『統合失調症がやってきた』と『相方は統合失調症』を読んでみた…♪

この本を読もうかな…って思ったキッカケは…、樋口直美さんの『誤作動する脳』『「できる」と「できない」の間の人』『私の脳で起こったこと「レビー小体型認知症」の記録』を読んでいた時に、Amazonで、樋口さんの本をポチッ買いしていたら、Amazonのオススメに、松本ハウス 著『統合失調症がやってきた』『相方は統合失調症』が出てきて、この本の存在を知ったんです。

樋口さんの本を読むキッカケも、義父がレビー小体型の認知症になったので「レビー小体型の認知症の人のリアルな記録を知っておく必要があるな…」と思い、読み始めたんですが、Amazonのオススメに出てきた『統合失調症がやってきた』『相方は統合失調症』も、14~5年前だったか…、学生時代の友人から「ウチの子供が統合失調症になってさ…」…って話しを聞いた事があって…、当時は、もう僕は鍼灸師になっていたんですが…その時…「僕は統合失調症の事をどれだけ知っているのだろうか?」って思った事があったのを思い出したので、…この2冊は読まなければいけないな…って思ったのが読むキッカケなんです。

統合失調症って、以前は精神分裂病って呼ばれていたって事は知ってました。

確か…僕の記憶を遡れば…中学生の時に読んだ本で…、森村誠一さんの小説だったか…?…人間の証明だったかな?…何の本に書いてあったかは忘れましたけど、何かの小説に「精神分裂病」って言葉が載ってたんですよねぇ~。そこで初めて精神分裂病という病名があるんだぁ~…と認識したんだと思います。

僕が鍼灸の専門学校に通っていたのは2000年~2003年なんですが、専門学校では現代医学に関して、基本的な医学生の基礎知識程度は教わるんですけど、精神的な病気に関しては、教わった覚えはありませんでしたねぇ~。何かの情報で精神分裂病は不可逆的な病だという情報が、どこからともなく頭の中にインプットされていたように思います。

調べてみると、2002年までは精神分裂病という病名を使われていたようですが、精神が分裂してしまう病気という、偏見を助長する可能性があるし、症状としては病気と言うより、症候群的な、様々な症状が起こりうるという事で、名称が変更されたらしいんですよね…。

また以前と比べて、治療も進化して不可逆的ではなく、一般的に約1/3の患者さんが治療により回復して、正常あるいは、ほぼ正常の生活を送ると言われているそうです。ただ、全てが治るという訳ではなく、約20%くらいの患者さんに重度な障害が残るらしいので、決して楽観的に捉えられる病気ではないようです。

松本ハウスに関しては「そう言えば…『ボキャブラ天国』っていう番組に出てたよなぁ~。確か…片方の人が、坊主頭でピッチピチのシャツとパンツを履いていた、お笑いコンビ…。」という認識しか持ち合わせていなかったんですよ…。だから彼らの芸…は、多分、…昔にTVで見てはいるんだけど、坊主頭の人がテンション高めに騒いでいたっけ…というような記憶しかないんですよねぇ~。

今回、最初に『統合失調症がやってきた』を読んだんですが、凄くリアルに「あの時…こんな感じだった…」とか「こんなふうに思ってた…」という、子供の頃から、病気が発症するまでの過程や、色々な症状が細かく書かれていました。

この本の最後に、精神科医のお医者さんが『解説』を書かれていて、統合失調症の罹患率は約100人に1人だという事を知りました。それと…幻覚とか幻聴の事が書かれていて「僕は経験した事は無いんですが…」と、この精神科のお医者さんが書かれているのを読んだ時に…フッと我に返ったというか、僕の昔の記憶が頭に浮かんだんですよ!

公で言う事では無いかも知れませんが、もうすぐ60歳になりますし…42~3年前の話しですから、僕の経験談として少し書きますね…。

僕は高校生の時に1度だけ、幻聴を聴いた事があるんです。空耳とか、聞き間違えでは無いんですよねぇ~。あぁ~…そうそう!休日の晴れた日の昼間に、ベッドに横たわって、トランペッターのハーブ・アルパートの曲をラジカセで聴いてた時でした。あの時の事を思い返せば…、僕自身、精神的に結構、追い込まれていたと思うんです。

正直言って、僕は人とのコミュニケーションを上手に取れる人間ではないと思います。今は、ある程度、大人としての経験値が作用して、コミュニケーションを上手に取れるようになってますが、子供の頃…、特に思春期の頃は、人と、どう付き合っていいかが分からなかったんですよねぇ~。

そんでもって…僕は高校3年間、寮生活をしていたので、四六時中、誰かが周りにいる訳なんですよ…。家から学校に通う生活なら、学校から家に帰ってプライベートな時間を作れますし、引きこもろうと思えば引きこもれる訳なんですが、寮生活では引きこもろうにも、そんな空間もありませんしね…(^^;)

そんな生活をしている時…人間関係が上手くいかず、多分…、自分で自分を追い込んでいった感じで、ある出来事を期に、半年くらい、人と話しをしなくなった事があったんですよぉ~。その時、一度だけ、幻聴を聞いた事があるんです。とても怖い言葉だったので、覚えてるんですが…、正直言って、その瞬間「ヤバイ!」って思いましたねぇ~。たしか…それ以降、ハーブ・アルパートの曲を聴きたくなくなった…というか、聴けなくなったんですよぉ~。

それ以降は、一度も幻聴は聞いた事は無いし、その一年後くらいに高校を卒業して、大学に行ったりと…、生活環境も変わったりした事が幸いしたようにも思いますが、この本の解説に書かれていた「統合失調症の罹患率は約100人に1人」…だという事を考えると、僕も統合失調症になっていた可能性があるような気がするんですよねぇ~。

ただ、僕は運良く…というか、タイミング良く、環境を変える事ができた。…なんとなく、それだけの違いのような気がするんです。

今にして、幻聴を一度だけ聴いた事があるという、自分の薄っぺらな経験を加味して思うんですが、人って、精神的に追い込まれると、幻覚・幻聴を見たり聞いたりするものなんだろう!…って思うんですよねぇ~。

だから…統合失調症って、条件が揃えば、誰にでも起こりうる事のように思えます。

2冊目の『相方は統合失調症』は、加賀谷さんが、長い時間をかけて社会復帰できるようになり、松本ハウスとして、お笑いの世界に戻る過程と、相方のキック松本さんが、家庭を持ちながら、どのように統合失調症の相方と接して、お笑いを成立させているのかが書かれてました。

この本の中でも書かれていたと思うんですが、加賀谷さんが社会復帰できるようになって、松本ハウスを復活させる事になるんだけども、加賀谷さんの体調が不安定な時も多く、以前のような舞台ができないというジレンマが生まれて、色々と悩まれ、試行錯誤の末に「失敗を恐れず、ネタやセリフを忘れたら、忘れたでいい…。とりあえずやってみるか…」という境地で舞台に挑むようになったそうなんです。

その文章を読んだ時に、以前にもブログに書いたと思うんですが…

「病気が治る」という事に関して、皆さんが勘違いしている事があるよなぁ~…って思ったんです。

「治る」という事は「元に戻る」という事ではなく、「今の状態で一番、良いバランスを保つ」という事が、病気が治るという事なんですよねぇ~。

病気には種類や程度にもよりますが、病気になると何かしらダメージが身体に残るものなんだ…という事を忘れてはいけないと思うんです。

…だから、出来るだけ病気にならない方が良い。病気にならないような生活を、日頃から心がけて、日々を過ごさなければいけないんですねぇ~。

人と言わず…生き物は全て歳を取るものですし、生きていれば老化していきます。

病気とは、、バランスが崩れる事で起こる症状に名前を付けたものを「○○病」と呼び、すぐ治るモノもあれば、治るのに長期間かかるモノもあります。

単純に考えれば、バランスが崩れる事で病気になるわけですから、バランスを整えれば病気は治るわけですよね!

ただ、崩れたバランスが、すぐに調い…治るのが早ければ、元に戻るという感覚で「病気が治る=元に戻る」と定義づけできますが、大病で治療期間が長くかかったり、摘出せざるおえない場合…、また、摘出する事で、以前のような事ができなくなった場合は、行動や動きに制限がかかったり、老化などによる、体力や記憶力の低下で、以前出来てた事ができないって事にもなるわけです。

そうなると「以前は出来ていたのに…」「あぁ~不甲斐ない…」「自分はダメな人間だ…」とジレンマに陥りやすくなっている人も多いと思うんですが、そんな時に、頭の片隅に留め置いて欲しい思考としては…、「治る」という事は「元に戻る」という事ではなくて、「今の状態で一番良いバランスを保つ」という事が、病気が治るという事だという事なんですよねぇ~。

話しがチョット脱線しちゃったかな…(^^;)

この『統合失調症がやってきた』『相方は統合失調症』の2冊は、統合失調症を患った当事者の気持も含め、周りの人がどう接していくべきか…が書かれていて、読んで良かったな!って思える本でした。

あぁ~…そうそう!この本に書かれていた言葉で「障害」ではなく「障がい」と書かれていた事に、凄く気配りと、心の温かさを感じたなぁ~。

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