鍼灸!取って出し1(エッセイ)


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針灸・健康に関してのエッセイです。

鍼灸取って出し Vol.1

以前、2014年~2020年にかけて書いていたブログの中で、鍼灸や病気や健康に関する事や日頃,思った事などを抜粋して掲載してます。エッセイの感覚で読んでみて下さい。




・痛みの順位
2014年3月22日

患者さんに灸をして感じるのが「人間って一番痛い痛みを優先的に感じるように出来ているなぁ~」って事なんですよね!普段は肩こりや首の凝りが酷いのに、何か腰に負担がかかる作業などをして腰を痛めてしまった場合、痛みの順位が①腰②肩・首となり、腰痛が酷いほど、普段の肩・首の凝りは感じない…。こういう事ってよくあるんですよねぇ~!

まぁ~痛みが1+1=2になってしまったら、身体が痛みに耐えられなくなるので優先的に一番痛い部分を感じるようにして、後の2番手、三番手の痛みのスイッチをオフにしてしまう機能が備わってるように思えます。なので、腰痛が治まると、また肩や首の痛みが出てくる…。よく「治療をするごとに次から次に痛みが出てくる…」なんて事をいわれたりしますが、身体の不調を訴える順番待ちの列がちゃんと出来てるんでしょうねぇ~。

身体の不調を訴える…所謂、身体の声とでも言いますか…、その訴えを無視して生活をしていると病気になる…こういう図式なんだと思います。身体を鍛えるという事も重要ですが、身体のメンテナンスと言いますか…手入れしてやる事も重要なんですね!





・電気鍼考

2014年5月28日

鍼通電療法…パルス…electro acupuncture therapy…低周波通電…。

一説には日本の良導絡の機械が中国に渡り現在のパルスの機械が出来たという説や、フランスの医師が日本や中国から貿易によってもたらされた鍼に通電を行ったのが起源だという説など諸説諸々あるようですが、所謂、鍼をさして電極をつなげて一定時間、通電させると筋肉がピクピク動き出す…あれです!

鍼灸学校でも、この通電の機械を使い治療する授業があるので、鍼灸師になりたての頃は「鍼灸=電気鍼」的に考える人も多いかも知れません。御多分に漏れず、僕も開業当初は通電の機械を使いまくってましたが、7~8年前頃から電気鍼は使わずに
鍼灸をしようと思いたち、電気針は封印した状態で鍼灸を続けていました。

…まぁ~こうしたのも理由があって、ある先生が「パルスなどが無かった江戸時代の鍼灸師は、電気針など使わずに鍼灸していたのだから、パルスなんか使わんでも治せるようにならんといかん!」と言われていたのを聞いて「な・る・ほ・ど!」と思ったもので、ここ7~8年は鍼の手技とツボの選択と
鍼灸理論を元に鍼灸を行ってました。

ところが…「君子は豹変す」…とまではいかないですけど…「ところ変われば品変わる…」…これも違うか…(笑)ここ半年前くらいからでしょうか…また違う考えが頭をよぎったのは…。

確かに江戸時代に電気治療は無かったので江戸時代の医師・鍼灸師達は電気
を行わずに病気を治していたんですが、もしも当時、鍼通電をする機械があったなら、江戸時代の医師・鍼灸師達も使っていたのではないか?…。室町、安土桃山、江戸…この頃に活躍している著名な医師達は当時、現状では満足出来ず、何か新しい療法はないか!?

この病気を治せる良い
方法はないか!?と試行錯誤して大陸から書物を取り寄せたり、オランダ人から西洋を学んだりして持論を構築した人達ばかりなんですよねぇ~。そんな人達が電気を使う鍼を放っておくはずが無いと思うんですよ!

立川談志 さんの落語のマクラで「 昔の人は偉かった!いやぁ~凄かった!って言うけど、昔の人は飛行機、飛ばせなかったでしょ!今の人の方が飛行機を飛ばしたりしてるんだから、今の人の方が偉いと思うねぇ~!」なんていうのがありましたが、もしもタイムスリップで当時の著名な医師・鍼灸師達が現代に来て「僕は通電療法をせずに治療をしてます!」という事を聞いたら「なんで使わないの?」って疑問に思うんじゃないかな?…ってね…そう思えちゃうんですよねぇ~。

「適材適所…」これもちょっと違うなぁ~「バカと刃物は使いよう…」これは違うか…(笑)通電療法もコレを使ったら効果が早い疾患には使えばいいし、通電しない方が良い場合は使わずに治療すればいい話なので、そこは上手に使い分ければいいのではないか…と思う今日この頃です。…「電気鍼考」これにて終了。





・ヤマイダレ

2014年3月17日

落語のマクラ風に書いてみました…

昔から「病から気から…」と申しますが、確かに気分で体調がガラッと変わる事はよくある事で、このことを一番、顕著に感じるのが恋煩いってやつですなぁ!「あの人の事を想う度に御飯も喉を通らなくなる…」なんてイイながら、恋に破れた日には御飯も食べれなくなってガリガリに痩せてしまうかも…って思ってましたら「あんちきしょう!俺を…私をフリやがって!!こうなったら今まで食べれなかった分を食って!食って!食い倒してやる!」なんて、気分次第で身体は如何様にも変化します。

「癖」という漢字を見てみるとヤマイダレなんですねぇ~!病は癖から起きている…何事にも起源といいますか原因があるんですが、病気は癖が原因で起こると言っても過言では無いと思ってるんですよね!昔から「無くて七癖」と言うように癖が無いように見える人でも、癖は必ず持ってるものなんですよね!姿勢でどちらかに重心をかけていたり…足を組んだり…鞄は右の肩にかけないと落ち着かない…とか、食事の好みは勿論の事、睡眠時間…生活全般にかけて癖の塊で成り立っていると言ってもいいくらい…。

この癖が…限度と言いますか、許容範囲を超えてしまうと病を引き起こすんでしょうねぇ~!僕は患者さんにはよく言ってるんですが…症状が消えるのと病気が治るのは別物なんですよね!本格的に病気を治そうとするならば「体質改善!=癖を直す!」これが必要なんですよね!煙草がやめられないのと一緒で癖ってなかなか直せないのが実情で…やはり「石の上にも三年…」これくらいの気持ちで挑まねば、企画倒れみたいな感じで挫折してしまいます。気長に気長に…コレが病気を治すコツかもしれませんね!





・愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

2014年8月26日

ビスマルクって言う名前を聞くと、どうしても最初に、当時Jリーグのヴェルディやアントラーズにいたサッカー選手のビスマルクを思い浮かべてしまうんですが…(笑)

この言葉を残したのはドイツのビスマルクさん…。

「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。」

もちろんどの業界…どの世界でも、この言葉は通用すると思います。僕ら鍼灸の業界の構造を振り返ると、鍼灸師になるには3年間、学校に通い鍼灸の事や解剖学、生理学などを勉強して国家試験に合格すると、晴れて世間様に「鍼灸師でござい!」と看板をあげるお許しが御上から頂けるわけですが、裏を返せば学生の頃に得た知識のみでも「鍼灸師でござい!」と言い続けられるんですねぇ~。

国家試験に合格すれば、それ以降、勉強しなくても経験は積めるワケなんですよ!医師の場合…
学部は6年間でしたっけ?たしかその後、インターンの制度がありましたよね…、今更言う事ではないんですが鍼灸師と医師では学ぶ時間と学ぶ質量が違うんですよね…

まぁ~どの世界でも経験を積む…という事は重要ですし、「守(修)・破・離」という事も学ぶ過程では起こってきます。

僕ら鍼灸師が古典を学ぶ必要性があるのは、この「賢者は歴史に学ぶ」…ここなんですね。

よく、先人・先輩方から「一生勉強だよ!」と言われますが、こういう事なんですよね。経験を軽視しろという事ではなく、常に50%は経験から…残りの50%は歴史からの知識を踏まえて判断できるスタンスでいることが重要だと思うんですよね。

また偉そうな事を宣ってしまいました(笑)





・穴性

2014年6月16日

昔から気になっていたんですよね!

教科書や色々な本には、このツボはこういう性質で、こういう効果がある…的な事が羅列されていて、最初は丸暗記しないといけないのかな…と思い一生懸命、覚えてたんですが、そんなもの受験勉強と同じで使わなければ忘れていく…

まぁ~諸説あるようで一方では「穴性は薬性からの借り物で鍼灸の法則にのっとって形成されたものではない!」…という説…。

確かに中国でも近代に伝統
学廃止…存続問題があったみたいで、その問題から脱却するために科学化と集団教育の為に編み出されたシステム…とも考えられる…。

というところまでは知ってたんですが、色々な先生にこの話題を聞いても「もちろんあるよ!」という先生もいれば「ないよ!」という先生もいらっしゃる。

まぁ~これも答えが出ない永遠の課題なんでしょうが、先日、暇つぶしに入ったジュンク堂で1年前の中医臨床を手に取ったら「穴性論 座談会」なるコーナーがあったので、面白く読ましてもらいました。

中医臨床…ひと頃、定期購読してたんですが、最近、とんと御無沙汰で…(笑)ノーマークだったなぁ~。





・曖昧(イイカゲンは…いい加減で…良い加減) 

2014年6月14日

良い加減先々月でしたっけ?血圧やコレステロールや肝機能検査の基準値が変更になったのは…。

確か10年前くらいにも変更してましたよね???

こんなにコロコロと変わるという事は、
療業界全体がキチッとしたものではなくて曖昧な世界の上に成り立っている業界なんだなぁ~という事が言えると思うんですよね!まぁ~別な言い方をすれば「まだ模索中の段階なんです…」という事なのかもしれません。

よく東洋
学では脈診とか舌診…腹診…。証を立てて虚だ実だと普段使わない用語が飛び交う世界なので、慣れない人(現代医学のみを信奉している方…裏返して言えば鍼灸を信じていない人)にとってはとても曖昧な感じと捉える人が多いのかも知れませんが、歴史的に考えると…その曖昧なものが2000年~3000年続いてるという事ですからねぇ~。裏を返せばその曖昧な物でも十分、効果があると言う事なんですよねぇ~。

先日の血圧やコレステロールや肝機能検査の基準値が変更した事などを考えると、ホントに現代
学・東洋学をひっくるめて療業界って曖昧という物の上でバランスを取ってるような気がします。

なので二分割思考のように白か黒か!と物事を決めつけてしまう人は
療業界には向かないんじゃないかなぁ~

なんか…そんな気がするんですよねぇ~。





・深く刺す…浅く刺す…

2014年3月14日

鍼を深く刺す…浅く刺す… 。ある先生は深く刺したらイカン!と力説し…またある先生は鍼には色々な形状があるんだから、その用途に応じた深さに刺せる技術がないとイカン!と言われる。

名人芸のような技術が存在するのは確かなんですが、いきなり誰しもすぐに名人になれるわけもなく…鍼灸の学生さんなんかが、ある先生からは浅く刺す事を強要され、又ある先生からは深く刺す事を強要されたりすれば「どっちがホントなんだぁ????」って迷ってしまうのは目に見えて明らかですよね! まぁ~学生さんじゃ無くても迷っちゃうか…。

僕が “深く刺す…浅く刺す問題” 説明するとしたら…魚釣りに例えると分かりやすいかと思うんですよね! 海面を泳いでいる魚を狙って釣りをする場合は、その魚用の仕掛や餌を用意して釣りをしますし、海の底を泳いでる 魚を狙う時は、やはり海の底に仕掛がとどくような準備をして釣りをする。 まぁ~深く刺す…浅く刺すっていう事は、釣りと一緒なんですよねぇ~。

でもって…どういうモノが名人芸かというと…普通ではあり得ない(誰でも出来ちゃうと名人芸ではなくなるので…(笑)) 事を起こしてしまう…。魚釣りに例えると…海面を泳いでる魚を釣る仕掛(浅い鍼)で海面を泳いでる 魚を釣って…そのまま引き上げずに海を漂わせていると海面を泳いでる魚を餌にしているチョット大きい 魚が食いついて…、またそのまま引き上げずに海を漂わせていると、またその中ぐらいの魚を餌にしている 大きな魚が食いついて…と、わらしべ長者の如く…最後は海の底の大きな魚(深い鍼)を釣り上げてしまう。 海面を泳ぐ魚と、海の底を泳ぐ魚では竿の太さ長さも…テグスや釣針の強度も違うので、あり得ない と言えば、あり得ない話なんですが…あり得ない事をするのが名人芸なのだから…(笑)

まぁ~必要に応じて必要な深さの魚が釣れるようになる…いやいや、必要な部分の凝りや痛みが 取れる技術を身につける方がいいと思いますねぇ~。そんでもって名人芸は追々、個人で磨き上げればいいと思います。

そろそろ卒業の季節だし…鍼灸学校を卒業した学生さんに向けて、何かアドバイスしてあげるとしたら 今の僕には、これぐらいの事しか言えないかなぁ~。まぁ~これってある先生からの受け売りなんですけどね!(笑)





・ネガティブキャンペーン

2014年8月28日

ネガティブキャンペーン漫画のワンピースで「ネガティブ・ホロウ~」ってテルテル坊主みたいな妖怪?霊?が体の中を通り抜けると、通り抜けられた人は思考がネガティブになってしまう…っていうのがありましたが、今回はそんなネガティブ・キャンペーン的なお話しを一席…。

ある日、患者さんから…「先日、胃腸の調子とか、年齢のせいなのか…なんとな~く、体が重いので漢方薬を飲んでみよう!」と看板に漢方って書いてある病院に行ったんですよぉ~。漢方のお医者さんなので、お腹を触ったり舌を診たりして…で、お医者さんが脈を診られる時に私の腕を引っ張るようにして少し伸ばしたんですね…。

その時は1週間前に痛くなった腕の付け根がまだ治りきってなくて痛みを感じたから「痛っ!」って言ったら、そのお医者さんが「どうしました?」と言うもんだから「いえね!1週間前に腕が上がらなくなっちゃって、一昨日、鍼
に行ってだいぶ上がるようになったんですけど…」と言い終わる前に、そのお医者さんは反射的に「鍼は効かないよ!やめといた方がいいよ!」って言うんですよ!ビックリしちゃってねぇ~…こちとら素人だからその辺の事情はよくわからないけど、漢方薬って言ったら東洋学でしょ!そんでもって鍼灸も東洋学でしょ!お互い東洋学なんだから理解しあってるっていうか…お仲間だとばっかり思ってたんだけどねぇ~~。そうじゃないんですねぇ~何で???

と、目を丸くして質問してくる患者さん…。

たぶん、そのお医者さんは鍼灸
を受けたことが無いんでしょうねぇ~。頭では理解しているけれど、実際に効果を体験したことが無いし「鍼を刺したくらいで効くわけないだろ!」という意識が強いから、理解していても信じれない…。まぁ~実際に行った事もない国を「あそこは汚いから…危険だから…気持ち悪い…」と批判してるような感じではないでしょうかねぇ~~。

現代医学が全てを網羅できるワケではありませんし、東洋医学が全てを網羅できるワケでもありません。やはり得手・不得手はあるので、どちらも適応しているものに対しては絶大な効果を発揮します。

まぁ~鍼灸師の中でも深く刺す浅く刺すで流派が分かれて批判し合ったり、刺絡
を毛嫌いする人も多いから、しょうがないのかなとは思いますが…。

今回、所謂お医者さんによる鍼灸へのネガキャンが、こんな感じで行われているんだなぁ~って間接的ではありますが耳に入ってきました。この話を聞いて、なんとなく思うんですけど…今回に限らず、ネガキャンって、やってる側の価値を下げるような気がするんですよ!

まぁ~ネガキャンをする理由というのも色々あるでしょう。アイツを蹴落としたいだとか…。アイツが気に入らないだとか…。アイツのやったことは許せないだとか…。(どこかの国が世界中で銅像立ててやってる感じとでも言いますか…)戦略と言えば戦略なんでしょうが、なんだか足を引っ張る感じでみっともない…。ネガキャンしてる人の品位が問われる危険性の方が高いような気がします。

こういうネガキャンする人の近くには近づきたくないなぁ~ホロホロホロ~~って妖怪?幽霊?が体の中を通り抜けて思考が超ネガティブになってしまいそうだから…(笑)





・科学 or 非科学

2014年3月10日

明日で東北の震災から3年…そのためか、昨日のTV番組では震災関連のことが多く取り上げられていたんですが、その中で、地質学者か地震予知の研究をされている科学者だったか…まぁ~いわゆる学者さんが「科学は万能ではない」という発言をされていたのが心に残りました。僕は別に科学を批判するつもりもないし、新しいものを発見したり開発するためには「科学」という分野は必要不可欠なものだと思います。

僕らの鍼灸業界でも科学派と名乗る人達や古典派と名乗る人達がいて、意見交換をされている方々もいれば、まったく相容れない立場を取られている方々もいらっしゃいます。僕はどっちかというと…とりあえず一歩下がって全体を見回してる…そんな感じでしょうか…。どっぷり浸かっちゃうと見えてくるものもあるのでしょうが、逆に見えなくなるなる部分の方が多いと思うので、今はこの立場をとってます…。

思うに科学的でないもの….まぁ~色々ありますが、はっきりそうなる理由が見つからないも…とでもしておきましょう。成果は出てるんだけども理由がハッキリしないもの、これに対して理由をハッキリさせたい性分の人達が科学という旗印の下に集まって、色々な機械や薬を使い実験を行い原因を解明しようとします。しかし、完璧という言葉を突き詰めるとどうしても無理が生じる。つきつめると、「科学は万能ではない」という事になります。まぁ~言い方を変えてカッコ良く言うと「終わりなき挑戦!」って感じでしょうか…

不思議なもので、突き詰めて!突き詰めて!科学に行き詰った人達が、次に答えを求めるのが、直感とかスピリチアルとか非科学的なものに答えを求める事が多いんですよね!東洋
学の中の言葉で「極まれば転ずる」という言葉がありますが、真逆に走るというか…人間ってこういうループを繰り返して進化を遂げてきているんだろうなぁ~って思うんですよね。

アメリカのプレスリーの影響を受けたビートルズがアメリカに進出し、ジミヘンがイギリスに渡りイギリスのミュージシャンに影響を与え…永遠とループは繰り返されていく…そんな感じ??(違うかもしれないけどゴリ押しで…そんな感じ…)

もとい!!!なので、僕の立場は古典派だろうが現代
医学派だろうが、関係なく良い☆療法を取り入れる…これでいいんだろうなぁ~と思うわけなんですよ!





・要はバランスなんですよねぇ~

2014年1月28日

近頃、鍼灸の専門書より腸内環境…云々やら、…糖質がどうとか…そういう本を手に取る事が多いのですが、こういう本を読んでいて「要はバランスなんだよなぁ~」…と思うんですよ。

悪者扱いされている悪玉コレステロールやら活性酸素…はたまた塩分に至るまで人間の身体にはある程度必要な物ですし、この悪者扱いしているものを全て排除してしまうと生命維持が成り立たない…。

現代社会でも悪いコトする人がいるから、取り締まる人達が機能する…。このバランスが悪くなれば社会生活が崩壊するわけで…要はバランスなんですよね…。全て排除するなんて無理なような気がします。

健康になろう!病気を治そう!とする時、悪いことを全て排除しようと考えると思うんですが、この「全て」というのが曲者で…全てを排除しようとすると、相当ストレスが溜まると思うんですよね…。まずは、バランスを変えてみよう!こういう思考で対峙した方がいいように思います。

緊急性がある時や、何をやっても駄目な場合は、全てを変える事で身体がリセットされるような事があるような気もしますが、まずはバランスを整える事が重要なんでしょうね…。





・藤枝梅安のセリフ…

2013年4月17日

藤枝梅安「鍼なぞというものはな。彦さん。丈夫なうちに打っておくのが本当なのだよ。薬でもそうだ。丈夫な身体がひょいと疲れる。痛む。その時すぐに用いるが本当なのだ。ところが誰もみな、病気にかかってから、やれ療治だ、やれ薬だと騒ぎ出す。これでは効き目が薄くなってしまう。そもそも病気というものは…」と言いかけた梅安が、ふと、黙った。

弱ってる身体に喝入れても、身体的には辛いだけですもんね!やはり身体に反撃出来る余力がある内に手を打つべきだと。僕も思います。





・知らないと、ついつい敬遠してしまう…

2013年4月25日

昔の新聞先日、O先生からお借りした15年前の『医道の日本』を読んでると、時代を感じる広告やら…この頃、この勉強会が盛んに行われてたんだなぁ~って…たかだか15年前なのに「一昔前」という…ずいぶん昔な感じがしてしまいます。

「良縁求む…」なんて広告もあったなぁ~。本の終わりの方に業界ニュースみたいな記事が掲載されていて、「あ~この先生はこの頃亡くなられていたんだぁ~」とか「福岡の柔整学校、鍼灸科併設に地元業団体が反対」…とか(笑)。

そんな中、「献血をしようとした人が鍼灸の療治を受けた事を理由に献血を拒否された…」という記事が載ってました。

今ではそんな事はありませんが、当時、この献血ルームで問診をした医師は鍼灸に対して偏見を持っていたか、または鍼灸の事を何も知らず、思い込みだけで判断していたのではないかと想像できます。昭和の初めなら、まだ納得できますが、たかだか15年前に、こんな事があったなんて驚きですね!





・施術と治療 

2013年9月5日

時々「鍼灸師が行う行為は治療ではなく施術である」…と言われますが、施術と
の違いって?誰がこれは療で、これは施術だと線引きをしたのでしょうか?…と疑問に思ったので、ちょっと考えてみました。

文字で考えると施術は「術を施す。」

療は「病を治す。悪い所や欠点をなおす。」

漢字を見て想像するに施術は、ただ術を施す…考えずに施す…治ろうが治るまいが術を施す。ただそれだけのように思えてきます。それに反して☆療は「病を治す」。施術と比べると、とてもグローバルな感じがします。考えて病気を治すのが“
療”で、考えずに術を施すのが“施術”…(…偏った…上から目線な感じだな…)

学生時代に関係法規で習った時は、こんな感じで習ったように記憶してます。

療は病態を改善する為に必要な療行為

・施術は医師、歯科医師以外で
療行為が行える有資格者が行う行為

結局、お医者さんが行う
療行為と、その他の有資格者が行う行為の差別化を行う為に、“施術”と“療”という言葉を使い分けているのでしょうが、差別をされてる側としては傷つきますねぇ~体調が悪い患者さんをいかに楽な状態にしてあげるか…病気が治りやすくなるように体調を整えるかを考えながら行う行為に施術も療もなんら変わり無いはずなんです。

でも…時々、書面上とか陰口っぽく「
療という文字は使わないで下さい。あなた方の行っている行為は施術です」…的な事を言われると傷つくんですよね~!まぁ~これは差別される側にいないと分からない事でしょうねぇ~。





・『腰痛放浪記』を読んでみた

2013年9月17日

腰痛放浪記よく、慢性的な痛みを訴える患者さんには、頭(心)と身体の関係を会社組織に例えて…

「頭で考える…コレが社長さんで、その社長さんの考え方に沿うように働く従業員が“身体”なんです。従業員は仕事量に見合った給料と休みが与えられていた場合は、社長とも良好な関係を保つことが出来ますが、給料も安いし休みも無く、おまけに残業だらけ…しかも、社長からは働け!働け!と矢の催促…。

こんな状態が続くと、従業員はストライキを起こしますよね!頭(心)ではこうしたい!ああしたい!こうしなくちゃいけない!と思っていても身体が動いてくれない…もしくは、身体の調子が悪くて思うように動けない…。

これは身体がストライキを起こしてる状態なので、もっと身体を休ましてあげて下さい。」 と…まるで噺家さんがマクラを話すかのように患者さんに説明してるんですが、夏樹静子さんの腰痛体験談である『腰痛放浪記』も心と体のありようが重要な事が書かれていました。

ミステリーでもなくサスペンスでもなく、御本人の体験談ですし、僕らにとっては患者さんの本音を知る事が出来る本なので、まだ読まれてない同業者の方がいらっしゃいましたらオススメしたい本ですね!(僕らの業界で名前が知れている先生も登場してますし…)面白くて、すぐ読んじゃったので、夏樹静子さんの『心療内科を訪ねて』っていう本も読んでみようかなぁ~。





・アメとムチ

2014年3月26日

いつだったか…親戚の叔父さんに山本五十六の言葉を教えてもらったのは…「やってみせ、やらせてみせ、褒めてやらねば人は動かず…」叔父さんは「叱ると言う事も必要なんだけどね!」って一言付け加えてたっけか…

よく患者さんから「どの筋肉を鍛えたらいいですか?」とかを聞かれる事があるんですよね!鍛え方も色々あるので僕の知ってる事をお伝えするんですが… “鍛える”という事はアメとムチで言えば「ムチ」なんですよねぇ。鍛える事に耐えうる筋肉なら希望通りの筋力を得る事が出来ますが、そうでない場合は身体が疲れちゃうんですよ!

そこは…アメとムチの法則?を使い「鍛える=ムチ」の後は「アメ」をあげないと身体もついてきてくれない…。アメって何かと言うと、やはり身体をケアーするというか、手入れをするというか…鍼灸で鍛えて疲れた筋肉…身体を和らげてやらなきゃ…人は動かず!なんですよねぇ~。





・真実はいつもひとつ!とは限らない。(弁証論治にもの申す…)

2012年12月7日

真実はいつもひとつ名探偵コナンの決めセリフ「真実はいつもひとつ!」…でもね、そうとは限らないなぁ~って事、多くありませんか?
東洋
学的に物を考えると「一つじゃないよねぇ~」って思えちゃうんです。

「東洋
学でも弁証論治(原因を絞り込む中学的方法)があるじゃないか!」…という意見もありますが、弁証論治は「真実はいつもひとつ!」というほど突き詰めていないように思えるんですよね~。なんて言いますか…飛行機で着陸はせずに着陸態勢に入ったくらいで、決定付けてるように思えます。

例えば病気の原因…ドラマ “ドクター・ハウス” などでは、ハウス先生と、スタッフが難病の原因を探り、答えを導き出す。いわゆるカンファレンス形式で物語りが進んでいきます。

全ての病気がこのように原因がハッキリわかればいいのでしょうが、実際はそうでは無いのが現状だと思います。よく
現代医学は細かい所(例えとして森の中の特定の葉っぱの組織…)に着眼点を置き、東洋学は森全体を見回し、全体の調和に注目する。というような事を言われますが、やはり色々な原因が積み重なって起きるのが病であるように思えます。

本来ならば細かく見る現代医学と全体の調和を重視する東洋
学のいいとこ取りが望ましいとは思うのですが、保険の事とか学界の力関係を考えれば現状では難しいことなのかなぁ~と思います。

病に関しては「真実はいつもひとつ!…とは限らない。」
おあとがよろしいようで…





・おっ!打鍼かぁ~~!?

2013年1月11日

打鍼昨日、以前から録り溜めしていた番組「世界ふれあい街歩き」を何げな~く見ていて、目が釘付けに…

「おっ!打鍼????」

お国はタイのランパーンという場所で「木槌を打つ音がするから入って見ましょう~」と店の中に入ると、タイのお坊さんの前腕に木を置き、それを木槌で叩いて腕の凝りをほぐしている最中で…「何してるんですか?」という問いに、「腕が凝ってるからほぐしてるんだよ!どこでもある方法だと思うんだけど、爺さんから教わった方法さ!」。

日本独特の鍼術で“打鍼”という、鍼を木槌で打ち付ける手法があるんですが、所変われば品変わる!とでも言いますか…広~~~い視野でみると、人間の考えつく事って同じなんでしょうねぇ~!(笑)





・ネガティブ・データを検証

2013年4月11日

ネガティブデータ体験的にはわかっている事を、他者に伝わるように言語であらわすのは難しい…。

しかし言語化しないと後世には伝わらない。言語化して表現するには実証しなければ研究論文は空理空論となるので、実証できなければ意味が無い。

体験は口訣として残り、普遍的となれば真理になるが口訣にしたがって行っても上手くいかない時もある。

その場合「上手くいかない=嘘じゃないか?」ではなく、なぜ上手くいかなかったのか…の理由を考える必要がある。『失敗学』が提唱するように「なぜ上手くいかないか?」を追求して原因を掘り下げる事が重要…。

このような事が、ある専門新聞に掲載されてました。“ネガティブ・データの検証” いつも考え事をする時、頭のどこかに持っていなければいけない事だなと思います。





・逆子

2015年9月14日

逆子時々「逆子なんですが…
されたことありますか?」とか「逆子ってお灸で治るって聞いたんですけど…」…と問い合わせがあったりします。

僕ら鍼灸師からすると逆子のお灸療治は普通なんですが、意外と知られていないんですよねぇ~。

肩こりで来院されてる年配の患者さんに
逆子へのお灸の話をしたら「へ~~そうなの?知らなかった!」って仰ってましたから、昔から知られている療法じゃなかのかな??でも、最近の産婦人科でもお灸を取り入れている所もあったりして広まっている感じはするんですよねぇ~。

逆子のお灸…。足の小指にある至陰というツボをつかったりするんですが、やはりこれにもタイミングがあるんですよ。

統計を見ても28週~31週までの方が32週~35週より矯正率が高いとか…。初産婦と経産婦でも効果の違いがあったり。35週目までだったら矯正が期待できるというデーターがあったりと、様々なんですが概ね28週から34週辺りでのお灸療治が効果が高いように思います。

先日も以前、肩こりとかで☆療に来られていた方から「逆子なんですがお灸で治せませんか?」と1年ぶりに連絡があり、お灸をさせてもらったんですが、1回のお灸で逆子が治っちゃったみたいなんですよねぇ~。

その後は、足の浮腫とか手のしびれとかがあったようなので週1回ペースで、足や肩首の鍼をさせてもらっていたのですが、もう来週あたり生まれそうと言うことで、9月1日にお灸療治を終えられたんですよ。あれから1週間以上経ちますから、そろそろ赤ちゃんと御対面されてるでしょうねぇ~。




・新しいモノを見つけるためには…

2015年9月5日

エビデンスエビデンスがある情報はYesで、エビデンスがない情報はNO…

ホントにそうなのか??????
白黒付けちゃうと新しい考えが生まれないんじゃないかぁ???

昨夜、うどん屋さんに行った時、うどんが出来るまでお店に置いてあった週刊誌…週刊文春だったかな?

ペラペラとページをめくってましたら、『近藤 誠「根拠を示して欲しい」 × 大場 大「近藤 先生の論法は危険だ」 “がん放置療法”は正しいのか?』という記事があったので読んでみました…。

おっ!バトル…!やってる!やってる! バキッ!! ( -_-)=○○=(–#) パーンチ

色々と賛否両論あるとは思いますが、なんとなく癌の治療に関して、現在行われている抗癌剤・放射線・切除手術の三種の神器的な
療は行き詰まってるように思えるんですよねぇ~。

僕はエビデンスという言葉はあまり好きではないんですが、このエビデンス…。

端から見て現段階では大場さんの言う「近藤 先生の論法は危険だ」という事柄に関してのエビデンスは出せないと思うし、近藤さんの言う「癌もどき」もエビデンスとしては薄い…。そんな感じがするんですよねぇ~。何となく状況証拠で推測して犯人を捕まえようとしている…。そういう段階のような気がします。

でも、そう考えると近藤さんの「癌もどき」という考え方は、行き詰まっているように見える、今までのガン
療の考え方とは違う考え方なので、抗癌剤・放射線・切除手術以外に新たな道を作るものと考えてもいいのではないかと思うんですよねぇ~。科学を標榜する人達がよくエビデンス…エビデンス…と言いますが、全否定する必要はなく考察に値する…と思うんですよ。

今年に入って僕の好きなギタリストの石田長生さん。俳優の今井雅之さん。以前からTHE WINDS OF GOD 見るチャンスがなくて、いつか見たいなぁ~と思ってたんですけどね…。残念です。

お二人とも癌が告知されてから亡くなるまでが早かった事に関して、その時、僕の頭に浮かんだのが近藤さんの本に書かれていた抗癌剤の話だったんですよねぇ~。

でも1つ踏み込んで考えるならば、抗癌剤云々の前に、お二方とも不規則な生活をされていたのではないか?かたやミュージシャン…、かたや俳優さん…、やはり深夜までの飲酒喫煙、極度の緊張、ツアー…、思いつくだけでも免疫力が低下しそうな事柄は山のように出てきます。

近藤さん、大場さんがバトルされてる段階以前の不規則な生活で免疫力を下げてしまうというところが一番のポイントなんじゃないんでしょうかねぇ~。日頃の生活が一番大事…。
昔から言われてきている事なんですよねぇ~~。





・ちょっと違うと思うんですよねぇ~

2015年9月1日

違うと思う鍼灸
を受けられる患者さんは必ず何か体の不具合を持っていて、「○○○○が痛い!」「気分が優れない!」と体調不良を訴えて来られます。

なので僕らは、その症状を取るため…、その病気を治すために一番最善な方法を選び、鍼の種類を選んだり、お灸のやり方を変えたり、電気鍼を使ったり、刺絡をしたり…、その患者さんの体調に合った施術を行います。

でも時々、新規の患者さんから「おたくの
鍼灸院は電気の鍼はされてますか?電気針をして欲しいんですけど…」とか「刺絡をして下さいませんか?」と療法を指定される方がいらっしゃるんですよね…。

多分、噂で電気鍼の良さを聞いた…とか、以前、別な所で刺絡
を受けていた…とか、色々な理由があっての事でしょうが、僕はこの「療法の指定」は間違っていると思うんですよね!

別に立場的な関係を優位にしようという訳ではなく、その
療法を患者さんに施す上での責任の所在は術者である僕にある訳です。

何か不具合が起こった場合「患者さんがこの療法をしてくれと言ったからしたんです…」なんて言ったとしたら「なんていい加減な奴だ!」「鍼灸
ってそんなものか!」と言われると思うんですよねぇ~。

患者さんがやってと言ったから、やった…では、それはサービースであって
医療療ではないと考えます。

なので「
療法の指定」をされる患者さんには「ウチの鍼灸院で、そ療法はやってはいますが、まずは体の状態を見させていただいた上で、どの方法が最適かは私自身が判断しますので、患者さんが期待されている療法を選択しない場合があることを了承して下さい。」とお伝えしています。

飲食店などで食べたい商品を注文するのと同じ感覚で鍼灸
を考えるのは間違ってると思うんですよね!
これも病院や
療関係がサービス過多の傾向にある弊害なのかもしれません…。





・○○と辞書は新しいほうが良い?

2015年7月22日

ある本を読んでいたら…
「医術の習得には長い年月が必要だが人生は短い。怠らず研鑽を積まねばならない」…と、かのヒポクラテスさんが言ってたらしい。「傷つけるなかれ、自然
癒力を崇めよ」とも言っていたそうな…。fumufumu…仰る通り!至極!ごもっともなお話…!

この本によると「人間にはもともと健康に戻そうとする自然の力があって
者はそれを助けるのが任務なんだけれど、現代医学はコレを守ることをしなくなった。それはなぜか?それは “原因を解明すれば治す事が出来るという考えが支配しているから…” …この考え方で一定の成果は得られたが、全てに有効では無い。」という事が書かれてました。

東洋
学を学んでる者としては、これまたごもっともなお話なんですが、果たして一般の方がこれをどこまで理解していただけるかどうか…?

また、「今の西洋
学が認めなければならないのは自然癒力なんですが、西洋医学には自然癒力という用語はありません」「国語辞典にも自然癒という項目は無い」と書かれてます。(これ…お医者さんが書かれてる本です。)

へぇ~~~自然
癒って国語辞典に載ってないのか!?…と使い慣れた第4版の広辞苑を手に取り調べてみると、確かに「自然癒」という項目が無い! 「マジかよ! あっ!先日、新しい広辞苑 第6版を買ってたんだ!」…と、新しい広辞苑で調べてみると第6版の広辞苑に「自然癒」の項目があり「生体が本来持っている回復機能によって病気やケガが治ること」と書いてありました。

ほほ~~~!第4版を買った25年前くらいは、世間一般に自然治癒力という事は、あまり信じられていなかったけど、最近は自然治癒力が信じられるようになったという事なのかな?

そう言えば、30年くらい前に急性外耳炎になって耳鼻科に行った時に「何か薬は飲まれてますか?」と聞かれて「漢方薬を…」と答えたら、そのお医者さんは「漢方なんて効かないよ!」と煙たそうな顔して言ってたもんなぁ~。

今なら漢方薬も市民権を得てるからお医者さんもそんな事言わないだろうし…。時代の移り変わりによって理解度が深まったという事なんでしょうね。

僕も鍼灸の治療していて感じる事があるんですが、患者さんも2パターンいて、身体が治してくれている事を理解している人と、薬が身体を治してくれていると思ってる人がいらっしゃるように思うんですよね!

前者の「身体が治してくれている事を理解している人」は鍼灸に適してらっしゃるというか、病と正面から向き合う姿勢なんですが、後者の「薬が身体を治してくれていると思ってる人」は他人まかせとでも言いますか、薬まかせな感じなので、効かなければ次!効かなければ…次!と点々とあっちの病院、こっちの整骨院、そっちの鍼灸院を放浪する感じになってる。

なんとなくそんな感じがするんですよぉ~。

なので「身体が治してくれている事を理解する」という事が病気に立ち向かう第一歩なのかもしれないな…と思うんです。そしてツールとして薬とか鍼灸を使い分ける。これが病気に立ち向かうあるべき姿なのかもしれないと思った次第です。





・段階をふんで…

2015年5月21日

鍼灸院に来られる方は、「痛みを何とかして欲しい!」「痛くて動けない!」と “痛み” を訴えて来られる方が8割で、残りの2割が「痛くはないけど体調不良で…」という感じだと思うんですよね…。

痛みを訴えてくる方は急性疾患かな…

(でも、鍼灸を受けようと思う方は、だいたい病院行っても、整骨院に通っても治らないから怖いけど… 痛めたところが痛いし…。と切腹覚悟で来られる方が多いから急性疾患といっても痛めてから3ヶ月…もしくは半年くらい経ってる場合が多いんですけどね…)

痛みを取るという方法……、痛みをコントロールする方法は色々あるんですが、やはり一番重要なのは痛めている部位の組織の回復を促す事なんですよねぇ~!痛みだけを取るなら病院で処方される痛み止め?麻酔?で取れるはずなんですよ…。

でも薬が切れるとまた痛みだすという事は、痛めている場所の組織回復が出来てない状態なのでまた痛み出す。痛み止めを常用すると身体が薬に慣れてくるので効果が薄れ、もっと強い痛み止めを必要とするようになる。

損傷部位が軽度の損傷なら痛み止めで痛みを感じない状態にしている初期段階の間に、身体自体が損傷部位を治してくれるので、その場合は「痛み止めの薬を飲んだら治った!」という事になるんですが、損傷部位が軽度では無い場合は、組織の回復には時間がかかるんですよね!

鍼灸というのは身体が組織の回復をはかろうとしているのを後押しするような療なので、患者さんの体力に合った後押しの仕方をします。なので若い人と年配の人へのアプローチは変わってくるのも当然ですし、その成果が現れる経過時間も違ってきます。

その事を理解されていない方は、まるで機械の部品の交換でもするような感じで「この痛みを取ってくれさえすればいい!」みたいな気持ちを前面に出して来院されたりしますが、移植とかは別の話として、基本的に人間の身体は部品交換がきかないものなので、身体は大事に使っていかないといけないんですよねぇ~。

登山でも高山病を避ける為に身体を慣らしながらゆっくり登っていくように、身体を治す場合も段階をふんでゆっくり治していくようにしなければ治るものも治らないんですよね!





・鍼灸OSAKA

2014年12月20日

鍼灸OSAKA『鍼灸OSAKA』という専門誌があるんですよ!

1年に4回~5回?発行されるんですが、その雑誌の“座談会”に出席者として10月11日に大阪の森ノ宮
療学園に行き休憩挟んで3時間くらいだったでしょうか著名な先生方に交じって好き勝手な事を話してきたんですよ!

ある先生の推薦で編集担当の方から連絡があったんですが、最初は「なんで僕なんですか?」って思ったけど、実際こういう機会もそうはないだろうと思い、まぁ~楽しんでこようかな…と怖い物見たさのような感覚でペラペラと喋った内容が文字になって雑誌に載る…。

いやぁ~…まさに初体験!自分が喋ってる事ではあるのですが、改めて読み直すと “こっ恥ずかしい” の一言ですね!

『補腎』について話して下さいという事だったんですが、教科書に載ってるような事を話しても面白くないだろうし…と思い五臓の腎というより、経絡の腎経と姿勢の関係の話しをさせてもらいました。

…あとは別に用意した話ではなかったんですが、参加されてた先生方が補腎と夫婦の有り様について話が盛り上がってるのを聞いていたら、「あっそうか!腎が虚すから熱が頭に上がりやすくなるのでカァ~!としやすくなり、言わなくてもいい事を言っちゃうから夫婦喧嘩になっちゃうんだよなぁ~!」…なんて我が家の夫婦喧嘩の事を思いだし、へんに腑に落ちたりとか…。

近頃の人は腎が虚してるために肚に収める事ができないから、我慢できない人が増えているというのも参加されている先生方と意見が一致したところではありました。「今こそ補腎!」という大きなテーマではありましたが色々な先生方の意見が聞けてとても刺激になりました。





・シンプルに考えると…

2014年12月11日

1つ発言すると、必ず「でも…」「だって…」と反対意見が出る。まぁ~色々と考え方が違うので違う意見が出るのは当然ではあるし、違う意見があると言う事を受け入れる事が出来なければ、決裂…はたまた争いに発展する事は歴史を振り返ってみると明らかでぇ~~。

でぇ~そんな時にこそシンプルなモノの考え方が出来る人の方が色々と物事に対処できると思うんですよねぇ!
だいたい…難しく考え始めるとドツボにハマってしまいますしね!

取りあえず、肩が凝ったり首が凝ったり…腕が痛いとか首から上の不具合を感じてたら、温めてみるというシンプルな考え方で対処してみるのがいいかもしれません。

確かに全てが冷えが原因というわけではなく、炎症や内熱が原因で起こってる不具合もありますが、歳を取れば筋肉量が減りますから体は冷えていくモノですし、今は冬ですから、放っておいても体は冷えていきます。なので今の時期は確率的には冷えから起こっている不具合の方が多いと思います。そういう時はシンプルな考え方として血行を良くしてあげる。

患者さんから話を聞いていると、自己判断で意外と真逆な対処法をしている人が多いんですよねぇ~ヒヤッとして気持ちがいいから…とかね!

炎症(火事)が起きていると水をかけて火を消さなければいけない!(冷やす行為)炎症が治まった後は、太陽の日差しが届かず日当たりが悪い場所では作物も育たないわけですから、温めて血行を良くすることで組織の回復が早まる(温める行為)この考え方を基本とすれば、対処できると思いますが、あとは見極めが難しい…、まぁ~そこを見極めれるのがプロの☆療家という事なんでしょう。

ただ、腰痛とかだと急性的な痛みの場合、色々な原因が混在している可能性が高いので、シンプルに…とはいかない場合が多いのも事実です。

早く対処した方が良いに越したことはないので、自分で出来る対処法としては不具合を感じたら、カイロやドライヤーなどを使ってまず温める。(注意!:今の時期は!…ですよ!)それでも駄目なら、やはり局所へのアプローチ&体の調整が必要なので鍼灸院に来られて下さい。





・思い込みも重要!

2014年12月5日

人ってチョットしたストレスで胃潰瘍になったりするんだから、その現象を逆手にとって考えれば、思い込む事で傷口が塞がるのが早くなったり、病気が治ったりもするのではないか!…というような事をTV番組で武井壮さんが話してるのを聞いて、なんとなく腑に落ちたんですよね。

「いやいや
学的に…」とか「タレントが言ってる事を鵜呑みにしちゃ~駄目でしょ…」と言われるかも知れないけど、意外とこの“思い込む”という行為は重要なファクターのような気がするんですよねぇ~!「一念岩をも通す」とも言いますしね!この思い込みという行為…良い方向に進めば、まんざらバカに出来ない力を発揮すると思います。





治療が続かない方々…

2015年10月2日

再三再四…このブログにも書いてますが、病気を治す・体調不良を治すのは自分自身の身体なんですよね!
手術にしても薬にしても鍼灸にしても、身体が治そうとしてる背中を押してやる行為が
療なんです。

どんなに神の手を持つ名医が手術しようが、数百万する高価な薬を飲もうが、名人と呼ばれる鍼灸師の鍼灸治療を受けようが、身体に治すパワーがなくなってしまうと、どうしようもないんですよね!

自分自身の身体が治そうとしているんだけど、何かが邪魔をしてる…。その邪魔をしているモノを取り除き修復するのが手術であり、身体が治そうとしてるんだけど身体にパワーが無くガス欠を起こしてるような時に起爆剤のような効果をもたらすのが薬であり、身体にはある程度、治す余力はあるんだけれど、軌道修正が必要な場合に行うのが鍼灸
なんです。なので手術や投薬しなければいけないような悪い状態になる前に、鍼灸で軌道修正して健康を維持するって大事なんですよね!

その鍼灸
をやる立場として「療が続かない人」の特徴ってあるなぁ~って最近、思うんです。それは…

・自分で勝手に決めちゃう人
・無理矢理?付き合いで来院した人
・薬を常日頃から常飲している人

こういった方は、治療が続かないですよねぇ~。まぁ~しょうがないか…





・日々の生活に密着すべき鍼灸

2015年10月17日

鍉鍼鍉鍼という刺さない鍼があります。

微弱な刺激を皮膚に与えて痛みを取ったり、凝りを取ったりする鍼なんですが、刺激に弱く敏感な方に使う…。何も尖っていてブスブス刺すだけが鍼じゃないんです。こういうのも鍼なんですねぇ~。

微弱な刺激で治るのならそれに越した事はない…と、ひと頃考えた事がありますが、今のところ僕の考えでは微弱な刺激で全てを網羅するのは無理だと思います。まぁ~世界は広いですから中には「念力~~~♪」のようなモノを使って治す人もいらっしゃるでしょうし、断言は出来ませんが、まぁ~これは僕の狭い了見での結論です。

微弱な刺激で治ると言うことは、身体が微弱な刺激も感知受容できる状態だという事だと思うんですよねぇ~。この状態は身体にとって良い事なのか?悪い事なのか?…。色々と微弱な刺激を感知受容できるわけですから、そんな状態だと色々な事に反応してしまって忙しいんじゃないかな?って思うんですよね。放っておいていいような事にもすぐ反応してしまう。これっていつも身体が警戒警報を鳴らし続けてる状態で、もう身体も心もヘトヘトになってる状態。…だから体調が悪くなるんじゃないでしょうかねぇ~。

時々…「この患者さん…鍉鍼の方がいいかな?」とか、患者さんから「あまり刺す鍼は得意じゃないんです」と言われる人がいたりして、鍉鍼を使ったりする事もありますが、身体全体の健康状態というかモチベーションが上がってくると、普通に鍼を刺す鍼
をしても身体に負担がかからない。まぁ~下手くそな人が鍼を刺すと痛くて患者さんもストレスが溜まってさぁ~大変!…ってな事になりますが、普通の鍼灸師なら鍼を痛くなく刺す技術を持ってるはずですので…(笑)鍼を刺す程度の刺激で身体が丁度イイ具合になるくらいが、身体にとっては一番健康が保たれている状態じゃないんでしょうかねぇ~。

ん?…何?…「健康だったら鍼なんか受けないよ!」…ですって?部屋だって車だって掃除したりオイル交換しなきゃ駄目じゃないですか!鍼灸
ってそんな感じで日々の生活に密着すべき療なんですよ!





・二分法

2015年10月23日

「白か黒か?」「Yes or No」…など、2つに1つ…という考え方があります。
二分法って言うんですかね?
なんかスパッ!と切れ味がいいし、潔い感じもするんですが実際はそう割り切れるものでもないのが実情なんじゃないかな?

例えば、「健康と病気」で考えると、健康じゃ無いんだけど病気ではないという人は五万といますし、なんとなく事件が起きないと動いてくれないと言われている警察みたいな感じで、病気じゃないと動いてくれない
医療って多いような気がします。

健康じゃなくて病気じゃない人達…。そういう人達を、病気という酷い状態にならないように健康にする
療…
それは僕ら鍼灸が担う領域なのかもしれませんね…。





・捨てる神あれば…

2015年11月9日

捨てる神あれば拾う神あり「捨てる神あれば拾う神あり」

嫌な事があっても、いずれ良い事あるさ……、そんな感じで使われる言葉だと思います。確かに良い事があれば、なんとなくスキが出るのか…悪い事があったりしますし、嫌な事が事があったら、そのあとに良い事があったりするものですしね!

一神教の人からすると論外な話なのかもしれませんが…(ここは八百万の神々の国なので…)“ 捨てる神 ” と “ 拾う神 ” がいるとするならば、“ 放っておく神 ” もいるような気がするんですよね。捨てる神が捨てた後、拾う神が拾ってくれる間に「放っておく神様」が傍でジ~ッと見守ってくれる。

先日、患者さんと
療中に話をしていて、病気が治る過程で痛めた部分を治す間の期間をどう説明しようかと考えたんですが…

病気を患った瞬間が捨てる神に捨てられた時で、治る感覚を感じた時が拾う神に拾われた時。じゃぁ~、
療に専念している時は?
楽器でいうと一生懸命練習してる期間なんでしょうねぇ~。楽器に限らずスポーツにしても芸事にしても、やりたいと思ってもすぐに出来る訳はなく練習が必要ですしね!練習する期間が短く、いきなり結果を求められても「そりゃぁ~無理な話ですよ!」って事になる。

病気を治すのも同じで、早く治りたいって気持ちは分かりますが、必ず身体は病気や痛めた所を治そうとしていますから、そこにいきなり結果を求められても、身体的は「そりゃぁ~無理な話ですよ!」って事になると思うんですよねぇ~。放っておく神様じゃないですが、傍でジ~ッと見守る気持ちも必要だと思います。





医療への過信

2015年11月13日

電化製品なんかも10年使ってたら不具合が出たりしますよね…。(ちなみにウチの洗濯機は22年目の古株ですが、時々、予定時刻より早く洗濯が終わったり、柔軟剤が出ない事があります。)車にしても10年…20年乗っていると排気量も落ちてくるわけで…。人間の身体もまたしかりで… 歳を重ねれば色々と不具合は起こるものなんですよねぇ~。

時間が経過(病気やケガ)すれば100%の機能が低下してしまうモノだという、ごく当たり前な自然な理屈…。頭ではわかっていても…まだ大丈夫!と、どうしても正常性バイアスで物事を考えてしまうモノなのかも知れません。

いつも出来ていた事が出来ない⇒痛い・不安になる⇒なかなか治らない⇒色んな
療機関を渡り歩く⇒薬を大量に処方される⇒薬を飲んでるから治るだろうと、ひととき安心する⇒100%の機能が回復しない場合、不安になる⇒治らない⇒色んな療機関を渡り歩く…

……と、こんな感じでループを繰り返す人って多いように思うんですよねぇ~。
最近、患者さんと話をしていて思ったんですが、何故こうなるのか?
これって「
療への過信」が原因なんじゃないでしょうかね?科学の発達!療の発展!をメディアが流布した結果、病気をしても手術をすれば…薬を飲めば…「治っちゃう!」という過信が療費増大という結果に繋がっているように思えます。

やはり身体のあるべき姿を受け入れ、日々自分で手入れをする。
鍼灸は日々の手入れのお手伝いにはもってこいの
療なんですけどねぇ~。





・知者不言、言者不知

2015年11月17日

知者不言、言者不知 ……
「知る者は言わず 言う者は知らず」

「物事を深くよく理解している人は、そのことを軽々しく口に出さないが、 よくしゃべる人は、本当のことをよく分かっていないためである」とか「知恵のある者は言葉が少なく、言葉の多いものは知恵が少ない。」という意味らしく、老子56章に書いてある言葉らしいんですが… お喋りするのも好きだし話を聞くのも好きな僕としては耳が痛い言葉ですねぇ~(苦笑)

僕が思うに「知る者は言わず」と言う事に関しては、「言っても分からないだろうし理解してもらえないだろう…」という意識が働いてるのではないでしょうか? 間違った形で理解されても困るので、軽々しく口にしないと言う事なのかもね…。

1人の人が物事に対して真剣に取り組める時間って、人それぞれだと思いますが紆余曲折ある人で20年~30年。この道一筋と…長い人で50年~60年くらいでしょうか…。取り組める時間が長ければ良いという訳ではありませんが、何となく歴史の流れの中でこの年数を見ると、人が何かを成しえる時間というものは、とても短い時間のように思えます。

最近、何となく思うんですが…

東洋
学・鍼灸・現代医学…。それぞれ色々な知識が必要です。僕は鍼灸師なので勿論、鍼灸の事柄+東洋医学の知識、それと浅い知識ではありますが、基礎的な現代医学の知識が療上必要となります。現代医学と一言で言っても、内科もあれば外科もある。婦人科もあれば耳鼻科もあり、専門領域は数限りなくある訳ですし、全てを深く勉強しているわけではないので専門医の先生方からすれば「薄っぺらい知識で専門領域を語るな」…となると思うんですよね。

でもそこは東洋
医学という思考で物事を捉えていくので、ある程度は網羅できるんですが、鍼灸師の中でも色々な方々がいらっしゃって、現代医学の専門の領域を勉強して、その知識を何とか治療に反映させて効果を上げようと努力されている人達もいらっしゃいます。

しかしながら基本的に僕らは鍼灸師なので、最終的には鍼と灸で治す事になるわけで…、
現代医学の専門知識をいかに鍼灸の技術に置き換えて効果を出すかを詳しく語られてる人って少ないと思うんですよね。…いたとしても、この症状にはこのツボ…。的な事のみで、誰もが同じ事を再現するには、ちと不十分な情報ばかり。

僕が想像するに、鍼灸の臨床家はこの「
現代医学の専門知識を鍼灸の技術に置き換える」という事を臨床現場で実践されている方は多いと思うんですが、いかんせん、そういう方は「知者不言、言者不知」的な方が多い。

論文を発表するのが得意な人、そうでない人。人に伝えるのが得意な人、そうでない人。いろいろなタイプの方がいて良いとは思うんですが、そうなると技術の伝承という事は難しい。

でも、人が真剣に物事に取り組めるのは20年から、長い人で50年。歴史の中の過ぎゆく時間から考えると短い時間ですし、生命が色々なパターンで進化するが如く、人から教わる事を第一義とせずに、自分で考えるという姿勢とでも言いますか…自ら思考して実行する。

そういう方向にシフトしていくべきなのかな?と思う今日この頃です。自分の進む道が間違っていたら時代の流れから淘汰されるはずですしね!結果は後からついてくるとも言いますし…!「寄らば大樹の陰」という言葉もありますが、いつまでも「親方日の丸」じゃぁ~なんも面白くないし、僕の性に合わないんですよ!(笑)





・ちょっと…欲張り?

2015年11月27日

以前、ブログで紹介した『正しい
療のための10か条』というツイート…。

この最後の項目にある「不調な時は何をするかよりも、何かをやめる方がうまくいくと知ること」という言葉。
これって程度の問題はあるでしょうが、的を得ていると思います。

基本的な考えとして、自分の身体は自分が管理するものだという事…、身体の不調は薬や鍼灸が治すのではなく身体自身が治しているという事を理解した上でのお話しですが……

まぁ~基本的に生まれ持っての体質や、生まれつき体力がある?ない?など、人それぞれ環境や持ち合わせたモノの違いはありますが、やっぱり不調になる原因は身体に無理をさせているからだという事が大前提だと思うんですよねぇ~。

無理=オーバーワーク……という事は、やってる事を何か1つやめると、身体の負担が1つ減る。……という事は身体の不調が軽減する。簡単な引き算だと思います。

けれども多くの人達は、「私はそんなに色々やっていない…」とか「今やってる事をやめるわけにはいかないので、何もやめること無く治したい…」と、身体の不調を無視した自分の都合のいい言い訳?とでも言いますか…… 

まぁ~欲張りさんなんでしょうねぇ~。何事にも許容範囲というモノがある訳ですから、溜め込んでたら、そりゃぁ~どこか不具合は起こりますわね!

「不調な時は何をするかよりも、何かをやめる方がうまくいくと知ること」これは心にとどめておいてイイ言葉だと思います。でも、万が一、不調より1ランク上の病気という段階にレベルアップしてしまった場合は、薬や鍼灸のサポートで病気を治す。これが本来のあるべき姿じゃないんでしょうかねぇ~。





・ダルマ落としかぁ~!

2015年12月3日

身体のバランスよく患者さんに体の歪みを説明するとき「身体はバランスが崩れながらも、何とかその状態を改善…もしくは保とうと頑張っていて、そのバランスがより悪い状態になってしまうと、体調が一段と悪くなるんですよ!」って話をしてるんですが、先日、読んだ『姿勢の科学』っていう本でダルマ落としを例に挙げて説明されてました。僕らの仕事はダルマ落としの、歪なバランスを少しずつ元に戻していく方法と、一度崩して再構築する方法を用いて患者さんの体調を考慮しながら対応しているんですが…「一度壊して再構築…」って身体にとっては負担が大きいので、できる限り、歪なバランスを少しずつ元に戻していく方法で対応します。これは癖を直すという事にも繋がるので、時間がかかるんですよねぇ~。

人の話を素直に聞ける人と、聞けない人がいらっしゃるのと同じで、素直に反応してくれる身体と、そうでない身体とでもいいますか、よく鍼灸師が「鍼灸は痛みや不調が無くても月イチくらいのペースで受けていた方がいい!!」と言ったりしますが、これは営業トークではなくて、素直に反応してくれる身体を作っておくと言うか……、素直に反応してくれる身体維持しておく。畑とか田んぼも手入れをしておかないと雑草が生えて、そのままにしておいたら元の状態に戻すのには2~3年かかると言われてますしね!やっぱり手入れって重要なんですよねぇ~。





・動かないことの功罪

2015年12月15日

「廊下に立ってなさい!」…と先生から言われて罰として廊下に立たされた記憶がある人も多いはず…(笑)

動かずにジッとしているのって身体にとってはホントに罰ゲームなんですよね!

動かない ⇒ 一部の筋肉のみ持続的な緊張をしいる ⇒ 一部の筋肉が疲弊する ⇒ 血行が悪くなる ⇒ 凝りが生まれる。

動くって言う事は、まんべんなく筋肉を使うというか…、凝りの発生を回避する防御策なんですよぉ~。

寝返りなんかもその1つですけど、根を詰めて作業すると、ついつい同じ姿勢で1時間…2時間…3時間と作業をしてしまうんですよねぇ~。そうなると自然に首・肩・背中・腰に凝りが生まれる。

それが慢性化すると凝ってる事が日常となり、あまり気にならなくなる。そうなると凝りをどんどん成長させるというか、肩こり・首凝り・腰の凝りが酷くなる。その凝りがピークに達すると、頭痛や四十肩・五十肩、ギックリ腰になってしまうんですねぇ~。

仕事や作業をする場合、30分に1回くらいは、姿勢をリセットさせるように動く方がいいと思うんですよねぇ~。





・痛み止め

2015年12月17日

痛み止め飲み薬…、塗り薬…、注射…、と様々な方法で薬の成分を体内に入れて痛みを止めるわけですが、痛み止めの薬は痛みを止めるのがお仕事なわけで、治さなければいけない部分を治すのは痛み止めの仕事の内に入ってないんですよねぇ~。

じゃぁ~基本的に何が患部を治しているのかというと、身体自身が治してるわけなんですよね!

痛み止めの薬が、痛みを止めていてくれる間に身体が不具合を治す。例えて言うなら、痛みの伝達物質が車だとして道路工事の交通誘導警備員さん(痛み止めの薬)が道で車を止めてる間に、身体自身が工事箇所を短時間で修復する。…そんな感じでしょうか…。

痛み止めの薬が、痛みを止めていてくれている間に治る程度の不具合なら、痛み止めの薬を使う事で問題解決なんですが、不具合の程度が深刻な場合は痛み止めの薬を使っても、薬の効果がなくなると痛みがぶり返して…結果…「何をしても治らない!(怒)」…という事になるわけですよね!

でも、痛み止めを飲んでる間は痛みを感じないので薬に頼るようになる…、薬の効果に対して身体が馴れてくると、だんだん効かなくなるので徐々に強い薬が必要になる。

まぁ~こんな負のループにハマっている人も多いのではないでしょうか…。先日、来られた患者さんも、このパターンで首・肩にもの凄い凝りがあり辛そうにされてました。

鍼灸は、この身体自身が治している作業を手助けする
療ですから、理想としては痛み止めで痛みを止めてもらって、鍼灸や漢方薬で身体が持つ回復力をサポートするっていうのが一番いいと思うんですが、痛みを感じない状態になると、みんな治ったと勘違いしちゃうんですよねぇ~。

「症状が無くなる状態と、病気が治るのは別物ですよ!」って、患者さんにはいつもお伝えしてるんだけれど、鍼灸に対する信頼度が低いせいか…なかなか理解してもらえないんですよぉ。





・中国の鍼と日本の鍼
2016年1月9日
中国の鍼と日本の鍼患者さんから「中国の鍼と日本の鍼ってどう違うんですか?」って治療中に質問されたので、刺激量とか鍼の太さとか…専門的な事を言っても一般の人には分かり辛いだろし……。

何て答えようかなぁ~?と考えながらお伝えした答えは…

「鍼はもともと中国が発祥ですが、伝わってから1500年以上経つので、基礎的な事は同じですが、その土地、土地で独自に発達してるんですよねぇ~。まぁ~簡単に言えば……お国柄が出るっていうか……。

日本の鍼は「おじゃましまぁ~~す…」って感じで頭を下げながら笑顔で身体に入ってきて、身体がざわついたら「あっ!すみません!すみません!すぐ終わりますから…」って頭を下げながら去って行く感じ。

中国の鍼は「ドラえもんに出てくるジャイアンみたいな…、あんな感じ…(笑)」まぁ~どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、のび太にもジャイアンにも良い所があり悪い所もますから…。基本的に患者さんの辛い症状が取れれば、中国の鍼だろうが日本の鍼だろうが、結果オーライならばどちらでもいいと思うんですよねぇ~。」

…と、お伝えしたら「わかりやすいですねぇ~」って笑われてました。

時々「中国の鍼は刺激量が強い!」とか「鍼が太い!」って言ってる鍼灸師さんを見かけるんですが鍼も太かろうが細かろうが長かろうが短かろうが、術者の技術が高ければ患者さんへの負担は少ないですし、実際、凄い太い鍼を無痛に近い状態で刺す先生を知ってますしねぇ~…、その先生の手技を体感した時に「やはり鍼
は技術の善し悪しでこうも違うんだなぁ~」って思った時の事を思い出しました。





・漢方薬

2016年1月14日

一般の方は漢方薬っていうと「すぐには効かないけど体質改善」とか…そんなイメージを持っている方が多いように思います。

いやいや…、然にあらず!然にあらず!

漢方も鍵と鍵穴がピシャリと合うと、ものの数分で効果を感じるものなんですよねぇ~。まぁ~確かに長期的に服用して体質改善を図る場合もありますし、一概に全てにおいて鍵と鍵穴がピシャリ!…というわけにはいかないと思いますけど、漢方薬ってそういうものなんですよねぇ~!

昨日、NHKの歴史秘話ヒストリアで曲直瀬道三を扱ってましたが、曲直瀬道三の師匠となる田代三喜が薬を調合して僧に飲ますと、飲んだ瞬間「何か体が楽になった気がする…」というシーンがありました。あのシーンを見て「ホントかぁ?」って思った人もいるかも知れませんが、あれってホントに症状と薬効が合えば、起こり得る事なんですよねぇ!

漢方薬がすぐには効かないなんて、とんでもねぇ~話ですよぉ~!!

実は僕も先日、連休の時に体調を崩しまして、ある漢方薬を飲んだんですが、飲んですぐ憑きものが取れるかの如く、背中がス~~と軽くなるのを感じたんですよねぇ~。

もちろん鍼灸でもそういう経験ってよくあるんですよねぇ~。やはり十把一絡げで施す
療より、その症状に適した療…鍵と鍵穴がピシャリと合うと、その効果って絶大です。




・アトピー

2016年1月18日

私事ですが…、先週の祝日…11日に目と顔が凄く熱くなり、それ以来、顔が真っ赤っか!

僕自身、基本的にアレルギー体質ではあるものの、耳や肘裏、膝裏にアトピーが出た事はありますが、顔面紅班は初めての体験です。やっぱり、顔に症状が出ると、気分もドイ~~ンってなっちゃいますね!50歳のオヤジでもこなん気持ちになるんだから、若い女性がこの症状になったら、なおさらドイ~~~ンってなっちゃうでしょう。

ホッペタが赤くなったので一瞬、SLEかも…とも思いましたが、高熱も出てないし、関節も痛くない…。蛋白尿も出ていないので、まぁ~安易な鑑別は避けるべきなのかもしれないけど、1~2ヶ月前から少しアトピー性の症状が腕や足に出ていた事を考えると、アレルギー的なものなんじゃないかな?…と考えます。

僕が今、知る限りのアトピーの知識と言えば…

語源はラテン語で「曖昧・奇妙」といった意味があり、当初はアレルギー…鼻炎や気管支炎などのアレルギー疾患を伴う病気を一括りに「アトピー」と呼んでいたんですねぇ~。その後、アトピー性皮膚炎という言葉が
学用語として使われ始めた。…と記憶してます。

そんでもって、アトピーとアトピー性皮膚炎を厳密に分類すると、アトピーはアレルギー症状全体を意味していて、アトピー性皮膚炎は、その中に含まれる1つの皮膚症状だと定義付けされてるはずです。まぁ~現在では「アトピー」=「アトピー性皮膚炎」となってますけどね!

いわゆる、アトピー ⇒ 曖昧・奇妙 ⇒ 一括りに出来ない症状…病気 という事なんでしょう。

近代
学的にアトピーを考えれば、アレルギー(食物・ダニ・カビ)非アレルギー(胃腸の弱さ)と分類されるんですよねぇ~。
タンパク質はアミノ酸に分解されて筋肉、関節液となるわけですし、炭水化物はブドウ糖になりエネルギー源となります。胃腸がしっかり働いていないとタンパク質がアミノ酸に分解されて行く過程で歪な形で吸収され、筋肉や関節液にならず、変な形の状態で血中に入るんですねぇ~。炭水化物も同じように歪な状態で分解される。

そうなると変な形で血液中に入ったものや腸に残った歪なものをウィルスと勘違いしてIge抗体が高い状態になる。

基本的に皮膚で炎症が起きてるのか!? 上皮細胞(内臓の表面)で炎症が起きてるのか!?の違いで、とどの詰まりが、どこで炎症が起こるかで、ヒスタミンが出る状態は同じ!!ということなんですね。だからアトピーの患者さんにはアドバイスとして食事の量を減らして、胃腸に負担をかけないように心がけさせたり、食べる時はよく噛むように指導したりするんですよぉ~。

さて…これを僕の専門分野で考えると、子供の場合は食品アレルギーが引き金になる事が多いんですが、大人は腎の不足(腎虚)で起こる場合が多いんですねぇ~。腎虚って何?って一般方は首をかしげると思いますが、エネルギーの低下というか……まぁ~歳を取ったり、大きな病気をしたりしてエネルギーが低下することで体質が変わる。その体質の変化によって今まで起きなかった事が色々と起き始める。

今の僕の状態を中
学的な分類で考えると発赤、瘙痒、熱感なので皮膚風熱証と分類されるんでしょう。

漢方でも「熱・水・気・瘀血」に対してアプローチしているわけなので、鍼灸でもココにアプローチをかける
療をするんですよね。

病は気づきの1つ、病気は体からのメッセージ…。我が身を通じて学ぶことも多いですねぇ~。

今は黄連解毒湯と温清飲と石膏を飲んでますが、井穴刺絡もやっています(やっぱり血の色…濃いです。)
今回、体験して知った事は甘草エキスのパックって皮膚風熱証にはイイかも…。

僕自身の症状ではありますが、追々経過報告していきたいと思います。

登山家が下山した時の凍傷のような顔で仕事してますが、決してお酒を飲んで赤ら顔になったり、熱があって風邪を引いてるわけではありませんので、御安心下さい。




東洋医学のフィルターを通して…

2016年3月1日

東洋医学のフィルター現代
学の優れている所と言えば、緊急的な疾患に対応出来る事。細かい分析が出来る事。データを数値化して今後の病の進行具合を分かりやすく説明出来る事。他にも例を上げればキリなく「○○○○出来る事…」と優れている面をいろいろと強調できると思います。

何も考えずに列挙している優れている事を見れば、現代
学さえあればパーフェクトだとも思えてきたりもしますよねぇ~。

でも病院に行って検査したけど、「お医者さんからは検査数値に異常が無いと言われるんだけど…」と、体の不調は改善せずに「鍼灸って熱くて… 痛そうで… 怖いんだけど… 」とワラをも掴む感じ…(切腹覚悟)で鍼灸院を訪れる患者さんがいるって事は、いくら細かな検査結果を数値化が出来ても、病のひな形とでも言いますか、ある病気の型枠に当てはまる数値が現れない限り、分かりやすく説明も出来ない。…パーフェクトでは無いという事だと思うんですよねぇ~。

東洋
学は…というか、漢方薬の場合は数値化は可能ですが、特に鍼灸の場合、刺激量など数値で表現するのは難しいですしね…。現代学のように検査結果を数値化する事はできません。

やはり東洋
学の優れている所は経験医学とでも言いますか、2000年以上前から「あ~でもない!こ~でもない!」と試行錯誤して作り上げられたものなので、緊急を要する外科的疾患以外のモノ全てを網羅できる事だと思います。しかしながら、今の世の中みたいに、パソコンも無ければ、印刷技術も無かった時代から面々と受け継がれてきているものなので、色んな人が色々な考え方を付け加えたり、削ったりして伝わってきてるものでもあります。

なので、理解しにくい部分も数多くあるから、1+1=2…的な、明快で分かりやすい現代
学を信奉されてる方には「分かり辛い!怪しい!…学じゃ無い!」と敬遠しちゃうんでしょうねぇ~。でも「パーフェクトじゃ無い」と全否定してしまうのではなく、現代医学と東洋学…それぞれ優れている所は、お互いを利用し合うべきだと思うんですよね。(まぁ~今さら言う事では無いんですが…)理想としては現代学の検査データの数値を東洋学的な考えを織り交ぜながら東洋医学のフィルターを通して療をするのが、僕らのあるべき姿なのかなぁ~と思うんですよ!

まぁ~僕は鍼灸師なので、最終的には東洋医学的思考で鍼とお灸を使いどこまで出来るのか?という所が腕の善し悪しの指標になると思うんですよね!お医者さんの指示で鍼灸したりとか…、現代
学の検査数値だけを崇め奉るだけなら、僕ら必要ないですよね。




どうやって鍼灸で免疫力を上げるのか?

2016年3月4日

免疫力先日、患者さんから「鍼でカゼがなおるんですかぁ~????何かカゼの菌みたいなのを刺すんですか???(笑)」と素朴な疑問を投げつけられたので、どうやって鍼灸で免疫力を上げるのかって言う事を簡単に説明しますね!

少しでも東洋
医学や鍼灸に関して理解がある人ならそんな事はないと思いますが、東洋学や鍼灸に縁遠い人は「鍼を刺すくらいで…、とか灸をするくらいで治るわけ無いじゃん!鍼灸って肩こりや腰痛を治すだけのモノでしょ!!」って誤解してる人も多いんじゃないでしょうか?

僕がいつも患者さんに説明してる事なんですが、基本的に病気や体の不具合を治しているのは、薬や鍼灸じゃなく、皆さんの体自身が…体の不具合を治そうとしてるんですよね!でも体に治す力が無い場合、体の背中を後押ししてあげるように薬や鍼灸で体が治そうとしているのを手伝ってあげる。この考え方は現代医学でも変わりません。例えは悪いですが、生きる力が無くなってる人には何を施してもダメなんですよね!少しでも体に生きる力が残っていれば元気になる可能性が残っている。その可能性に望みをかけて手助けするのが
療だと考えます。

鍼灸
でどのように免疫をあげるのかというと、まずは体をニュートラルな状態に戻してやる。ニュートラルの状態というのは肩や首や背中や腰にコリなどがなく、体が免疫力を高めるのに何も障害が無い状態を作ってあげる。そのために経絡の走行やツボの効能を考慮し、ツボの選択をして鍼とお灸を使いコリを取る事で免疫を上げるというか…身体を良いあんばいに戻してあげるんですよね!要はバランスを取ってあげるって感じです。

鍼やお灸でウイルスや菌を刺したり焼いたり…(笑)っていうのじゃなくて、体をメンテナンスする事で間接的に病気を治すという事なんですね!





・なるほどなぁ~!

2016年3月19日

逆子のお灸はりきゅう ふくた のホームページの「逆子」のページに東洋
学の解説を入れようと、色々と資料を読んでいたんですが「へ~!」と感じる事がテンコ盛りでした!

僕が鍼灸学校の学生だった15~16年前、学校でも「逆子は至陰、三陰交のお灸で治りますよ!」という事を授業で教えてもらったし、なぜ至陰というツボへのお灸が逆子に効くのか?という事に関しても至陰のお灸は臍動脈や子宮動脈の血管抵抗が低下して子宮の緊張を和らげるという事も本を読んで学んだわけなんですが、時々、古い本などに堕胎の際に使うとか、鍼やお灸をやってはいけない禁鍼穴・禁灸穴とも書かれていたりして、学生の頃から正直言って「いいの?悪いの?…どっちなんだ?」と思ってたんですよねぇ~。

で……、今回、まず……いつから逆子への
療として至陰や三陰交のお灸をやり始めたのか?って調べてみたら石野信安先生という産婦人科の先生の名前が浮上してきました。この石野先生の『女性の一生と漢方』という本…以前、読んだ事があるのと、僕の父が以前、新宿の病院で石野先生に鍼を教えてもらった事があるとい話を聞いた事があるので、おっ!石野先生!ここで登場かぁ~!と資料を眺めていたら、結局のところ現在、一般的な療として逆子に対して至陰や三陰交にお灸をするようになったのは昭和25年に石野先生が『異常胎位に対する三陰交施灸の影響』という論文を東洋医学会誌に投稿したのをきっかけに三陰交・至陰のお灸が一般の人へ広まったのが始まりのようですね!

鍼灸師の深谷伊三郎先生の本『お灸で病気を治した話』の中の「胎児の位置異常と灸」という項目では古典の『鍼灸説約』『名家灸選』『図翼』に至陰への灸を指示している事を紹介されてますし、石野先生の論文も紹介されていて、深谷先生も「古来から妊娠禁灸穴とされている三陰交施灸で副作用があるどころか、異常胎位の矯正や安産にまで良好な結果をもたらすことに注目したい。」と書かれてます。至陰や三陰交への
お灸は鍼灸師は古典を読んで知っていたけど、「やっちゃダメ!って言う人もいるし、やったら効くよ!って言う人もいるし…どっつなんだ?」そんな感じだったんでしょうねぇ~。

もともと、至陰穴は分娩の時に逆子で出てきた時、至陰にお灸をする事で分娩をスムーズに行うようにするツボであったらしいんですよ!

「鰯の頭も信心から…」という諺がありますが、昔の本に書いてあるからと言って、それを鵜呑みにしてしまうと前に進めなくなる…という事の良い例のような気がします。よく僕が話す話ですが、立川談志さんの落語のマクラで「昔の人は偉い!凄い!って言うけど、昔の人は飛行機も作れなかったし、空も飛べなかったでしょ!現代人は飛行機を作って空を飛ぶわけだから…私は今の人の方が凄いと思うねぇ~」って言うネタがあるんですが、まったくもって至陰と三陰交のお灸はこの例えにピッタリ当てはまるものだと思います。

そう言えば、去年の今頃、京都であった不妊鍼灸ネットワークっていう勉強会の公開講座に行った時にその勉強会を主催している中村先生が「血行など環境を整え子宮の状態を良くしてあげるためにやっている鍼灸
なのに、妊娠したらやっちゃダメって変でしょ?」って言ってましたけど、まったくもってその通りなんですよねぇ~!

先人の知恵や古典の本に書いてある事は、確かに宝物ではあるし、大事な事ではあるのだけれども、当時では分からなかった事…、今となっては正しくない事…、想像で書かれている事もあるという事を踏まえた上で読まないと、何でも信じちゃったらダメなんですよねぇ~

話が脱線しちゃいました…

明治の頃から比べると現在は妊産婦の死亡率って凄く低くなっているんですよね!これはやはり産科医の技術の向上が要因だと思われるのですが、この産婦人科医の石野先生が昭和25年に至陰・三陰交のお灸を推奨して、それ以降、至陰・三陰交のお灸
が定着した事も妊産婦死亡率低下の一翼を担っていると思われます。




・美容鍼 ~思考の変化編~

2016年4月13日

美容鍼
美容鍼って言い出したのはいつごろからでしょうか?10年前くらいからかな??
「アンチ・エイジング」というお題目のもとに、今では色々な鍼灸院で美容鍼灸をしてるようです。
(美容鍼灸が流行る前は耳つぼダイエットが流行ってましたよね…。)

「美容鍼灸って
療なのか??」っていう疑問がず~っと僕の中にあるので、はりきゅうふくた では美容鍼灸はしてませんが、美容鍼に関してある程度の理屈は理解しています。気血の流れを良くする…。リンパの流れを良くする…。シワに鍼を刺すことで皮膚を浮腫ましてシワをある一定時間消す…。まぁ~どれも「なるほどな…」と理解は出来るんですが、コレって療なのか??っていう疑問に対する答えにはならないんですよねぇ~。

美容鍼灸をやってる人から「頭が硬い!」「考え方が古い!」と言われても仕方がないんですが疑問に思っているんだからしょうがない…。(不器用なもので…by 高倉健…)

「鍼灸=
療」という考えが根底にあるもので、「コレって療なの?」っていう疑問への答えが見つからない…。逆に美容鍼灸をやってる人達って療としてやっているのか?それともサービス的な感じでやっているのか?流行っているから…集客が見込めるから、とりあえずやっている。…そんな感じなんでしょうか?

まぁ~鍼灸って「痛い…熱い…怖い」と敷居が高いから、導入部としての美容鍼灸でいいんじゃない? 女性は美しくなると心の健康も保てるからそれで良いんじゃない?という意見もありますが、アンチ・エイジングと言っても限界はあるわけで、シワに鍼を刺して浮腫ましても…、リンパの流れを良くしても…、どうあがいても老いる事には勝てないと思うんですよねぇ~。本格的な鍼灸
を受けたこと無い人が、美容鍼灸を受けて限界を感じると「鍼灸ってこの程度のものなのね!」なんて軽く見られてしまう事を危惧してしまいます。

でね…ここからが本題です。

先日、髪を切りに行った時に美容師の人に美容鍼について聞かれたので、その問いに答えてたら、その美容師さんが「なるほどぉ~!じゃぁ~美容鍼って☆療っていう感じではなくて、女性が毎日する化粧と同じ感覚なんですね!」と一言…。

目からウロコでした。

なるほど!化粧かぁ~!そう考えると合点がいく…。ガッテン!ガッテン!
治療とかアンチエイジングとか、なんか大それた感じで捉えるのではなく、メイクアップの一部として美容鍼灸を捉えるのであれば、僕的には批判する要素は全く無くなります。(でも僕個人はケバい化粧をする人よりナチュラルメイクをする女性が好きですが…(笑)…えっ!?聞いてない?…こりゃまた失礼いたしました。)

なので美容鍼灸=化粧という考えを踏まえての個人的な考えとしては美容鍼灸をするのであれば鍼灸院とかではなくて、お洒落なエステサロンみたいな場所でやった方がいいような気がしますねぇ~。

別に今さら看板かかげて「美容鍼します!」なんてやる気はサラサラありませんが、知り合い限定ならやってもいいかなっていう気に今はなってます。…我ながら変わり身…早いなぁ~(苦笑)
「昔、言ってた事と違う!」ですて?? …成長してるんですよ!成長!!!(笑)




・ジェット・コースターと鍼灸

2016年5月7日

ジェットコースター…ん?…ジェット・コースター(ローラー・コースター)と鍼灸
?…なんのこっちゃ?と思われるでしょうが、要は恐がりか…恐がりじゃないかって話です。

僕自身、けっこう恐がりな方なんですがジェット・コースターに乗るのは好きなんですよ。僕が思うにジェット・コースターを楽しむコツは「身をゆだねる」って事だと思うんですよね。1回目はルートというか、どんな動きをするのか分からないので恐怖心はありますが、2回目、3回目となると、この急降下の次は左カーブで、その次は一回転して…ってな具合に安心してスピード感とスリルが楽しめる乗り物だと思うんですよ!

多分、ジェット・コースターを嫌う人は「事故があったらどうするの?」とか「落ちそうで怖い!」とか色々と言うとは思いますが、感情に流されず一歩引いて物事を冷静に見ると、そんなに事故が多ければジョット・コースターなどいうもの自体が存在しないだろうしね…、よく飛行機に乗る危険性に比べると、自動車事故に遭う危険性の方が高いって話がありますが、ジェット・コースターも同じだと思うんですよねぇ~。

あらがってしまうから、恐怖心も高まるけれど、「こんなもんかぁ~」って思うと意外と怖さも半減してしまう。この理屈が分かっていても「ジェット・コースターは嫌だ!」となる人は、基本的に「身をゆだねる」という事が苦手な人なんだと思うんですよね。

鍼灸
に関しても、怖がる人にどれだけ鍼灸の良さを説明しても「結構です!…鍼は怖い!」っていう話になるんですよねぇ~。また僕自身の話になりますが、僕は痛いのも熱いのも苦手です。鍼灸学校で鍼灸を学んでいた頃は、学生同士で鍼やお灸をやり合う実習の時間があるんですが、やはり学生の頃は皆、鍼を刺すのもお灸をするのも下手くそですから、僕にとっては地獄の時間でしたね…(苦笑)学生時代はすぐ痛がったり熱がったりするので、同級生から福田はクリスタルボーディーだ!って言われてたくらいなんですよぉ~。

こんな恐がりで…痛がりで…熱がりな僕でも、今、体調が悪いときに鍼灸
を受ける事が出来るのは、今まで鍼灸を受けたうえで体調の変化を実感してるからなんですよねぇ~。鍼灸を受けた後の体調の良さが恐怖心を上回っているというか、カバー出来るって事なんですよ。

これもジェット・コースターと同じで、この理屈が分かっていても「鍼灸
は嫌だ!」となる人は、やっぱりその人自身、全てにおいて「身をゆだねる」という事が苦手な人なんだと思うんですよね。

という事を踏まえて…僕の勝手な思いこみかも知れませんが、「ジェットコースターが苦手な人は鍼灸
を嫌う」という仮説が成り立つのではないかと思うんです。(笑)




・体のしくみが分かってる人は、まず鍼灸を選択する。

2016年5月12日

身体の仕組み以前、読んだ本に、
療を例えて言うなら手術は重機(ショベルカーやブルトーザー)が必要なくらいの大がかりな工事作業で、投薬は起爆剤的な感じ… 起爆剤で人間が本来持ち合わせている癒力の効果を加速させるイメージなんでしょうね!起爆剤だから長期間使うと体にダメージを与えてしまう事になるので、出来るだけ薬の長期服用は避けるようにしているわけなんですよね。そんでもって… 鍼灸を例えて言うならGPSのナビゲーションのようなものだと書いてあったように記憶しています。体が本来、持ち合わせている自己癒力をナビゲーションのように導いてやる療法という事なんでしょう。
手術・投薬・鍼灸と、その都度、必要に応じて使い分けるのがベストな選択だと言う事は言わずと知れた事ではあるのですが、そう考えると、今、鍼灸
を受けられている人は体の仕組みを理解していらっしゃる方々なんだろうなぁ~と思うわけなんですよねぇ~。
重機を入れなきゃどうしようもない状態になる前に…、起爆剤を投与しないと体の
癒能力が動いてくれないような状態になる前に…、鍼灸で自己癒力をあるべき姿に導いてあげるって理にかなってると思いませんか?




・何回で治りますか?

2016年5月17日

時々「何回の
療で治りますか?」と聞かれる事があります。
簡単に治るだろうなぁ~と思われる症状から、これは長期戦になるなぁ~と思われる症状まで、
療回数は様々なんですが、正直に言ってコレばかりは患者さんの身体次第なので、「○○回の療で治りますよ!」とか予告ホームランのような事を安易には言えないんですよネ!

患者さんの立場からすれば「何回で治せるのかハッキリ言ってくれないと… 」っていう気持ちも分からないではないのですが、これはあまりにも身体のしくみと言うか病気になる過程、また…、治っていく過程を全く理解していない人の言葉のようにも思えます。銀河鉄道999のような機械の身体だったら部品交換で即、治るんでしょうが、人の身体は自然の中の一部でもあるので、植物に例えると果物だってたくさん収穫できる時もあれば、不作の年もある。やはり身体も天候や年齢と色々な要素が絡み合って悪くもなったり、良くなったりするので、専門的な知識があればあるほど色々な要因を考慮するはずなんです。

でも、患者さんから聞いた話によると「数回で治せますよ!」と予告ホームランのような事を言う
療家がいるとか…いないとか…。プロ野球の選手でもしょっちゅう狙ってホームランを打てるものでもないでしょうに…。

身体の理屈や仕組みを知っているからこそ、治っていく過程や、ある程度の
療期間は予想できるので、大まかな流れは患者さんに説明する事は出来ますが、「3回で治ります!」とか「5回で治ります!」とか「10回で治ります!」なんて予告ホームランみたいな事は、まともな鍼灸師だったら言わないと思うんですよねぇ~。




・アトピーとお灸

2016年5月24日

アトピーとお灸私事ではありますが、一昨年の秋頃からアトピー性皮膚炎っぽい症状が出たり治まったりを繰り返してまして、今年の1月には手と顔が真っ赤っかになっちゃう事態を経験したんですが、現在は右手の人差し指のMP関節と左拇指のDIP関節にヘルペス状の湿疹が出来て痒い…という症状で落ち着いている感じです。…痒い…痒い…。

アトピーとは御存知の通り「曖昧」「奇妙」といった意味があるらしくラテン語の「A・TOP・Y」が語源となっていて、何だか原因がわからないけどアレルギー症状が起こっている…という状態を「アトピー」と呼んでるらしいんですが、平たく言えば免疫異常の病態が引き起こす症状でヒスタミンの過剰生産によって皮膚が痒くなったりするわけなんですが、基本的に免疫は大腸が関係しているので食生活の改善とか…、良く噛んだりとか…、地味ぃ~~な事が根本
療につながるんですよね!

地味ぃ~な感じで食生活の改善は心がけてはいるんですが、今、現在、右手の人差し指のMP関節と左足の拇指のDIP関節の痒みは、ゆっくり噛んで食事をしてもすぐには治まらないんですよねぇ~。
じゃぁ~どうするか…!?

ちょっと考えてみたんですが、ヒスタミンはヒスタミンのみだけではなくて受容体を介して作用を発揮するらしいんですね!炎症やアレルギー反応に関わるヒスタミンの受容体はH1型というタンパク質らしいんですが、タンパク質が受容体であるならば、タンパク質ってたしか…熱変性を起こすはず…。全てのタンパク質がそうなのかは定かではありませんが、たしか60度以上で熱変性を起こすはずなんですよね!

という事は、お灸をする事で受容体であるタンパク質が熱変性を起こせば、ヒスタミンと作用して炎症やアレルギーを起こせなくなるのではないか?…と思ったもので、お灸してみたんですよねぇ~。

そしたら…ビンゴ!!!!今の所、痒みも治まるし、皮膚の状態もイイ感じです!

この対処が出来るのは、多分、アトピーの初期段階「なんかポツポツが出来て痒い…」程度の時のみだと思うんですが(炎症が広がった場合はお灸をするのは面積的に無理かもしれない…)アトピーの初期段階の対処法としてはアリだと思います!




・脈診

2016年6月9日

脈診あるお方から「脈口」という言葉が本に載っていて分からないから調べてくれ…と依頼されたので、まぁ~お世話になってるし…と重い腰をあげて調べてみました。

キーワードの1つとして『霊枢』という本に書いてあったとの事だったので、多分これは人迎脈口診の事かな?と久々に脈診の事について、あ~だの!こ~だの!と書いてある文章に目を通しておりましたら、まぁ~忘れていたことがドッサリあるわ!あるわ!(苦笑)

脈診というのは脈の拍動の状態で患者さんの体調を探るという方法なんですが、大きく分けて「脈差診(比較脈診)」と「脈状診」とに分類されると思うんですよね!各部位の脈を比較して探る脈差診という方法と、脈の状態を診て探る脈状診という方法。

今、僕が時々する脈診は「脈状診」ですが、以前は「脈差診」にチャレンジしていた時期もありました。

最初、鍼灸の専門学校に通っていた頃は「脈差診」でいう六部定位脈診を覚えて、それを使っていたのですが、開業して2年目くらいからかな?井上雅文さんの人迎気口脈診に興味を持ち、これも結構、勉強したんですよねぇ~。人迎気口脈診も自分なりに診断の1つとして使えるようになったんですが、脈診はどうしても診る側の主観が往々にして入りやすいので、客観的に判断する材料としてはいかがなものか?と考え、以降は脈診に特化せずお腹の具合、舌の具合、患者さんの状態…などなどをトータルして判断した方が最良だと考え脈診をするのであれば脈状診にとどめようと思い、脈状診をするようになって、かれこれ10年…。

脈差診の事…随分、忘れてる…(苦笑)いくら勉強していても10年使ってなかったら、そりゃぁ~忘れてしまいますわなぁ~。

色んな文章を読んで、ある程度思い出してけど、また忘れると思うので、以下は…備忘録として…

・脈状診は病人や病気の状態を診る
・脈差診は臓腑経絡の異常を◎断する
・代表的な脈差診は『素問』三部九候診 『霊枢』人迎脈口診 『難経』六部定位脈診
・三部九候診は「三部」上、中、下(頭部、上肢、下肢)を3つに分けたもの。「九候」上、中、下の動脈をそれぞれ天、地、人に分類(上の天地人、中の天地人、下の天地人…と9つに分類)
・六部定位脈診は手首の動脈拍動部で寸口、関上、尺中に分け、寸口(上焦:横隔膜から上の状態)、関上(中焦:横隔膜から臍の状態)、尺中(下焦:臍から足先の状態)軽く触れて診るのが腑。深く圧して診るのが臓。中程の圧で脈を診るのが「胃気の脈」というその人の健康状態を把握。
・人迎気口診、人迎は陽明胃経の人迎穴の脈と、脈口(気口、寸口)は普段、脈をとる手首の手首の橈骨動脈拍動部の脈差を比較。人迎は六腑の陽を、脈口(気口、寸口)は五臓の陰を候う。この2つの部位(人迎・脈口)を左右両手首の寸口…、左の関上の前1分を人迎、右の関上の前1分を気口としたのが『脈経』で有名な王叔和。(手首に見所を落としたのは王叔和だったのね!知らなかったぁ~!今まで井上雅文さんかと思ってました…。)





・睡眠

2016年6月15日

睡眠時々、患者さんから「最近、眠れない…」とか「睡眠導入剤を飲んでるけど、今まで半錠で眠れてたのに、今は1錠飲んでも眠れない…」と訴えられる方がいらっしゃるんですが、若い頃は場所を選ばずいついかなる時でも寝れていたのに、歳を取ると眠れなくなるって確かにありますよねぇ~。…途中で目が覚める…とか、眠りが浅い…とか、疲れが取れない…とか睡眠に関して色々な悩みが出てきます!

最近ではTV番組とか雑誌でも健康を取り上げるモノが多く『6時間未満睡眠と8時間以上睡眠は寿命を縮める…』とか『理想の睡眠時間は6時間半から7時間半…』『睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時の4時間…』などなど、この枠組みから外れると健康ではなくなりますよぉ~!と言わんばかりの訴えかけで、健康という呪縛から外れる事の恐怖を植え付けられている感じがするのは僕だけでしょうか?

そう言えば、以前、談志さんと山藤章二さんの対談で「近頃は恐怖ばかり植え付けられてる世の中だから、How to本が売れてるんだろうねぇ~、…… 高名な作家さんが書いてる『○○のヒント』とか『○○のすすめ』とか、近頃の人達は、そんなに導かれないと生きていけないのかねぇ~?」って話されてましたが、恐怖で縛るって所謂、軽い洗脳のような気がしますが、どうなんでしょうかねぇ~?

健康であるためには睡眠を取らなければいけない…。
じゃぁ~「眠れないから…」と睡眠薬を常飲するのは健康なのか?
「睡眠薬もピンキリで、健康を害するほどのモノでは無い…」という意見もあると思うけど、眠れないからと、いつもより少し多めに飲むと、朝、頭がボォ~とする…とか、眠剤を飲んでる人の話を聞くと飲む量の調整が結構、難しい感じがするし、やはり薬に依存する傾向にある。これってそもそも健康って枠から外れてるんじゃない?

人は眠らなかったら死んじゃうというのはホントらしく、断眠というらしいんですが、世界断眠記録は11日眠らずにいたという記録があるそうです。やはり脳機能がおかしくなっちゃうみたいですねぇ~。

通常、健康な人でしたら、疲れたら眠くなるものですし、よほどの事が無い限りは、限界がくれば寝てしまうはずなんですよねぇ~。
じゃぁ~眠れないというのは健康じゃなという事か?…という事になるわけですが、理想の睡眠時間は6時間半から7時間半…って言っても
10歳の子供と、80才の大人じゃぁ~違いが出て当然でしょうし、80才の人が無理して理想と言われる睡眠時間に合わせる必要はないと思うんですよ!
6時間半から7時間半寝れないから…睡眠薬?…コレってなんか違うような気がするんですよねぇ~。

『眠りが深ければ睡眠時間の長さは関係ない』という説もありますし、睡眠時間が気になるのであれば、足し算でチョットずつ寝て、合計睡眠時間が6時間半から7時間半になれば、それでいいと思うんですよぉ~




・鍼灸と睡眠

2016年6月16日

昨日のブログで “睡眠” の事について書きましたが、寝れないと訴えられる人って、たいがい背中とか肩とか首が凄く凝ってる!凝ってるというか… 凝り固まってる!そんでもって当の本人は、凝ってるという自覚が無いんですねぇ~。

そんな状態になるまでには、随分歳月を要しているはずなんですが、本人にとっては日常の出来事をこなしているだけなので、背中とか肩とか首が凄く凝っても気が付かない。

力を入れるって簡単ですよね!
拳を力いっぱいギュッ!と握る事は簡単ですがギュッ!と力を入れた状態で寝ることって無理な話ですよぉ~!
本来は眠くなるとギュッ!と入れてた力も入らなくなり、脱力して眠りに入る訳ですが、眠れないという人は、そこのコントロールが出来なくなっちゃってるんですよね!いくら「リラックスしてね!」って言葉をかけても、体の力が入りっぱなしの状態で脱力出来なければ眠れななかったり、睡眠が浅くなったりする事も納得できると思いますがいかがでしょうか?

所謂、背中とか肩とか首が凄く凝っる状態は、無意識に体の力が入りっぱなしの状態になっているというわけです。

こんな感じで眠れなくなると、だいたいの人は病院に行き、「眠れない!」と症状を訴えて睡眠導入剤を処方されるんですねぇ~。睡眠導入剤は神経系に働く薬ですから、強制的に頭(脳)を眠らせます。最初の内はそれで眠れるようになるわけですが、人の体って抗ウイルス薬に対して耐性ウイルスが作られるかの如く、体が薬に慣れてくるというか… 薬が効かなくなる。すると効果が強い薬を欲するようになるんですねぇ~

薬によって強制的に頭(脳)を眠らせても、その薬によって体の凝り(無意識で体の力が入りっぱなしの状態…)は解消されてないわけですから、薬だけで不眠を治そうとすると、今まで効いてた薬が効かなくなった…もっと強い薬を!…と負のループに陥るわけなんですよ!

これを解消するには、やはり鍼灸で背中とか肩とか首の凝りを取ってやる事が重要なんですよねぇ~!

ここでポイントとなってくるのが「体が素直か?そうでないか?」という事になるんですが、そのことはまた後日、書きますね!





・体が素直か?どうか?…が鍵。

2016年6月17日

『素直』… 辞書では「ありのままで飾り気のないさま。素朴。性質・態度などが穏やかでひねくれていないさま。従順。」とある。

なんとなく性格を表す時に使う言葉のように思えるんですが、体が素直とはいかなる事や?…と問われそうですねぇ~(苦笑)

まぁ~ … 体がひねくれてる… というと語弊がありそうですが、僕ら鍼灸師は体の凝りを取ったり、弱っているところを補強する為に鍼やお灸を使って
療します。決して組織を破壊しようだとか、体を悪い方向に導くような事はしないんですが、療していて時々、体から拒否られるというか、全く体が言う事を聞いてくれない状態の患者さんに遭遇することもあるんですね!

別にその患者さんが鍼灸の事を理解していないとか、性格がわがままだとか言う話ではなく、あくまで “体” の反応の鈍さとでも言いますか体が全く変化してくれない状態の人もいらっしゃるんですよぉ~!やはり体の反応が鈍いと、体に変化が起こらないので症状の改善も遅くなる。(治りが遅くなるわけです。)

これって僕らは…(僕は… かな?他の人はどうか知りませんが… )鍼を刺した場所の凝りの緩み方で判断出来るんですよねぇ~。体の反応が良い人は、鍼を刺してチョット刺激しただけですぐ凝りが取れるし、反応が鈍い人は、どれだけ刺激しても全く変化が無いんですわぁ~。

体が素直な人=反応がよくチョット刺激ですぐ凝りが取れる人。
体が素直じゃない人=反応が鈍く、刺激しても凝りが取り辛い人。

…こういう事なんですね!

今まで
療した経験上、体が素直じゃない人は慢性的な疾患の持ち主か、長期間に渡って疲労が蓄積した人。
体が素直な人は、日頃から体のケアをしてる人、体の訴え(痛みや体調不良)に、ちゃんと耳を傾けてる人。

以上をまとめると…『体が素直な人ほど治るのが早い!』という事が言えると思うんですよねぇ~。




・瞑眩(めんげん)とのせめぎ合い…

2016年7月22日

いきなり普段動かしていない体をフルに動かそうとすると筋肉痛になりますよね!
この瞑眩って筋肉痛のようなもの…って考えてもいいと思うんです。

体調が悪い時って体を動かしていない状態と同じなんですよね!体調が悪なりに歪なバランスを保って日常生活を送っているわけです。だから体調が悪くても日常生活はこなせれる。けれど、体調がさらに一段階悪くなると痛みが出て一層辛くなります。だいたい鍼灸
を受けられる方はこの段階…体調が悪くて痛みが出て辛い人達なんですよねぇ~。

そのような状態を治そうとすると動いていない体(運動という意味ではなく免疫力や自己
癒力が落ちてる体の事です。)を療によって無理矢理、動かさなきゃいけないので瞑眩現象(好転反応)が起こりやすくなります。

はりきゅうふくた で
療を受けられる方には、瞑眩現象(好転反応)の事は治療中または療後に説明してるんですよ!「療した後、体調が悪くなったと感じる事があるかもしれませんが、症状が軽い人なら2~3時間体を休めたら楽になりますし、体調が悪い人でも2~3日後には体がスッキリしますから、心配されなくても大丈夫ですよ!」という話はするんですが、どうしても初めて鍼灸を受けられた人は、この説明を忘れてしまうようで「お灸をしたら、ど~も体調がすぐれない…」「鍼をしたら、逆に体調が悪くなった…」と予約をキャンセルされる方もいらっしゃるんですよねぇ~。僕の説明不足なのかな?とも思ったりしますが、治療中に説明をして帰られる時に、瞑眩に関する注意書きを渡しているので、もうこれ以上何をすればいいの?…とも思ったりもします。

まぁ~鍼灸に対する信頼感の薄さ?や恐怖心がそうさせるのかも知れませんが、瞑眩が起こっているという事は体が動いている証拠なので、確実に回復する兆しでもあるんですよねぇ~。薬でも副作用が出ないような薬は効き目も少ないと言いますしね…。

僕の経験上、瞑眩現象(好転反応)が現れる人の特徴として症状が重い方、体調が悪い方に起きやすい傾向にあると思います。


《鍼灸師が分かりやすく解説します》
色々な症状を分かりやすく説明してます。以下のリンクをクリックしてみて下さい

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院長

福田 徹  1965年生まれ 
2003年 国家資格 鍼師灸師免許取得


             福岡 早良区 針灸



多くの方が鍼灸の施術を望まれる場合、肩が痛い…背中が痛い…腰が…首が…という症状を訴えて来院されます。


鍼灸では手・足・背中・お腹・頭など、身体のあらゆるツボを使って症状を改善していきます。

初めて鍼灸療法を受けられる方は「肩が痛いのに何で足に鍼をしているんだろう?」と不思議に思われるかもしれません。

これは、肩こりや腰痛に効くツボ(特効穴)が、足や手にある場合もありますが、伝統的な鍼灸療法の場合「なぜ肩や腰が痛くなったのか?」「なぜ頭や首が痛くなったのか?」という
根本的な原因を探り、その原因を改善する為に、体全体のツボを使って施術してきます。

2003年から2012年まで福岡市中央区白金で営業しておりましたが2012年3月から早良区野芥に移転し現在に至ります。



初めて来院される方へ

はりきゅうふくた では、予約優先で施術しておりますので、来院される前には必ず電話で予約を入れてください。

施術中の場合、電話を取りづらい事がありますので
6~7回コールしてみて下さい。

☎ 092-407-7746
福岡市早良区野芥6丁目1-4


営業時間
午前の部 8:30~13:00
午後の部 15:00~19:00
(休診:日曜日・月曜日・祝日)

福岡 早良区 針灸
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