研究&測定してみるべきなんでしょうが、先ほど書いたように、神経伝達物質やホルモンなどの分泌量を調べるには、それなりの施設じゃないと調べられないから、なかなか研究も進まないんでしょう。
でね…【結語】というほどの事ではないのですが…
先日の来日公演で、日本武道館の公演回数がトータルで110回を記録した、エリック・クラプトンが、新聞のインタビューで、こんな話しをしていたんですよ…。
「あなたの音楽を進化させる動力になったものは何なのでしょうか?」という質問に対して…
「過去だよ。私はいつも過去の音楽に立ち返る。特にブルースをよく聴く。でも世の中には、ブルースの事を知らない人がまだまだたくさんいる。だから、私は新しいものを見つけるために、何度でも過去に戻るんだ」
…っていうクラプトンの記事を読んで、「新しいものを見つけるために、何度でも過去に戻って、再解釈して…忘れられていたモノを現代に蘇らせる…」っていう事なんだなぁ~。鍼灸や東洋医学で古典を勉強する必要性と、まったく同じだ!…って思ったんですよ!
昔の人も現代人も、臓器の数が増えたり減ったりしている訳ではないし、生活環境は少し違うけど、身体は同じなわけだから、体調不良や病気の症状は、今も昔も変わらないはずなんですよねぇ~。先人達は、神経伝達物質やホルモンを認識していなくても、そういう患者さんを治療していたわけで…
その先人達が、どう治療していたか?を知るには、今現在、鍼灸と神経伝達物質やホルモンの研究が迅速に進まないのならば、古典から治療方法を探し出すしかないわけですよね!
クラプトンが言う…「新しいものを見つけるために、何度でも過去に戻るんだ…」…コレって重要だと思うし、古典を学ぶ理由だと思うんですよぉ~。