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年賀状…♪

近頃では、年賀状終いをする人が増えて、今年、届いた賀状にも「今年を最後にします」…とか、「来年からは年賀状を辞退します」と書いてあったりします。

この数年、確かに届く賀状の数も急激に減ってますし、メールやSNSが主流になっている昨今、年賀状や暑中見舞いは、時代の流れにそぐわなくなっているのかも知れませんねぇ~。

私事ですが、ここ十数年前から、4年に一度の間隔で、届いた年賀状のみに返事を書く…。というような感じで年賀状を出しておりました。今年が、その4年に一度の年だったので、今年のお正月は、届いた年賀状に返事を書いたんですが、今後は届いた賀状だけに返事を書くという感じにシフトチェンジしていこうかなと思っています。

年賀状終いをする人の気持も、よく分かりますし…、かと言って、年賀状が届いて、その年賀状に書いてある近況を読み、賀状を出してくれた人の事を考えながら返信を送る。…そんなやり取りも悪くないなぁ~って思うんですよねぇ~。

相手の事を想いながら、手紙やハガキを書く時間って、とても素敵な時間だと思うんです。

でも、いつしか年賀状って、バレンタインデーの義理チョコのような感じで、とりあえず出す…的な義務的なモノになってしまったし、元日に到着するように出さないとダメだ!失礼にあたる…的な…、年末の忙しい時に急かされる感じの、厄介者に変化していったのも『年賀状終い』の原因だと思うんですよねぇ~。

そう考えると…、郵便の値上がりって言うのも『年賀状終い』に拍車をかけた要因の一つなのかも知れませんし、「年賀状は○○日までに投函すると、元旦に届きます」という郵政省の宣伝広告も、人々の年末の忙しさなどお構いなしで…国民を急かしている事にも気が付かず…、年賀状の習慣は無くなる事はないだろうと、高を括ってた郵政省が己で自分の首を絞めていた…。って事になるんでしょう。年賀状という文化が無くなりそうになるなんて事は、考えもしなかったんでしょうねぇ~。(^^;)

僕が子供の頃は、年賀状は松の内までにやり取りするモノ…と教えられてましたので、子供の頃は、年が明けてから正月三箇日くらいに書き終えて、ポストに投函が常でした。松の内って地域で設定が違うらしんですが、たしか…僕が住んでた地域では成人式までは、松の内だった思うんですよねぇ~。

年賀状をくれる人の中には、もう何年も会っていない人もいますけど、1年…¥85の付き合いというか…生存確認というか…。

メールやSNSでの新年の挨拶も悪くはないんですが…

手紙やハガキを書く文化とうか…、相手を想いながらハガキや手紙を書く時間って大事にしたいなぁ~って思うんですよねぇ~。

皮内鍼についての考察…♪

「皮内(ひない)」ってどこ?

…えっと、皮膚って上から「表皮⇒真皮⇒皮下組織」という組織編成になっていて、場所にもよるんですが、表皮は平均 0.1~0.2mmくらいで、その下の真皮は 1~3mm、その下の皮下組織(脂肪組織)は個人差があるのですが、おおよそ数ミリ( 2mm~9mm )で構成されていて、皮内って表皮と真皮の間の領域を皮内と呼んでいて、痛みを感知する神経繊維が少ない場所なんです。

その皮内に、細くて短い鍼を皮膚に水平になるように刺入して、テープで固定し日常生活で、身体を動かすたびに微動な刺激を生み出す鍼を皮内鍼というんです。おおよそ2~3日から7日間ほど刺した状態で過ごしてもらいます。

「おいおい!刺したままって…、身体の中に鍼が入っていかないのか?…(゜_゜)」

…と、よく質問を受けますが、鍼のお尻側は円い輪っかのように形成されていて、身体に入っていく事はありませんし、テープで留めておきますから外れる事はありません。

ただ、お風呂などで水に濡れる事でテープの固定が弱くなり、鍼が大きく動いてしまうと、希にチクチクと痛くなる事があります。こんな時はテープを剥がすと、鍼もテープと一緒に外れるようにしていますので、テープを剥がしてください。

まぁ~…おおまかに皮内鍼の説明をすると、こんな感じなんですが…

じゃあ~…なんで皮内鍼が効くのか?

皮内鍼に関しての書籍では、僕の知る限り、医道の日本から出版されている、赤羽幸兵衛さんの『皮内鍼法』くらいしか、思い当たらないんですよねぇ~。僕の手元にある本は、中古本で第17版です。…いつ入手したかは覚えてないけど…古本屋さんで入手したのは覚えています…(^^;)

初版は昭和39年のようですね!…因みに、第17版(平成10年)の本にも著者の住所と電話番号が印刷されてました…(^^;)

でもね…、正直言って…この本を読んでも、皮内鍼の刺入の手順は分かりやすいんですが…、なぜ皮内鍼が効くのか?…という事まではハッキリとは書いてないし、ぶっちゃけ…分かりずらい。知熱感度…とか、シーソー現象…とかで説明はされてるんですけどね…

僕に理解力が無いからなのかも知れないけど…(^^;) 分かりやすいか?…分かりにくいか?…で言えば、本を入手した当時から…、やはり分かりにくいと思ってました。

でも…効果は、確かにあるので臨床で使えるのは事実なんです。

なので、今回、鍼灸師になって、もうすぐ22年になるんですが…、今の僕が思いつくままに「なんで皮内鍼が効くのか?」を再度、考察してみました。

繰り返しになりますが…効果だけで話しをすると、結果的には…効きます!

腰痛や膝の痛……背中の痛み…肩こりなど、結構…効果的です。

通常、円皮針も皮内鍼も、一番痛い場所に1~2ヶ所、鍼を入れるのがセオリーです。

「あそこが痛い!ココが痛い!」と…やたらと皮内鍼を、何ヶ所もしていると、効果を相殺してしまうのか、経験的に効きが悪いように思います。

局所に皮内鍼をする事で、まず考えられる事は、皮内鍼をする事で、局所に炎症反応が起こり軸索反射が起こる事で局所の修復が早まるという…アレです。鍼灸の専門学校の鍼灸理論の授業で、一番最初に習うヤツかな…(^^;)

あとは…、同じく鍼灸理論の最初の方で習う、鍼刺激による筋紡錘の弛緩による鎮痛。…所謂、脊椎の後角に刺激が入り、運動神経の活動が抑制されて筋肉が弛緩するっていう…アレです。これも、専門学校の鍼灸理論で最初の方に習うヤツです。

でもね…、この2つのシステムで全ての腰痛や肩こりなどの痛みを取れるとは思えないんですよねぇ~。

何度も、このブログに書いてますが、全ての病気や症状には程度というものがあります。軽症だったり…重症だったり…の程度です。軽い痛みだったら、上記のシステムで効果が出てもイイと思うんですが、重い症状には…チョットなぁ~って思うんです。

なので、皮内鍼には、まだ別のシステムが働いているような気がするんですよねぇ~。

そこで思いつくのが…『副腎』

腎臓の上に位置する小さな臓器で、血圧とかホルモンを調整する臓器です。…ここが関係してるような気がするんですよねぇ~。

更に専門的な話になりますが…、身体に備わっている鎮痛に関するシステムでパットと思い浮かぶのは『SAM軸』と『HPA軸』と『下行性疼痛調節系』というシステムかなぁ~。

SAM軸(交感神経(Sympathetic Nerves) 副腎(Adrenal) 髄質(Medullary))…ストレスに対する即時反応として副腎の髄質という所から、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されて、身体を元気にする為に働いてくれるんですが、このノルアドレナリンが下行性疼痛調節系というシステムで鎮痛に働いてくれるんですよぉ~。

HPA軸(視床下部(Hypothalamic) 下垂体(Pituitary) 副腎(Adrenal))…これもストレスに対して働いてくれるシステムなんですが、ストレスに対してすぐに反応して働いてくれるのがSAM軸なんだけれども、長期的なストレスにはSAMは対応しきれないので、長期的なストレスに対してはHPAが働き、副腎の皮質と言うところからコルチゾールというホルモンを分泌されるのだけれども、長期的なストレスで慢性的にコルチゾールが分泌され続けると、慢性的な痛みを感じやすくなったり、不妊や依存に繋がり、鬱やPTSDとの関連も示唆されているようなんですよねぇ~。

因みに…この副腎皮質から分泌されるホルモンのバランスは、頭の百会というツボで調節します。

下行性疼痛調節系は、脳から脊髄に向かう神経の経路で、過剰な痛みの伝達を抑える働きがあるんですよねぇ~。この働きが弱くなると慢性的な疼痛のリスクが高くなります。…この下行性疼痛調節系が弱まる原因としては「ネガティヴな思考」が影響するんです。例えて言えば…楽しい事をしている時や、何かに集中している時は下行性疼痛抑制系が働いて痛みを感じにくくなるけれども、不安な事や、気持が落ち込んだり、ネガティブな思考が働くと、下行性疼痛抑制系がうまく働かなくなり、痛みに敏感になるんですよぉ~!

刺激の強弱で考えると、強い刺激は交感神経が活性化するので副腎髄質から分泌されるカテコールアミン(ノルアドレナリン・アドレナリン)の分泌が促進され、優しい刺激は交感神経の活性を低下させるのでカテコールアミンの分泌が弱まるらしんですよねぇ~。

皮内鍼を強弱の刺激で分類すると、優しい・弱い刺激に分類されると思うんです。

おっ!?…ちょっと待てよ…!?

弱い刺激は副交感神経を優位にさせるため、交感神経の活性が低下して、副腎から分泌されるノルアドレナリンの分泌が弱まると言う事になりますよねぇ~。

副交感神経が優位になってリラックスする事で身体を休めて、組織の回復を高めるという側面もあるとは思うんですが…

確か…ノルアドレナリンの作用の一つに「急性的な痛みに対応」と書いてあったはず…。そのノルアドレナリンが、弱い刺激で分泌が弱まるのであれば、鎮痛効果を阻害してしまう事になるよなぁ~。

あと…疑問に思う事と言えば、SAM軸、HPA軸、下行性疼痛調節系へ鍼灸のアプローチをしたとして、効果が出るのに、どのくらいの時間を要するのだろうか?…という事なんですが、調べてみても、まだ資料として公には出てないみたいなんですよねぇ~。

じゃぁ~…「なんで皮内鍼が効くのか?」に関しては、SAM軸、HPA軸、下行性疼痛調節系が働いている訳ではないのかな?…まだ研究段階なんだろうなぁ~。…という事は…皮内鍼は「炎症反応や軸索反射」もしくは「筋紡錘の弛緩による鎮痛…所謂、脊椎の後角に刺激が入り、運動神経の活動が抑制されて…」

…ん? 

脊髄の後角…(゜_゜)

あぁ~…痛みを急速に止めるシステムが、もう一つあったわ!

『ゲートコントロール理論』

痛みはAδ線維とC線維という、細くて伝達が遅い神経繊維で脳に伝えられるのだけれども、圧迫や皮膚を摩るような皮膚刺激は、太く伝達が早いAβ繊維で伝わるので、その皮膚刺激が脊髄後角で痛みの信号の流入をコントロールするので素早く鎮痛効果が得られるというシステムですよねぇ~。

分かりやすく言えば…痛い場所に手をあてて押さえると、一時的に痛みが軽減する事は、誰しも一度は体感してると思います。

「脳に伝わる痛みの信号を止める」…という話しをすると、時々「あぁ~脳を騙すのね!」という人がいますが、脳を騙すんじゃないんですよぉ~。もともと身体に備わっている鎮痛のシステムを強くするって感じなんですよねぇ~。

そう考えると…

皮内鍼の鎮痛効果ってゲートコントロールが関係している割合が大きいような気がしますねぇ~。

ただ…痛みがあるという事は、急性や慢性の炎症、もしくは炎症は治まってるんだけど、その部分の組織が拘縮してしまう事で痛みが出てしまっているので、鍼灸の刺激や、皮内鍼の効果で痛みを取り除きながら、組織の回復をはからないと、鎮痛のみで対応していると、薬を何度も使っていると効かなくなる理屈と同じで、鍼灸や皮内鍼の鎮痛効果も薄れてくるものなので、その点は考慮された方が良いと思います。

なんだか…年末に長々と思いつくままに書いてみましたが、自分にとって良い復習になりました…(^^;)

今年一年、お世話になりました。良い年をお迎えください…♪

健康への近道…

薬が悪いわけではないんですよねぇ~。

いざという時は、薬に頼る事が多いのも事実ですし…

ただ、薬に頼り過ぎて、体調がおかしくなる人が多いのも事実なんですよねぇ~。

周りを見渡せば、あちらこちらに、大手のチェーン展開しているドラッグストアーが乱立しているし、日本人は薬が好きなのかな?…って思っちゃいます。

あるデータによると「日本の人口は世界の2%に過ぎないのに、世界の薬の約40%は日本人が使う…」…とか、「日本の医薬品市場規模は約10兆円…」…という事らしいです。

確かに、日本人って…全般的に「何かに頼る」性質というか…、気質を持ち合わせている感じがするので、体調がおかしくなると、自分で治そうとはせず、薬に頼る傾向にあるとは思うんです。

それと、以前は…、と言っても随分昔…、江戸時代末期の頃までは、薬って、とても高価な物で、一般庶民は薬を手に入れる事自体、大変な事だったと思うんですよねぇ~。

その薬が、今は気軽に手に入る!「ありがたやぁ~!ありがたやぁ~!」って感じで、何かに頼る気質も相まって、今の薬の消費に反映しているような気もするんです。

経済力が身につき、豪華な食事が日常化した人に「健康の為だから…」と質素な食事を勧めても、反発をくらうかの如く、薬に頼る生活…、簡単に薬が入手可能な生活に慣れきった人に、薬の害を説いても「この人…何言ってるの?バカみたい!」と、相手にされないのが、今の日本の現状のように思います。

案外、「…この人…何言ってるの?バカみたい!」って言ってるような人は、現代医学の薬の信奉者で、漢方薬すら眉唾だと思っていたりして…、東洋医学や、ましてや鍼灸治療などは、怪しい新興宗教のようなものだと決めつけてる人も少なくないと思うんですよねぇ~…(^^;)

まぁ~そんな人は、何を言っても無理だと思うから、気が付くまで待つしかないかな…。

…話しが脱線しちゃいましたね。…(^^;)

※サプリではなく、食事で栄養補給(よく噛んで…)。

※老いや老化を認識して生活改善。(気持や考え方の若さを維持するする事は大切ですが、身体は、どうあがいても、老いますからねぇ~…)

※運動と食事と睡眠。

簡単な事ですが…、昔から言い伝えのように、親や祖父母から、躾けられるように言われてきた事を無視して「時間の無駄を省きたい…」「手っ取り早く結果を出したい…」「面倒くさい事はやりたくない…」というような生活をしていると、若い頃はいいけれど…、いつか体調を悪くすると思います。

「自分が大きな病気をした時に、食生活や身体のケア…、あと…睡眠と運動の大切さを知る事になるんだよねぇ~」

…って、ウチの鍼灸院に治療で来られる、大病を経験された人が、会話の中で、皆、同じような事を口にされます。

はりきゅうふくた のチラシに書いている文章…

さまざまな痛みや体調不良は、疲れやストレスが溜まる事で症状が現れます。

誰でも具合が悪い時は薬で症状を治そうとするものですが、体調の善し悪しで薬の効き具合も変わってくるものです。

薬を飲まなくても健康でいられる身体作りを心がけて、どうしても体調が悪く、薬が必要な時、薬が良く効く体でいられるように…。

まずは疲れやストレスを感じた段階で、鍼灸治療と東洋医学のアプローチで体調を整える事から始めて見ませんか?

僕が書いた文章なんですが、病気にならないためには、やはり薬に頼る前段階とでも言いますか…、普段の生活がとても重要なんですよねぇ~。

ストレスや疲れを取るのは睡眠が一番ですが、過度なストレスや、過度な疲労は、その睡眠さえも容易に取れなくしてしまい、眠剤に頼るしか術が無く、薬が手放せないという人が多い事!多い事!

で…以前、ブログにも書きましたが、鍼灸治療は筋肉を緩める効果もありますが、自律神経系でいうと、副交感神経を優位にする事に長けているので、身体をリラックスさせるには、もってこいの治療なんですよねぇ~。なので、やんわりと…眠剤に頼る事なく、眠れるようになり、睡眠によりストレスや疲を解消する手助けが出来るのが鍼灸治療です。

ただ、眠剤に頼り切っている人は、薬を飲まないと眠れないと思い込んでいる人が多いので、薬を手放す恐怖というか、頼るモノがなくなる不安から、眠剤を手放せない人が多いですねぇ~。

ただ、過度なストレスや過労が、患者さんの心の許容範囲より大きすぎると、薬も鍼灸も効果が薄くなるので、大元の元凶である、ストレスや疲れになる原因や事案からの脱却は必須となります…。

何か一つに頼るのではなく、鍼灸や薬の効果を理解して、鍼灸や薬を効果的に使いつつ、体調不良の原因を探って、少しずつ自らの改善を図る。

これが、健康への一番の近道です。

僕の本音はね…。~薬と鍼灸の違いを考察~

本音はね…

鍼灸治療を終えて帰って行かれる患者さん、全員に「楽になったぁ~」って言いながら、笑顔で帰ってもらいたいんです。

70~80% の方は、治療後…「楽になったぁ~」とか「マジ…気持いい!」とか「やっぱ…鍼灸が一番良いね!」と言われて帰られますが、時には、症状が重い方…、痛めている度合いというか、病気の程度というか…、患者さんの病気や症状によっては、すぐには痛みが取れなかったり、症状の変化に気が付きにくい状態の人もいらっしゃいます。

正直言って…帰り際に患者さんから「楽になりました…」とか「メッチャ…気持いい!」なんて言われると、ついつい…僕の表情も緩んでしまい、有頂天とはいかないまでも、鍼灸師として…、施術者として…、気持がホッコリする瞬間でもありますねぇ~。

治療後、即時効果で、全ての症状が魔法のように改善したのなら、患者さんも、鍼灸師の僕らも、win-win の関係で、互いが気持ち良く過ごせると思いますが、時として理想と現実が違う時もあるんですよねぇ~。

鍼灸の治療は「すぐに効いた!」という即時効果を感じれなくても、車のギアチェンジの如く、時間の経過とともに、効果が現れ、症状が軽減していくものです。

これは、鍼灸の治療が身体に備わっている、病気を治す力…。所謂、自己治癒力を引き出して、その機能を上手く働かせる事で、身体を健康状態にもっていく治療なので、患者さんに体力があり、身体が健全であればあるほど、即時効果を体感できますし、身体が弱っている人は、やはり…効果を感じるのが遅くなる。…そんな感じなんですよねぇ~。

薬も同じように、薬の効果を利用して、身体に備わっている、自己治癒力を引き出して、病気を治していくわけですが、薬は…もとはと言えば毒な訳で…、毒の成分を有効利用して身体を治す方法ですから、薬に頼ったり、分量を間違えると、身体にとっては毒にもなりかねない訳なんです。

「毒になりかねない…」という点においては、鍼灸も外的刺激なので、過剰な刺激は身体を傷つける事になり、長期にわたる過剰な鍼灸刺激は身体にとって害にもなります。

ただ一つ、薬と鍼灸の違いは…

薬の場合は薬効成分により、身体の機能を調節するんですが、過剰に薬に頼り過ぎると「今まで効いていた薬が効かなくなる…」という副反応が起こります。これは薬に対しての耐性が出来てしまい、薬がターゲットにしているタンパク質の量が減ってしまったり、過剰に薬を摂取する事で、身体が薬効成分を余分なモノと判断して、身体から排除するスピードが速くなったりする事で薬が効かなくなったりします。

鍼灸の場合は、少し前に説明した通り、外的刺激で、身体に備わった身体の修復機能を調節する治療なんですよねぇ~。薬と違うのは、弱い優しい刺激の方が、身体に備わった修復機能を高めやすいって事なんです。優しい刺激って所謂、患者さんにとって、気持いい刺激なんですよねぇ~。

ただ…、人それぞれ、色々な性格や気質が違うのと同じで、一言で「気持いい刺激…」と言っても、人それぞれ、気持ち良さって違うんですよね!

何を気持良いと感じるか!?…どれくらいの刺激が、その人にとって気持ち良い刺激なのか?…気持いい刺激量も個人個人で違います。例えて言えば…、辛い食べ物が好きな人は、辛い食べ物を好みますし、辛いモノが苦手な人は出来るだけ辛くないモノを選びますしね!

…千差万別、十人十色、人それぞれなので、鍼や灸の刺激も一定ではないんですね!…治療的にはそこが難しいポイントになります。

薬の場合、過剰摂取すると耐性が出来て効かなくなりますが、鍼灸の場合は、気持いい治療の方が身体の修復機能を高めるわけなんです。そこで思うんですけど、気持ちよさに過剰摂取制限って必要なんだろうか?…って思うんですよね!?

…まぁ~、何事もやり過ぎはよくない事だとは思いますが、気持よさの過剰摂取は、薬の過剰摂取のように神経質になりすぎる必要はないという所が、薬と鍼灸の違いだと思います。

やはり…、気持いい刺激って、いつでもどこでも、短いより長い方が、気分的にも嬉しいですよねぇ~。なんていうか鍼灸治療って「身体を褒めて伸ばす」…そんな感じの治療なんですよねぇ~。

もしかすると…

「嘘~~~!鍼灸治療を受けた事があるけど、痛かったぜ!…気持いいなんて思いもしなかった…」

…って言ってる人もいらっしゃると思いますが、症状によっては、患者さんが痛がる事を覚悟して、患部やポイントやツボに鍼をしなければいけない事もあります。ギックリ腰や腰痛、五十肩や首の寝違いなどは、ターゲットの筋肉を緩める必要があるので、鍼灸の刺激を少し我慢してもらう治療になります。

例えて言えば…、教育や子育てと同じで「褒めてばかりいても人は育たない…。時には叱ることも必要…」

そんな感じですかねぇ~。

薬物治療にしても、鍼灸治療にしても「過ぎたるは及ばざるがごとし…」全てに於いて、やり過ぎはダメ!…っていう事ですよね!

やはり、大事なのは、いかに身体が丈夫か?…もしくは、快復力が高い身体なのか?…が一番のポイントになるんですよ!

治療が終わって、精算を済まして、帰られる時に、即時効果を感じられず、苦虫を噛み潰したような表情で…痛みを我慢してらっしゃる患者さんに対して、いつも…何て声をかけたら良いのだろう?…って考えるんです。

「3歩進んで2歩下がる…」

鍼灸治療を受けていて、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返したりする事があると思うんですが、確実に1歩は進んでますから、焦らず、身体の快復力が高まるイメージを思い浮かべ…、悪い部分に血液が流れて行って、老廃物を運び出し、傷を修復していくイメージを思い浮かべて過ごしていると、必ず身体の回復力は高まります。

「イメージって大事ですよ!…焦らないで。」…と伝えるしかないんですよねぇ~。

…でもね!本音はね…

即時効果で、魔法のように痛みが取れて、win-win の関係で治療院をあとにしてもらえたら、どんなに気持いいだろうなぁ~って思うんですよねぇ~…(^^;)

自分の型…(鍼や灸は怖いけど、あそこの鍼灸院だったら、行っていいかな…)

先日、相撲の九州場所、初日を観に行ったんです。

九州場所前にウチの治療院に、身体のメンテナンスに来てくれている、竜電さんは、初日は惜しくも、佐田の海さんに負けてしまいましたが、解説者の方が言われている、竜電さんの型…。下から当たって回しを取るという型は崩れてなかったので「よし!勝てる!」と思ったんですけどね…。佐田の海さんが、上手く左右に動いて寄り切られてしまいましたね…。

観ていて「負けちゃったかぁ~」とも思ったんですが、しっかり、竜電さんの型が取れてるって事は、調子が良いって事だと思うので、勝負は時の運って事で、この負けを次に活かして欲しいと思っていたら、翌日の取り組みは勝ちましたね♪…(^o^) 良かった!良かった!

※3日目の vs千代翔馬との取り組みは、治療中だったのでリアルタイムで観れませんでしたが、負けちゃいましたね…。でも、立ち会いは悪くなかったと思います。

先日、場所前に来られた時に、治療中の会話の中で「TVで相撲を観てると、竜電さんの型って、下から突き上げて相手の回しを取るって解説者が言ってましたが、対戦相手は全員、その事を知ってる訳ですよね!…、そうなると対戦相手は、どのような対策をとってくるんですか?」って尋ねてみたんです。

すると…「相手は、下からぶつかって来る事を知ってるから、捕まらないように、左右どちらかに変化するんだけれども、その動きについていけなければ、自分が前に転けちゃう事になるんです…」って言われてたんですよね!

「なるほどなぁ~…サッカーのPK合戦のゴールキーパーと同じで、蹴る相手が、どちらに蹴ってくるか迷う感じに似てますね!?」って僕が言ったら、「そうそう!」って言われてました。

サッカーのPKで言えば、蹴る側がゴールを決める確率は80%以上で、キーパーがボールを止める確率は…確か20%に満たなかったと思います。…いわゆるキーパーが断然不利なわけですよね!

PKの場合は、ボールの大きさと、ゴールの広さの関係から、守る範囲が広すぎるので、キーパーが断然不利になるわけですが…

それでも、PKに強いキーパーって、相手が蹴るギリギリまで相手を観察して、蹴る瞬間、軸足をどちらに向けるか?身体のどこに力が入っているか?身体の向きは?…などを見極めたうえで、推測してボールを止めるらしいんですよね!

竜電さんも、僕の「サッカーのPKみたいですね!」という言葉に「そうそう」と言われて、それ以上の事は言われませんでしたが、サッカーのPKに強いキーパー同様、取り組む前に、当然、相手の立ち位置や身体の向きなどを観察していると思うんです。

相撲の幕内力士って、トップアスリート同士の、ぶつかり合いなので、相手は、右から攻めようか…左から攻めようか…、はたまた変化しようか…、など、取り組み前に、そんな情報は表情や仕草にも出さず、心を読まれないようにしている事でしょう。

そうなると、大事なのは、自分の技の型を崩さず、相手を自分の得意領域に、どうやって引きずり込むか…。いわゆる「分かっているんだけど、何故か…そっちに行ってしまう…」的な、蟻地獄のような空間を生み出せれば、自分の型が活きてくるわけですよねぇ~。

自分の型を崩してでも、勝ちを取ろうとすると、その時は奇をてらって勝てたとしても、自分の型が崩れてしまうと、なかなか元に戻せず、次から何をしたら良いのか迷ってしまって、負のループに陥ってしまうような気がするんです。

これって、全ての事に当てはまる事だと思うんですよねぇ~。

鍼灸治療も同じだと思います。

鍼灸の場合は「型」というより、「考え方」ですね!

鍼灸にも色々な流派があるように、それぞれ流派の考案者が、病気をどう捉えて、どう治すかを、色々な考え方で思考し、年月をかけて、幾人もの人が練り上げてきたものが流派であって、その流派の考え方を学び、咀嚼して、各個人、個人が…、自分なりの考え方を作り上げる。これが現代の鍼灸の『型』だと思います。…何も教わった事を、後生大事に守り抜く…という事では無いと思うんですよねぇ~。

鍼灸治療で痛みを取ったりする事は出来ますが、痛みを取るだけが治療じゃないですもんねぇ~。患者さんが、また同じような痛みに悩ませられないように、患者さん自身に、自分の身体の状態を理解してもらい、食生活の改善や、生活改善してもらったりする事で病気は治るわけですから、そこまで含めてが治療だと思うんですよねぇ~。

ここで大事なのが、自分の治療の型なんですが、…普通に考えると、型を沢山持っていた方が良い!…って思うんですけど、型って、そう簡単に習得できるものではないんですよねぇ~。

コレは良いなぁ~と思っても、だいたい…技術や思考の構築って習得できるまでには時間がかかります。習得するには…早くて4~5年、一般的には10年は時間を要すると思うんですよね。習得できなければ、また新たに別なモノを見つけなければいけない…。

この…、思考や技術って、教わっただけでは、まだ付け焼き刃なんですよねぇ~!…学校や勉強会で教わった事は、それを再現できたとしても、所謂、モノマネの領域で、『自分の型』と呼べる代物ではない。「付け焼き刃は剥げやすい。」…って、昔の人はよく言ったものだと思います。

教わった技術や思考を自分の中に落とし込んで、その上で、試行錯誤しながら、鍼の使い方や、お灸のタイミング…、患者さんへの声かけのタイミングなどなど…、色んなパターンや、タイミングを会得して、初めて、人様に提供出来る『自分の型』が出来上がるわけなんですよねぇ~。

「鍼や灸は怖いけど、あそこの鍼灸院だったら、行っていいかな…」って、患者さんに思ってもらえるようになった時、認められた…というか、…初めて治療者として『自分の型』が出来上がっているって事になるのかも知れませんね。