頭痛を鍼灸師が分かりやすく解説します
頭痛持ちの人って多いですよね!
頭痛に悩まされている人の共通点と言えば『痛み止めの薬を常用している』『肩と首がガチガチに凝っている』『目の疲れがある』といったところでしょうか…
頭痛も命にかかわる頭痛と、命の関わるものではない通常の頭痛に分類されます。
命にかかわる頭痛とは、脳疾患などが原因の危険な頭痛で、特徴的な症状としては…
・頭痛が徐々に強くなる、
・いままでの頭痛とは少し違う
・身動きできないほど激しい頭痛
こんな症状の場合は、すぐに病院に行くべきなので、もちろん鍼灸の適応外です。
こんなに酷い症状ではなくても「もしかしたら脳に異常があるのかも?」と不安になり、脳神経外科に行き「異常ありません」と言われたけど、頭痛が続くんですよ!と言われて鍼灸院に来られる患者さんも多くいらっしゃいます。
僕ら鍼灸師としても、脳神経外科のお医者さんから「異常なし」と言われた頭痛に関しては、脳疾患の疑いを除外できるので、安心して患者さんの頭痛に対処できます。
緊張型頭痛⇒凝り⇒血行不足
偏頭痛・群発頭痛⇒血管拡張
鍼灸が対応できる頭痛は、『緊張性頭痛』『偏頭痛(片頭痛)』『群発頭痛』の3つが挙げられると思います。
緊張性頭痛は首と頭の周辺の筋肉の凝りを取れば治ります。偏頭痛(片頭痛)に関しては発生機序がだいぶ解明されていて、自律神経の不調が大きな割合で関わっています。群発頭痛は偏頭痛(片頭痛)の発生機序に似ていて、偏頭痛と同じく原因は血管の拡張なんだけども、場所が特定されていて、目の後ろの血管が拡張することで起こるのではないか?…と言われていますが、まだハッキリと原因は解明されていません。
『緊張性頭痛』『偏頭痛(片頭痛)』『群発頭痛』と分類されてますが、臨床的には、緊張性頭痛だけの頭痛もあれば、緊張性頭痛と偏頭痛(片頭痛)がミックスされている頭痛もあり、複雑な感じの頭痛も少なくないので、ミックスタイプや偏頭痛(片頭痛)群発頭痛の場合は治すのに時間がかかる場合も多いです。
緊張性頭痛の人は…
緊張性頭痛の人は筋肉の凝りが原因で起こるので、筋肉への血流を良くするために、自律神経の副交感神経を優位にして血行を良くする事で改善できます。
偏頭痛(片頭痛)や群発頭痛を訴える人は…
偏頭痛(片頭痛)や群発頭痛を訴える人って、血管が拡張し血管周りの神経が過剰に反応する事で頭痛が起こるわけですから、自律神経の交感神経を刺激すると血管が収縮して血管拡張が抑えられるので頭痛から解放されます。
偏頭痛(片頭痛)の場合、リラックスしてる休日になると頭痛が起こるけど、仕事モードで集中すると頭痛を感じなくなるという人の話をよく聞きますが、仕事中は交感神経優位で戦闘モードなので血管拡張が抑えられ、休日になるとリラックスするために、副交感神経が優位になり血管が拡張する事で頭痛が起こる。…こういう機序になる訳ですよね!
…と言う事はリラックスすると頭痛が起こるわけですから、ず~とリラックスできずに、息つく暇もなく生活するしかなくなる訳です。そんな生活を続けていると体が参ってしまうので、体が体調不良という危険信号を発し、色々な症状が現れたりします。
こうなってしまうと、症状が複雑になり、治すのに時間がかかってしまうので、頭痛を痛みを止めの薬でやり過ごすような事はせず、早めに対処した方がいいですね!
首や肩が凄く凝ってませんか?
痛みを感じてなくても首や肩が凄く凝ってる人など山ほどいらっしゃいますし、偏頭痛の前兆で起こる閃光暗点(目のチカチカ)も、脳の虚血症状(脳への血流の悪さ…)で起こるとされてます。
緊張型頭痛も偏頭痛(片頭痛)も群発頭痛も、始まりは血行不良が原因と考えてよさそうです。この血行不良を放っておくと、筋肉を弛緩すればすぐに治るような緊張型頭痛から一段階上の、症状が重い偏頭痛(片頭痛)や群発頭痛に移行してしまう可能性もあります。
緊張型頭痛がなぜ起こるか?緊張性頭痛の治し方
姿勢が大事…
これに関しては、姿勢でしょうねぇ~。他のページでも同じような説明をしていますが…、
正常な姿勢の場合、頭の重さは4.5kg~5kgあるそうなんですが、頭が5cm前に出ると、正常な姿勢で4~5kgの頭の重さを支えている首や肩の筋肉にかかる重さが13.5kg。7.5cm前に出ると18kgの重さが肩や首の筋肉にかかるわけです。
18kgって4~5歳の子供の体重ですから、デスクワークで座り仕事…、骨盤が後ろに倒れて背中が丸まり頭が前に傾くような姿勢で1日中過ごすと言う事は肩首に4~5歳の子供を肩車した状態で18kgの負荷を首や肩にかけて、毎日仕事をしている事になるわけです。
この話しを聞けば、首や肩が痛くなる理由はおわかり頂けると思います。
じゃあ…首の痛みを無くすには…、姿勢を良くする事!!!
…なんですが、癖と一緒でなかなか姿勢を直すのは難しい。
なので、鍼灸で固くなっている筋肉を緩め、姿勢を直すよう指導していきます。首が痛くなる理由は骨盤・背中。肩と多岐にわたりますので、首が痛いから…首が凝ってるから、首だけに鍼灸をして首の筋肉を緩めても、ひと時は楽になりますが、土台が歪んでいると上物が不安定になる道理と一緒で、すぐに首が痛くなります。
ですから、緊張性頭痛を治す場合、土台である骨盤の後傾や猫背を治す必要があります。
もう一つ言うと、首が痛くなり、首にコリが生まれると目の痛み、目の疲れが酷くなり、それと同時に頭痛が頻繁に起こるようになるんですよね!
首に痛みやコリを感じたり、目の疲れを感じた場合、まず首のコリを鍼灸で取る事をオススメします。コリを取って筋肉をフラットな状態に戻しながら姿勢に気をつける。これが一番いい方法だと思うんですよねぇ~。
偏頭痛(片頭痛)・群発頭痛の治し方
自律神経がアンバランス…
偏頭痛(片頭痛)や群発頭痛の場合は、「血管拡張で頭痛が起こる」「リラックスすると頭痛が起こる」訳ですから、リラックスできない状態を保たなければ頭痛が起こる状態って、どう考えても変ですよね!?
人…動物は自律神経に支配されて生きているので、その自律神経がアンバランスになっているって事は、自律神経のバランスを整えてやらない限り偏頭痛(片頭痛)や群発頭痛からは解放されません。
…という事は生活パターンを変えていく必要があります。
因みに…鍼灸で交感神経を優位にする場合は強刺激を体に与える施術になるので、いわゆる響きといわれる、通常のズ~ンとかビ~ンって鍼をした際に少し感じる軽い刺激の、もっと強いバージョンの刺激を体に与えると交感神経は優位になります。鍼灸で交感神経を優位にすることは一時的には可能ですが、基本的に動物が生きていく上で交感神経を優位にし続けて生活していくなんて無理な話しです。
鍼灸で交感神経を優位にしたとて一時的なものなので、根本的に偏頭痛(片頭痛)や群発頭痛を治す場合は運動したり、早寝早起きだったり、ストレスを溜め込まないような生活改善が必要ですね!
生活改善をしていると、普段慣れない生活を強いる訳ですから、疲れや色々な体調不良が現れるので、鍼灸でバックアップしてサポートしていきます。
《外部関連リンクサイト》
※ 頭痛に関しての外部のホームページのリンクです。
《はりきゅうふくた リンクサイト》
※ 鍼灸や健康に関して、はりきゅうふくたのHPのリンクです。
《鍼灸師が分かりやすく解説します》
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院長
福田 徹 1965年生まれ
2003年 国家資格 鍼師灸師免許取得