6月の初頭…、radikoでTBSラジオの『武田砂鉄のプレ金ナイト』を聞いた時のゲストが、ブラインド・コミュニケーターの石井健介さんでした。
僕は彼の事を一切知らなかったんですが、2016年のある朝、突然、目が見えなくなった…という経緯を、とても明るく話されている事に、正直ビックリしたのと…、目が見えなくなってから、変わった事と、変わらなかった事を、ジョークを交えながら話されていて、番組の最後に本の出版のお知らせがあったので、「これは読んでみたいなぁ~…」って、Amazonでポチ買いしたんです。
自伝のエッセイって感じの本で、あっと言う間に読めちゃいましたねぇ~。
近頃…60歳にもなると、人の死とか、病気の話しだとか…、色んな事が周りで起こるので、この本を読んでいて「世の中、たくさん人がいるわけだから、こういう人もいるよなぁ~」って思いながも…、もしかしたら身近で、こういう事が、いつ起こっても不思議ではないぞ!っていう気持で読んでたんですよ…。
で…
読んでいて「おっ!」って思った文章の所のページに、付箋を貼ってたんですが…、
その付箋を貼ったページに書いてあった文章って、以前、千葉の先生の鍼灸の勉強会で、その先生が仰っていた事とリンクするような事が、多く書かれてたように思いました。
その中に…
人というのは不思議なもので「大丈夫ですか?」と尋ねられると、咄嗟に「大丈夫です」と口にしてしまいがちなんだけども…、本当は全然、大丈夫じゃないんだけれど、「大丈夫です」という自分の言葉が、プレゼントを包むラッピングの紙1枚分の厚さだけ、自分の心を浮かび上がらせてくれることもある。
…反射的に出た「大丈夫です」っていう自分の言葉が、少しだけ自分の心をプッシュアップするっていうか…、それが、自分を奮い立たす言葉になる…っていうような事が書かれてたんですよねぇ~。
これって…「大丈夫ですか?」を、やたらと連呼すると意味は無くなるんだけど、「大丈夫ですか?」って言うタイミングを見定める事が重要で、この「大丈夫ですか?」っていう言葉が、治療の第一歩になる場合も多いと思うんですよね!
あとねぇ~…
石井健介さんの知り合いの鍼灸師さんの言葉が心に響いたんですよぉ~…
「目が見えていたって、お先真っ暗なヤツなんて、いっぱいいるでしょ!逆に石井くんは目が見えなくなって、自分が生きる道がはっきりと見えてくるかもしれない。石井くんが、どうありたいのか、どうやって、この先の生命を輝かせていきたいか、それを、ゆっくり考えたらいいんじゃない?」
…って、病院で入院してる時、お見舞いがてら、看護師さんの目を盗んで、鍼灸の施術をしながら、鍼灸師の友人が話しをしてくれたそうなんですね…。
この文章を読んだ時に、もしも僕の知人・友人が視力を失い、見舞いがてらに病院で看護師さんの目を盗んで、鍼灸の施術をする事は出来るんだろうけど、「…どうやって、この先の生命を輝かせていきたいか、それを、ゆっくり考えたらいいんじゃない?」…なんて言えるかな?
あぁ~…でも、千葉の石原先生だったら、言ってたかもなぁ~…。なんて妄想しちゃいましたよ。
あと…瞑想の先生の言葉…
「まずは嘆ききることだね…」…嘆きたい時に嘆ききらないと、それは、いつしか心の奥底に沈殿し、延々と、そこに居座ってしまう。だから、今ここにある嘆きは、今、ここで嘆ききるしかない…。
これは、東洋医学の勉強会などで、よく聞く話しですね…。例えば…身近な人が亡くなった時に、悲しみを表に出さず、気丈に振る舞う人がいた場合、その人は半年後…一年後くらいに、体調を崩したり、心を病んだりするって話しを聞いた事があります。
やはり人の心っていうモノは、薬ではどうにもならないモノだし、時間とタイミングが、とても重要だと思うんですよね!なので、この本に書いてあった…「まずは嘆ききること…」って、ホントに大事だと思います。
あとねぇ~…
ネイティブ・アメリカンの言葉も紹介されてましたねぇ~。
「怒りは自分に盛る毒」
…なんですって!
確かになぁ~、この世の中…怒っても、ろくな事はないからなぁ~。イライラする事が多い世の中なんだけども、この言葉は、いつも自分の心に留めておいた方がいいなぁ~…って思いますね。
あと…
本の終わりの方で…
「わからない」という事を分かり合ったり、伝えたり、それを受け取りたいというようなコミュニケーションにおいて芯となる…
…って言葉が気になりましたねぇ~。
今の世の中、ネット社会で情報が多いせいか、分かる事が当たり前で、何でも「わかろう…」と思う人が多いように思えるんですよねぇ~。で…自分と意見が違ったり、自分が理解出来ないモノに対しては拒絶反応を起こして、無視するか排除しようとする。
わからない事や、理解出来ない事ってあるんだよねぇ~…って事を分かり合うって、確かに重要だなぁ~って感じますね。
この本を読み終わった感想としては…
簡単な感想だけど…
なんか元気をもらったというか…、勇気づけられた気分になりました。