『なぜ人だけが幸せになれないのか 小林武彦(著)を読んでみた…』

この本によると、「幸せ」は「死からの距離が保ててる状態」なのだそうな…。

人というか…生物は、いつか死ぬ運命にあると、誰でも理解しているけれど、若い人…、老いた人…、病気を患っている人…、健康な人…、人それぞれ死からの距離は違うわけで…、幸せの度合いは人それぞれだから、幸せの定義としては「幸せは死からの距離が保てている状態」という考えは、とても腑に落ちる感じがします。

ただ、この本に書いてあるように、最近は歩かず…動かず…PCやスマホですべて事たりる生活がメインになってきているので、自然と自ら死との距離を縮めているのも事実なんですよねぇ~。

「幸せ」というのは「死からの距離が保ててる状態」…と同時に、安心と平穏な気持ちを持続した状態をいうのだけれども…

人って、本来、何かと比べたり、すぐに飽きたり、他人を妬んだり、絶望したりする性質を持ち合わせているので、人は死の恐怖から逃げられないらしいんだそうな…。

…たしかに…。

でも…これを回避する方法が1つだけあって、何かに没頭したり、好きな事をすることで、自分を肯定して、死からの距離感を維持して、幸せを感じるのが、死の恐怖から解放される方法…との事。

…なるほどな…

…でもって…

…あと…、「豊かさと幸せは一致しない。」…という事も書いてありました。

太古の昔から比べると、現代は平均的寿命は延びてるんだけど、寿命が延びて肉体と精神が喜んでいるのかというと、そんな事はなくて、肉体と精神は、人が作り出している人工的な生活環境にもがいているのが現状なんですって!!

…確かに、近年、鬱病をはじめ、原因不明の病気も増えてますもんねぇ~…

この本によると、人間ってね…、新しいモノをありがたがるんだけど、ユーザーとしては、全く進歩していないそうなんです。テクノロジーを発明して、色々なモノを作り出すんだけど、使い方をよく知らない。

…耳が痛い話ですねぇ~。確かに、スマホの機能を100パーセント使いこなせている人って、何人いるんでしょうねぇ~???

技術的な進歩って、新しい価値観を生み出すんだけれど、技術が進歩すればするほど、ますます格差が生じてしまい、結果的に科学の進歩は格差の助長に働いてしまうらしいんですよ…。

まぁ~科学を進歩させるためには、ある程度の経済的な格差は容認されてもいいとは思うんだけど、一番やってはいけない事は、知識や技術を一部の人が独占して、権益が固定化される事。…って書いてありました。

…これって、今の日本社会というか、今の世の中、そのものじゃん!頭の中に、あの経営者や、この経営者。あの企業や、この企業の名前が浮かんできますね!

あと…、ドーパミンの事も分かりやすく色々と書いてありました。

ドーパミンは、快楽ホルモンと呼ばれて、気分を良くしてくれるので「幸せホルモン」とも呼ばれたりするんだけど、時と場合によっては、死との距離を縮めてしまう場合もあるんだそうな…。

…確かに…ドーパミン過多になると依存症になりやすくなるし、依存度が高くなれば、高くなるほど、健康とか幸せとかは、二の次になってしまいますもんねぇ~。

…ドーパミンの本来の仕事は、動物の本能…食欲や性欲をサポートする役割として使われるもので、〇〇依存症や〇〇中毒で働くための物質では、ありませんもんねぇ~。

…本の最後の方に書いてあったんですけど…

「幸せ」を「死からの距離が保ててる状態」と定義するならば、現代人は肉体的に寿命は延びても、死からの距離感が短くなっている社会だから、現代人は幸せとは縁遠い生活をしている。

…という事らしいんですね。

その理由としては、格差や生活様式や価値観の変化に対応できていない為に、自分達で作り出したものの使い方を知らない。…もしくは、使い方を間違っている事に気が付いていない。…と同時に、幸せになりにくくなった分、寿命を持て余すようになって、快楽を欲するようになったけど、快楽のみで幸せになる事はない。

…というような事が書いてありました。あぁ~これが本の『なぜ人だけが幸せになれないのか』というタイトルの答えなのね!

最近、自分自身…、年を取ってテクノロジーについてけなくなりつつある事を自覚し始めている昨今…、幸せを感じるには、ある程度の原点回帰な生活と、適切なテクノロジーの使い分け…(どっぷりテクノロジーにハマるのではなく…ね!)…を心がける事と、好きな事に没頭して幸せを感じることがポイントなんだろうなぁ~…って思いましたね!

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