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発熱による後遺症
先日…、3年前くらいから、年に2~3回くらいのペースで鍼灸治療を受けに来られる50歳前後の患者さんが…
「数日前から、車を後ろ向きに駐車する時、首を左に向けようとすると痛いんですよぉ~。それと…3週間ほど前から…首から背中・腰にかけて、痛みというより、怠さを感じるんですよぉ~」
…という症状を訴えて、来院されたんです。
話しを聞いてみると、1ヶ月前に風邪を引いて、発熱し、39℃くらいまで体温が上がり…、熱は1週間ほどで下がったものの、その後、凄く咳が出て、咳が治るまで凄く時間がかかった事を話してくれました。
患者さん曰く…「若い頃は風邪を引いても、すぐに治っていたんですが、この首の痛さや背中や腰の怠さは風邪が原因でしょうかねぇ?」…と仰る。
多分…
39℃まで体温が上がっているとしたら、十中八九…発熱による後遺症と考えていいでしょうねぇ~。
風邪を引いた時に、なぜ熱が出るのかというと、ウイルスや病原体と戦うための生体防御機能で、筋肉を収縮させて熱を産生する事で、体温を上昇させて、その発熱によって病原体の増殖を抑制するんですよねぇ~。
病原体となる、ウイルスや細菌は低温で繁殖する特徴があるんですよぉ~。
細菌の場合は、熱に強いモノもあったりしますが、ウイルスは約40℃で死滅すると言われています。 なので、発熱によって体温が上がると、病原菌やウイルスの増殖を抑制する事ができるんですよねぇ~。
しかしながら…筋肉を収縮させて熱を作り出すのは、結構なエネルギーを消耗し、体力を奪われるわけですよぉ~。ですから…発熱して体温が38℃を超え始めると、身体の節々が痛くなったり、頭痛がしたり、寒気がしたり、倦怠感を感じたりします。
まぁ~…一言で『風邪』と言っても、ハッキリした定義ってあったっけ?…たしか…、上気道のウイルス感染症によって起こる症状で、軽い咳や鼻水や喉の症状の総称を風邪と言ったんじゃなかったっけか?
風邪での発熱は微熱から徐々に発熱して37℃~38℃くらいになり、数日で解熱するのが一般的な風邪と呼ばれる症状に対して、急激に38℃以上の発熱はインフルエンザやコロナ感染を疑いますねぇ~。
熱が高くなれば、それだけ多くのエネルギーを消費するので、高熱が出た後は、結構な疲労感が残るんですよ!だから、熱が下がったからと言って、急に普段通りに生活に戻すのではなく、養生する事を念頭に1~2週間は体力回復に尽力した方が良いと思います。
それと…
咳・くしゃみ…って、結構なエネルギーを消耗するんですよねぇ~。
いつぞや…調べた事があるんですが、ゲホゲホ…ゴホゴホと、力強い咳や、ただ…コンコンと弱い感じでする咳やくしゃみ…に強弱はあるんですが、平均して1回の咳は2~4kcal 。1回のくしゃみは4kcal 消費するらしいんですよ!
カロリー計算の話しをすると…体重1Kgあたり1kmを走るのに1kcal消費するらしいです。なので体重が50kgの人が1kmを走るのに50kcal消費するんですね。
カラオケを1曲歌うと5kcal~10kcalを消費。…100m走だと5~6kcalの消費。
風邪を引いて肺をやられて咳が止まらない時って、1日に何回咳をするんだろうか?…例えば1日に100回咳き込んだとしたら10km走ってる事になりますよねぇ~。
発熱して高熱になるだけで、相当な体力が消耗されている上に、咳で10km走るくらいの体力消耗を上乗せされたら、相当、身体がダメージを受けているって事なんですよねぇ~。
若くて毎日、身体を鍛えて体力がある人ならば、身体のダメージが凄くても、回復するスピードが速く、すぐに普段の生活に戻れる事もあるとは思うんですが、普段、あまり運動もせずに、デスクワークに勤しんでいる50歳代だと…、回復力は低いはずなので、やはりダメージが残るんですねぇ~。
なので…
この患者さんには、発熱で疲労したであろう、腰・背中から首にかけて、鍼とお灸をした後、置鍼しながら赤外線を当ててる間に、首に鍼をしてコリを取り治療したところ「来て良かったぁ~!」と笑顔で帰っていかれました。
風邪で発熱し、回復した後、倦怠感が残り、どうしても調子がイマイチな場合は、鍼灸治療で身体を整えると、身体が随分楽になりますよ!
なぜ?…選択肢が、ワクチン一択なのだろうか?
先日、NHKの『あさイチ』を見ていたら、冒頭の話題が「帯状泡疹」でした。
なんでも…「20歳~40歳代の若い世代で帯状泡疹の発症が増加している。」…との事。
番組で紹介されていたデータによると、1997年のデータと2022年のデータを比較して、帯状泡疹の発症数は、近年、60歳以上では1997年に比べて2022年では1.5倍~1.8倍。20歳~50歳代では、1.6倍~2.7倍に増加しているという事が紹介されてましたが…
これって…、単純に考えて1997年から2022年の間に、日本人の免疫力が低下しているって事ですよね。
御存知の方も多いと思いますが…
水疱瘡になった事がある人なら、誰でも帯状泡疹になる可能性があるわけです。
その理由は…、水疱瘡が治っても水疱瘡のウイルスは完全に体の中から消滅するわけではなく、感覚に関係する神経節という場所でウイルスは休眠状態で存在してるんですよぉ~。
身体の免疫機能が正常に働いている限りは、この水疱瘡のウイルスは悪さを起こしませんが…。ただ、身体の免疫力が低下し始めると、胸椎などの神経節で悪さを起こして帯状泡疹になったり、顔面神経で悪さを起こすと顔面神経麻痺になったりします。
年齢と免疫力の関係を調べてみると…
年齢とともに免疫力は低下していき…、免疫力は20歳前後でピークに達し、40歳代でピーク時の50%に低下して、70歳代ではピーク時の10%くらいまで低下すると言われています。
免疫力が低下する原因としては、加齢による免疫細胞の老化…。もしくは免疫細胞の活性が低下する事で免疫力が低下すると言われていますが、ストレスや生活習慣の乱れなどでも免疫力は低下するので、年齢に関係なく、若い人でも帯状泡疹になったりします。
また…病気などで免疫力が落ちた場合や…、病気の治療…。例えて言えば…抗がん剤治療などで免疫力が低下した事が、帯状泡疹を患う要因となったりするわけなんですよねぇ~。でも、抗がん剤治療をしている人が全員、帯状泡疹になるというわけではなく、副作用として免疫力が低下しがちなので、帯状泡疹になる確立が上がる…という事なんです。
ですから…免疫力が40歳代でピーク時の50%に低下しようが、70歳代ではピーク時の10%くらいまで低下しようが、帯状泡疹を患う人もいれば、患わない人もいる。
タバコを吸ってる人が全員、肺癌になるのか?…というと、そういうわけでもないので、それに似た感じで、そこまでハッキリとした事は言えないのだけども「確率は上がりますよ!」…と、少し脅しにも似た言い方しか出来ないのも事実なんでしょうねぇ~。
なので…、誰でも基本的に、免疫力が低下すると、水疱瘡になった人は帯状泡疹になる可能性があるって事なんですよねぇ~。
普段から、ちゃんとした生活を心がけていれば、そんなにビビる必要はないと思うんです。
ただ、ここ数年、帯状泡疹を患う人が増えているのは事実ですし、何か原因があるはずなんですよねぇ~。
帯状泡疹の症状が身体に現れた場合、はりきゅうふくた のHPの、顔面神経麻痺のページにも書いてますが、顔面神経麻痺と同じく、3日以内(72時間以内)に抗ウイルス薬を投与した方が、予後が良いんですよ!
NHKの『あさイチ』では、「帯状泡疹の症状説明」や「帯状泡疹が現れやすい部分の説明」がなされた後、「予防方法としてワクチン接種があります。」…という流れで帯状泡疹の話題は終わったんですが…
疑問に感じた事がありまして…
「なんで?予防法はワクチン接種の一択だけなんだろうか?」…って思ったんです。
最近、帯状泡疹ワクチンに関するテレビCMや、帯状泡疹ワクチンの啓発ポスターをよく見かけます。
帯状泡疹って免疫力が低下する事で発症する症状なのに…なんで?「免疫力が低下しない生活習慣を心がけましょう!」って言わないんだろうか?…予防法はワクチン一択って…薬に頼り過ぎじゃない!?…って思うんですよねぇ~。
帯状泡疹は50歳代から発症率が増加して…、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。
歳を取ると免疫力が低下するからワクチン接種で予防するという考えは、な~んとなく…理解は出来るんですが、ワクチンの効果は5~10年なんだそうです。
でも…、今回、帯状泡疹の発症が増加しているという1997年のデータと2022年のデータでは、20歳~40歳代で、1.6倍~2.7倍に増加してるわけですよね!
これって…おかしいと思いませんか?
年配の人が、加齢により免疫力が低下して、帯状泡疹の患者さんが増えるのは、自然の流れとして理解出来ますが「若い人の免疫力が、なぜ?低下しているんだ?」…って思うんです。
この1997年~2022年の25年間で、20歳~50歳の人の生活習慣が極端に悪くなり、ストレスフルな環境だから、若い人達の免疫力が低下して、若い人達の帯状泡疹が増えたのか?
でも、20歳から90歳代にかけて、トータル的に免疫力が低下しているという事だから…
世代は関係なく、全体的に免疫力が低下していると考えた方がいい…。
じゃぁ~…なにか、別な原因があるはずなんじゃないかな?
…と考えた時、僕の頭の中に浮かぶ、別な原因は…、やはり…一斉に行ったコロナのワクチン接種かなぁ~…。
ワクチンの反復接種で免疫系が抑制されるっていう話しは、ここ数年、よく聞く話ですし、ウイルス学の専門家も声を上げている事案ですよねぇ~。
若い人に限らず、まんべんなく、老いも若きも免疫力が低下してるんですもんねぇ~。近年、皆が一斉に経験した事と言えば…、コロナのワクチン接種しか頭に浮かばないんですよぉ~。
…あと、コロナのワクチン接種以外で、皆が一斉に経験した事と言えば…「景気の悪さ…」「夏の暑さ…」かなぁ…。
でも…歳を取った人が、景気の悪さに憂いて、生活習慣が乱れるかな?…(゜_゜) 歳を取れば眠くて夜更かしなんて出来ないし…、ただでさえ歳を取って、体力が落ち、免疫力も落ちているわけだから、生活習慣が乱れるような事はしないし、生活習慣を乱すほどの体力は無いと思うんですよねぇ~…(^^;)
夏の暑さ…。確かにここ数年、酷暑が続いてますが、日本より暑い国は沢山あるし…、それらの国で暑さにより、免疫力が低下して、帯状泡疹の患者さんが増えてるのだろうか?
景気の悪さが原因説と、夏の暑さが原因説と、コロナのワクチン接種が原因説…。…さぁ~皆さんはどれが原因だと思いますか?…それとも、もっと別な原因説…思い浮かびますか?…(^^;)
無理矢理ですが…、当たり障り無い答えを捻り出すとすれば…
景気の悪さを薄らと感じ始めた25年前くらいから、若い人達の生活習慣が乱れ始め…、20歳の人は45歳になり、30歳の人は55歳になる…。そんなストレスフルな社会状況が持続する事により、徐々に免疫力が落ちていき…、ここ近年、数回にわたる、ほぼ強制的なコロナのワクチン接種で、一気にダァ~ン!と、全世代の免疫力が低下し、追い打ちを掛けるように、ここ数年の酷暑で体力を奪われ、帯状泡疹になる人が増えた…。
…こういう事なのかなぁ~。(^^;) でも、若い人達の生活習慣が乱れって今に始まった事では無いはずですしねぇ~。…日本より暑い国は数多くありますし…。
そう言えば…海外では、どうなんでしょうねぇ~?…世界各国で、帯状泡疹が大流行しているんでしょうか?
…確か、世界的にみて、新型コロナワクチンで、必要な接種を完了した人の割合って、日本は80%くらいだったと思いますが、もっと多いパーセンテージの国も、いくつかあるので、その国で帯状泡疹が増えているか調べて欲しいものですね!
まぁ~…帯状泡疹に限らず、免疫力が低下しない生活習慣を心がける事は、帯状泡疹以外の、他の病気…。癌や生活習慣病などにならない基本的な予防策でもあるので、食事・睡眠・運動に関わる生活習慣は大切なんですよねぇ~。
食事・睡眠・運動を怠ると、身体が思い通りに動かなくなりはじめます。そうなるとイライラしがちになり、心の許容量が狭くなる。…しだいにストレスを抱え始め、ストレスをノラリクラリとかわす事が出来なくなり、持続的に正面からストレス事案とぶつかり始め、イライラが蓄積されると身体の血行が悪くなり免疫力が低下して病気を発症する。
…この流れは、いつの世も変わらないと思うんですよねぇ~。
なので、食事・睡眠・運動って大事なんですよねぇ~。
技術に拘りを持つのは、良い事だと思うのだけれども…
先日、鍼灸仲間からの年賀状に「ちょっと学会から距離をおこうかと思います…」というメッセージが書かれていたんです。
僕は学会というモノと関わりを持たなくなって、随分と時間が経ちますが…
人って、個人個人で話す分には、何も問題無くコミュニケーションを取れていても、集団になると、なんか…ギクシャクする事が多くなるものですよねぇ~。
こんな僕が言うのも何ですが…、
「学会や流派に固執して…、何の徳があるんだろうか?」って思うんですよねぇ~。
技術に拘りを持つのは良い事だと思うんです。
拘りを持つのなら、集団や流派ではなく、人を治療して治す事に拘った方が、治療家冥利につきるんじゃないでしょうかねぇ~。
まぁ~…「拘る事」と「固執する」の違いで、随分、心が解放されたり、また反対に肩身の狭さを感じたりするんじゃないでしょうか…。
僕は、金子みすゞさん じゃないですけど…「みんな違って、みんないい。」…これで良いと思うんですよねぇ~。
なんとなくですが…、学会とか流派って、全てがそうだとは言いませんが…、自分達のやり方の正当性を主張する感じが強くて、自分達と違うモノは認めない…的な側面を持ち合わせているようにも思えるんです…
面と向かって相手を否定する事は無いのかもしれないけれど、…話しを聞いてると…、話しの言葉尻で、やんわりと相手を攻撃する…、みたいなね…(^^;) 僕は、過去…そういう場面に出くわす事が多かったので、なんとなく学会や流派から足が遠のいていったんですよねぇ~。
技術に拘りを持っている人達の集団が流派なのかも知れないし、学会は皆が意見を出し合い、切磋琢磨する場所なのかも知れないけれども、集団になると色々な人が集まるわけですから、一癖も二癖ある鍼灸師をまとめるには、相当、癖の強い人がリーダーシップを取らないと、集団としてまとまらないんでしょうねぇ~…(^^;)
…癖の強い人がリーダーシップを取り始めると、自然と集団のリーダーがカリスマ化されていき、周りに集まった人達が、リーダーを持ち上げる比較対象として、他流派…他学会を批判し始める。
…そんでもって…時代が変わるごとに、その集団のリーダーの世襲化が始まり、親から子へ…子から孫へとリーダーが変わり…、集団が形成されていく…
…どこぞの政治家や宗教家と同じような流れが形成されるわけですよねぇ~…(^^;)
鍼灸の世界に限らず、宗教だったり…、会社だったり…、国だったり…、集団を束ねる時って、共通の敵を作って、団結を促す手法がとられたりしますが、これって…その集団にとっては、既に崩壊の予兆とも言われますよねぇ~。
でも…、以前、京セラの稲盛さんがTV番組で…「人の意見ばかり聞いていたら、物事は先には進まない…」というような事を言われてましたが…、確かに、今の日本の首相である石破さんをみてると、人の意見ばかり聞いているような気がしますしね…。もっと我を通せばいいのにって思います。
まぁ~…人の意見を聞く事と、我を通す…っていうバランス感覚が無い人はトップに立つべきでは無いと思うし…、集団を維持したり、集団を束ねるのは、本当に難しい事だと思います。
…あっ!…話しが脱線してしまいましたね。…(^^;)
僕が思うに…、技術を習得したくて、流派や学会で基礎と手技を学んだ後は、個人で技術を磨いていけばいいと思うんです。…所謂、修破離…ですわぁ~(^^;)
僕の考えとしては…、弟子とか師匠とか、先輩とか後輩とか、年齢差関係なく、鍼灸を志している仲間というくくりで、杯でも交わしながら「こんなやり方があるんだよ!」「へぇ~~~そうなんですねぇ!それ面白いですね!そのやり方…教えて下さいよ!」…ってな感じで、意見交換を気軽に出来るような人間関係を築いていれば、学会や流派に所属しなくても、鍼灸師として良い治療家人生が送れると思うんです。
…まぁ~人って、先輩面…師匠面したくなり、マウントを取りたがる人も多いから、この考え方は、現実には無理があるのかもしれないし…、ただの理想なのかも知れないですけどね…(^^;)
「仲間意識が仲間はずれを作り出す」っていう言葉も、どこかで聞いた事があるけど、○○学会とか○○流という流派は、ある程度、仲間意識の絆のようなモノも求められたりしますよねぇ~。
その集団に所属して、異を唱えるというか…、違う事を言いだすと、仲間はずれにされるか、相手にされなくなり、…その集団での居場所がなくなる。
こういう事って集団では、よく起こる事だとは思うんですが、決して褒められた事では無いと思うんですよねぇ~。
ただ…、ムッシュかまやつさんも…『ゴロワーズを吸ったことがあるかい』という曲で
♪君はたとえそれがすごく小さな事でも、何かにこったり狂ったりした事があるかい…♪ たとえばそれがミック・ジャガーでも、アンティークの時計でも、どこかの安い バーボンのウィスキーでも…♪
そうさ、何かにこらなくてはダメだ…♪ 狂ったように、こればこるほど、君は一人の人間として、幸せな道を歩いているだろう…♪
…って歌ってます。
僕は、この歌詞が好きで、時々、ギターを持って口ずさんだりするんですが…、人生を生きていく上で、拘りは必要だと思うんです。
でも…『拘り』が、いつしか『固執』に変化し始めるとヤバイですよねぇ~。自分の考えを押し通したり、他人の意見に耳を貸さず、自分の意見を主張して譲ろうとしなくなったりすると、歴史上の人物を振り返ってみても、拘りが固執に変わると結果的に、ろくな事はないですよねぇ~。
…なんて事を、鍼灸仲間の年賀状を見ながら思った次第です。
年賀状…♪
近頃では、年賀状終いをする人が増えて、今年、届いた賀状にも「今年を最後にします」…とか、「来年からは年賀状を辞退します」と書いてあったりします。
この数年、確かに届く賀状の数も急激に減ってますし、メールやSNSが主流になっている昨今、年賀状や暑中見舞いは、時代の流れにそぐわなくなっているのかも知れませんねぇ~。
私事ですが、ここ十数年前から、4年に一度の間隔で、届いた年賀状のみに返事を書く…。というような感じで年賀状を出しておりました。今年が、その4年に一度の年だったので、今年のお正月は、届いた年賀状に返事を書いたんですが、今後は届いた賀状だけに返事を書くという感じにシフトチェンジしていこうかなと思っています。
年賀状終いをする人の気持も、よく分かりますし…、かと言って、年賀状が届いて、その年賀状に書いてある近況を読み、賀状を出してくれた人の事を考えながら返信を送る。…そんなやり取りも悪くないなぁ~って思うんですよねぇ~。
相手の事を想いながら、手紙やハガキを書く時間って、とても素敵な時間だと思うんです。
でも、いつしか年賀状って、バレンタインデーの義理チョコのような感じで、とりあえず出す…的な義務的なモノになってしまったし、元日に到着するように出さないとダメだ!失礼にあたる…的な…、年末の忙しい時に急かされる感じの、厄介者に変化していったのも『年賀状終い』の原因だと思うんですよねぇ~。
そう考えると…、郵便の値上がりって言うのも『年賀状終い』に拍車をかけた要因の一つなのかも知れませんし、「年賀状は○○日までに投函すると、元旦に届きます」という郵政省の宣伝広告も、人々の年末の忙しさなどお構いなしで…国民を急かしている事にも気が付かず…、年賀状の習慣は無くなる事はないだろうと、高を括ってた郵政省が己で自分の首を絞めていた…。って事になるんでしょう。年賀状という文化が無くなりそうになるなんて事は、考えもしなかったんでしょうねぇ~。(^^;)
僕が子供の頃は、年賀状は松の内までにやり取りするモノ…と教えられてましたので、子供の頃は、年が明けてから正月三箇日くらいに書き終えて、ポストに投函が常でした。松の内って地域で設定が違うらしんですが、たしか…僕が住んでた地域では成人式までは、松の内だった思うんですよねぇ~。
年賀状をくれる人の中には、もう何年も会っていない人もいますけど、1年…¥85の付き合いというか…生存確認というか…。
メールやSNSでの新年の挨拶も悪くはないんですが…
手紙やハガキを書く文化とうか…、相手を想いながらハガキや手紙を書く時間って大事にしたいなぁ~って思うんですよねぇ~。
皮内鍼についての考察…♪
「皮内(ひない)」ってどこ?
…えっと、皮膚って上から「表皮⇒真皮⇒皮下組織」という組織編成になっていて、場所にもよるんですが、表皮は平均 0.1~0.2mmくらいで、その下の真皮は 1~3mm、その下の皮下組織(脂肪組織)は個人差があるのですが、おおよそ数ミリ( 2mm~9mm )で構成されていて、皮内って表皮と真皮の間の領域を皮内と呼んでいて、痛みを感知する神経繊維が少ない場所なんです。
その皮内に、細くて短い鍼を皮膚に水平になるように刺入して、テープで固定し日常生活で、身体を動かすたびに微動な刺激を生み出す鍼を皮内鍼というんです。おおよそ2~3日から7日間ほど刺した状態で過ごしてもらいます。
「おいおい!刺したままって…、身体の中に鍼が入っていかないのか?…(゜_゜)」
…と、よく質問を受けますが、鍼のお尻側は円い輪っかのように形成されていて、身体に入っていく事はありませんし、テープで留めておきますから外れる事はありません。
ただ、お風呂などで水に濡れる事でテープの固定が弱くなり、鍼が大きく動いてしまうと、希にチクチクと痛くなる事があります。こんな時はテープを剥がすと、鍼もテープと一緒に外れるようにしていますので、テープを剥がしてください。
まぁ~…おおまかに皮内鍼の説明をすると、こんな感じなんですが…
じゃあ~…なんで皮内鍼が効くのか?
皮内鍼に関しての書籍では、僕の知る限り、医道の日本から出版されている、赤羽幸兵衛さんの『皮内鍼法』くらいしか、思い当たらないんですよねぇ~。僕の手元にある本は、中古本で第17版です。…いつ入手したかは覚えてないけど…古本屋さんで入手したのは覚えています…(^^;)
初版は昭和39年のようですね!…因みに、第17版(平成10年)の本にも著者の住所と電話番号が印刷されてました…(^^;)
でもね…、正直言って…この本を読んでも、皮内鍼の刺入の手順は分かりやすいんですが…、なぜ皮内鍼が効くのか?…という事まではハッキリとは書いてないし、ぶっちゃけ…分かりずらい。知熱感度…とか、シーソー現象…とかで説明はされてるんですけどね…
僕に理解力が無いからなのかも知れないけど…(^^;) 分かりやすいか?…分かりにくいか?…で言えば、本を入手した当時から…、やはり分かりにくいと思ってました。
でも…効果は、確かにあるので臨床で使えるのは事実なんです。
なので、今回、鍼灸師になって、もうすぐ22年になるんですが…、今の僕が思いつくままに「なんで皮内鍼が効くのか?」を再度、考察してみました。
繰り返しになりますが…効果だけで話しをすると、結果的には…効きます!
腰痛や膝の痛……背中の痛み…肩こりなど、結構…効果的です。
通常、円皮針も皮内鍼も、一番痛い場所に1~2ヶ所、鍼を入れるのがセオリーです。
「あそこが痛い!ココが痛い!」と…やたらと皮内鍼を、何ヶ所もしていると、効果を相殺してしまうのか、経験的に効きが悪いように思います。
局所に皮内鍼をする事で、まず考えられる事は、皮内鍼をする事で、局所に炎症反応が起こり軸索反射が起こる事で局所の修復が早まるという…アレです。鍼灸の専門学校の鍼灸理論の授業で、一番最初に習うヤツかな…(^^;)
あとは…、同じく鍼灸理論の最初の方で習う、鍼刺激による筋紡錘の弛緩による鎮痛。…所謂、脊椎の後角に刺激が入り、運動神経の活動が抑制されて筋肉が弛緩するっていう…アレです。これも、専門学校の鍼灸理論で最初の方に習うヤツです。
でもね…、この2つのシステムで全ての腰痛や肩こりなどの痛みを取れるとは思えないんですよねぇ~。
何度も、このブログに書いてますが、全ての病気や症状には程度というものがあります。軽症だったり…重症だったり…の程度です。軽い痛みだったら、上記のシステムで効果が出てもイイと思うんですが、重い症状には…チョットなぁ~って思うんです。
なので、皮内鍼には、まだ別のシステムが働いているような気がするんですよねぇ~。
そこで思いつくのが…『副腎』
腎臓の上に位置する小さな臓器で、血圧とかホルモンを調整する臓器です。…ここが関係してるような気がするんですよねぇ~。
更に専門的な話になりますが…、身体に備わっている鎮痛に関するシステムでパットと思い浮かぶのは『SAM軸』と『HPA軸』と『下行性疼痛調節系』というシステムかなぁ~。
SAM軸(交感神経(Sympathetic Nerves) 副腎(Adrenal) 髄質(Medullary))…ストレスに対する即時反応として副腎の髄質という所から、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されて、身体を元気にする為に働いてくれるんですが、このノルアドレナリンが下行性疼痛調節系というシステムで鎮痛に働いてくれるんですよぉ~。
HPA軸(視床下部(Hypothalamic) 下垂体(Pituitary) 副腎(Adrenal))…これもストレスに対して働いてくれるシステムなんですが、ストレスに対してすぐに反応して働いてくれるのがSAM軸なんだけれども、長期的なストレスにはSAMは対応しきれないので、長期的なストレスに対してはHPAが働き、副腎の皮質と言うところからコルチゾールというホルモンを分泌されるのだけれども、長期的なストレスで慢性的にコルチゾールが分泌され続けると、慢性的な痛みを感じやすくなったり、不妊や依存に繋がり、鬱やPTSDとの関連も示唆されているようなんですよねぇ~。
因みに…この副腎皮質から分泌されるホルモンのバランスは、頭の百会というツボで調節します。
下行性疼痛調節系は、脳から脊髄に向かう神経の経路で、過剰な痛みの伝達を抑える働きがあるんですよねぇ~。この働きが弱くなると慢性的な疼痛のリスクが高くなります。…この下行性疼痛調節系が弱まる原因としては「ネガティヴな思考」が影響するんです。例えて言えば…楽しい事をしている時や、何かに集中している時は下行性疼痛抑制系が働いて痛みを感じにくくなるけれども、不安な事や、気持が落ち込んだり、ネガティブな思考が働くと、下行性疼痛抑制系がうまく働かなくなり、痛みに敏感になるんですよぉ~!
刺激の強弱で考えると、強い刺激は交感神経が活性化するので副腎髄質から分泌されるカテコールアミン(ノルアドレナリン・アドレナリン)の分泌が促進され、優しい刺激は交感神経の活性を低下させるのでカテコールアミンの分泌が弱まるらしんですよねぇ~。
皮内鍼を強弱の刺激で分類すると、優しい・弱い刺激に分類されると思うんです。
おっ!?…ちょっと待てよ…!?
弱い刺激は副交感神経を優位にさせるため、交感神経の活性が低下して、副腎から分泌されるノルアドレナリンの分泌が弱まると言う事になりますよねぇ~。
副交感神経が優位になってリラックスする事で身体を休めて、組織の回復を高めるという側面もあるとは思うんですが…
確か…ノルアドレナリンの作用の一つに「急性的な痛みに対応」と書いてあったはず…。そのノルアドレナリンが、弱い刺激で分泌が弱まるのであれば、鎮痛効果を阻害してしまう事になるよなぁ~。
あと…疑問に思う事と言えば、SAM軸、HPA軸、下行性疼痛調節系へ鍼灸のアプローチをしたとして、効果が出るのに、どのくらいの時間を要するのだろうか?…という事なんですが、調べてみても、まだ資料として公には出てないみたいなんですよねぇ~。
じゃぁ~…「なんで皮内鍼が効くのか?」に関しては、SAM軸、HPA軸、下行性疼痛調節系が働いている訳ではないのかな?…まだ研究段階なんだろうなぁ~。…という事は…皮内鍼は「炎症反応や軸索反射」もしくは「筋紡錘の弛緩による鎮痛…所謂、脊椎の後角に刺激が入り、運動神経の活動が抑制されて…」
…ん?
脊髄の後角…(゜_゜)
あぁ~…痛みを急速に止めるシステムが、もう一つあったわ!
『ゲートコントロール理論』
痛みはAδ線維とC線維という、細くて伝達が遅い神経繊維で脳に伝えられるのだけれども、圧迫や皮膚を摩るような皮膚刺激は、太く伝達が早いAβ繊維で伝わるので、その皮膚刺激が脊髄後角で痛みの信号の流入をコントロールするので素早く鎮痛効果が得られるというシステムですよねぇ~。
分かりやすく言えば…痛い場所に手をあてて押さえると、一時的に痛みが軽減する事は、誰しも一度は体感してると思います。
「脳に伝わる痛みの信号を止める」…という話しをすると、時々「あぁ~脳を騙すのね!」という人がいますが、脳を騙すんじゃないんですよぉ~。もともと身体に備わっている鎮痛のシステムを強くするって感じなんですよねぇ~。
そう考えると…
皮内鍼の鎮痛効果ってゲートコントロールが関係している割合が大きいような気がしますねぇ~。
ただ…痛みがあるという事は、急性や慢性の炎症、もしくは炎症は治まってるんだけど、その部分の組織が拘縮してしまう事で痛みが出てしまっているので、鍼灸の刺激や、皮内鍼の効果で痛みを取り除きながら、組織の回復をはからないと、鎮痛のみで対応していると、薬を何度も使っていると効かなくなる理屈と同じで、鍼灸や皮内鍼の鎮痛効果も薄れてくるものなので、その点は考慮された方が良いと思います。
なんだか…年末に長々と思いつくままに書いてみましたが、自分にとって良い復習になりました…(^^;)
今年一年、お世話になりました。良い年をお迎えください…♪