エビデンス星人に面と向かって「鍼灸って科学的根拠はあるの?」などと聞かれた事はないけれど…(^^;) 時々、雑誌や本を読んでいると、紙面に書いてある文章の内容から「あっ!この著者とか、この対談相手って…エビデンス星人だな…」って思う事があります。
エビデンス星人とは…
事あるごとに「それってエビデンスは?科学的根拠は?…科学的根拠がない治療なんて信じるに値しない…。」と、水戸黄門の印籠を出すかの如く、声高に科学的根拠を求める人。
(エビデンス星人=僕が作った造語です。…(^^;))
エビデンス星人って、現代医学の研究者や医者の中にいたりします。…また…、そういう人達が著名な人だったりすると、影響力がある分、厄介なんですよねぇ~。
所謂、代替医療と言われている医療を非難する場合、もしくは現代医療との差別化を明確にしたい時…、現代医療が最新で…最良で…最高で…ワンダフルで…アメイジングで…ファンタスティックで…マーベラスだと、マウントを取りたい時に、現代医療側の人がよく使う言葉ではありますね…(^^;)。
鍼灸はカテゴリーとしては代替医療に含まれるので、鍼灸師の僕は、この「エビデンスは?科学的根拠は?」という言葉に、とても敏感に反応しますし、正直言って嫌気がさす言葉でもあります。
「あっ!出た出た!エビデンス星人が何か言ってる!」って感じ…(^^;)
このブログで何度も書いてますが、鍼灸は『科学的根拠』という言葉が生まれる以前の医療ですし、鍼灸の刺激量を数値化する事も出来ませんしね…。科学的根拠というのは現代医学の中で通用するルールで、鍼灸は科学的根拠を提示するというルールには、そぐわない医学だと思うんです。
「科学的根拠がある事=良質・科学的根拠が薄い=悪質」と、二元論で解決するほど、人の身体って、そんなに単純じゃないんですよねぇ~。
エビデンス星人ってステレオタイプなんだろうなぁ~
例えば…同じような道着を着ていても、空手と柔道ではルールに大きな違いがあるのと同様に、人の病気を治す医学ではあるんだけれども、現代医学と東洋医学…、主に現代医学の科学的根拠を主張する人達の考えと、鍼灸の考え方とではルールが違うと言っていいと思うんです。
その事を理解せずに「エビデンスは?科学的根拠は?」とマウントを取ろうとする人達は、エビデンスというアイテムをフルに使って、相手を引きずり下ろそうと躍起になっているだけなので、相手にしなくていいと思うんですよねぇ~…(^^;)
科学的根拠を提示しようにも、以前…ブログで書いたように、鍼灸による神経伝達物質やホルモンなどの分泌量を調べるには、それなりの施設じゃないと調べられないし、なかなか研究も進まないから、しょうがないですよね…。
ただ、誤解しないで欲しいのが、例え話として、僕は癌を鍼灸治療だけで治そうなんて、これっぽっちも思いませんし、癌のような大病の場合は、科学的根拠が提示されている治療を軸にして、そのサポートとして鍼灸治療を活用すべきだと思っています。
ただね…
エビデンス星人って、自分達の治療以外を全否定するように「エビデンスは?科学的根拠は?」と問うてくるので、「出たな!エビデンス星人!」って感じで、飽き飽きしちゃうんですよねぇ~…(^^;)