首が痛い|頭痛|鍼灸師が分かりやすく解説します
目が覚めると首が動かない…動かすと痛い…
「肩こり」という言葉はあるけど、「腰こり」とは言わず…腰の場合は「腰痛」って言いますよね!
首の場合は「首こり?」「首痛?」…どちらも耳慣れない言葉ですよねぇ~。首の場合は「首が痛い…」「首が凝る…」かな…。
首が痛くなる原因は…
平たく言えば「姿勢」です。
ただ、どの症状にも言えるんですが、姿勢など物理的な原因で起こる痛みと、精神的なストレスが原因で起こる痛み。大まかに分けてこの2通りがあると思います。ただ、ストレスを感じていない人なんていないと考えていいので、私が患者さんの症状と向き合う場合、この患者さんの痛みは何%が物理的なもので、何%がストレス的なものなのか?という所から探っていくんですよね!
まぁ~ストレスが原因で起こっている場合でも、ストレスのせいで姿勢が崩れてしまっている事が多いので、「首が痛くなる原因=姿勢の悪さ」と言えると思うんですよね!
もう一つ言える事は…
もう一つ言える事は、首が痛くなってる人は自覚症状がある・無しに関わらず、肩こり、背中の痛み、腰痛を起こす可能性があります。今現在、首だけが痛いという人でも、それは痛みを感じてないだけで、肩や背中や腰にコリがあるんですよね!
それはなぜかと言うと、冒頭で首が痛くなる原因は姿勢だと書きましたが、もう一つ詳しく言えば、骨盤の位置・骨盤の不安定さが原因で背中・肩・首に不具合が起こります。
例えば…骨盤が後ろに倒れると背中が猫背になり、肩や首が前に出る為に、腰・背中・肩・首に関係している筋肉が固くなり動きに弊害が起こるんですよね!
あっ!…今回は「首が痛い…」について書くんだった。
でも、姿勢が原因だから、もうちょっと姿勢について書きますね!
立っている時…左側が骨盤が正常な位置。右側が骨盤が後傾している図です。
ストレートネック…
背中の脊柱が円く変形してるのがわかりますよね!?もう一つ言えば、脊柱が円く変形したが為に顎が前に出て頭蓋骨が前に出る事で頸椎(首の骨)が、まっすぐになっちゃうんですよ!…これがストレートネックってやつです。酷いストレートネックになると首の後屈…上を向くことができなくなります。最近はスマホの使いすぎでストレークが増えているみたいですね!スマホだけではなく、読書や編み物や草むしり…、同じ姿勢を続けなければ仕事などが原因でストレートネックが増えているようです。
これは座ってる姿勢でも同じ事…
正常な姿勢の場合、頭の重さは4.5kg~5kgあるそうなんですが、頭が5cm前に出ると、正常な姿勢で4~5kgの頭の重さを支えている首や肩の筋肉にかかる重さが13.5kg。7.5cm前に出ると18kgの重さを肩や首の筋肉が支えるという事になるわけです。
子供の体重が肩へ…
18kgって4~5歳の子供の体重ですから、デスクワークで座り仕事…、骨盤が後ろに倒れて背中が丸まり頭が前に傾くような姿勢で1日中過ごすと言う事は肩首に4~5歳の子供を肩車した状態で18kgの負荷を首や肩にかけて、毎日仕事をしている事になるわけです。
この話しを聞けば、首や肩が痛くなる理由はおわかり頂けると思います。
じゃあ…首の痛みを無くすには…、姿勢を良くする事!!!
…なんですが、癖と一緒でなかなか姿勢を直すのは難しい。
首だけに鍼灸をして首の筋肉を緩めても…
なので、鍼灸で固くなっている筋肉を緩め、姿勢を直すよう指導していきます。首が痛くなる理由は骨盤・背中。肩と多岐にわたりますので、首が痛いから…首が凝ってるから、首だけに鍼灸をして首の筋肉を緩めても、ひと時は楽になりますが、土台が歪んでいると上物が不安定になる道理と一緒で、すぐに首が痛くなります。
もう一つ言うと…
首が痛くなり、首にコリが生まれると目の痛み、目の疲れが酷くなり、それと同時に頭痛が頻繁に起こるようになるんですよね!
寝違いも首の筋肉が固くなる事で起こる現象ですから、首のコリをそのままにしておいて良い事なんて一つもないんですよ!
まず首のコリを鍼灸で…
首に痛みやコリを感じたり、目の疲れや頭痛などの諸症状が出た場合、まず首のコリを鍼灸で取る事をオススメします。コリを取って筋肉をフラットな状態に戻しながら姿勢に気をつける。これが一番いい方法だと思うんですよねぇ~。
※過去のブログで鍼灸施術・病気の事について書いたものです。
《動かないことの功罪》
2015年12月15日
「廊下に立ってなさい!」…と先生から言われて罰として廊下に立たされた記憶がある人も多いはず…(笑)
動かずにジッとしているのって身体にとってはホントに罰ゲームなんすよね!
動かない ⇒ 一部の筋肉のみ持続的な緊張をしいる ⇒ 一部の筋肉が疲弊する ⇒ 血行が悪くなる ⇒ 凝りが生まれる。
動くって言う事は、まんべんなく筋肉を使うというか…、凝りの発生を回避する防御策なんですよぉ~。
寝返りなんかもその1つですけど、根を詰めて作業すると、ついつい同じ姿勢で1時間…2時間…3時間と作業をしてしまうんですよねぇ~。そうなると自然に首・肩・背中・腰に凝りが生まれる。それが慢性化すると凝ってる事が日常となり、あまり気にならなくなる。そうなると凝りをどんどん成長させるというか、肩こり・首凝り・腰の凝りが酷くなる。その凝りがピークに達すると、頭痛や四十肩・五十肩、ギックリ腰になってしまうんですねぇ~。
仕事や作業をする場合、30分に1回くらいは、姿勢をリセットさせるように動く方がいいと思うんですよねぇ~。
《ヤマイダレ(落語のマクラ風に書いてみました…)》
2014年3月17日
昔から「病から気から…」と申しますが、確かに気分で体調がガラッと変わる事はよくある事で、このことを一番、顕著に感じるのが恋煩いってやつですなぁ!「あの人の事を想う度に御飯も喉を通らなくなる…」なんてイイながら、恋に破れた日には御飯も食べれなくなってガリガリに痩せてしまうかも…って思ってましたら「あんちきしょう!俺を…私をフリやがって!!こうなったら今まで食べれなかった分を食って!食って!食い倒してやる!」なんて、気分次第で身体は如何様にも変化します。
「癖」という漢字を見てみるとヤマイダレなんですねぇ~!病は癖から起きている…何事にも起源といいますか原因があるんですが、病気は癖が原因で起こると言っても過言では無いと思ってるんですよね!昔から「無くて七癖」と言うように癖が無いように見える人でも、癖は必ず持ってるものなんですよね!姿勢でどちらかに重心をかけていたり…足を組んだり…鞄は右の肩にかけないと落ち着かない…とか、食事の好みは勿論の事、睡眠時間…生活全般にかけて癖の塊で成り立っていると言ってもいいくらい…。
この癖が…限度と言いますか、許容範囲を超えてしまうと病を引き起こすんでしょうねぇ~!僕は患者さんにはよく言ってるんですが…症状が消えるのと病気が治るのは別物なんですよね!本格的に病気を治そうとするならば「体質改善!=癖を直す!」これが必要なんですよね!煙草がやめられないのと一緒で癖ってなかなか直せないのが実情で…やはり「石の上にも三年…」これくらいの気持ちで挑まねば、企画倒れみたいな感じで挫折してしまいます。気長に気長に…コレが病気を治すコツかもしれませんね!
おあとがよろしいようで…。
《ダルマ落としかぁ~!》
2015年12月3日
よく患者さんに体の歪みを説明するとき「身体はバランスが崩れながらも、何とかその状態を改善…もしくは保とうと頑張っていて、そのバランスがより悪い状態になってしまうと、体調が一段と悪くなるんですよ!」って話をしてるんですが、先日、読んだ『姿勢の科学』っていう本でダルマ落としを例に挙げて説明されてました。
僕らの仕事はダルマ落としの、歪なバランスを少しずつ元に戻していく方法と、一度崩して再構築する方法を用いて患者さんの体調を考慮しながら対応しているんですが…「一度壊して再構築…」って身体にとっては負担が大きいので、できる限り、歪なバランスを少しずつ元に戻していく方法で対応します。
これは癖を直すという事にも繋がるので、時間がかかるんですよねぇ~。人の話を素直に聞ける人と、聞けない人がいらっしゃるのと同じで、素直に反応してくれる身体と、そうでない身体とでもいいますか、よく鍼灸師が「鍼灸は痛みや不調が無くても月イチくらいのペースで受けていた方がいい!!」と言ったりしますが、これは営業トークではなくて、素直に反応してくれる身体を作っておくと言うか……、素直に反応してくれる身体維持しておく。畑とか田んぼも手入れをしておかないと雑草が生えて、そのままにしておいたら元の状態に戻すのには2~3年かかると言われてますしね!やっぱり手入れって重要なんですよねぇ~。
《小まめに身体のコリを取る事の重要性について書いてみました。》
2019年6月28日
時々、患者さんが 「なんで肩や首や背中が凝るのかなぁ~…普段、たいした事をしているわけでもないのに…」 と言われたりします。 「筋肉にとっては動かないことが一番の罰ゲームで、動かない事で筋肉への血液循環が悪くなり、筋肉が硬直してしまうんですよ!」
と説明すると、 「あぁ~ね!」 と頷きながら苦笑いされる事が多いですねぇ~。
確かに姿勢の悪さや運動不足が原因で、肩や首や背中や腰が凝って痛くなることは多いんですが、もう一つの原因として挙げられるのが精神的なストレスでも筋肉への血液循環が悪くなり、コリを誘発するんですよね!
時々、鬱症状の人に鍼灸をする事があるんですが、鬱症状の人は、もれなく肩や首や背中がガチガチに凝ってます。身体は元気なんだけども気持ちが塞ぎ込んでしまっている場合、心はいつも臨戦態勢で、普段だったらやり過ごせる事でも、心がざわついてしまうものなんですよねぇ~。心が臨戦態勢の場合、無意識に身体も臨戦態勢に入ります。なので本人は意識して無くても、身体に力が入った状態が続きますから肩や首や背中がガチガチになっちゃうんですね!程度の重さ…軽さはあるんですが、鬱じゃ無い人でも、こんな状態になると、身体のコリと同時に不眠を訴える事が多いです。
姿勢や運動不足だけが原因で肩や首や背中がガチガチになっちゃうのであれば、姿勢を直すことを意識して、運動する事を心がければ、肩や首や背中のコリからは解放されますが、精神的なモノが絡んでいると、その人の思考を変えていく必要がありますから時間がかかります。
鬱症状が出はじめると、なかなか自分1人では、その状態から這い出せないものなので、友人だったり家族のサポートが必要だと思うんです。鬱病じゃない人でも、心だけが臨戦態勢の人って結構、多いと思うんですが、心と身体の2つが臨戦態勢に入った状態で鬱症状が出ると思うんですよ!心の臨戦態勢は容易くは取れないけれど、身体の臨戦態勢を100%から80%まで下げる事が出来たならば、やり過ごす事ができて、鬱症状を回避出来ると思うんですよね!
心が臨戦態勢の場合、身体は無意識に臨戦態勢に入ろうとするので、小まめに身体のコリを取る事って、とても重要だと、僕は思っています。
《鬱と首の動き…》
2021年1月14日
首の可動域を良くする事は、鍼灸の得意技の一つです。
ツボで言うと『天柱』や『風池』を使い後頭下筋群を緩め…、『百労』や『肩中兪』を使い、頭板状筋や僧帽筋を緩め、あとは諸々のツボを使い背中を緩めたり、肩甲挙筋を緩めたりすると、首の筋肉によほどの損傷がない限り100の痛みを30(←だいぶ謙遜が入ってます…(^-^;) )にする事は簡単に出来ます。
まぁ~時々、凄い寝違いやら…薬の副作用による手強い首痛もありますが、精神的な事柄から起こる首の痛みは緩みやすいですね。
昨日の夜、【ホンマでっかTV】というTV番組を見ていたら、心理評論家の植木先生が「冬季うつ病は日照時間が短いからとか、色々な原因があげられているけれど、冬の時期は首の可動域が狭くなる為、鬱状態になりやすい」という事を言ってました。
なんでも…実験として、Aチーム100人、Bチーム100人に別れ、Aチームには20分間、階段を上り、エレベーターで降りて、また階段を上るという、首を上に向けて20分間、階段を上る運動をさせ、BチームにはAチームと逆バージョンで、20分間、階段を降りてエレベーターで上がり、また階段を降りる。という首を下に向けて20分間、階段を降りる運動をさせたそうなんです。
すると、首を下向きにしていたBチームは、実験中に、気分が滅入ったり、実験を棄権する人が出たり、嫌な事を思い出す人が多かったそうなんですよね!それに反して、首を上向きにしていたAチームの方は、実験中に昔の良かった事を思い出す人がBグループの6倍多かったそうなんです。
なるほどなぁ~…
このTV番組では「冬季うつ病の原因は首の可動域が狭いから…」という感じで、話しが進んでいましたが、今まで僕が治療した鬱病の患者さんや、過去に鬱の経験があり、体調を崩してしまっている患者さんは100%と言っていいほど、首や肩や背中がガチガチに凝ってました。
なので、鬱と首の可動域の関係は、季節性なものではなく、冬は特に寒いから首の可動域が狭くなるって事なんでしょうねぇ~。まぁ~…鬱の人って、性格的なものも含め、色々な事で根を詰める事が日常になっていたり、同じ姿勢でパソコンと睨めっこしなきゃいけない仕事だったりと、首に負担をかけている人が多いですよねぇ~。
何も知らない人は「鍼灸で鬱病が治るの…?」なんて鼻で笑う人もいますが、首の可動域を広げるだけで鬱状態から脱する事も出来るわけです。しかしながら、病には程度というモノがあり、軽い症状の鬱病もあれば、重い症状の鬱病があるので、首に鍼をしたら鬱が治るなどと軽々しく言う事はできません。僕が思うに鬱を治す一番のポイントは生活環境を変える事だと思います。
生活環境を変える事を前提に、首の可動域を広くする。…コレが一番いいんじゃないでしょうかね…。
《鍼灸師が分かりやすく解説します》
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院長
福田 徹 1965年生まれ
2003年 国家資格 鍼師灸師免許取得