概論思考と各論思考…

なんて説明したらいいんだろうか?…って考えた時に、ふと「概論・各論」という言葉が頭に浮かんだので、タイトルを「概論思考と各論思考」にしてみました。

何が言いたいのかって言うと…

身体の事…、自然の流れ…、老いるという事を理解しているのか?…どうか?

…という事を考えていた時に、大きな流れというか…、人間が生まれて死ぬまでには、若さで乗り切れるような事を経験したり、挫折を経験したり、加齢を経験して老化を感じたりと、大まかな流れがどれだけ理解出来ているか?

頭では理解できているんだけども、その流れに抗ってしまう思考が働き、どうしても自然の流れに逆らってしまう…。

そんな人、多くないですかねぇ?

例えば、僕たち鍼灸師は専門学校で東洋医学を学ぶ時、『東洋医学概論』と『東洋医学各論?…臨床各論?』だったかな?…を学びます。(…学校に通っていたのが20数年前の事なので、科目のタイトルは忘れてしまいました…(-_-;))

御存知の通り、概論は「大まかな説明」とでも言いますか「あらまし」…「こんな感じだよ!」という概略の説明が主で、各論は「詳細」というか、ある領域の詳しい説明を各論で学びます。

東洋医学概論では、人は自然の流れの中の一部であり、…身体がどのように成長して、どのように老いていくか…を学びます。各論では、ツボの効能や運用やら、この症状には、このツボ…などなどを学ぶんです。

なんとなくですけど…

例えば、何かあったら、すぐに薬を飲んで治そうとする人。もしくは鍼灸に来る患者さんでも「ここに鍼を打ってもらえませんか?」とか「ここに鍼を刺してもらうと治るような気がする」…というような人。…そういう人達の思考って「各論思考」な人達じゃないかな?って思えるんです。

所謂、成長から老化の過程に起こる事、概論を無視して、各論的な思考で、薬やツボに鍼を刺したり灸をしたりする事で病気を治そうとする人…。

患者さんだけではなく、鍼灸師でも、人を治療する時に各論的思考で治そうとする鍼灸師も少なくないと思うんですよねぇ~。

人の病気を治すのって、自然の流れや、身体の成長や老化の過程を無視して、生活していては病気は治せないんですよぉ~。

生活習慣の改善は必須なんですよね!

薬やツボの効能はサポートでしかなく、病気を治す主軸は「生きる力」とでも言いますか、免疫力を下げない事…。これは生活習慣の改善でしか変化を起こせないんですよねぇ~。

なので…、概論的な事柄を重要視する、お医者さんや鍼灸師は、事あるごとに「睡眠不足はよくないですよ!」「御飯はゆっくり、よく噛んで…」「シャワーではなく湯船には浸かりましょうね!」「身体を動かして!…運動しましょう!」…などなど、まぁ~昔から、親や祖父母から言われていた事を、伝えるんだけれども…

多くの人は、「そんな事は分かってる!…それより、もっと効く薬はないのか?もっと効くツボは?」…と各論思考で、病気と対峙しようとする人が多いなぁ~って感じます。

各論思考の人達って、何かに頼ってしまう癖とでも言いますか、薬に頼ったり…お医者さんに頼ったり…、なんだか分からないけど神秘的だと感じる東洋医学に頼ってみたりする事が習慣化しているので、そういう人達に概論的な事を言っても、聞く耳を持ってくれない事が多いんですよぉ~。

でも、こればかりは、気が付いてもらうしか無いので…

僕ら鍼灸師は、鍼やお灸を使って、身体のコリを取り、少しでも身体を楽にしてあげる事で、各論思考から概論思考に変わってもらいたい…。

これが、僕の治療の最終目的かな…って思います。

概論的思考になれば、自分の身体の声に耳を傾けれるようになると思うんです。自分の身体が発している警報に対応出来る。そうなれば患者さん自身が、今、自分の身体に最適な治療法や、やるべき事を判断出来るようになる。

そうすると、健康な人が、もっと増えると思うんですよねぇ~。

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