今年の5月に本屋のレジ横の棚にNHK出版が出している、『学びのきほん』というムック本を見つけたんです。手にとってパラパラとページを開いてみると、小一時間くらいで読めそうな文字数…。
まず最初に思った事は…「読みやすそうだな…」…(^^)
シリーズとしては健康の事だったり、宗教の事だったり、料理の事や、美術の事や、哲学の事…etc
色々な題材があった中で最初に手に取ったのは『からだとこころの健康学』という本でした。…1冊¥670なので、もう一冊くらい買おうかな…と物色して買ったのが『からだと病気のしくみ講義』。この2冊を購入しました。
『からだとこころの健康学』稲葉俊郎(著)についての感想は先月のブログに書いてます。
で…
今回、読んだのが『からだと病気のしくみ講義』という本。
読んでみると「心臓から出た血液が体を1周して戻ってくるまで20秒かかる…」とか、「静脈は動脈と違って硬化することはありませんが、血栓ができることはよくあります…」とか、「心臓と脳が特に低酸素に弱い臓器…」とか、「太い動脈に二酸化炭素濃度を感知するセンサーがあり、二酸化酸素の濃度が高くなると、息を吸いたいという感覚が働くようになってる…」とか、学生の頃、解剖学や生理学で学んだ事の復習的な事や、医学の豆知識が関西弁の口語調で書かれているので、親しみやすさを感じるんですが…
読んでいて、ふと…思ったんです。
この関西弁の口語調での医学の豆知識の解説…。この人の本…以前、読んだ事があるような気がする…。
…と、著者の名前を見てみると「仲野 徹」と書いてある。
あぁ~あの人か…
勿論、会った事はありませんが、7~8年前に、この人の本を2冊、読んだことがありました。
最初に読んだのが『こわいもの知らずの病理学講義』という本で、大阪大学医学部の講義の内容を書籍化した内容でした。多分、この本が売れたんでしょうねぇ~、二匹目のドジョウ…ってな感じで、翌年に『あまり病気をしない暮らし』という本が出てたので、これも読んだんですが、この本に「代替医療を疑え」というタイトルで、癌の代替療法とか民間療法のリスクについて書かれていました。
以前にもブログで書きましたが、僕自身の考え方として、癌のような大病の場合は科学的根拠が提示されている治療を軸にして、そのサポートとして鍼灸治療を活用すべきだと思っていますし、決して鍼灸のみで治そうなんて思ってはいけないという考えです。
ただ…、『あまり病気をしない暮らし』という本の「代替医療を疑え」という文章には…
「癌のように放置すると死に至る可能性が高い病気において、エビデンスのない治療法に身をゆだねるのは、あまりにも危険だと思われませんか?」
…と警告を促す姿勢をとりながら…
「他の治療法がないと診断されたので代替医療を、という人もおられるかもしれません。その心情が理解できないわけではありません。しかし、ほとんどの医師は、たとえ自分がそのような状況になったとしても、代替医療に大枚をはたいたりしたりはしないでしょう。」
…と御自身が、医学会・医者の代表者の如く、医師は代替医療を選択しませんよ!と、代替医療をヤンワリと否定され、医師が行う行為は常識的な行為であり、それ以外の行為は非常識ですよ!と言わんばかりの文章に「…ん?」と、…嫌ゃ~な感じがしたのを覚えてます…(-_-;)
なので、著者の名前を見た時に「あぁ~あの人か…」と、なったわけです。
それで…もう一度、どんな事が書いてあったか確認してみようと、本棚から『あまり病気をしない暮らし』を引っ張り出して「代替医療を疑え」という項目を読んでみると…
「標準医療と代替医療の違いは、医学的な裏付けがあるかどうか、すなわち、治療についてエビデンスがあるかないか、です。」
…って書かれてました。…出たな!エビデンス星人!!!…(^^;)
結局、この人の本を3冊読んだ事になるんだけど、関西弁の口語調で医学の豆知識を紹介されているので、親しみやすく読みやすいのですが、この著者の特徴として、ちょいちょいディスりが入るんですよねぇ~。
先日買った『からだと病気のしくみ講義』を読んでいても、著者が理解できていないものに対して「よ~うわからん」と口語調で書きながら、分からないモノをディスる…所謂…disrespect(軽蔑)するんですねぇ~。
本の内容としては勉強にもなるし、関西弁で親しみやすいのだけれど、読んでいて「よ~わからんならディスるのやめなさいよ!」って言いたくなります。知らないものは「知らない」で終わればいいのに、この人は、あえて自分が理解していないモノ・理解出来ないモノを否定の対象としてディスるんだよなぁ~。
まぁ~…これって、エビデンス星人の特徴的行動パターンでもあるんですけどね!…(^^;)
でも、多分、この人は「ディスりが嫌だったら…、俺が嫌いだったら読むな!」って言うと思うんだけど、まぁ~…買ってしまったモノは、しょうがないし…勿体ないから、読むけどさ…。このエビデンス星人の論調ってウンザリしちゃうな…って思います。
以前読んだ『あまり病気をしない暮らし』の中で、この著者は若い頃、ノーベル賞を受賞された本庶 佑さんの研究室で助手をしていたと、御自身の経歴が書かれていました。
ノーベル賞を受賞された先生の元で助手をされていたという輝かしい経歴をみるに「科学こそNO.1だ!」という自負というか、承認欲求が強い人なんだろうなぁ~。だから自分が理解出来ないモノをディスる事で自分の正当性を高めようとしてらっしゃるんでしょうねぇ~。
多分…この人、エビデンス星からやって来た、エビデンス星人だと思います…(^^;)
コレを読んでる人の中には「お前も、この著者をディスってるじゃん!」って言う人がいらっしゃるかもしれませんが、まぁ~それは、お互い様だと思いますよ…(^^;)
侵略戦争をしている、どこかの国の大統領じゃあるまいし…、故意に外敵を作って自分の正当性を強調する論法はもう古いって…!地位も名誉も権力もある人が、わざわざディスる必要はないと思うんですけどねぇ~!