姿勢が悪いと坐骨神経になりやすい…
第4腰椎~仙骨の椎間孔(L4~S2)から出ている神経が何らかの障害で痛みやシビレを起こしてしまう症状です。
多くは腰痛にともないお尻や太ももの後ろや、ももの外側・すね・足先に激痛やシビレが現れたり、フクラハギの張りや冷感・熱感、また締め付けられたような感じなど症状は様々です。
腰部脊椎管狭窄症や椎間板ヘルニアが原因として…
腰部脊椎管狭窄症や椎間板ヘルニアが原因として坐骨神経痛を発症する事もありますし、椎間孔の圧迫や神経の通過経路であるお尻の深部に位置する梨状筋という筋肉の緊張による圧迫障害で起こる事もあります。
病院では消炎鎮痛剤で痛みを止めて、筋肉の緊張を和らげるために筋弛緩剤を使い、血流改善のために血管拡張剤を使ったり、痛みが酷い場合は硬膜外ブロックや神経根ブロックの注射などが行われているようです。
坐骨神経痛を起こしやすい人…
原因の1つとして姿勢の崩れがあげられます。
例えば、太ももの外側の筋肉と内側の筋肉のバランスがイイ具合に取れていれば問題ないんですが、筋力は男女ともに30歳を過ぎると筋力低下が起こり始めると言われています。そのため筋力低下とともに太ももの外側の筋肉と内側の筋肉のバランスが崩れてしまうんですね!
筋肉のお仕事は…
大まかに言うと筋肉のお仕事は収縮する事で、伸ばされるの事は仕事の内に入ってないんですよ!反対側の筋肉が収縮するので仕方なく伸ばされている…そんな感じでしょうか…。
外側と内側の筋肉のバランス
太ももの外側と内側の筋肉のバランスが崩れると、もともと外側の筋力の方が強いので内側の筋肉が伸ばされる。
すると、歩く・立つという動作で足の外側に重心がかかるようになる。そうなるとO脚気味になり、膝や足首に負担がかかる。(靴底の外側が減るようになってきます。)
流れとしては
①大腿内側の筋力低下
↓
②大腿外側の筋肉が突っ張る
↓
③O脚気味になり、外側に重心がかかる
↓
④膝・足首に負担がかかる
↓
⑤前かがみの姿勢が楽になる
↓
⑥背筋を伸ばしたり重いモノを持つと腰に負担がかかる
このような状態になると臀部の梨状筋および仙骨・腰椎(L4~S2)への過剰な負荷がかかるので坐骨神経痛を起こしやすくなります。
通常の腰痛とは違い…
通常の腰痛とは違い、坐骨神経痛による急激な腰痛は鎮痛薬で痛みを感じなくする事も出来ますが、鎮痛薬でも取れない痛みも存在しますし、痛む度に薬を使い続ける事で薬の効果を以前より感じなくなる事も起こったりします。
痛みを取るだけでは根本的な治った事にはならないとのと同時に、慢性的な痛みに繋がりかねないので、鍼灸では痛み・シビレを取ると同時に姿勢の崩れをただすように局所にアプローチして坐骨神経を治すとともに、坐骨神経痛を再発しないような体作りをサポートします。
古典では腰脚痛・腰脚痙痛・四肢痛・尻痛・胯痛・股痛・股骭痛・などなど…色々な呼び名で記載されています。
現代医学的な解説でも書きましたが梨状筋が充血、浮腫、痙攣、肥厚などの刺激によって坐骨神経を圧迫する事によって起こる症状で、坐骨神経痛を起こす原因の1つが梨状筋症候群といわれるもので、坐骨神経痛の大部分が梨状筋症候群が原因であるとされています。また椎間板ヘルニアでも坐骨神経痛は起きますが、起きる原因は異なります。
漢方では筋肉を緩める漢方を使ったりしますが、鍼灸では坐骨神経痛の症状が現れる経絡の走行…足少陽経や足陽明経に現れる異常を探したり、その経絡上…またはその経絡に関係しているツボを使い筋肉を緩めていきます。
東洋医学では解剖での神経の存在を明らかにしてはいませんが、その神経の作用は経絡の概念として考えられていたと思われます。ですから神経痛という病名は現代医学の病名ではあるのだけれども神経痛の病態は経絡の病変と捉えてました。
黄帝内経素問
古典の本で黄帝内経素問という本があるんですが「痺(ヒ)」という概念で、この神経痛をあらわしています。
「痺」は「風(フウ)」「寒(カン)」「湿(シツ)」の3つの邪が原因で起こります。
風・寒・湿って何?
東洋医学に馴染みが無い人にとっては「風・寒・湿って何?」…「呪文みたい…」って怪しい感じがするかもしれませんが、風とか寒さとか湿気は普通に自然界にあるモノですし、風(フウ)って風が吹いてる感じですし…、寒(カン)は寒そうだし…、湿(シツ)って湿度が高そう…。そんな感じでいいと思うんですが、風も寒さも湿気も生活するのに必要なものであり、度が過ぎるとでも言いますか許容範囲を超えると生活するのに支障をきたしますよね!
程度の問題なんですが、風が無風だと空気が澱んでしまいますが、強風だと害を及ぼします。「寒」「湿」もこのように許容範囲を超えると害を及ぼす。…昔の言い方に変えれば「悪い影響を与える=邪」…、「痺」は「風寒湿の3つの邪が原因で起こるという考え方になります。
また、これらは季節によっても様々な「痺」の症状があらわれ、昔の東洋医学の本、黄帝内経素問にも「痛む者は寒気多ければなり、寒有るが故に痛むなり」として寒気が強く作用する場合、疼痛を主とする症状が出やすいと書かれています。
また「労傷するときは腎虚す。虚すときは風冷を受く風冷と真気の交争す。故に腰脚疼痛す」と書いてあって、過労と風寒の邪が原因で腰や足に痛みを起こす。所謂、坐骨神経痛を発症する事を示しています。
《はりきゅうふくた リンクサイト》
※ 坐骨神経痛に関して、はりきゅうふくたのホームページのリンクを集めました。
・腰膝痛
・お灸と鍼で病気を治す話
・鍼灸に対する疑問にお答えします
《鍼灸師が分かりやすく解説します》
色々な症状を分かりやすく説明してます。以下のリンクをクリックしてみて下さい
※ 首の痛みや頭痛を鍼灸師が分かりやすく解説します
※ 肩こりや腕の痛みを鍼灸師が分かりやすく解説します
※ 腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症を鍼灸師が分かりやすく解説します
※ 四十肩・五十肩を鍼灸師が分かりやすく解説します
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院長
福田 徹 1965年生まれ
2003年 国家資格 鍼師灸師免許取得