この春…鍼灸師になる方々へ…♪

鍼灸の勉強や臨床をしていると、必ず「東洋医学の古典的な知識と、現代医学の知識が必要だな…」と感じます。

鍼灸の歴史って、中国では2000年以上前の、紀元前2世紀頃の漢の時代の文献に、経絡の事が書かれているので、それ以前から鍼灸治療は行われていた事になりますし、日本へは、西暦500年の頃から仏教の伝来と共に、漢方や鍼灸の医療が日本に伝わってますから、日本での鍼灸は、約1500年の年月をかけて成熟した医学という事になるんですよねぇ~。

それだけの年月の間に、先人達が色々な病気の症状を、鍼とお灸や漢方薬を使って治そうとした記録が文献として残っているわけです。

ただ、今も昔も難解な病気は存在するわけで…、鍼と灸や漢方薬で、全ての病気が治っているわけではない事は、容易に想像できます。

多分、文献に残しているものは、治療が成功した例を発表したり、後世に伝えたくて文献として残していると思うので、書かれているものは成功例が多いと思うんですね…。

でも…、いつの世も目立ちたい人や、虚言癖がある人は一定数いるものなので…(^_^;) 現代人の僕らは、本に書いてある事を鵜吞みにせず、その文献を精査しながら、読んで知識を蓄える必要があります。

まぁ~…精査する事に関しては、現代医学の本も同じで、今の常識が20年~30年後には非常識な事に変わっている事もありますし「今現在の常識が全て正しい!」…と、全てを鵜呑みにしない方が良いと思うんですねぇ~。

まぁ~…古典を勉強するにしても、現代医学を勉強するにしても、本に書いてある情報を鵜呑みにせず、疑いながら精査する。…というのは、いつの世も、勉強する上での鉄則なのかも知れません…。(^_^;)

もしも、「古典って難しいし…、漢字ばかりだし…、曖昧で難解だから…」と、鍼灸師が東洋医学の古典的な知識を持たず、現代医学の知識のみで治療をしたとするならば、それは、過去の蓄積された、先人たちの知識を無駄にしているという事になりますし、唯々…「もったいない…」の一言に尽きます。

僕の個人的な意見としては、現代医学は、お医者さんに任せておけばいいと思うんですよねぇ~。

基本的に現代医学の医療は、医師免許を持っている医師しか行えない事になっているので、最新の医療に関しては、鍼灸師が付け入る隙間もないのが現状です。…当然と言えば、当然ですよね!…(^_^;)

しかしながら、医学は日進月歩で進歩してますけど、人体の構造は、昔から基本的には変わってないはずなんですよね!人が病気になる過程や、体の中の免疫の働きなどは、昔の人も、今の人も変わらないと思うんです。

…なので、僕ら鍼灸師の仕事は、患者さんが、現代医学の治療を受けなければいけないくらい、体調が悪くなる前に…、薬や手術に頼らなければいけなくなる前に…、生活改善をアドバイスしたり、体に備わっている免疫システムに、鍼と灸を使って働きかけて、病気が重症化する前に、体調を整えてあげるのが鍼灸師の仕事なんですよねぇ~。

じゃぁ~…どうすればいいのか?…鍼灸師がとるべき道は?…と考えてみると、おのずと答えは出ると思うんです。

やはり…2000年以上前から蓄積されているデーター・ベースを利用する事なんじゃないでしょうかねぇ?

病気にも軽度なモノや重度なモノ…と、様々ありますから、過去のデーター・ベースを利用したからとて、手に負えない症状や病気は数多あると思うんです。

なので…、過去のデーター・ベースを利用しても、手に負えないものは、現代医学のお医者さんに任せればいい…。

しかしながら、人間の体は、複雑なようであるけれども、意外と単純な側面も持ち合わせているので、最新の現代医学でも手に負えない場合、原点回帰的な発想が功を奏す場合も、無きにしも非ずだと思うんです。

例えば…、偏った食事をしていた人が、食事の内容を和食に変えたりする事で体調に変化が出てきたり…。仕事で忙しく、日々全く運動をしていなかった人が、山を登り始めたり、日ごろから運動をして、体を動かし始めたら、病気が治った例は、時々、聞きますしね!

それと…、歴史を振り返ってみると、現代医学が、2000年以上前から蓄積されているデーター・ベースを、全て網羅した上で、構築されているものでは無いと思うんですよ!

現代医学がデーター・ベースを全て網羅しているのであれば、鍼灸や按摩・マッサージなどを、代替医療などという扱いではなく、メインストリームな医療の基礎として扱われていると思うんです。

でも、現状は、そうでは無く…、西洋医学を補う医療。もしくは…エビデンスが乏しいと揶揄され、基本的に健康保険が適用されないのが実情です。

近代の歴史になりますが、過去…、明治時代から昭和後期までの約100年間、漢方医学ですら日本の医学界の中から排除しようと、していた歴史があるわけですから、今の現代医学は、過去のデーター・ベースを軽視した土台の上に構築されていると考えられるので、まだまだ古典の中には、色々なヒントが埋まっていると思うんです。

まぁ~…明治から昭和にかけての、漢方医学を排除する風潮の医学界で、「これじゃぁ~いかん!」と、漢方復興に尽力された、お医者さんが幾人か存在していたから、今・現在、漢方治療が復活しているわけですよね!

鍼灸も、同じ時代に排除の憂き目に遭っていて、昭和初期に鍼灸復興に尽力した先人たちがいらっしゃったから、今現在、鍼灸治療が存続できているわけです。…でも、代替医療という枠組みの中での復活ですけどね…。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がありますが、何事も歴史から学ぶ事って、すごく多いと思うんですよねぇ~。…この場合、「賢者は歴史に学ぶ…」は、「賢者はデーター・ベースに学ぶ…」で良いんじゃないかな?…(^_^;)

漢方などを学んでいない、普通のお医者さんも、古典と言われる、このデーター・ベースを利用できますが、現代医学のお医者さんは、最新の医療を治療に活かす事で、手いっぱいだと思うんですよねぇ~…(^_^;) 多分、現代医学のお医者さんは古典の勉強などを、やる暇が無いと思うんです…。

漢方を扱う、お医者さんは、当然、古典の勉強はされてますが、漢方医のお医者さんでも、鍼灸に関して理解が深い人って、ほんの僅かだと思うんですよぉ~…。なかには「鍼灸なんか効くの?」…って言う漢方医もいるくらいですから…、鍼灸の古典に関する文献に関しては、漢方医は手を出さないんじゃないでしょうかねぇ~。

なので、鍼灸に関する古典のデーター・ベースを理解できるのは、鍼灸師しかいないと思うんですよ!

まぁ~…足三里は胃腸に効く…だとか、肩こりには肩井穴だとか…、ハンドブックに載っているような定番的な事ではなく、古典を、もっと深く読み込む事で、ツボの組み合わせとか、使うツボのタイミングとか…、まだ世間一般では知られていないツボの効果が、宝探しのように、まだまだ古典の中には埋もれていると思うんですよねぇ~。

この宝探しを「分かりずらいし…、面倒くさい…」と、放棄してしまうと、鍼灸師としては片輪走行になってしまうので、薄っぺら…とは言わないまでも、治療の幅に厚みがでず、臨床経験が長くなれば、長くなるほど、鍼灸師としての治療の限界を感じる事が多くなると思うんです…。

ただね…

古典ばかりやっていても、駄目なんですよねぇ~。

患者さんに、病気の状態や、なぜ、このような症状が出ているか?…など、病気の事や、症状を説明する際、「虚」だの「実」だの…「邪」がどうした…、「気の流れが…」と言っても、患者さんや一般の人は、チンプンカンプンで目を丸くするでしょう…。

いま時、患者さんもネットなどで、ある程度の医学知識や、自分の病気に関しての知識を持ってますから、お医者さんほどでは無いにしても、一般の患者さんより、少しでも多く、鍼灸師は、現代医学の知識を持っていた方が、信頼度も高まるってものですし…、鍼灸師が患者さんに症状を説明する時は、古典や東洋医学の話を、今の生活や、日常に起こる現象に例えて、現代医学の知識を交えながら説明すると、納得されやすいと思うんですよねぇ~。

先日、カレンダーを眺めていて…

たしか、毎年…2月の最終日曜日が、鍼灸師の国家試験で、合格発表が3月末頃だったよなぁ~…って、23年前の自分を思い出したもので…。

これから、鍼灸の国家試験に合格して、新たに鍼灸師になる人が、世の中に出て行くんだよなぁ~って思うと…、先輩風を吹かせる柄じゃないんですが…

「鍼灸師には、鍼灸の古典の勉強と、現代医学の知識は必要だよ!」

…って事を、この春、新しく鍼灸師になる人達に伝えておきたいな…と思ったもので、ブログに書いてみました♪

…おしまい。

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