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疑問に思っていた事だが…やはり釈然としない案件

5年前から、月に2回ほど鍼灸治療を受けに来られていた患者さんが、今年の2月頃からパッタリと来られなくなったんです。

「どうしたのかなぁ?…ウチの治療に何か不手際があったのかな?」…って思ってたんですよねぇ~!

そしたら、先日、久しぶりに予約が入り、来院された時に「最近、体調はどうですか?」と、お尋ねしたら、2月に交通事故に遭われて鞭打ちの状態になり、画像診断では首のヘルニアがあると診断を受け、2月・3月と整形外科に通院したり、整骨院に通院したりしていたとの事。

僕もケガはしなかったけど、3年前にもらい事故でタクシーに追突され、保険屋さんとの交渉でメンタルを磨り減らした事があるので、交通事故の大変さは多少なりとも理解出来ます。

その患者さんが仰るには、4月の中旬まで整形外科でリハビリを受けつつ、家の近所にある、短期間で治すというフレ込みの整骨院に通って、腕は事故当初より動くようになり、車でバックをする時、後を振り向く事も出来るようになったけれども、首と腰の痛さが、全く良くならないので、鍼で何とかなりませんか?

…と、言われて、今回、来院られたんですよぉ~。

患者さん曰く「同じ姿勢を維持するのが辛いので仕事も手に付かない…」との事でした。

身体を触らせてもらい、筋肉の状態を診て、問診での経緯を考慮するに、鞭打ちなので、所謂…急激な筋肉への衝撃により、筋肉が固まって運動制限がかかっている状態ですから、鍼や灸を使い、首や腰の筋肉を1時間くらいかけて緩めていきました。

患者さんが帰られる際に…「交通事故の保険の治療で鍼灸って、保険屋さんは良いって言いますかね?」と言われたんですよ…。

そう言えば…、僕も記憶がハッキリしていないんですが…

「交通事故の自賠責や任意保険での治療の場合、保険屋さんが鍼灸院には通院させてくれない」…って聞いた事があったんです。

以前、知り合いが交通事故に遭った時にも同じような事を保険屋さんに言われて、結局、その知り合いは整形外科に通って、その後は整骨院に通って…、半年くらい整骨院に通ってたけど、雨が降る前に首が痛くなるって言ってたっけな…。もう十数年前の記憶ですし、鍼灸が使える・使えないは保険屋さんにもよるのかな?って思ってたんですよね。

ウチの鍼灸院は開業して21年目ですが、確か…薬院で治療院をやっていた時に、1人だけ交通事故の鞭打ちで保険屋さんと交渉して、鍼灸治療を受けに来ていた患者さんがいらっしゃったなぁ~。

確か知り合いの紹介で来られた患者さんで…「交通事故では100%相手が悪くて、最初は整形外科に行って…数ヶ月後から整骨院に行ったけど良くならないから、以前、こういう症状の時に鍼灸治療を受けて治った事があったので、鍼灸治療を受けたいと保険屋に言ったら、保険屋は「鍼灸は駄目です」と言うもんだから、俺は100%悪くないのに、なんで受けたい治療が受けられないんだ!と怒鳴りつけ、苦情を申し立てて、保険屋に鍼灸治療を受ける事を承諾させた!」…というような話しをされていたように記憶してます。

保険屋さんは、お金を払う側ですから、どれくらいの期間で治るモノなのか?その間に、どのくらい支払えばいいのか?そこが保険屋さんとしては気になるポイントだと思うんですよね。まぁ~…ぶっちゃけて言えば、出来るだけお金は少額で済ませたいというのが保険屋さんの本心だと思います。

そうなると、エビデンス…所謂、科学的根拠…医学的根拠というものを保険屋さんは指標にするんだと思うんですよね!…なのでお医者さんが言う言葉は全て「医学的根拠がある」という判断を保険屋さんはすると思うんです。

じゃあ~…保険屋さんは、なぜ整骨院への通院を認めているのか?…って事ですが、…好きな言葉ではありませんが、「医療類似行為」という言葉があります。この医療類似行為の枠の中に、鍼灸師も整骨院の柔道整復師も、按摩マッサージ師も含まれるんですよね。

整骨院にはエビデンスがあって、鍼灸院はエビデンスはないのか?…なんて疑問を、保険屋さんに投げかけたくなりますが、保険屋さんは、なんて答えるんでしょうねぇ?…(^^;) 

整骨院の先生は柔道整復師の免許を持っている先生ですので、柔道整復師の業務として法律で定められている扱える疾患は基本的に骨折・捻挫・脱臼・打撲・挫傷なんですよね!なのでマッサージのような揉み療治は柔道整復師の業務範囲ではないから、柔道整復師がマッサージをしては駄目なんですよね!(あまり一般の人は知らない事ですけどね…)柔道整復師がおこなう整骨院での治療としては、低周波や高周波の電気治療や、テーピングや骨折の際のギブスなどでの固定…、たしか、骨盤矯正や脊椎矯正、頭痛や冷え性や肩こりや腰痛などに対する単なるマッサージは柔道整復師の業務範囲では無いはずです。

柔道整復師は整骨院で低周波や高周波の電気治療をするから…電気治療の機器を多く使うからエビデンスがある…と保険屋さんは思っているのかな?…(^^;) 鍼灸院に対して、保険屋さんは「鍼を刺したくらいで治るわけないじゃん!」「科学的根拠はゼロでしょ!」と心のどこかで思っているのかもしれませんねぇ~。

近頃、街を歩いていると、整骨院の玄関先に「交通事故」と書かれた旗がたなびいてたりしますもんねぇ~。…そう言えば、先日、整形外科クリニックの軒先にも「交通事故」と書かれた旗がたなびいてたりしてましたよ…(^^;) ちょっとビックリしましたねぇ~(゜o゜; 整骨院の「交通事故」の旗は、もう見慣れてしまってたけど、病院でも「交通事故」の旗を立ててるって…、「交通事故の大売り出しかよ!」って突っ込みたくなっちゃいましたよ!…(^^;)

なもんで…、何となく、イメージ的に「交通事故で保険を使って治療する時に鍼灸院は敬遠され、整形外科か整骨院ならOKと保険屋が言う…」って記憶していたから、患者さんには「保険屋さんに交渉してみてはいかがですか?」…と返事をしておいたのですが…

やっぱ…鍼灸師としても、交通事故で、治療が必要となり、自賠責や任意の保険を使わざるおえない時に、鍼灸治療は蚊帳の外に置かれているというが、噂でなく本当ならば、釈然としないんですねぇ~。

そう言えば…、ちょっと話しは逸れますが…

「治療」と「施術」という言葉を使い分けるというか…、保険屋さんは業種を分類するために、この言葉の使い分けている節があるんですよねぇ~。お医者さんが行う医療行為は「治療」で、お医者さん以外が行う医療行為を「施術」と呼ぶって、定着させてるのは保険屋さんが事務的な区分けをする場合に使っていた言葉が一人歩きしていき、「鍼灸師が行うのは治療ではなく施術だ!」…とか、差別化を図るためか、お医者さんが「彼らが行っているのは治療ではなく、施術ですからね!」と差別的にも受け取れる使い方をされる言葉が、この「治療」と「施術」なんですよねぇ~。

でもね!…広辞苑で「治療」を調べてみると…

病気やケガを治すこと。またそのために施す種々のてだて。

…とあります。

「施術」を調べてみると…

手術・催眠術などをおこなうこと。

…と書いてありました。まぁ~漢字を読み解くに「治療」は、療(癒やす)治(治す)…いやして治すのが治療という言葉ですし。「施術」に関しても、術を施すのが施術なわけで、どこにも医師が行う行為が治療で、医師以外が行う行為が施術なんて書いてないんですよねぇ~。

多分、保険屋さんなのか?保険を管轄する省庁の役人が事務的な区分けとして、「治療」と「施術」という言葉を使い分けを始めたのではないか?…と想像できますねぇ~

あっ!いけない!いけない!話しが脱線してしまいました。…(^^;)

交通事故の自賠責や任意保険の話しでしたね!その事について、ちょっと調べてみました。

自賠責保険の管轄省庁は国土交通省で、任意保険の管轄省庁は金融庁なんですって!

それで金融庁のHPを覗いて見たところ…

『自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律の施行等に伴う政令、省令及び関係通達等の制定及び改正並びに支払基準の制定について』という項目の『第2 傷害による損害』という項目に…

  • ○柔道整復等の費用免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。

https://www.fsa.go.jp/news/newsj/13/hoken/f-20011115-1.html#betu1

…なるほど!…国としては交通事故による治療に関して、保険を使って整骨院や鍼灸院やマッサージの治療をする事は認めているって事なのね!

でも…何で?文頭が「○柔道整復等の費用免許を有する…」なんだろう?柔道整復師・鍼灸師・按摩マッサージ師を同等に扱うなら、「○医療類似行為の費用免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。」…とすべきなんじゃないかな?…内容は妥当なモノだけど「○柔道整復の…」って…、これじゃ、まるで柔道整復師の関係団体に、何かしらか配慮した感じにも受け取れるなぁ~…(-_-;)

でもって、通常の治療では、社会保険や国民健康保険を使って整骨院や鍼灸院やマッサージの治療をする場合、医師の同意書が必要になるけれど、社会保険や国民健康保険の管轄は厚生労働省。

厚労省管轄の場合は医師の同意書が必要となるのに対して…

交通事故の自賠責や任意保険の管轄は、国土交通省・金融庁で、交通事故で自賠責や任意保険のを使って治療する場合、医師の同意書が必要だという一文は国土交通省・金融庁の文章には書いてないんですよね!この場合は、医師の同意書は必要ないと解釈できるわけですよね!

まぁ~交通事故の場合、首とか頭や内臓など、衝撃が大きい分、後々、何かあってはいけないので、事故直後は、とりあえず病院に行って検査してもらい、事故により身体に不具合が起こっていないか?治療が必要か?否か?を調べてもらう必要はありますが、その後の治療においては、医師以外の治療を受ける際に、医者の同意書は交通事故には必要ないという事なんでしょう。

でも、聞いた話しによると「医者の同意書を取って来て下さい」って言う保険屋さんもあるって聞きますしねぇ~。

で…googleで検索してみると…

『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』…という質問に、
整骨院や接骨院での施術費についても、当該施術費が、症状固定までに行われた「必要かつ相当な施術行為」の費用であると認められる場合には、交通事故の治療関係費に該当する損害と認められ、当該施術費を請求できます。

『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』
『自賠責保険は整骨院の施術を認めない?』…という質問に、
自賠責保険も,整骨院の施術費について,事故と関連性のないものとして保険金の支払を拒むことがあります。 整骨院での施術は,医師の指示があれば通常施術の必要性・相当性が認められますが,一般的に医師が整骨院での施術について指示することはありません。

…と書いてあったり、やはり…釈然としないなぁ~。

でも…やっぱ…『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』『自賠責保険は整骨院の施術を認めない?』…って、整骨院なんだね!『交通事故で鍼灸院に行った場合』なんて質問はネット上でも見当たらないもんねぇ~…やはり釈然としないなぁ~(-_-;)

基礎の習得と個性と魅力…

YouTubeを見ていたら、千原ジュニアさんと立川談春さんの対談を見つけたんです。

内容は落語や芸人さんの話なんですが、芸の伝承や、技術の構築という所にフォーカスすると、この話は鍼灸の技術の構築や、伝承にとても通ずる話だと思うんですよねぇ~。

・上手さが武器にはならない。

・上手いというのは面白い。面白くない人は上手くない。

・上手さと魅力は違う。

・上手さは魅力にかなわない。

落語が上手か…下手か…という話しなんですが、これって鍼灸にもあてはまるんですよねぇ~。

(上手さが武器にはならない)⇒ 治療が上手な鍼灸師が儲かっているとは限らないんですよね!…「何言ってるの?治してるから患者さんが大勢くるわけでしょ!」って言われるかも知れませんが、流行ってる鍼灸院って、その治療院の立地条件だったり…、宣伝が上手だったり…、学歴の高さを売り物にしていたり…、値段だったり…、代々続いて名前を継承している治療院だったり…と、色々な要素が関係してくるので、一概に、腕の良さだけが武器にはならなかったりするものなんですよねぇ~。

でも…

(上手いというのは面白い。面白くない人は上手くない)⇒ 治せるか?治せないか?…で言えば、当然、治せる方が良いわけで、腕が良い事に越した事はない。

(上手さと魅力は違う / 上手さは魅力にかなわない)⇒ 魅力って何なんでしょうねぇ~(^^;) 人間性とでも言いますか…、顔の良さなのかなぁ~(-_-;) 選挙に於いて顔の美醜で投票数が変わるっていう統計も出てますしねぇ~。所謂、魅力っていうのは「華がある」って言われている感覚なのかも知れません。

談春さんが『基礎』について話されていたんですが、これは一理あるな!…って思いました。今は4月なので、3~4年間、専門学校や大学で勉強し、今年の2月の国家試験に合格した新米鍼灸師が意気揚々と希望を抱いている時期だと思います。今、患者さんで来ている鍼灸の学生さんとか、新米鍼灸師の知り合いはいないので、伝える術がないんですが、新米鍼灸師の人達に、この談春さんの『基礎』についての話しを聞いて、理解してもらいたいなぁ~って思うんですよねぇ~。

コレって、とても大事な事だと思うんです。

・基礎は誰でも習得できる。

・特別な才能がないと習得できないものは基礎にはなり得ない。

・基礎の習得は千回で出来なければ、1万回やればいい。

・基礎を習得する時に個性が入り込む余地は絶対にない。

・自分の魅力を考えちゃいけない。自分の魅力を考えていいほど基礎というのは簡単には習得はできない。

・基礎は必ず習得できるけど、簡単には習得できない。

・基礎の習得は人生の半分を使ってもおかしくない。

・人生の半分を使うという事は時間の問題だから、どうすれば良いのかというと、繰り返せばいい。10万回やると出来るというなら、10万回を10年でやるのか?1年半でやるのか?…の差だから、その時間内に、魅力だの個性だの考えなくていい。そのまま出来るようになるまでやれ!何も考えるな!

談春さんのお弟子さんは続かないって話しを聞くけど…、なるほどな…と思う反面、何も間違ってないなぁ~って思うんですよねぇ~。

後半で「前座で覚えたものを二つ目で忘れなければいけない…」っていう話しと「自分が手に入れたと思った基礎が邪魔をする…」っていう話しも面白かったなぁ~。

いわゆる「守・破・離」の話しですが、10万回やって基礎を身につけた後、個性や魅力を出さなければいけないなるので、守破離の葛藤が始まるわけですよねぇ~。

基礎っていうのは、滲み込んでいるわけだから、忘れようにも忘れられない…。新しい発想をする上で基礎にもなるが、発想を邪魔する事もあるわけですよねぇ~。

なるほどなぁ~

よかったら、YouTubeで【千原ジュニアYouTube】立川談春の葛藤…時代の波に揺れる落語・お笑い界の未来図<後編>…見られてみて下さい。

『使い過ぎ…』と『使わなさ過ぎ…』と『健康への近道』

原因が事故であったり、遺伝であったりする要素を排除したうえで、身体の不具合が起こる原因は何かな?

…と、考えると。

基本的に「使い過ぎ…」と「使わなさ過ぎ…」が原因だと思うんです。

使い過ぎ…。⇒ いわゆる、仕事のやり過ぎ…、過労も使い過ぎですよね!トレーニングのやり過ぎ…、食べ過ぎ…、何でも、そうなんですが…使い過ぎると不具合は起こります。

…それに反して、

使わなさ過ぎ…。⇒ これも、お分かりの通り、運動不足とか…、座り過ぎだとか…。

でも、座り仕事での座り過ぎや、立ち仕事での立ち過ぎは、動かずにジッ~としているという意味においては、身体を動かしてないので『使わなさ過ぎ…』となるけれど、筋肉的には、座っていたり、立っている姿勢でも、長時間、伸びている筋肉と縮んでいる筋肉が同じ状態を維持しているわけなので、思い切り力を入れている訳ではないけど、弱い力が長時間、筋肉に影響を及ぼしている事になるんですよね!…なので、ある意味『使い過ぎ…』にもなるんですよぉ~。

座りすぎを例にあげると…、座り過ぎると、太ももの裏側のハムストリングと呼ばれる筋肉(半腱半膜様筋・大腿二頭筋)は長時間の収縮で固まり、立ち上がると、半腱半膜様筋・大腿二頭筋は伸びきれずに骨盤を後に引っ張る事になってしまう。…そうなると骨盤が後に傾き、猫背になり…肩・首が凝る。

ウイルスや細菌による感染症においても、基本は身体の免疫力が働くか否かで、感染する…感染しない…が左右されるわけですよね!免疫力も「使い過ぎ…」だと疲労により免疫力が低下してしまいますし、「使わなさ過ぎ…」でも、身体の免疫力は平和ボケ状態になり、免疫力は低下してしまうんですよね!

まぁ~人間の身体は本来、使わなければ機能が低下してしまうし、使い過ぎても不具合が起こってしまう。…そういうモノなんですよねぇ~。

あとは…「使い過ぎ」と「使わなさ過ぎ」を改善する際に、加齢による経年劣化を考慮しないと、運動した方が良いのか?…運動しない方が良いのか?…食べた方がいいのか?…食べない方がいいのか?…運動した方が良いのなら、どのくらい運動したらいいのか? 食事は1日3食がいいのか?2食がいいのか?食べる量は?

…などなど、どうしたら良いのか分からない!?という人も、大勢いらっしゃると思います。

若い人と、歳を取った人では運動量も筋肉量も食事の摂取量も違いますしねぇ~!

基本的に「使い過ぎ」も「使わなさ過ぎ」も良くないわけで、御自身が「丁度、良い」という加減を判断する必要があるんですが、多くの人は、この「ちょうど良さ」を判断する事が苦手なんでしょうねぇ~。

…っていうか、人間って丁度、良い加減を見極めるのが下手な生き物なのかもしれません。

意外と、良かれと思ってやっている事が、実は裏目に出ていたりする事も多々あったりしますしねぇ~。

解決策としては…

ちょうど良い加減を把握するには、自分の身体との対話というか、直感とでも言いますか…、自分でやってみて、「これ…ちょうど良いなぁ~」と感じ、体調が少しでも…、ほんの少しでも良くなったような気がしたら、それは続けるべきだと思うんですよねぇ~。

ただ、全てに言える事ですが、基本的には、何に於いても短期間で結果は出ないものなので、3ヶ月くらいは試してみる。…それで、少しでも良さを感じたなら、それは身体にとって良い事だと思うんです。

それと…、皆が皆、同じ事をする必要はないんですよねぇ~。それぞれ、個人個人の体質の違いがあるわけで、同じ臓器や同じ体格をしていても、弱かったり…強かったり…若かったり…老いていたり…、それぞれ個々の身体は別物ですからね…。

ただ、永年の経験から得た知恵や知識は、時々、まやかしな部分もあったりはしますが、使える有益な情報も多く含まれているのは確かです。

なので人から「これ…良いよ!」と言われる事を一度、試してみるのは有りだと思うんですよねぇ~。で…それを続けるか、止めるかは、自分の直感にまかせる。

あの人が言うからやっている…。有名人が良いってCMで言ってるから続けてるっていうのは、やめた方が良いと思うんですよね!

でも、「自分の身体としっかり対話」「直感」って?…どういう事?

…って思われると思うんですが、これは日頃の生活パターンの改善という事なんですよ!

「自分の身体としっかり対話」とは、食生活だったり、睡眠だったり、運動だったり…、労働時間だったり…、自分の身体にとって良い事と悪い事を見極めた上で、出来るだけ自分の身体に良い事を、生活の中に取り入れるって事なんです。

そうすると、自然と、良い・悪いの判断が自分自身で出来るようになり、直感が閃き、自己判断出来るはずです。

食生活や睡眠や運動などの、生活パターンの改善もせず、身体に悪いと分かっていながら、生活して体調不良になってしまうと、直感など思い浮かぶはずもなく、どうしてイイやら分からない…。だから、人の言う事を鵜呑みにして「あの人が言うから…」「この人が良いって言っていたから…」ってなっちゃうんだと思うんですよねぇ~。そうなってしまうと、お薬信仰とでも言うか…「薬は全て効くものだ!」「薬を飲んでいれば治る!」…と思い込むようになり、どんどん飲む薬の量が増えていく…。

生活パターンを改善し、自分の身体としっかり対話したうえで、閃く直感を信じる。…これが健康への近道だと思うんですよねぇ~。

NHKを見ていたら…

先日、溜め録りしていたTV番組を見ていたら、日本酒の獺祭の会社の社長さんが、アメリカに酒蔵を作り、アメリカの米と水を使い、現地のスタッフで日本酒を作ろうとしている….そんな番組をやっていました。

経験者として日本人のスタッフはいるものの、文化も違う新しい場所での日本酒造りは色々なトラブルが多く、大変だろうなぁ~と思う反面、獺祭を作っている蔵元だから出来る事なんだろうなぁ~…って思いましたねぇ~。…たしか、獺祭って杜氏の制度では無く、スタッフがデーターを取って酒造りをしている会社だと聞いた事があります。

昨今では、杜氏さんも勘に頼らず、データを取っての酒造りが主流なんでしょうが、日本酒業界も、この20年くらいで、随分と良い具合に変わりましたもんねぇ~。

ただ、海外に日本酒を紹介する時に、ワイングラスに入れて飲むのって…、なんだか抵抗があるというか、外国の文化に日和ってるなぁ~って思えちゃうんですよねぇ~。。

酒は、その土地の文化だと思うので、ワインを飲む時はワイングラス。ビールを飲む時はビアグラス…。日本酒を飲む時は徳利だったり、ぐい呑み・おちょこ…だったり、日本酒の香りを楽しむのであれば、陶磁器屋さんや窯元にワイングラスのような陶器のカップを作ってもらって、それで楽しむとかね…、日本ならではの文化も、日本酒とともにワンセットで紹介して欲しいなぁ~って思うんですよねぇ~。

一人勝ちをするんじゃなくて、周りの業種も共に繁栄するって、大事な事だと思うんです。今の日本の経済がV字回復するには、一人勝ちばかり望んでいては駄目だと思うんですよねぇ~。

話しは変わって…

先日の日曜日…『NHKスペシャル Last Days 坂本龍一 最期の日々』という番組を見ました。

御家族…多分、お子さんが撮られているんでしょうが、酸素マスクをしておどけた表情をしているけど、それは亡くなる2日前の映像だったり…、番組の最後の方で、亡くなる1時間前のタクトを振っているような動きをしている手だけの映像…なども衝撃的でした。坂本龍一という人の…生きていた証というか…、僕にとっては中3の頃、初めてYMOを聴いて以来、何かと楽しませてくれた人の最後の姿…。

坂本龍一さんの手記を朗読する田中泯さんの声と、坂本さんの曲が、なんとも言えなかったな…

いずれ、誰にも訪れる『死』と向きあい、どう死んでいったのかという記録映像は…なかなか見れるものじゃない。…そんな番組でしたね。

「生まれるのも日常、死ぬのも日常」…これは桂米朝さん言葉だったかな…

「生きるのも日常、死んでいくのも日常」…たしか、これは樹木希林さんの言葉だったと思います。

『坂本龍一 最後の日々』を見終わったあと、米朝さんと希林さんの言葉が、頭に浮かびました。

なんか…少し…分かったような気がする…鍉鍼編♪

鍼灸師になったのは2003年だから…鍼灸師になって、今年で21年目…

ず~と疑問に思っていた事があったんです。

正直に言います…

本当に…ず~と疑問に思っていたんです。

何を疑問に思っていたのかと言うと…

それは『鍉鍼』

いわゆる…刺さない鍼です。

因みに…鍉鍼の『鍉』って漢字には、どんな意味があるんだろうか?…と調べてみたら、

※ 誓いをたてる際に、血を入れるための器。
※ 医療用に用いる針。
※ 矛や矢の先端のとがった部分。ほこさき。やじり。
※ 錠前を開けるための鍵。

…と書いてありました。へぇ~~~知らんかった…(゜_゜)

国家試験を受ける為に、鍼灸の専門学校に通うようになって、そこで鍉鍼の存在を知り…「へぇ~刺さない鍼っていうのがあるのね!ほぉ~…」って感じで、鍼灸学校に通っていた頃、学生として個人的に色々な勉強会に参加し、鍉鍼を使う先生方に「どうやって使うんですか?」「どこで買えるんですか?」「どんな種類があるんですか?」…などなど、色々な話しを聞いたりして、その後、物珍しさも踏まえて、何本か鍉鍼を買ったりしたんですよね…。

まぁ~基本的に、僕は珍しい物を集めたりするのが好きなんでしょうねぇ~(^^;)

今、所持してる鍉鍼は…鑱鍼・圓鍼も合わせると、合計で7本くらいかな…

でもね…、鍼灸師になって21年ですが、正直言って、今まで臨床で鍉鍼を使っていなかったんですよ…。

何となく、趣味的な…とでも言いますか…、そんな方法もあるのね!?…という感じ…。例えて言うと…、ロックバンドをやってるけど、実は演歌にも興味があって、周りの人には演歌が好きなんて一言も言わず、一人でコソコソと演歌の音源を買ってきて、一人で聴いている…。

僕の中の鍉鍼って、そんな演歌な感じ…(^^;)…だったんです。

なぜ…今まで鍉鍼を使わなかったのか?…って事ですが…

…う~ん…正直言って、僕は、あまり…『気』というものを感じた事がないんですよ!

…で、この鍉鍼を使う場合、…色々な使い方があるんですが、学生時代に最初に体験したのが、身体のツボと言われる部分に鍉鍼を当てたり、近づけたりして「来てますか?」…とか、「今、気の流れが変わって…」とか、「少し温かくなってきたでしょ?」…と、施術者に言われて…、なんとなく、その場の空気を読むなら…、忖度して「来てる…ような気がします…」とか「はい…温かくなってきた…かも…」って言った方が良いんだろうなぁ~(^^;)…って感じだったので、正直…???????疑問だらけ…っていうのが、鍉鍼の初体験という感じだったんです。

…感覚が研ぎ澄まされてる人?…もしくは気を感じやすい人?…霊が見れる人?(^^;)…ならば、正直に…施術者の先生の問いに「来てます!」とか「今、気の流れが変わりましたね!」と、感じた事が言えるんでしょうが、僕には分からないというか…、正直言って、何も感じなかったですよねぇ~。

でも、その後も、なんか…鍉鍼には、興味があったんですよぉ~。…なので、理解しているような顔をして勉強会に行ってたりしましたねぇ~…(^^;)…そこは僕の中で忖度モードが起動したんでしょう…(-_-;)

鍼灸師になって、数年後に大師流の小児鍼の存在を知り、本を読んだり、講習にも数回ですが行った覚えがあります。あれも独特な鍼で、使い方にもコツがあって、すぐに運用できるものではないと思うんですが、…今の大師流の小児鍼も刺さないので、あれも鍉鍼と言えば…鍉鍼ですよねぇ~。

鍼灸の専門学校の時の同級生が、卒業と同時に千葉の石原先生の所に、弟子入りしていたので、その同級生から、鍉鍼も含め、九州にいながら色々な鍼法の情報を教えてもらってたなぁ~。

その同級生の影響もあって、鍼灸師になって10年目に1年間、月イチで東京に九鍼研究会の講習を受けに行って、その時に「あぁ~鍉鍼や鑱鍼や圓鍼って、そんな使い方があるのねぇ~」って思ったんですが…、鍉鍼に対しては、なんだか…まだ、学生時代の最初に体験した、鍉鍼のイメージが頭に焼き付いていた為か、臨床で鍉鍼を使う気にはならなかったんですよねぇ~。

なので、九鍼研究会の講習で得た知識を臨床で即、使ったのは火鍼とか大鍼とか長鍼かな…。刺絡も九鍼の講義に取り込まれてましたが、もう…その頃は、刺絡学会に参加していたので刺絡や灸頭鍼は既に臨床で使ってました。

なので、鍉鍼に関しては、いくつかの知識は持っているんだけども、臨床では使う気にならないというか、自分自身が納得できていない手法を、患者さんに施術するわけにはいかない…。そんな感じだったんです。

…で、今回、鍉鍼の何が…「少し…分かったような気がする…」って思い始めたのか?って事ですが…。

まぁ~…ここからは、言葉を選ばないと、鍉鍼を臨床で使っている鍼灸師の先生方から「まだ…そんな事を言ってるの?」とか「全然違うよ!」とか、すぐに否定されるんだろうなぁ~…という事を予想しながらも…、別に、たいした話しじゃないですしね…、思った事を正直に書きますね!…(^^;)

いやぁ~、今、僕は59歳なんです。…でね…、この1年前辺りから、五十肩になったり、腰が痛くなったり…、五十肩が治りかけて腕が上げれるようになったと思いきや、右足や右膝や右足首が痛くて、蹲踞が出来なくなったりと、…なんだか加齢による筋肉不調とでも言いますか…、調子がよくなかったんですよねぇ~。

知り合いの鍼灸師の友人の所に行って、治してもらおうとも思ったんですが、なんだかスケジュールが合わなくて、どうしようかな~?(>_<) …って思っていたところ、ふと…、以前、20数年前くらいに北京の東直門にある国際針灸培訓中心に行った時に、門の横にあった鍼灸用品の専門店で買った、刮痧に使う水牛の角を加工した物…。端的に言うと、ただの水牛の角の根元を球状に加工したものが、僕の机の上のペン立て刺さってたんです。

あぁ~…そういえば…こんなの、買ってたよなぁ~…

そうだ、この牛の角で足とか、腰とか、肩とか、足首とか、ただ軽く摩ってみてはどうだろうか?…と、ふと…閃いたので、やってみると…

あれ?…まだ動きに硬い部分はあるけど、蹲踞が出来るし、肩の可動域も広がっている。…(゜_゜) おっ!コレ…いいんじゃねぇ~!?!?。…って実体験したんですよねぇ~。

その時に、ふと、頭をよぎったのが、九鍼の講義の時に、石原先生が圓鍼の操作で「分肉が…どうのこうの…」って言ってたなぁ~。とか…鑱鍼も疎通という事で、皮膚表面を刺激していたよなぁ~。…って事を思い出したんですよねぇ~。

刺さずとも効果を得る方法…、これって鍉鍼や圓鍼や鑱鍼の理屈だよなぁ~。

牛の角でも効果が出る…という事は、鍼じゃ無くても…何でもイイという事か?…いやいや…そうじゃなかろう。…身体に合う素材ってものがあるはずだ…。

とりあえず、持ってる鍉鍼を使って、同じ事をやってみようと、自分の肩や腰や膝や足首を、鍉鍼を使って軽く摩ってみたところ、イイ感じなんですよ!

あっ!そうそう…いつもブログに書いてるので、耳にタコ…かもしれませんが…

基本的に、主動として身体の不調を治しているのは身体自身なので、運動や食事や睡眠が一番大事であって、医療・治療はサポートとして身体が治ろうとしているのを手助けする役割を担っている。これが体調不良を改善する為の初期段階での基本的な考え方なんです。

でも、これが逆転してしまい、医療や治療を主動として病気を治さなければいけない状態となれば、相当、大変な病気になってしまっている場合なので、そうならないように、普段からの身体のケアが必要なんですよねぇ~。

運動や食事や睡眠を、おざなりにして医療・治療のみで身体の不調を治そうとすると、最初は身体の修復が容易に可能なんですが、この方法を継続すると、複雑な症状に変化していき、容易に治せなくなってしまうんです。

『なぜ鍼が効くのか?』…って、よく患者さんから質問されるんです。

僕は、治療の基本は手当だと思うんですよ!…どこかが痛いから、痛いところに手を当てる…、人肌で温める…、手で優しく摩ってあげる…、これが治療の基本だと思うんですよね!

野生の動物は、体調が悪くなると、ジッとして動かず、体力の回復を待つか、痛い箇所を舐めますが、猿とか類人猿辺りになると、手を当てる…手当をするようになると思うんですよねぇ~。

いわゆる…猿人から進化していき、ホモサピエンスになった段階でも、まずは患部を摩ったり、温めたりすると思うんです。鍼自体は、鉄が加工されないと存在しませんしね…。

まずは、患部を摩ったり、温めたり…いわゆる、この行為は現代での、按摩・マッサージです。

その後、尖った石とか、片方が削れて刃のようになっている石…、砭石(へんせき)と言われてる尖った石が鍼の起源となるらしんですよ!…患部を摩ったり、温めたりしても治らない時に、この尖った石で患部を傷つけて鬱血した血液を外に出した方が治りが早い…というような事を、生活の知恵の中で発見したのが、後の鑱鍼や兎鍼や刺絡なんでしょうねぇ~。

その尖った石で皮膚を傷つけないまでも、摩ったり揉んだりするよりも強い刺激を皮膚に与える事で治ったりする事を発見したりして、鍼へと発展していったんでしょう。

その後…、鉄の加工が容易になり、今の鍼の形状が出来上がると、患部を皮膚の外から摩ったり、温めたりするよりも、身体の中に鍼を入れて刺激した方が効果が高いんじゃない?…っていう発想が、今の鍼の形態なんじゃないでしょうかねぇ~。

鍼の材質も、今はステンレスが主流ですが、金を使った金鍼や、銀を使った銀鍼を使っている先生もいますよねぇ~。

鍉鍼の場合も色んな素材で作られた鍉鍼が存在します。

金やら銀やら、チタンやらプラチナやら、銅やアルミの鍉鍼があったりします。

いつだったか…、江戸時代の頃の鍼の歴史を調べた事があるんですが、その時に何かの本に、ある江戸時代のお医者さんが言ってた言葉が紹介されていて…「近頃は、治療技術ではなく、金の鍼の方が良く効くとか、銀の鍼の方が良く効く…とか、鍼に付加価値をつけたがる…。嘆かわしいことだ…。」と書いてあったのを思い出しました。…(^^;)

まぁ~色々な考え方があるとは思いますが、なんにせよ…、鍼の素材は身体との親和性が重要だと思うので、身体に適した素材というのがあると思うんですよねぇ~。

鍼の歴史って、紀元前○○○年???からなのか?…よく分からないけど、その頃から現代までの時間の経過の中で、色々な素材が試され、採用されたり淘汰されたりを繰り返し、今の鍼の形態になっていると思うんですよね~。

鍉鍼の場合も金でもイイし、銀でもイイし…、プラチナでもチタンでも良い訳です。僕の身体との親和性で言えば、牛の角でも良かったわけですよねぇ~。僕の身体は自然的なモノとの親和性が高いのかも知れません。

何となく、惰性でここまで書いてみましたが…、結局の所、自分で体感して、実体験した事で「これは臨床で使えるぞ!」と確信を持てたという事なんですよねぇ~。

鍼灸師になって21年目の春…♪

「なんか…少し…分かったような気がする…」という…お話でした。

自分で効果を実体験した事で気分が高ぶり「コレは悟りか?…悟ったのか??開眼したのか???」…(゜_゜) と、その時は気持ちが高揚しましたが、多分、これって…ようやく21年目にして入り口に立つ事が出来た。…ただそれだけの事なんでしょうねぇ~…(^^;)