刺絡を鍼灸師が分かりやすく解説します

刺絡|井穴刺絡||猫背|福岡市|早良区|acupuncture

刺絡|井穴刺絡||猫背|福岡市|早良区|acupuncture

血管も太いのもあれば細いのもあるわけですが、刺絡の場合は毛細血管の血行改善を目標にしています。皮膚刺絡では吸玉というガラスの器具を使うんですが、このガラス器具を使い陰圧をかける事により「血液をたくさん取る」と勘違いしている人も多いように思うんです。

実はそうではなくて、陰圧をかけることで血流改善の効果を倍増させる目的で吸玉を使います。毛細血管の内圧を変化させる事で血流の改善をはかる道具が吸玉なんですよね。刺絡の場合、刺絡初心者の鍼灸師や刺絡を行った事がない鍼灸師は、血液を取る事にとらわれがちですが、出血はあくまで副産物的なモノだと考えた方がいいと思います。

老人の猫背に刺絡

”猫背” と“円背” …厳密にはカテゴリー分けがあるみたいですが、一般の人からしてみれば「背中が丸くなる事」という括りで知られている症状ですよね…。

猫背になる原因としては年齢別で色々とあると思いますが、年配の方で背中が丸くなっている人って結構、多いんですよ。年を取ってなくても30代~50代で肩凝りや首凝りや腰の痛みの原因を探れば、だいたいの方が徐々に骨盤が後ろに倒れる “骨盤後傾” という状態になり、前傾姿勢で動く方が楽になるので自然と腰や肩甲骨内側や肩や首が凝っちゃうんですよねぇ~。

若い頃なら丸まった猫背も自力で伸ばす事が出来ますが、年を取ってくると少しずつ変形が起こってくるので、だんだん背スジを伸ばすことも出来なくなり背中が丸くなってしまうんです。そうなってしまうと背中や肩や首の凝りが普段以上に強くなり、鍼灸院に駆け込まれる方が多くいらっしゃいます。

初期の症状の頃なら鍼やお灸の施術で対応することができますが、だんだん猫背や円背が酷くなり、肩や背中や首への負担が強くなり慢性化すると、今まで鍼や灸の施術で取れていた痛みも、なかなか取れなかったりするんですよね。

刺絡|井穴刺絡||猫背|福岡市|早良区|acupuncture

今まで丸まっていた背スジがピン!とすぐに伸びる訳ではありませんし、猫背や円背の老人が術後に急に背スジを伸ばしてシャキシャキ歩くわけではないんですが、背スジを伸ばして歩かなくても筋肉の負担を軽くする事で日常生活が随分楽になる事は確かです。

「なんとなく楽だゎ」…というような感じです。

猫背や円背の患者さんに鍼灸をしていて感じるんですが、鍼やお灸でも症状を軽くする事が出来なくなってきた場合、猫背や円背の患者さんに対しての刺絡って患者さんから結構、歓ばれるんですよ。刺絡は強制的に血液循環を良くする方法ですから、背中や肩の筋肉を緩ませるにはもってこいなんですよね!

猫背が治る訳ではありませんが刺絡をする事で筋肉の負担を軽くして日常生活を楽にするって、とても重要な事だと思います。老化を止めることが出来ないのは誰もが理解してる事ですが、日々の暮らしを楽に過ごせるようにするってとても大事な事だと思うんですよね。

 

高熱の時の井穴刺絡

井穴刺絡という指先のツボに対して行う刺絡があります。

この井穴刺絡は色々な症状に使えるんですが、僕が学会に所属してた頃、「体温の調整に好影響を与える」と教えられました。(当時は熱が出た時に上がった体温を下げる時に使う!…って教えていた先生もいらっしゃったように記憶してます…。)

しかしながら、僕の経験上、風邪で37~39度出た熱が井穴刺絡をしたからと言って、数時間後に36度の平熱になる事はありませんし、よく考えてみればウイルスや細菌感染に対して体が発熱する事で対応しようとしている訳ですから、体が発熱してウイルスを撃退出来たら体温は自然に下がるはずですよね。

たとえ井穴刺絡で体温が下げれたとしても、ウイルスを撃退する発熱過程において無理矢理、熱を下げるのは良くないはずです。

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僕自身が経験してる事なんですが、井穴刺絡で熱は下がりませんが、呼吸が楽になるんですよねぇ~。風邪での発熱で、37度や38度で呼吸がつらくなる事って無いんですけど、体温が39度を超えると呼吸がつらくなります。「フゥ~……フゥ~」って感じの呼吸の辛さです。(オノマトペで言うと「フゥ~……フゥ~」よりもっと呼吸がつらくなると「ハァ~…ハァ~」になるのかな…)発熱で39度を超えて呼吸がつらくなった時に井穴刺絡をすると、熱は下がらないけど呼吸は楽になるんですよ!…呼吸が楽になるとゆっくり眠れるんですね…。

僕はインフルエンザの時と食中毒の時に、自分で井穴刺絡をして呼吸が楽になる事を4回ほど経験しました。そう言えば、まだ僕が刺絡の勉強をし始めた頃に読んだ本の中で、第二次大戦中に南方の戦地でマラリアを発症した兵士に対して特効薬のキニーネが無くなった時、井穴刺絡で対応していたというくだりを読んだ事がありますが、この事と僕の実体験を合わせると、基本的に高熱の時に井穴刺絡を行えば、熱が下がるというのではなく、呼吸を楽にする事で体力を温存させ乗り切るという解釈の方が正しいように思います。

まぁ~高熱が出て鍼灸院に来られる方はいらっしゃいませんし、鍼灸師でも刺絡をされる方は少ないので、この発熱に対する井穴刺絡の効果や、恩恵を実感できるのは刺絡をしている鍼灸師…もしくはその家族くらいしかいないんでしょうが、高熱が出た時に呼吸が楽になるのは事実です。

捻挫に刺絡

まずは捻挫と打撲の違いについてですが…
捻挫は可動域以上の負荷が関節にかかり傷めてしまうものを言い、捻ったりした方向に動かすと痛みが酷くなったりします。打撲は転んだり、何かにぶつかったりして組織を損傷してしまったものを言うんですが、ともに症状が酷い場合には靱帯や骨にまで損傷する事があるんです。

まぁ~どの症状や病気にも程度というモノがあるので、軽い捻挫や打撲もあれば、重傷化する捻挫や打撲もあるわけです。基本的には、軽度のものだとRICEと言って

1.Rest(安静)
2.Ice(冷却)
3.Compression(圧迫)
4.Elevation(挙上)

を基本処置としています。

皮膚表面に腫れや炎症などの変化が見られなくても、内部で内出血や炎症が起こっている場合もあるので、損傷部位を拡大させない為にも、とりあえず初期の処置として” 安静・冷却・圧迫・挙上” を行います。

ケガをして24~48時間以内は風呂などに入って患部を温めない方がいいですし、RICEの処置をしても痛みが増すようなら病院でレントゲンなどの検査を受けて骨折が有るか?無いか?を調べる方がいいと思いますが、レントゲンで骨折がなくても腱の損傷などの場合は時間の経過とともに痛みが増す場合もあります。

軽い捻挫や打撲の場合は鍼灸療法で対応できるので、「転けてココが痛いんだけど…」とか「打ち身が出来てしまって鬱血して痛いんだけど…」という場合は症状の程度を見極めて、鍼灸で対応できるモノは施術しています。

しかし…、骨折が隠れている場合があるので、出来れば病院で骨折の有無を判断してもらってからの鍼灸施術が望ましいんですが、「病院より鍼灸の方が効果があるから…」と捻挫や打撲で鍼灸施術を受けに来られる人もいらっしゃるんですよねぇ~(苦笑)

以前来られた患者さんで…1年前の春頃に腰痛で3回ほど来られていたんですが、久しぶりに連絡があり「昨日、娘の電動自転車に乗っていて転んでしまい自転車の下敷きになり右の足首を捻って、昨夜は痛くなかったんだけど、今朝から急に痛くなってきて…鍼灸で何とかなりませんか?」と仰る。

患部を見ないとわからないので、とりあえず来院してもらって患部を見たら、明らかに左の足首に比べて右の外踝が腫れていて、痛いと言われる場所に内出血がありました。

話を聞くと、乗り慣れていない電動自転車で転けてしまい、足首を底屈した状態で自転車の下敷きになってしまったらしく、1日過ぎた状態でも足首を底屈すると痛いので、歩くときにつま先を着かないように、踵だけで歩いているとの事…。御本人曰く、「体重を足首にかけても痛くないから骨折はしてないと思う…」との事でした。

まぁ~僕としては万全をきす為に、骨折が有るか?無いか?レントゲンを使って病院で骨折がないか調べてきて欲しかったんですが、患者さん曰く「以前、こんな感じで病院に行ってもレントゲンで骨折がなくても、牽引されたり、湿布を出されたり、リハビリさせられたりで、治るのに時間がかかったから…鍼灸ならなんとかなるかな…って…」…と仰る。

腫れてはいるんだけど、体表観察した限りでは軽傷の捻挫と判断したので、「もしも明日までに痛みの軽減が無かったり、痛みが酷くなっていたら整形外科に行って下さいね!」…という条件で、腫れている患部に皮膚刺絡を施しました。足首だったので2号の吸角が役にたったんですが、施術後に歩いてもらうと「足首の底屈をしても、まだ少しは痛みはあるけど、とても楽に歩ける!」と言われるので、3日後にもう一度、来てもらったんですが、日に日に良くなっていて、今は患部を押せば少し痛いけど、歩くのには何も問題ないとの事でした。

刺絡…。ここぞ!という時に役にたちます。

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(外部関連リンクサイト)

刺絡療法について(J-Stage)
日本における刺絡鍼法の歴史的背景について(日本刺絡学会)
刺絡(日本医史学会)
日本刺絡学会
鍼術における刺絡鍼法に関する質問主意書(参議院 第162回 国会)
荻野元凱 刺絡編(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ)

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