肩こりを鍼灸師が分かりやすく解説します
肩凝りは万病の元…
肩こりが酷い人もいれば、全く肩こりが無い人もいらっしゃいます。
血行の善し悪し…?体質的なモノ?遺伝?人種の違い?と色々な事が言われてますが、知り合いのアメリカ人の友人が言うには「アメリカにいる頃は、肩こりというものを感じた事は無かったけど、日本で暮らすようになってから肩こりを感じ始めた…」って言ってました。
…という事は、肩は凝るモノだという概念が生まれた瞬間に肩こりを認識し始めるのかも知れませんね!
なぜ肩が凝るのか?
別ページの「首が痛い」でも書きましたが、なぜ肩が凝るのか?臓器の病気の反応として肩が凝る事もありますが、基本的には姿勢の悪さが原因で肩がこり始めます。
あっ!あと…鬱の人は、たいがい肩がガチガチになってます。鬱は心と体の乖離で起こるモノなので、体が防御するというか、一体であるべき体と心が別々になる事で、筋肉が知らず知らずの内に固くなるんでしょう。
どちらにしても、姿勢が悪くなる事で、肩に関係している筋肉に負荷がかかり肩がガチガチにコリ始めます。原因は座っている時などに、骨盤が後傾するような姿勢になり、腰に負担がかかると同時に猫背の状態になります。
猫背の状態が続くと…
猫背の状態が続くと肩関節が前に傾き、首も前に倒れるので肩甲骨に関係している筋肉がパンパンに張って、肩甲骨の動きが悪くなります。そうなると肩関節や腕や肘や手首に負担がかかるので、肩甲骨の動きが悪くなったのを放っておけば、いずれ肩や腕や肘や手首を痛めます。
腕を使う動作には、必ず肩甲骨の動きが関わっています。肩甲骨が動かなくなると肩甲骨が行っている仕事を肩や腕や肘や手首が担う事になるので、いわゆるオーバーワークになってしまうんですね!
肩こりは、だいたい肩関節と首をつなぐ稜線の辺りが凝ると思うんですが、猫背の状態が続くことで頭が前に傾きます。
頭の重さは4.5kg~5kg
正常な姿勢の場合、頭の重さは4.5kg~5kgあるそうなんですが、頭が5cm前に出ると、正常な姿勢で4~5kgの頭の重さを支えている首や肩の筋肉にかかる重さが13.5kg。7.5cm前に出ると18kgの重さを肩や首の筋肉が支えるという事になるわけです。
18kgって4~5歳の子供の体重ですから、デスクワークで座り仕事…、骨盤が後ろに倒れて背中が丸まり頭が前に傾くような姿勢で1日中過ごすと言う事は肩首に4~5歳の子供を肩車した状態で18kgの負荷を首や肩にかけて、毎日仕事をしている事になるわけです。
そりゃぁ~肩もコリますわなぁ~。
肩の凝っている部分に鍼灸をして、凝ってる部分の筋肉を緩めれば、ひと時は肩こりから解放されますが、骨盤や腰・背中が丸くなる猫背を治さなければ、肩こりは解消できないんですよねぇ~。
※過去のブログで鍼灸施術・病気の事について書いたものです。
《痛みの順位》
2014年3月22日患者さんに施術をしていて感じるのが「人間って一番痛い痛みを優先的に感じるように出来ているなぁ~」って事なんですよね!普段は肩こりや首の凝りが酷いのに、何か腰に負担がかかる作業などをして腰を痛めてしまった場合、痛みの順位が①腰②肩・首となり、腰痛が酷いほど、普段の肩・首の凝りは感じない…。こういう事ってよくあるんですよねぇ~!
まぁ~痛みが1+1=2になってしまったら、身体が痛みに耐えられなくなるので優先的に一番痛い部分を感じるようにして、後の2番手、三番手の痛みのスイッチをオフにしてしまう機能が備わってるように思えます。なので、腰痛が治まると、また肩や首の痛みが出てくる…。よく「鍼灸院で施術を受けているのに、次から次に痛みが出てくる…」なんて事をいわれたりしますが、身体の不調を訴える、体調不良の順番待ちの列がちゃんと出来てるんでしょうねぇ~。
所謂、身体の不調を訴える…身体の声とでも言いますか…、その訴えを無視して生活をしていると病気になる…こういう図式なんだと思います。身体を鍛えるという事も重要ですが、身体のメンテナンスと言いますか…手入れしてやる事も重要なんですね!
《痛み止め》
2015年12月17日飲み薬…、塗り薬…、注射…、と様々な方法で薬の成分を体内に入れて痛みを止めるわけですが、痛み止めの薬は痛みを止めるのがお仕事なわけで、患部を治すのは痛み止めの仕事ではないんですよねぇ~。
じゃぁ~基本的に何が患部を治しているのかというと、身体が治してるわけなんですよね!
痛み止めの薬が、痛みを止めていてくれる間に身体が不具合を治す。例えて言うなら、痛みの伝達物質が車だとして道路工事の交通誘導警備員さん(痛み止めの薬)が道で車を止めてる間に、身体自身が工事箇所を短時間で修復する。…そんな感じでしょうか…。
痛み止めの薬が、痛みを止めていてくれている間に治る程度の不具合なら、痛み止めの薬を使う事で問題解決なんですが、不具合の程度が深刻な場合は痛み止めの薬を使っても、薬の効果がなくなると痛みがぶり返して…結果…「何をしても治らない!(怒)」…という事になるわけですよね!
でも、痛み止めを飲んでる間は痛みを感じないので薬に頼るようになる…、薬の効果に対して身体が馴れてくると、だんだん効かなくなるので徐々に強い薬が必要になる。まぁ~こんな負のループにハマっている人も多いのではないでしょうか…。先日、来られた患者さんも、このパターンで首・肩にもの凄い凝りがあり辛そうにされてました。
鍼灸は、身体が治している作業を手助けする療法ですから、理想としては痛み止めで痛みを止めてもらって、鍼灸や漢方で身体が持つ回復力をサポートするっていうのが一番いいと思うんですが、痛みを感じない状態になると、みんな治ったと勘違いしちゃうんですよねぇ~。
「症状が無くなる状態と、病気が治るのは別物ですよ!」って、患者さんにはいつもお伝えしてるんだけれど、鍼灸に対する信頼度が低いせいか…なかなか理解してもらえないんですよぉ。
《鍼灸!恐るべし!…子午流注編》
2016年2月12日僕ら鍼灸師は基本的に東洋医学の考え方で病気を捉えますが、基礎医学は学んでいるので「なぜそこが痛いか?…どうして動きが悪いのか?」と患者さんの症状を現代医学的にも考えたりします。例えば筋肉の損傷だとか、関節の不具合だとか…やはり患者さんを目の前にする現代医学目線と東洋医学目線で症状に向き合います。
東洋医学的な考え方の1つとして『子午流注』という時刻と体の経絡の流れ…気血の流れをある法則に則りリズム化したものを使い、ツボを選択する方法があるんですが、先日、腕が上がらないという患者さんに、この子午流注を使い鍼灸をしたところ、鍼をした直後から痛くて上がらなかった腕がヒョイ!と上がるようになったんですね!その時に使ったツボは三陰交という足首のちょっと上の内側にツボ…。
肩・腕が痛くて足のツボに鍼をしたら腕が上がるようになるっていうのは西洋医学的にどう解説していいものやら…(苦笑)
現代医学一辺倒な考えしか持たない人からすれば「嘘でしょ!また大げさに!」…という発言しかできないと思いますが、嘘でもなんでもなく、まぎれもない事実ですしね!「精神的なものだったんでしょ!」なんて懐疑的な事を言う人もいるかも知れませんが、精神的なものだろうと何だろうと、患者さんの痛みが取れるのであれば、それに勝るもの無しだと思うんですよねぇ~。
まぁ~僕ら鍼灸師からすれば、やはり経絡という考え方は人間…しいては生き物の中に概念として存在しているものなんだなと改めて思う次第です。
《小まめに身体のコリを取る事の重要性について書いてみました。》
2019年6月28日時々、患者さんが 「なんで肩や首や背中が凝るのかなぁ~…普段、たいした事をしているわけでもないのに…」 と言われたりします。 「筋肉にとっては動かないことが一番の罰ゲームで、動かない事で筋肉への血液循環が悪くなり、筋肉が硬直してしまうんですよ!」 と説明すると、 「あぁ~ね!」 と頷きながら苦笑いされる事が多いですねぇ~。
確かに姿勢の悪さや運動不足が原因で、肩や首や背中や腰が凝って痛くなることは多いんですが、もう一つの原因として挙げられるのが精神的なストレスでも筋肉への血液循環が悪くなり、コリを誘発するんですよね!
時々、鬱症状の人に鍼灸施術をする事があるんですが、鬱症状の人は、もれなく肩や首や背中がガチガチに凝ってます。身体は元気なんだけども気持ちが塞ぎ込んでしまっている場合、心はいつも臨戦態勢で、普段だったらやり過ごせる事でも、心がざわついてしまうものなんですよねぇ~。
心が臨戦態勢の場合、無意識に身体も臨戦態勢に入ります。なので本人は意識して無くても、身体に力が入った状態が続きますから肩や首や背中がガチガチになっちゃうんですね!程度の重さ…軽さはあるんですが、鬱じゃ無い人でも、こんな状態になると、身体のコリと同時に不眠を訴える事が多いです。
姿勢や運動不足だけが原因で肩や首や背中がガチガチになっちゃうのであれば、姿勢を直すことを意識して、運動する事を心がければ、肩や首や背中のコリからは解放されますが、精神的なモノが絡んでいると、その人の思考を変えていく必要がありますから時間がかかります。
鬱症状が出はじめると、なかなか自分1人では、その状態から這い出せないものなので、友人だったり家族のサポートが必要だと思うんです。鬱病でない人でも、心だけが臨戦態勢の人って結構、多いと思うんですが、心と身体の2つが臨戦態勢に入った状態で鬱症状が出ると思うんですよ!心の臨戦態勢は容易くは取れないけれど、身体の臨戦態勢を100%から80%まで下げる事が出来たならば、やり過ごす事ができて、鬱症状を回避出来ると思うんですよね!
心が臨戦態勢の場合、身体は無意識に臨戦態勢に入ろうとするので、小まめに身体のコリを取る事って、とても重要だと思います。
・鬱と首の動き…
首の可動域を良くする事は、鍼灸の得意技の一つです。
ツボで言うと『天柱』や『風池』を使い後頭下筋群を緩め…、『百労』や『肩中兪』を使い、頭板状筋や僧帽筋を緩め、あとは諸々のツボを使い背中を緩めたり、肩甲挙筋を緩めたりすると、首の筋肉によほどの損傷がない限り100の痛みを30(←だいぶ謙遜が入ってます…(^-^;) )にする事は簡単に出来ます。
まぁ~時々、凄い寝違いやら…薬の副作用による手強い首痛もありますが、精神的な事柄から起こる首の痛みは緩みやすいですね。
昨日の夜、【ホンマでっかTV】というTV番組を見ていたら、心理評論家の植木先生が「冬季うつ病は日照時間が短いからとか、色々な原因があげられているけれど、冬の時期は首の可動域が狭くなる為、鬱状態になりやすい」という事を言ってました。
なんでも…実験として、Aチーム100人、Bチーム100人に別れ、Aチームには20分間、階段を上り、エレベーターで降りて、また階段を上るという、首を上に向けて20分間、階段を上る運動をさせ、BチームにはAチームと逆バージョンで、20分間、階段を降りてエレベーターで上がり、また階段を降りる。という首を下に向けて20分間、階段を降りる運動をさせたそうなんです。
すると、首を下向きにしていたBチームは、実験中に、気分が滅入ったり、実験を棄権する人が出たり、嫌な事を思い出す人が多かったそうなんですよね!それに反して、首を上向きにしていたAチームの方は、実験中に昔の良かった事を思い出す人がBグループの6倍多かったそうなんです。
なるほどなぁ~…
このTV番組では「冬季うつ病の原因は首の可動域が狭いから…」という感じで、話しが進んでいましたが、今まで僕が治療した鬱病の患者さんや、過去に鬱の経験があり、体調を崩してしまっている患者さんは100%と言っていいほど、首や肩や背中がガチガチに凝ってました。
なので、鬱と首の可動域の関係は、季節性なものではなく、冬は特に寒いから首の可動域が狭くなるって事なんでしょうねぇ~。まぁ~…鬱の人って、性格的なものも含め、色々な事で根を詰める事が日常になっていたり、同じ姿勢でパソコンと睨めっこしなきゃいけない仕事だったりと、首に負担をかけている人が多いですよねぇ~。
何も知らない人は「鍼灸で鬱病が治るの…?」なんて鼻で笑う人もいますが、首の可動域を広げるだけで鬱状態から脱する事も出来るわけです。しかしながら、病には程度というモノがあり、軽い症状の鬱病もあれば、重い症状の鬱病があるので、首に鍼をしたら鬱が治るなどと軽々しく言う事はできません。僕が思うに鬱を治す一番のポイントは生活環境を変える事だと思います。
生活環境を変える事を前提に、首の可動域を広くする。…コレが一番いいんじゃないでしょうかね…。
(外部関連リンクサイト)
※ 肩こりに関しての外部のホームページのリンクです。
・肩こりの特効薬は肩甲骨ストレッチだった!
《はりきゅうふくた リンクサイト》
※ 肩こりに関して、はりきゅうふくたのホームページのリンクです。
・頭痛
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院長
福田 徹 1965年生まれ
2003年 国家資格 鍼師灸師免許取得