めまいとメニエルを鍼灸師が分かりやすく解説します

めまい|メニエル|福岡市早良区|鍼灸院|acupuncture

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”めまい”  の原因は、耳の場合と、脳の場合とに分類されています。

おおよその割合ですが、 “めまい” は耳が原因の場合が60% 脳が原因の場合が40%らしいんですよね。脳が原因の  ”めまい”  は、もちろん鍼灸対象外ですので、鍼灸で  ”めまい”  の対象となるのは、残りの60%の耳が原因で起こる  ”めまい”  になります。

耳が原因の  ”めまい”  は「良性発作頭位めまい症」と「メニエル」と「前庭神経炎」に分類されるようですが、前庭神経炎はウイルス感染によって第8脳神経の分枝が炎症を起こす事で起きる  ”めまい”  と考えられているので、鍼灸の対象としては除外すべきだと考えます。前庭神経炎の症状としては、突然の激しい回転性のめまい発作が特徴で、耳鳴りや聴力に影響はないようです。

…という事は、鍼灸で対応できる  ”めまい”  は良性発作頭位めまい症とメニエルによる  ”めまい”  という事になります。

ある…お医者さんによると、患者さんが「私… ”めまい”  がするので、メニエル病ではないですか?」と言って病院に来られる人が多いらしんですが、90%はメニエル病ではなく、残り10%がメニエル病だそうです。

良性発作性頭位めまい症とメニエル病の発生機序は違うんですが、共通しているのがストレスが強く関わっています。…という事は、鍼灸の得意とする自律神経の調節が効果を発揮するわけです。

良性発作性頭位めまい症とメニエル病ともに、症状は回転性の  ”めまい”  であったり、症状が酷い人は吐き気が起こったりしますが、良性発作性頭位めまい症の場合は  ”めまい”  は数分で治まり、メニエルの場合は症状が数時間続きます。

良性発作性頭位めまい症の発生機序

良性発作性頭位めまい症の場合は耳石というカルシュウムの塊が、通常、位置している場所から剥がれてしまい、平衡感覚をつかさどる三半規管に耳石が入り込む事で  ”めまい”  が起こるんですね!

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耳石はカルシュウムで出来ているので、数週間で自然に消失するのですが、消失するまでの数週間は、頭を動かす事で耳石が動き、突発的に ”めまい” が起こるので、日常生活に支障をきたしてしまいます。

骨粗鬆症などは、カルシュウム不足とされているので、閉経後に女性ホルモンの分泌が低下して、さらにカルシュウム不足となり、耳石が剥がれやすくなる場合と、外的刺激など頭にケガをしたり、頭に衝撃を受けた人に起こりやすです。

メニエルの発生機序

メニエル病は浮腫で起こります。内耳リンパの浮腫で起こる病気です。

内耳には音を聞く細胞が詰まっている「蝸牛」と、平衡感覚をつかさどる「三半規管」と、耳石がある「耳石器」があるんですが、蝸牛の部分が浮腫むと ”めまい” は感じずに、難聴っぽくなったり、浮腫が弱いと耳が詰まった感じや、耳鳴りを感じる事があります。

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三半規管や耳石器が浮腫むと難聴や、耳が詰まった感じや、耳鳴りを感じる事なく  ”めまい”  のみを自覚します。主に片耳が原因の人が多く、両耳の場合も20~30%はあるようです。

以上の事を考慮すれば、メニエル病は浮腫が原因なので、蝸牛の部分に浮腫が起こり、難聴や耳が詰まった感じや、耳鳴りがする人は、浮腫の症状が悪化すれば三半規管も浮腫む可能性が高いために、出来るだけ耳の周囲や首回り、肩などの血流改善を行った方がいいと思います。

どのように”めまい”を治すのか?

良性発作性頭位めまい症の場合は、頭や体の位置を変えて三半規管の中に入っている耳石を、三半規管から取り除くエプレイ法という方法があります。(例えて言えば、頭を動かして平行器の空気の泡を動かすような感じです。)

エプレイ法のやり方

※耳石が動く時に必ず ”めまい” の症状が出ます。

仰向けに寝て首を左右に動かす。…または寝返りをするように、体を左右に傾けて寝てみると、どちらかで  ”めまい”  が起こります。もし右側を向いた時に ”めまい” が起これば、右側の三半規管に耳石が入っていると考えられます。

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例)右側の三半規管に問題があるとすれば…

①まず…ベッドに座った状態で、体はそのまま….。頭を45°くらいの角度で右を向き、首はそのままで仰向けに寝る。

②仰向けに寝た状態で首は右向き45°くらいの角度を10~30秒キープする。(この状態で ”めまい” が起こり気持ち悪いかもしれませんが、 ”めまい” が消えるまで我慢して下さい。おおよそ10~30秒間で ”めまい” は治まりますが、基本は  “めまい”  が消えるまで維持します。)

③”めまい” が治まったら、仰向けに寝た状態で、左斜め45°に首を動かし10~30秒キープする。(この時点でも、 ”めまい” を感じても、 ”めまい” が治まるまで我慢して下さい。)

④次に首は左斜め45°を維持した状態で、寝返りをうつ感じで体を左に向け10~30秒キープする。

⑤次に頭は動かさず…首は左斜め45°を維持し、手を使い体を起こして、座った状態になります。

⑥座ったまま頭は下を向き10~30秒キープする。

⑦…以上で終了。

鍼灸院でも良性発作性頭位めまい症の患者さんにはエプレイ法を取り入れてますし、良性発作性頭位めまい症の患者さんは、共通して肩や首のコリが酷い状態の方が多いので、エプレイ法に加えて鍼灸で肩や首のコリを取る事で効果を高めています。

メニエル病の場合は原因がリンパ浮腫ですから、浮腫を取るために、血液循環を良くしなければいけません。鍼灸で首まわりのコリを取り、耳まりの血流を良くしますし、刺絡で直接、血流にアプローチして浮腫を取り除く方法もあります。

良性発作性頭位めまい症、メニエル病ともに、”めまい” の発作前は交感神経が緊張して、呼吸が浅くなってる事が多いようです。三半規管はストレスに弱く、疲れや寝不足、季節の変わり目が引き金になって  ”めまい”  が起こると考えられます。

鍼灸は自律神経の調節に効果的ですから、交感神経が緊張して、呼吸が浅くなり、ストレスを感じた時や、疲れや寝不足だな…と感じた時などは、”めまい” が起こる前に出来るだけ早く鍼灸を受けて  ”めまい”  を回避した方がいいと思います。

対策が手遅れになって、”めまい”  が起こっても、浮游する耳石を移動させるエプレイ法や、リンパ浮腫を早く終息させるように、鍼灸を受けられる事をオススメします。

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(外部関連リンクサイト)

めまいと循環器病(循環器病情報サービス)
浮動性めまいと回転性めまい
めまいとメニエール病(サワイ健康促進課)
まずは安静に-めまいが起こったら(日本医師会)
めまいについて(逓信病院)
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