《どのくらい通ったら治りますか?…とよく聞かれます。》
体力がある方でしたら1回の施術で回復する場合もありますし、急性症状の場合は、すぐに効果が現れ、5~6回の施術で症状が取れる場合もありますが、冷えや疲労感、その他の慢性症状(発症してから時間が過ぎている場合…例えば、半年前に腰に症状が出たなど…)は3~5ヶ月を目安に症状の改善をはかる必要があります。
急性症状(首が回らない・手が上がらない・腰が痛くて立ち上がれない)の場合は、週3回の施術を受けるような短期集中で療養される方がいいと思います。
症状の改善と病気そのものが治る事は、少し意味が違う…
また症状の改善と病気そのものが治る事は、少し意味が違います。例えば痛みが取れても、凝りとして肩・首・背中・腰などに、痛みを感じない凝り(痛みの種のようなもの)が残り、身体が疲れると、また痛みが再発するという事は、よくある事です。ですから鍼灸療法で痛みが取れても、体の凝りが取れるまで療治は続けられて下さい。
《初めて鍼灸を受けたら…気分が悪くなったぁ~!》
時々、こういう方がたまにいらっしゃいますが、これは瞑眩(メンゲン)現象と言って、体が「休憩したい!」という信号を送っ ている状態(好転反応とも言います)ですから、このような時は1~2時間ほど横になって仮眠をとって下さい。
鍼灸を受けたら体調が良くなるどころか悪くなったような気がする!
…と言う人も、初めて鍼灸を受けられた患者さんの中にはいらっしゃいます。こういう患者さんは今まで身体のことを無視して「あれをやらなきゃ!これをやらなきゃ!」と身体を休める事をせずに、無理を承知で突っ走った生活をした為に、体力が低下してしまっている方に多く見られる現象です。
瞑眩現象(めんげんげんしょう)
鍼灸師は患者さんの身体を治すのが仕事ですので、今、患者さんの身体がどうなっているのか?…弱っているのか?…弱っているのなら、どうすれば健康な状態に戻せるだろうか?…を考えて鍼をしたりお灸をしたりします。結果的に患者さん御自身が身体を休めなければ、体力が戻らない…もしくは病気が治らないな…と判断した場合、出来るだけ身体が休息できる方向にベクトルを持っていきます。
でも、患者さんは「休んでる場合じゃないんだよ!」と、身体が休もうとしている意識を振り切って動き出すと体調が一段と悪くなってしまうんですよね!
…これも瞑眩現象の一つですので御心配なさらないでください。
症状の進行過程を階段で例える
下図のようになります。鍼灸に来られる方は慢性症状の方が多いのですが、2段目の症状としては、強い痛みや、とても不快な状態が、このエリアの特徴です。そして病が進むと2段目から3段目の慢性症状に移行します。慢性症状の特徴としては、不調ではあるが、痛みや体調不良に体が慣れてしまった状態とも言えます。理想としては鍼灸療法で3段目から、一気に1段目の健康体に戻れればいいのですが、人間の体はそこまで器用ではありません。
カゼで高熱を出して、治っていく過程で、徐々に平熱に戻っていくのと同様、身体が健康体に戻る場合、昇った階段を一段一段、降りるように3段目から必ず2段目の「痛み・体調不良のゾーン」を通らなければ健康体には戻れません。(風邪が治る段階では体力が戻ってきているので、2段目の痛み・体調不良の状態を感じる事が無い場合もありますが、熱が下がって通常の生活に戻り無理をしてしまうと、また体調が悪くなる…。2段目の痛み・体調不良のエリアは風邪でいうとこの状態です。)
この2段目のエリアが瞑眩(体が変化する)と言われる状態です。
もうちょっと、瞑眩現象(好転反応)と言われる現象を分かりやすく説明しますね!
a) まっすぐな状態が健康な状態です。
b) 体調が悪い時はどちらかに傾いている状態です。
c) 鍼灸の施術でまっすぐの状態に戻そうとします。もともと体力がある方は、この状態で症状が取れて回復しますが、慢性症状で体力が低下されている方は、まっすぐが維持できず…
d)反対側に倒れてしまいます。鍼灸の施術を受けたら体調が悪くなった!と感じられる時はこの状態です。これは身体が病気を治す事に専念している状態ですので、心配なさらないでください。
e) 施術を繰り返す事で、揺れ戻しの幅が狭くなりもとの、まっすぐな状態(健康な状態)に戻ります。
急激な刺激が強すぎる施術は、揺れ戻しの幅も広くなりがちですので、出来るだけ最小限の刺激で揺れ戻しの幅を少なくする為、数回に分けての施術が必要となります。
鍼灸療法は色々な症状に対応します。
鍼灸で治るのって肩凝りや腰痛だけかと思ってました!…とよく言われます。肩凝り・腰痛で来院される患者さんは多いですが鍼灸は様々な症状に対応できます。
例えば…
"浮腫みが気になる"という方は水分代謝が低下していると考えますので水分代謝を高めるアプローチを行います。
"偏頭痛がつらい”という方は血行を調整し頭や首の筋肉を緩めるようにします。
"最近食べ過ぎ…”という方には胃に熱がこもりやすいと考えますから胃の熱を取って食欲を抑えるようにします。
"高血圧が気になる…”という方は肩や首の凝りを取っていくと時間はかかりますが、徐々に血圧の数値も下がってきます。
このように鍼灸療法は色々な症状に対応しています。
【鍼灸って痛くないんですか?】
ごもっともな質問だと思います。鍼灸療法を受けた事が無い人なら誰でも「鍼って痛くないの?」という疑問を持たれると思います。「そりゃ~尖った鍼が皮膚に刺されば痛いに決まっとろ~もん!(決まってるでしょ!)」と未経験者の方、もしくは鍼灸を嫌ってる方は言われると思います。ついでに尾ひれはひれが付いて「こんな太い鍼をズバッと!…」なんて話になり、聞いてる人は「わぁ~怖い!やっぱり…やめておこう…」という事になるかもしれません。僕も鍼灸を受けた事が無い知り合いから「鍼って痛くないの?」と、質問される事がありますし、色々な鍼灸院のHPの質問コーナーを見ると「細い鍼を使ってるから痛くないですよ!」的な事が書かれています。
“尖った鍼が刺さる=痛い” この発想は間違ってないと思います。尖った鍼を痛くなく刺す技術を持つ人…それが鍼灸師の技術の一つなんです。
献血に行ったり、病院で予防注射をする時でも注射が上手な看護師さんは、太い注射針でもまったく無痛で注射してくれる人がいるかと思えば、看護師になりたての人、もしくは注射をするのが苦手な看護師さんに注射をされた経験がある方は御存知とは思いますが、何度も注射を打ち直されるという事もあったりします。鍼灸師も同じで、臨床経験が浅い人、または鍼を刺すのが苦手な人(鍼灸師で鍼を刺すのが苦手…というは致命的になってしまうとは思いますが…(笑))では痛くなく鍼を刺す技術に差が出るのは当然の事だと思います。
「鍼灸療法って痛くないの?」という質問をされた時に、僕がお答えする時は「御自身で自分の皮膚を軽くツネッてみて下さい」とお願いして軽くツネッてもらいます。痛いと感じたとしても痛みの程度はそのくらいです。もしくは鍼を刺しているのに気づかれな患者さんもいらっしゃいます。あとは患者さんの「鍼って痛いもの…怖いもの…」という恐怖心が軽くツネった痛みを100倍にも1000倍にもしてしまう。…そういうものだと思います。
鍼灸師は痛くなく鍼を刺す技術を持っている技術者なので安心して鍼灸院に来られて下さい。
【何回通えば良くなりますか?】
“はりきゅうふくた”のHP内の「お灸と鍼で病気を治す話」で詳しく説明してますが、簡単に、この質問に答えるとするならば「患者さんの体力次第です」とお答えするのが一番正確な答えかもしれません。
鍼灸に限らず、病院で処方される薬や注射、手術にいたるまで全て患者さんの体力…詳しく言えば自己免疫力を手助けするものと考えてイイと思います。いくら高価な薬や新薬を用いても患者さんの生きる力と言いますか…回復する力が低下していると効果は半減してしまいます。
よく年配の方が言われるのですが「歳をとったら身体にメスを入れない方がいい、手術をすると体力が落ちるのが早くなるから…」などと言われる事がありますが、これも一理あると思います。
病気を治すという事は体力勝負だという事です。お金を出せば健康が買える…とまではいきませんが、これに似たような考え方で「薬を飲めば病気がすぐ治る。」「手術で悪いところを切ってしまえば病気がすぐ治る。」「薬を飲んだり、手術をしても治らないから、東洋医学の神秘的な感じがする鍼灸??…に行けば病気がすぐ治る。」…このような考え方で、日頃から安易に体力や自己免疫を低下させていき、身体の不調を訴えられても、「何回で治りますよ!」などと簡単に答えることはできないんです。
鍼灸師も最善を尽くす。患者さんも日々の生活を改善して病気の改善に専念する。この二人三脚の体制が上手く組み合えば効果も上がっていきますので、日頃から疲れを溜め込んで体力低下をさせない為に定期的に鍼灸をされて身体のケアーをされる事をオススメします。
【鍼灸って癖になるってきいたんですけど…】
「癖になる…」という事の裏を返せば “よく効くから癖になる…” という事が言えるのではないでしょうか?
食事や洋服…娯楽にはお金を使っても、自分のからだの事になると「気合いで治す!」と精神論で乗り越えようとされる方が多いように思えます。車のタイヤ交換やオイル交換…整備点検を、マメにすると故障することなく長く乗り続けられるのと同じに、身体も定期的に点検をしてケアしておけば病気の芽を摘む事ができます。
マメに掃除していると、ゴミや塵が落ちてる事に気がつきやすいですが、掃除もしていない部屋ではゴミや塵が落ちていても気がつかない…。
やはり定期的に鍼灸をしてマメに身体の掃除をしてあげた方がイイ。だから鍼灸を癖にしていた方が、なにかとイイという事ですね!
※過去のブログで鍼灸施術・病気の事について書いたものです。
・風邪に対する鍼灸
(2020年9月23日)
風邪の症状と言えば代表的なものとして「喉が痛い…」「頭が痛い…」「鼻水が出る…」「胃腸の調子が悪い…」「発熱…」などがあります。一般的に “風邪” というカテゴリーで一括りにしがちですが、何が原因で、その症状が出ているのか?…がポイントになると思うんですよぉ~。
ウイルスなどが原因で起こる風邪に対して、初期症状ならば解熱剤などで熱を下げるような事はせずに、熱以外の症状を緩和する事がポイントとなりますが、症状が重く、身体の発熱だけではウイルスに対処出来ないようなインフルエンザや、今、流行っているコロナなどには抗ウイルス薬が必須となります。
でも…”風邪”と言っても、季節の変わり目…、春とか、ちょうど、この…秋の季節などに薄着をしていて、うたた寝をしてしまったがために発症する風邪もあるわけです。
薄着や、うたた寝で身体を冷やして発症する風邪も、頭痛や鼻水や胃腸不良や発熱など、ウイルスが原因で起こる風邪の初期症状と何ら変わりない症状が出ます。基本的にウイルスが原因だと思われる風邪の場合、症状が酷かったり、症状が重篤化するスピードが速かったりするので、試薬を使う以外で、どちらが原因か判断する術としては、問診などで症状が出てからの経過時間を考慮して判断する事が多いと思うんですが、医療従事者でない一般の人達の考えとして、一般的に “風邪=「風邪薬を飲む」” という考えが定着していると思うんですよね!まだまだ根強く「とりあえず、風邪症状が出たら風邪薬を飲んでおけば治る。」と思っている人は多いと思います。
喉が痛かったり、頭が痛かったり、鼻水が出たり、胃腸の具合が悪かったり、発熱したり…、と症状は同じなんだけど、寝冷えとか薄着での身体の冷えが原因で発症した風邪症状と、ウイルスが原因で起こる風邪症状とは発生機序が違う別物の風邪と考えるべきだと思うんですよ!なので、それぞれに対しての治療やアプローチは別なモノになります。東洋医学でいう異病同治・同病異治という考えが当てはまります。
寝冷・薄着で身体の冷えから発症した風邪の原因は、日頃の蓄積された疲れが溜まり、身体が冷えることで免疫力が低下し、体温の調節を行っている自律神経が乱れる事で風邪の諸症状が出ます。身体が冷える事が原因で発症している風邪に対しては、主にお灸を使った施術が効果的です。自律神経の乱れに対しては鍼灸は得意分野なので肩首背中のツボを使い交感神経・副交感神経のバランスを整える事で症状を緩和し自己治癒能力を促進させていきます。冷えによる初期症状の場合、薬剤師や漢方医の知り合いの方がいたら漢方薬を処方してもらうのもいいですね!鍼灸と共に、症状によって葛根湯とか桂枝湯などを使い分けると一層効果的だと思います。
ウイルスが原因の風邪症状に対しては、初期症状以外は抗ウイルス薬が効果的ではあるんですが、僕の経験上、高熱が出た場合、指先への井穴刺絡が症状の緩和に効果的です。体力を温存するためにも井穴刺絡はオススメですね!
時々…「鍼とか灸とかで風邪が治せるの?」なんて、ちょっと鍼灸を小馬鹿にした事を言う人にお会いする事があるんですが、多分、そういう人は鍼灸を理解していないのと同時に、風邪ってどういうものか理解できて無い人なんだろうなぁ~って思うんですよねぇ~。
・物騒な話しですが健康に関しての話しです
(2020年10月20日)
健康な人でも1日に5000個の癌細胞が身体の中に生まれるんだけれども、免疫がしっかり働く事で癌になることなく生活できているという話しを聞いた事があります。
調べてみると、生涯でガンと診断される確率は男性で62%、女性で46%だそうなんですよね…。 なので日本人の2人に1人がガンになるという事らしんです!
これって考えてみると、健康な人でも、病気になっている人でも、みんな…背中に銃口を突きつけられている状態は同じ事だという事なんですよね。
たまたま癌を発病した人は、背中に突きつけられた拳銃の引き金が引かれてしまい弾丸が発射されてしまった…。で…当たり所が悪くなければ発症した病が治り健康体として生活できる。
癌になる確率だけで考えると、僕らは、誰彼無しに背中に銃口を突きつけられているという事実を認識するべきだと思うんですよぉ~。
…でも銃口を突きつけられていても、引き金さえ引かれなければいい話なんですよ。…まぁ~…誰が背中に銃口を突きつけているかは分かりませんが、引き金を弾かせないようにネゴシエイトというか、説得や交渉をして、引き金を引かせないようにする行為が、健康管理・健康維持なんだと思うんですよねぇ~。
ネゴシエイト・説得・交渉…って、いったい何をすればいいのか?って考えると、「早寝早起き…」「睡眠時間をしっかりとる…」「食事の改善…」「疲れない生活…」と、誰でも口にする一般的な健康管理…。簡単そうにみえて、この御時世…これらを実行するには、なかなか難しい事ではあるんですが、やはり健康で生活するには地味な行動と、自分を律する事が不可欠なんだろうなぁ~って思うんですよね!
・やたらと ”エビデンス” を要求する理由がわかったような気がする。
(2020年12月5日)
先日、録り溜めていたTV番組を見ていたら、陰陽師の安倍晴明の事をやっていて、なんだか合点がいったというか…、なるほどなぁ~って思ったんです。
番組内で認知神経科学者の中野信子さんが仰るには、セロトニンは幸せを感じたり、精神的な安定を維持する物質なんだけれども、その…セロトニンって分泌されて一部は分解され、残りは再利用されるらしいんですが、その再利用に働くタンパク質が、世界的にみて日本人は少ない人が多いんだそうなんです。なので日本人って、不安に駆られる事が多く、鬱にもなりやすいそうなんですよねぇ…。
なぜ?日本人にセロトニンを再利用するタンパク質が少ない人が多いのかは定かではないけれど、古来、日本は天変地異が起こりやすい土地柄で、いつも不安に対して備えておかないと、この土地では生き残れなかったからなのか?はたまた、そういう人達が偶然、この土地に集まってきたのか?…。まぁ~日本って、そういうお国柄らしんですよねぇ~。
たしか…そのような事を話されてました。(記憶が曖昧だったらゴメンナサイ。)
だから、陰陽道の安倍晴明や、密教の空海のような人達が活躍し、念じる事で人々の不安を取り去っていたという歴史があるんですよね。
現代を生きてると「念じる事で何が変わるの?」と、鼻で笑う感じになる人も多いかも知れませんが、平安時代は、念ずる事で変化が起こる事が当たり前の世界だったんでしょうねぇ~。だから悪い事が起これば鬼や怨霊の仕業だし、時代は少し違いますが戦国時代の『針聞書』に書かれているように、病気を引き起こすのは「虫」の仕業だと考えられ、当時、メッチャ頭が良いエリートの人が考えに考え抜いて、陰陽道や密教を使い念じる事で、人々の不安を取り除いていたんでしょう。
その事に対して、いくら科学が進歩している現代に生きているからといって、「念じる事で何が変わるの?」と鼻で笑ったり、小馬鹿には出来ませんよね。念じるという事で不安を解消する事は、平安時代から江戸末期まで、続いていたわけですからねぇ~。
で…、TV番組でも言ってましたが、明治に入って西洋の文明が入ってきてから、人々の思考が「念ずる事は非科学的だ!」という風潮になり、現代に至っているわけですが、平安時代から江戸末期まで人々の不安を取り除く事を一手に担っていた
”念ずる” という事から ”科学” にシフトチェンジした為、セロトニン不足で不安を感じてる日本人気質からか、科学や医学に対して、不安を解消する材料として、必要以上にエビデンス(科学的根拠)を求めるようになったんじゃないかな?って思うんですよね!
東洋医学でも漢方薬は主原料の分析や生薬のグラム数などの数値化が可能なので、エビデンスというものに対応しうる事が出来ますが、鍼灸の場合は刺激量など数値化は困難で、どちらかというと経験則的な事でしか証明できないのでエビデンスには対応出来ないし、説明しろと言われても暖簾に腕押しなんですよね!
念ずる事で変化が起こる事が当たり前だった世の中の科学的な医療だったわけですから、現代のエビデンスにそぐわなくて当たり前だと思うんです。
でもエビデンスが無いから、それはナンセンスな事なのかと言えば、必ずしもそうでは無いという事も大勢の人は理解していますが、時々、最新とか科学とかが大好きな多様性に欠けた人が「エビデンスが無いものは認めない」なんて言うモノだから面倒くさくなるんですよねぇ~。
やたらと「エビデンスを示せ!」「エビデンスは?」って言うのは不安だから言ってるって事が、よ~くわかりました。
・「鍼灸は対症療法ですよね!?」という質問をされたので…
(2021年1月23日)
ある年配の質問好きの患者さんが「先生!鍼灸って対症療法ですよね!?」と質問してこられた…。
ふふ~~~ん!対症療法かぁ~…来た来た!(⌒~⌒)ニ
よくこう言う質問をする人がいるんですよねぇ~。まぁ~だいたいが鍼灸に対して「なんで効くの?」とか「ホントに効くの?」っていう感じで鍼灸自体を疑ってかかっている人もいれば、疑ってる訳じゃ無いけど、説明を聞いて納得しないとダメなタイプの人。
この年配の患者さんは後者かな…。
辞書によると、対症療法は「病気の原因をのぞくのでなく、あらわれた症状に応じてする治療法」とか「物事の目前の状況に応じた処理のしかた…」というような事が書かれています。
こんな感じで辞書に書かれていると、対症療法というのは原因を治すのではなくて、とりあえず…チャチャチャァ~とやっときましたぁ~!的な感じとしか受け取れないですよねぇ~。
そんな感じで「鍼灸=対症療法」と思われるのは、不名誉だし合点がいかないですねぇ~。正直言って辞書に書いてある事が間違ってると思います。
まず、病気は何が治しているのか?誰が治しているのか?
ここがポイントになるわけですよね!
例えば「薬が治してくれる…」「手術で悪いところを取ってくれるお医者さんが治してくれる…」と思っている人達は、薬や手術やお医者さん以外は、病気の原因には手を出さないモノ…、症状だけを取る治療法…、と捉えるでしょう。まぁ~そういう人達が辞書を作ったんでしょうねぇ~。
東洋医学的な思考で病気に対処しているお医者さんや鍼灸師は,体自身が自分の体の不具合を治していると考えます。薬や手術や鍼灸は治そうとしている体の手助けをしているわけですよね!
なので、薬や手術や鍼灸は全て対症療法なんですよね!
「病気の原因をのぞくのでなく…」っていう所が間違ってますね!…ダメだな…この新選国語辞典。
広辞苑の第六版では「患者の症状に対応して行う療法」「高熱に解熱剤を用い、疼痛に疼痛に鎮痛剤を用いる類。比喩的に根本的な解決にならない当面の方策の意にも使う。」とありますが、比喩的使う場合と治療で使う場合とを混同させてはダメですよねぇ~。
こんな感じで、患者さんに説明したら納得して、治療を受けてくれました。
・長寿と繁栄を♪
(2021年2月4日)
最近、改めてというか…、つくずつ…というか…、長年、臨床をやってるから感じる事なのか…?
患者さんって色々なタイプの方がいらっしゃっいます。
整形外科で短時間のリハビリと牽引と痛み止めの薬や湿布をもらい、生真面目に通院したけど一向に改善しない為に、痛くて熱いのは嫌だけど、周りから「鍼灸がいいよ!」と言われて嫌々、鍼灸院に来たという患者さん。
「鍼灸って気持ちいいよねぇ~!」って昔から鍼灸に全幅の信頼をおいてくれる患者さん…。
なんとなくツボとか東洋医学に神秘性を感じて鍼灸院に来る患者さん…。
体は薬が治すものと思い込んでいて「鍼灸は対症療法ですよね!?」と、いつも来る度に質問をしてくる年配の患者さん…。(質問好きなんだろうなぁ~(^-^;) )
水曜ロードショーの番組終わりに水野晴郎さんが「いやぁ~映画ってホントにいいものですね!」と言ってた口調と同じ口調で「いやぁ~鍼灸ってホントに気持ちがいいものですね!体が緩むわぁ~!」と治療後に言う患者さん。
色々な人達の治療をしていて思うんですが、体質改善、生活パターンの改善、食生活の改善、姿勢の改善があって初めて薬や鍼灸の効果が高まると思うんですよねぇ~。
Live long and prosper … 長寿と繁栄を♪ ( ̄▽ ̄;)
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院長
福田 徹 1965年生まれ
2003年 国家資格 鍼師灸師免許取得