『サーノ博士のヒーリング・バックペイン 腰痛・肩こりの原因と治療』を読んで…思った事…

本の帯には「アンドルー・ワイル博士推薦 腰痛、肩こり、関節痛患者が最後に読む本。 投薬、手術、物理療法によらない画期的治療プログラム!」…と書いてあります。

アンドルー・ワイル博士って…誰???(^^;)…ネットで調べてみると…

アメリカ合衆国の健康医学研究者、医学博士。伝統中国医学など代替医療の伝統も取り入れ、人間に本来備わっている自然治癒力を引き出すヘルスケア・システムである統合医療を提唱している人…

…とあり、現在、81歳なんだそうな。

この本はジョン・サーノという博士の訳本なんですが、この本によると緊張性頭痛、片頭痛、胸やけ、食道裂孔ヘルニア、胃潰瘍、大腸炎、痙攣性大腸、過敏性大腸症候群、花粉症、喘息、湿疹など…様々な症状は、TMS(緊張性筋炎症候群)と呼ばれる現象で起こり、TMSは心の緊張が原因で起こると定義しているようなんですね!

因みに…○○症候群と、「…症候群」が付く病名は原因がハッキリとは分かっていないんだけれど、お医者さんが診断する時に、カルテに病名を記載しなければいけないので、…○○症候群と、仮の病名というか、病名に準じて使う医学用語として、色々な症状で使われている言葉なんですよねぇ~。

この本の、サーノ博士によれば、TMSを治すには、患者さんが自分の抱えている問題を自覚する事が必要だとしていて、心の現象が身体の症状として現れているのがTMS…なんだそうな。

また…こんな事も書かれていました。

現代医学は、身体はきわめて精巧にできた機械とみなされ、病気は感染や外傷、遺伝的欠損、老化、癌などにより生じた機械の故障とみなされる。

心に関しては数値測定したりできないので、現代医学は無視を決め込み、健康や病気には、どうも、あまり関係がないようだと信じる事になってしまった。

…との事。

あぁ~なるほどなぁ~…そう言えば、いつだったか、ある人から聞いた話しでは、医学の世界で科学的に解明できない事は「遺伝的な事…」というパワーワードで納得する傾向にある。…って聞いた事があるけど、これと同じように、宗教的には、理解不能な物事に対して、原因は「カルマ(所謂…業です)」というパワーワードで全てを治めるのと似てるよなぁ~…(^^;)

この本によると、1982年に背腰痛の患者さん177人を対象に,どの世代に背腰痛が多いかを追跡調査をしたところ…

(77%:30歳~50歳)(9%:20歳代)(2%:10歳代)(7%:60歳代)(4%:70歳代)…という結果になったらしいんです。

博士曰く…、

もし脊椎の退行変化(変形性脊椎症や椎間板変性が背腰痛の主因なら、ヘルニアや椎間関節症候群や脊柱管狭窄など…)は60歳~70歳代の人が多いはず…。

…この統計の数値から、背腰痛は器質的・構造的なものが原因ではなく「責任を負う世代(30歳~50歳)」に多く発症するという事は、心が原因の場合が多いのではないか…、と論じてます。いわゆる…不安や怒り…、個々の考え…,性格…、生活環境…、受け入れがたい感情…が原因だという事なんですねぇ~。

なるほどなぁ~…統計の数値だけで考えると、然もありなん…って感じですねぇ~。

本の後半で『監訳者のあとがき』で…

現代医学による診断が役にたたなくなると、人は非主流医学の代替医療に目を向けたがる。カイロプラクティック、オステオパシーなどがそうである。こうした方法においては骨盤に歪みがある証拠として下肢長差を問題にする事が多い。

…人間には利き腕もあれば、利き脚もある。人体は本来、左右対称には出来ていない。

…と書かれてあったんです。

たしかに!…ごもっとも…。

なんでも…、人が直立姿勢で立つ場合の重心点は、歩き始めは正中よりやや右側にあり、5歳頃になると、一度、正中に移動して、その後、徐々に左側に移っていくらしい。

これは右側にある肝臓が重いためなんですって!

歩き始めの時期は肝臓の重さを補正できないけど、徐々に重心を左に移すことで補正して、大部分の人は自然に左足が軸足になるんだそうな…。

本の後半に書かれていたんですが…

アメリカやカナダで発表されたガイドラインでも指摘されているが、慢性の痛みを身体的アプローチだけで解決するのは不可能である。治療に対する受動的な姿勢は、かえって慢性化を助長するという見方まである。

…とありました。

たしかになぁ~。…これは頷けるなぁ~。

…とはいえ、私は何もTMS理論が唯一絶対の治療法だなどと言うつもりはない。一つの理論に固執するあまり、その他の可能性に対して扉を閉ざすのは人間の性といえ愚かな事である。

…と、監訳者の人が、あとがきに書いてありました。

本の前半では、なぜTMSが原因で病気になるのか?という感じで解説されていたんだけども、本編の真ん中辺りから「こんな症状も…あんな症状も心が原因です!…今の医学は間違っている!!!」…と連呼している感じになり、読んでいて、「おいおい!ちょっと言い過ぎじゃない!?」…って思いながら読んでいたんですが、想像するに、監訳者の人も「誤解をまねきそうだから、ちょっと修正いれておこうかな…」と、「…とはいえ、私は何もTMS理論が唯一絶対の治療法だなどと言うつもりはない。」という一文を入れたのかな?…(^^;)…と思ったと同時に、この監訳者の人…何て名前なんだろう?と思い『著者、訳者、紹介』を見てみたら、長谷川淳史さんという人で『腰痛は〈怒り〉である』という本の著者だった。

そう言えば…14~15年前に腰痛治療で、ウチの治療院に通われていた患者さんが「先生!この本…知ってる?私…読んでみたんだけど、もう読まないからあげる!」と言って、本をくれたんですよねぇ~。そう言えば、『腰痛は〈怒り〉である』というあの本…どこに行ったんだっけ?…と本棚を見回したら、赤い表紙の本が僕の本棚で鎮座しておりました。…あぁ~…あの本を書いた人なのね!

この長谷川さん…曰く、

TMS理論は性格の問題点を指摘して改善しようというものではない。発症について自分に責任を感じる必要はまったくない。ただ抑圧されている不快な感情に気づく事が背腰痛の特効薬になると主張しているだけである。

…とTMS理論を説明していた。

確かに…、患者さんは背中や腰が痛くて通院しているのに、性格の問題点などを指摘されたら苛つく人も多いだろうし、治療者と患者の信頼関係が低下してしまう可能性もあるし「お前なんかに、そんな事言われたくないわ!!」…となる事は目に見えてるしねぇ~。

いかに患者さんに、自分自身の心の不安定さを気づかせるか…というのがポイントなんでしょう。

鍼灸というか東洋医学では「心身一如」という言葉を重視するんですよねぇ!

この言葉は東洋医学の言葉なのか?仏教の禅宗の言葉なのかは知らないんですが、「心と身体、肉体と精神は一つであり、切り離すことはできない…」という意味なんですよ…。

この「心身一如」という言葉を僕ら鍼灸師は、鍼灸の勉強をする時に教わるので、このTMS理論で言う「痛みの原因は心」という理屈は無理なく受け入れる事ができるんです。

ただね…

この本を読み進めていると、背腰痛などの痛みの原因は心以外に有り得ないと言わんばかりの内容になっているので「おやぁぁぁぁ~~~????」と思ったりもしました。

文部科学省のHPによると、科学は自然の事物・事象について観察・実験等によって原理や法則を見いだす。…とか、科学は完璧な間違いを見つけるのが得意…と思われていたり、言われていたりしてますが、過去の歴史を振り返ると、科学を万能だと思うと、しっぺ返しのように、結構、危ない事になる場合も少なくないので、科学は常に仮説と思って対応した方が良いって…、誰かが言ってたなぁ~。

臨床を長年やってると、TMS理論が言う「心が原因」かも…と思う患者さんを治療する事は、鍼灸師なら誰でもあると思います。

でも…心だけが原因だと決めつけてしまうと、視野を狭くしてしまい、治療が上手くいかなくなると思うんですよねぇ~。

鍼灸は基本的な治療として、鍼や灸を使い身体のコリを取る。そうすると身体が緩めば心も緩む。

身体が緩めば器質的・構造的な不具合も改善できますし、身体が緩んで心も緩めばTMS理論がいう「心が原因」という理屈にも対応できます。

やっぱ…鍼灸って理にかなっている治療法だなぁ~って思うんですよねぇ~

この本の前半は…「ふ~ん」っていう感じで読めましたが、後半はちょっと…「…ん?」って思いながら読みました。まぁ~『あとがき』でプラマイゼロって感じかな…(^^;) 全てを鵜呑みで信じる事は出来ませんが、こういう事もあると認識する事は必要だと思いますねぇ~。

「病気を治す」について一歩踏み込んで考えてみた…

「とは」検索で「医学とは」と検索してみると…

病気を予防して健康を維持することや、病気を治療して健康を取り戻すことを通じて、人の命を守り人生の質を向上させることを目的とした学問…

…と書いてあります。

ウィキペディアでは

医学または医科学とは、生体の構造や機能、疾病について研究し、疾病を診断・治療・予防する方法を開発する学問。

…と書いてありました。

まぁ~難しく考えずに「医学とは?」と問われると、「病気を治す学問」っていう答えでいいと思うんですが、何をもって「病気を治す…」「病気が治る事とは?」…どういう事なのか?と一歩踏み込んで考えてみたんです。

ちなみに…「病気が治ることとは?」…と検索してみると、

治癒は病気や怪我が完全に治ることを指し、「完治」と同じ意味になる。 しかし、「寛解」は症状が軽くなったり消えたりしたものの、それが一時的な可能性もあり、そのまま治るかもしれないが、また再発するかもしれないものを指す。 治癒の場合は、再発する可能性がないときに使う言葉である。 治癒には、「自然治癒力」という言葉もある。

…と書いてありました。

僕自身、鍼灸師になって感じている事なんですが、鍼灸師になる前までと、鍼灸師になって人を治療する立場となった、この21年間で「病気を治す」という考え方が変わったんですよ!

多分、多く人は「病気を治す」という事を「身体を元に戻す」という意味合いで捉えていると思うんです。

よく…アメリカは訴訟大国と言われます。何か不備があったりすると、すぐ訴訟を起こされる。医学や治療においても同じで、治らなかったりすると治療の不備を指摘して医者や病院を訴える。…そんな話しをよく聞きます。

戦後、日本も、随分とアメリカンナイズされているので、医療ミスや治療に対しての訴訟がニュースになったり、最近では患者さんを「患者様」と呼ぶ風潮が広がり、クレーマーと化した患者さんのクレームに右往左往さいているという話しを聞いたりします。

僕も子供の頃は「病気を治す」という事は「身体を元に戻す」という事だと思っていました。病気になったりケガをしたりしたら、お医者さんが手術をしてくれたり、薬を出してくれて、その薬を飲めば身体は治るものだと、子供の頃は思っていたんですよねぇ~。

でも、今は「病気を治す」⇒「元に戻す」という考え方は、間違っていると思うようになりました。

身体の回復能力がとても凄い人ならば、病気やケガでダメージを受けても、身体は元通りに回復する事はあると思います。なので、元気で若い人なら身体は元に戻るでしょう。でも身体の回復力が低下している人や、若くても元々身体が弱い人は、病気やケガでダメージを受けると、なかなか元には戻せない。

ケガや病気でダメージを受けると、100%の体力が80%までしか力が出せなくなったり、100%の体力が50%までしか出せなくなったりと…、歳を取れば取るほど、こういう現実に直面する事が多くなるんですよねぇ~。

でも、頭の中で、気持というか、脳裏では「若くいたい…」とか、「昔はこれくらい出来ていた…」と考えてしまうから「病気を治す」という事は「元に戻す事だ…」という考えになってしまうんだと思うんですよ…。

…この21年間、東洋医学を学び、鍼灸師として、人の身体を治療して感じてきた事をまとめると、今の僕の考えとしては、

「病気を治す」⇒「バランスを整える」という事だと思うんです。

もともと100%のパフォーマンスが出来ていたのに、ケガや病気で80%までしかパフォーマンスが出来なくなったとしたら、治療で80%のパフォーマンスが維持出来るようにバランスを取る。…これが病気を治すという事だと思うんです。

東洋医学や漢方を学ぶと…

身体のバランスを取る事を重視しているな!…って感じる事が多いんですよねぇ~。

例えば…

やじろべい…、若い人は「やじろべい」を知っているのだろうか?…(^^;) 左右でバランスをとるシーソー…。右に傾くと、左が浮く…。う~~ん(-_-;)

もとい…

例えば…、ある患者さんの身体の中のバランスが右に傾いて咳という症状が出ているとします。もう一人の患者さんは、身体の中のバランスが左に傾いて同じような咳が出ている。

…こういった場合、漢方や東洋医学の考えでは「咳」という症状は二の次で、身体のバランスを戻し整える事を重視します。

右に傾いて咳が出ている患者さんと、左に傾いて咳が出ている患者さんとでは、症状は同じ咳ですが、別な薬が処方されたり治療方法が違ったりします。右に傾いている患者さんには左を重くする薬や治療で身体のバランスを整える事で咳という症状を取る。左に傾いている患者さんには右を重くする薬や治療でバランスを整え咳を治める。(右に傾く…左に傾くは、例え話ですからね!(^^;))

症状が違う場合…例えば、Aの患者さんは右に傾いていて咳が出る。Bの患者さんも右に傾いていて頭痛がする。症状が違う場合でも、右に傾いている事が原因なら、頭痛薬とか、咳止めの薬ではなく、Aの患者さんへもBの患者さんへも同じ薬や、同じ治療をします。

…こういう理屈なんですよね!

東洋医学や漢方を学んでいる人にとっては「病気を治す」⇒「バランスを整える」という考えは理解しやすいと思いますし、一般の人でも、大病を患った事がある人は、この事を理解されていると思うんです。

漢方薬に関して「緩やかに効くもの…」「即効性がない薬…」という認識を持っている人が多いのではないでしょうかねぇ~?

漢方薬にも効能というものがあって、例えば、水のような鼻水には小青竜湯…とか、咳には麦門冬湯…とか、症状を取る事に特化というわけではないけれども、特化した症状を抑える事が出来る漢方薬の効能が、薬のマニュアルや箱に書いてあるので、それほど漢方薬の勉強をしていない、お医者さんでも、簡単に漢方薬を処方できるんですが、一歩踏み込んでその患者さんの身体が、右に傾いているのか?左に傾いているのか?前のめりなのか?後に倒れているのか?…(例え話ですよ!(^^;))…そこまで把握せずに、症状を取るだけの漢方薬を処方していたとすると、その時は効果が出るかもしれないですが、症状が取れても再発したり、別の症状が出たりするので「漢方薬って効かないなぁ~」…という事になってしまうんですよねぇ~。

あっ!そうそう…全てのお医者さんが漢方薬に対して深い知識を持ってるとは限らないのは事実です。今では、だいぶ漢方薬に対しての認知度は高まりましたが、20~30年くらい前は、体調不良で病院に行った際、お医者さんに「漢方薬を飲んでます」って言うと、「漢方?…効かないでしょ!?」って面と向かって言うお医者さんがいたりしましたもんねぇ~。

もう、今はそんな、お医者さんは少ないとは思いますが…

ちょっと話しが脱線しちゃいましたね…(^^;)…話しを戻すと…

漢方薬って、いかに患者さんの身体の状態を把握して、身体の状態に合った薬をタイミングよく投与してこそ、効果を100%発揮できるものなんですよねぇ~。

鍼灸も同じです。…鍼灸は、患者さんの体の持つポテンシャルを、いかに引き出すかがポンイントとなるので、毎回、違うツボにアプローチする事もあれば、根気強く同じツボにアプローチする事で地固めしていく場合もあるんですよね!ですから…、鍼灸の治療をした後にすぐ直後効果が出る場合もあれば、効果が出るのを根気よく待たないといけない場合もあるんですよぉ~。

僕は鍼灸師ですから、漢方薬とか東洋医学の考え方で、病気を治すという事は、身体のバランスを整える事だという事を解説してきましたが、洋の東西を問わず医学に於いて、病気を治すという事はバランスを整える事だと言っていいと思うんです。

ただ、現代医学と東洋医学の違いと言えば…

現代医学は患者さんの期待というか、患者さんのリクエストに応えようと試行錯誤している事だけが、違いだと思うんですよねぇ~。

何て言うか…、現代はコンビニエンス社会で、手軽に便利なモノを好む社会だと思うんです。なので、病気も手軽に治したい。身体の具合が悪くなっても、自分の生活パターンを変えずに治したい。睡眠不足や偏食は身体に悪いという事は理解しているけれども、そんな事よりも仕事が大事だし、自分の時間が大事だから、出来れば薬を飲むだけで治したい。もしくは注射を一本打ってもらうだけで治したい。

…そんな患者さんの希望に応えようとしているのが現代医学で、東洋医学は、生活の改善や食生活の改善を口うるさく言う…。

そんな図式になっているように思えるんです。

以前、脳科学者の先生が言ってましたが、この国は天災とか気候変動が多い地域性からかもしれませんが、日本人は不安になる人が多い人種なんだそうなんです。ですから昔から…山に対して…空に対して…八百万の神々に対して祈る事で不安を和らげていたんだそうです。でも明治時代に入り、科学的な文化が西洋から入ってきて「祈る事に全てを委ねるのは非科学的だ!」という事になり、人々の不安を一手に担うようになったのが、科学であったり医学であったりしたそうなんですよねぇ~。

なので、現代医学は…人々の不安な気持も一手に引き受けている側面があります。例えば…、寿命を延ばそうとしたり、老化を止める事に着目したり、難病といわれている病気の克服に力を注いでいたりと、ありがたい側面もあれば、進歩なのか?進化なのか?やり過ぎなのか?…首をかしげてしまう側面も垣間見えたり…。まぁ~良い面もあれば、悪い面あったりと表裏一体なのが世の中というモノですしねぇ~。

何が良いのかという事は、個人個人の判断で決めていいとは思うんですが、「病気を治す」という事は「元に戻す」という事ではなく、「バランスをとる事」だという事は、頭の片隅に入れておいて下さい。

この考え方を頭の隅に入れておくと、自分の身体に不調が起きた場合、自分でどのような判断をすべきか、何をすべきか…などの考えがまとまりやすいと思います。

『心の病気はどう治す?』…を読んで思った事。

数ヶ月前にTBSラジオの『プレ金ナイト』で武田砂鉄さんが、この本を紹介していて、以前から気になった、同じ著者の『精神医学ダークサイド』と合わせて2冊購入しまして…

さぁ~…『精神医学ダークサイド』を先に読むべきか?…現代の日本の精神医療オールスターを紹介している『心の病気はどう治す?』を先に読むべきか…?

う〰︎ん…

今回は現代の精神医学のアベンジャーズが紹介されている『心の病気はどう治す?』を先に読む事にして、一昨日、読み終わったんです。

まぁ〰︎、ここで紹介されている先生方は、精神医学の場合、薬物を使わなければならない場合もあるけれど、投薬以前のコミュニケーションや対話が重要だと説いてらっしゃいます。

でもね…、ちょっと気になったのが…

紹介されてた、お医者さんの1人が、過去、このお医者さんにアドバイスをくれた先輩の先生を紹介されている文章で「精神科医に必要な力は、情報収集力、ストーリーを読む力、本人に納得して治療を受けてもらう力、この3つだと思います。◯◯さんは診療にOリングとか経絡とかツボ療法とかを取り入れてきましたが、ベースは手品なんです。若い頃は手品と落語の練習に没頭した人なので、人の心をつかむ事に長けていて、患者の不安を減らしてしまう。不安が減るとプラセボ効果が高まり、薬がものすごく効きます。患者から信頼される優秀な医者は、偽薬を出しても効くんです」…と書かれていました。

人の心を掴み、安心させる事で薬の効果が高まり、その薬が偽薬だとしても身体は健康体に戻っていくという考え方は、僕も同意見で納得できます。

でもね!そこで経絡やツボ療法が手品だと言い切る…必要ってあるのかな?…僕が鍼灸師だから「手品?」って疑問に思うんだと思うんですが、一般の人が、この文章を見ると「優秀な、お医者さんが言ってるんだから間違いないよ!ツボ・経絡治療は、まやかしで手品みたいなものなんだ…」って思いますよねぇ…

全てのお医者さんの考えではなく、このお医者さんの思考がステレオタイプだという事だとは思うんですが…

でも、このお医者さんは、精神科の優秀な、お医者さんなんですよね…。先輩の優秀さを紹介するのに、経絡・ツボ療法を引き合いに出し、手品だと貶す必要があるのかな?…そういう気配りの無さに、患者さんは心傷つくのではないんじゃないかな?よしんば…このお医者さんが経絡・ツボ療法を医療とはかけ離れた手品まがいのものだと思っていたとしても、…酒の席でのリップサービスならいざ知らず…こういう相手を見下すような事は文章として残すべきではないと思うんですよね!

優秀な精神科医なら、その辺…気をつけて欲しいなって思うんですが、自己紹介で「子供の頃の俺は空気を読むのが苦手で『王様は裸だ』とすぐに言ってしまうタイプで…」と書かれていたし…

このお医者さんは子供の頃から性格が変わらないタイプの医者なんだろうな…

…とも思いました。

まぁ〰︎ね…お医者さんだからって全知全能ではないからな…って思いながら最後まで読みましたけど、患者さんとの対話やコミュニケーションって、どの医療にも重要な要素だと思います。

さぁ〰︎次は精神医学のダークサイドかぁ〰︎…読み終わったら、ドイィ〰︎ンって気分が落ちるかも…(^^;)

疑問に思っていた事だが…やはり釈然としない案件

5年前から、月に2回ほど鍼灸治療を受けに来られていた患者さんが、今年の2月頃からパッタリと来られなくなったんです。

「どうしたのかなぁ?…ウチの治療に何か不手際があったのかな?」…って思ってたんですよねぇ~!

そしたら、先日、久しぶりに予約が入り、来院された時に「最近、体調はどうですか?」と、お尋ねしたら、2月に交通事故に遭われて鞭打ちの状態になり、画像診断では首のヘルニアがあると診断を受け、2月・3月と整形外科に通院したり、整骨院に通院したりしていたとの事。

僕もケガはしなかったけど、3年前にもらい事故でタクシーに追突され、保険屋さんとの交渉でメンタルを磨り減らした事があるので、交通事故の大変さは多少なりとも理解出来ます。

その患者さんが仰るには、4月の中旬まで整形外科でリハビリを受けつつ、家の近所にある、短期間で治すというフレ込みの整骨院に通って、腕は事故当初より動くようになり、車でバックをする時、後を振り向く事も出来るようになったけれども、首と腰の痛さが、全く良くならないので、鍼で何とかなりませんか?

…と、言われて、今回、来院られたんですよぉ~。

患者さん曰く「同じ姿勢を維持するのが辛いので仕事も手に付かない…」との事でした。

身体を触らせてもらい、筋肉の状態を診て、問診での経緯を考慮するに、鞭打ちなので、所謂…急激な筋肉への衝撃により、筋肉が固まって運動制限がかかっている状態ですから、鍼や灸を使い、首や腰の筋肉を1時間くらいかけて緩めていきました。

患者さんが帰られる際に…「交通事故の保険の治療で鍼灸って、保険屋さんは良いって言いますかね?」と言われたんですよ…。

そう言えば…、僕も記憶がハッキリしていないんですが…

「交通事故の自賠責や任意保険での治療の場合、保険屋さんが鍼灸院には通院させてくれない」…って聞いた事があったんです。

以前、知り合いが交通事故に遭った時にも同じような事を保険屋さんに言われて、結局、その知り合いは整形外科に通って、その後は整骨院に通って…、半年くらい整骨院に通ってたけど、雨が降る前に首が痛くなるって言ってたっけな…。もう十数年前の記憶ですし、鍼灸が使える・使えないは保険屋さんにもよるのかな?って思ってたんですよね。

ウチの鍼灸院は開業して21年目ですが、確か…薬院で治療院をやっていた時に、1人だけ交通事故の鞭打ちで保険屋さんと交渉して、鍼灸治療を受けに来ていた患者さんがいらっしゃったなぁ~。

確か知り合いの紹介で来られた患者さんで…「交通事故では100%相手が悪くて、最初は整形外科に行って…数ヶ月後から整骨院に行ったけど良くならないから、以前、こういう症状の時に鍼灸治療を受けて治った事があったので、鍼灸治療を受けたいと保険屋に言ったら、保険屋は「鍼灸は駄目です」と言うもんだから、俺は100%悪くないのに、なんで受けたい治療が受けられないんだ!と怒鳴りつけ、苦情を申し立てて、保険屋に鍼灸治療を受ける事を承諾させた!」…というような話しをされていたように記憶してます。

保険屋さんは、お金を払う側ですから、どれくらいの期間で治るモノなのか?その間に、どのくらい支払えばいいのか?そこが保険屋さんとしては気になるポイントだと思うんですよね。まぁ~…ぶっちゃけて言えば、出来るだけお金は少額で済ませたいというのが保険屋さんの本心だと思います。

そうなると、エビデンス…所謂、科学的根拠…医学的根拠というものを保険屋さんは指標にするんだと思うんですよね!…なのでお医者さんが言う言葉は全て「医学的根拠がある」という判断を保険屋さんはすると思うんです。

じゃあ~…保険屋さんは、なぜ整骨院への通院を認めているのか?…って事ですが、…好きな言葉ではありませんが、「医療類似行為」という言葉があります。この医療類似行為の枠の中に、鍼灸師も整骨院の柔道整復師も、按摩マッサージ師も含まれるんですよね。

整骨院にはエビデンスがあって、鍼灸院はエビデンスはないのか?…なんて疑問を、保険屋さんに投げかけたくなりますが、保険屋さんは、なんて答えるんでしょうねぇ?…(^^;) 

整骨院の先生は柔道整復師の免許を持っている先生ですので、柔道整復師の業務として法律で定められている扱える疾患は基本的に骨折・捻挫・脱臼・打撲・挫傷なんですよね!なのでマッサージのような揉み療治は柔道整復師の業務範囲ではないから、柔道整復師がマッサージをしては駄目なんですよね!(あまり一般の人は知らない事ですけどね…)柔道整復師がおこなう整骨院での治療としては、低周波や高周波の電気治療や、テーピングや骨折の際のギブスなどでの固定…、たしか、骨盤矯正や脊椎矯正、頭痛や冷え性や肩こりや腰痛などに対する単なるマッサージは柔道整復師の業務範囲では無いはずです。

柔道整復師は整骨院で低周波や高周波の電気治療をするから…電気治療の機器を多く使うからエビデンスがある…と保険屋さんは思っているのかな?…(^^;) 鍼灸院に対して、保険屋さんは「鍼を刺したくらいで治るわけないじゃん!」「科学的根拠はゼロでしょ!」と心のどこかで思っているのかもしれませんねぇ~。

近頃、街を歩いていると、整骨院の玄関先に「交通事故」と書かれた旗がたなびいてたりしますもんねぇ~。…そう言えば、先日、整形外科クリニックの軒先にも「交通事故」と書かれた旗がたなびいてたりしてましたよ…(^^;) ちょっとビックリしましたねぇ~(゜o゜; 整骨院の「交通事故」の旗は、もう見慣れてしまってたけど、病院でも「交通事故」の旗を立ててるって…、「交通事故の大売り出しかよ!」って突っ込みたくなっちゃいましたよ!…(^^;)

なもんで…、何となく、イメージ的に「交通事故で保険を使って治療する時に鍼灸院は敬遠され、整形外科か整骨院ならOKと保険屋が言う…」って記憶していたから、患者さんには「保険屋さんに交渉してみてはいかがですか?」…と返事をしておいたのですが…

やっぱ…鍼灸師としても、交通事故で、治療が必要となり、自賠責や任意の保険を使わざるおえない時に、鍼灸治療は蚊帳の外に置かれているというが、噂でなく本当ならば、釈然としないんですねぇ~。

そう言えば…、ちょっと話しは逸れますが…

「治療」と「施術」という言葉を使い分けるというか…、保険屋さんは業種を分類するために、この言葉の使い分けている節があるんですよねぇ~。お医者さんが行う医療行為は「治療」で、お医者さん以外が行う医療行為を「施術」と呼ぶって、定着させてるのは保険屋さんが事務的な区分けをする場合に使っていた言葉が一人歩きしていき、「鍼灸師が行うのは治療ではなく施術だ!」…とか、差別化を図るためか、お医者さんが「彼らが行っているのは治療ではなく、施術ですからね!」と差別的にも受け取れる使い方をされる言葉が、この「治療」と「施術」なんですよねぇ~。

でもね!…広辞苑で「治療」を調べてみると…

病気やケガを治すこと。またそのために施す種々のてだて。

…とあります。

「施術」を調べてみると…

手術・催眠術などをおこなうこと。

…と書いてありました。まぁ~漢字を読み解くに「治療」は、療(癒やす)治(治す)…いやして治すのが治療という言葉ですし。「施術」に関しても、術を施すのが施術なわけで、どこにも医師が行う行為が治療で、医師以外が行う行為が施術なんて書いてないんですよねぇ~。

多分、保険屋さんなのか?保険を管轄する省庁の役人が事務的な区分けとして、「治療」と「施術」という言葉を使い分けを始めたのではないか?…と想像できますねぇ~

あっ!いけない!いけない!話しが脱線してしまいました。…(^^;)

交通事故の自賠責や任意保険の話しでしたね!その事について、ちょっと調べてみました。

自賠責保険の管轄省庁は国土交通省で、任意保険の管轄省庁は金融庁なんですって!

それで金融庁のHPを覗いて見たところ…

『自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律の施行等に伴う政令、省令及び関係通達等の制定及び改正並びに支払基準の制定について』という項目の『第2 傷害による損害』という項目に…

  • ○柔道整復等の費用免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。

https://www.fsa.go.jp/news/newsj/13/hoken/f-20011115-1.html#betu1

…なるほど!…国としては交通事故による治療に関して、保険を使って整骨院や鍼灸院やマッサージの治療をする事は認めているって事なのね!

でも…何で?文頭が「○柔道整復等の費用免許を有する…」なんだろう?柔道整復師・鍼灸師・按摩マッサージ師を同等に扱うなら、「○医療類似行為の費用免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。」…とすべきなんじゃないかな?…内容は妥当なモノだけど「○柔道整復の…」って…、これじゃ、まるで柔道整復師の関係団体に、何かしらか配慮した感じにも受け取れるなぁ~…(-_-;)

でもって、通常の治療では、社会保険や国民健康保険を使って整骨院や鍼灸院やマッサージの治療をする場合、医師の同意書が必要になるけれど、社会保険や国民健康保険の管轄は厚生労働省。

厚労省管轄の場合は医師の同意書が必要となるのに対して…

交通事故の自賠責や任意保険の管轄は、国土交通省・金融庁で、交通事故で自賠責や任意保険のを使って治療する場合、医師の同意書が必要だという一文は国土交通省・金融庁の文章には書いてないんですよね!この場合は、医師の同意書は必要ないと解釈できるわけですよね!

まぁ~交通事故の場合、首とか頭や内臓など、衝撃が大きい分、後々、何かあってはいけないので、事故直後は、とりあえず病院に行って検査してもらい、事故により身体に不具合が起こっていないか?治療が必要か?否か?を調べてもらう必要はありますが、その後の治療においては、医師以外の治療を受ける際に、医者の同意書は交通事故には必要ないという事なんでしょう。

でも、聞いた話しによると「医者の同意書を取って来て下さい」って言う保険屋さんもあるって聞きますしねぇ~。

で…googleで検索してみると…

『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』…という質問に、
整骨院や接骨院での施術費についても、当該施術費が、症状固定までに行われた「必要かつ相当な施術行為」の費用であると認められる場合には、交通事故の治療関係費に該当する損害と認められ、当該施術費を請求できます。

『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』
『自賠責保険は整骨院の施術を認めない?』…という質問に、
自賠責保険も,整骨院の施術費について,事故と関連性のないものとして保険金の支払を拒むことがあります。 整骨院での施術は,医師の指示があれば通常施術の必要性・相当性が認められますが,一般的に医師が整骨院での施術について指示することはありません。

…と書いてあったり、やはり…釈然としないなぁ~。

でも…やっぱ…『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』『交通事故で整骨院に行った場合、請求はできますか?』『自賠責保険は整骨院の施術を認めない?』…って、整骨院なんだね!『交通事故で鍼灸院に行った場合』なんて質問はネット上でも見当たらないもんねぇ~…やはり釈然としないなぁ~(-_-;)

基礎の習得と個性と魅力…

YouTubeを見ていたら、千原ジュニアさんと立川談春さんの対談を見つけたんです。

内容は落語や芸人さんの話なんですが、芸の伝承や、技術の構築という所にフォーカスすると、この話は鍼灸の技術の構築や、伝承にとても通ずる話だと思うんですよねぇ~。

・上手さが武器にはならない。

・上手いというのは面白い。面白くない人は上手くない。

・上手さと魅力は違う。

・上手さは魅力にかなわない。

落語が上手か…下手か…という話しなんですが、これって鍼灸にもあてはまるんですよねぇ~。

(上手さが武器にはならない)⇒ 治療が上手な鍼灸師が儲かっているとは限らないんですよね!…「何言ってるの?治してるから患者さんが大勢くるわけでしょ!」って言われるかも知れませんが、流行ってる鍼灸院って、その治療院の立地条件だったり…、宣伝が上手だったり…、学歴の高さを売り物にしていたり…、値段だったり…、代々続いて名前を継承している治療院だったり…と、色々な要素が関係してくるので、一概に、腕の良さだけが武器にはならなかったりするものなんですよねぇ~。

でも…

(上手いというのは面白い。面白くない人は上手くない)⇒ 治せるか?治せないか?…で言えば、当然、治せる方が良いわけで、腕が良い事に越した事はない。

(上手さと魅力は違う / 上手さは魅力にかなわない)⇒ 魅力って何なんでしょうねぇ~(^^;) 人間性とでも言いますか…、顔の良さなのかなぁ~(-_-;) 選挙に於いて顔の美醜で投票数が変わるっていう統計も出てますしねぇ~。所謂、魅力っていうのは「華がある」って言われている感覚なのかも知れません。

談春さんが『基礎』について話されていたんですが、これは一理あるな!…って思いました。今は4月なので、3~4年間、専門学校や大学で勉強し、今年の2月の国家試験に合格した新米鍼灸師が意気揚々と希望を抱いている時期だと思います。今、患者さんで来ている鍼灸の学生さんとか、新米鍼灸師の知り合いはいないので、伝える術がないんですが、新米鍼灸師の人達に、この談春さんの『基礎』についての話しを聞いて、理解してもらいたいなぁ~って思うんですよねぇ~。

コレって、とても大事な事だと思うんです。

・基礎は誰でも習得できる。

・特別な才能がないと習得できないものは基礎にはなり得ない。

・基礎の習得は千回で出来なければ、1万回やればいい。

・基礎を習得する時に個性が入り込む余地は絶対にない。

・自分の魅力を考えちゃいけない。自分の魅力を考えていいほど基礎というのは簡単には習得はできない。

・基礎は必ず習得できるけど、簡単には習得できない。

・基礎の習得は人生の半分を使ってもおかしくない。

・人生の半分を使うという事は時間の問題だから、どうすれば良いのかというと、繰り返せばいい。10万回やると出来るというなら、10万回を10年でやるのか?1年半でやるのか?…の差だから、その時間内に、魅力だの個性だの考えなくていい。そのまま出来るようになるまでやれ!何も考えるな!

談春さんのお弟子さんは続かないって話しを聞くけど…、なるほどな…と思う反面、何も間違ってないなぁ~って思うんですよねぇ~。

後半で「前座で覚えたものを二つ目で忘れなければいけない…」っていう話しと「自分が手に入れたと思った基礎が邪魔をする…」っていう話しも面白かったなぁ~。

いわゆる「守・破・離」の話しですが、10万回やって基礎を身につけた後、個性や魅力を出さなければいけないなるので、守破離の葛藤が始まるわけですよねぇ~。

基礎っていうのは、滲み込んでいるわけだから、忘れようにも忘れられない…。新しい発想をする上で基礎にもなるが、発想を邪魔する事もあるわけですよねぇ~。

なるほどなぁ~

よかったら、YouTubeで【千原ジュニアYouTube】立川談春の葛藤…時代の波に揺れる落語・お笑い界の未来図<後編>…見られてみて下さい。

『使い過ぎ…』と『使わなさ過ぎ…』と『健康への近道』

原因が事故であったり、遺伝であったりする要素を排除したうえで、身体の不具合が起こる原因は何かな?

…と、考えると。

基本的に「使い過ぎ…」と「使わなさ過ぎ…」が原因だと思うんです。

使い過ぎ…。⇒ いわゆる、仕事のやり過ぎ…、過労も使い過ぎですよね!トレーニングのやり過ぎ…、食べ過ぎ…、何でも、そうなんですが…使い過ぎると不具合は起こります。

…それに反して、

使わなさ過ぎ…。⇒ これも、お分かりの通り、運動不足とか…、座り過ぎだとか…。

でも、座り仕事での座り過ぎや、立ち仕事での立ち過ぎは、動かずにジッ~としているという意味においては、身体を動かしてないので『使わなさ過ぎ…』となるけれど、筋肉的には、座っていたり、立っている姿勢でも、長時間、伸びている筋肉と縮んでいる筋肉が同じ状態を維持しているわけなので、思い切り力を入れている訳ではないけど、弱い力が長時間、筋肉に影響を及ぼしている事になるんですよね!…なので、ある意味『使い過ぎ…』にもなるんですよぉ~。

座りすぎを例にあげると…、座り過ぎると、太ももの裏側のハムストリングと呼ばれる筋肉(半腱半膜様筋・大腿二頭筋)は長時間の収縮で固まり、立ち上がると、半腱半膜様筋・大腿二頭筋は伸びきれずに骨盤を後に引っ張る事になってしまう。…そうなると骨盤が後に傾き、猫背になり…肩・首が凝る。

ウイルスや細菌による感染症においても、基本は身体の免疫力が働くか否かで、感染する…感染しない…が左右されるわけですよね!免疫力も「使い過ぎ…」だと疲労により免疫力が低下してしまいますし、「使わなさ過ぎ…」でも、身体の免疫力は平和ボケ状態になり、免疫力は低下してしまうんですよね!

まぁ~人間の身体は本来、使わなければ機能が低下してしまうし、使い過ぎても不具合が起こってしまう。…そういうモノなんですよねぇ~。

あとは…「使い過ぎ」と「使わなさ過ぎ」を改善する際に、加齢による経年劣化を考慮しないと、運動した方が良いのか?…運動しない方が良いのか?…食べた方がいいのか?…食べない方がいいのか?…運動した方が良いのなら、どのくらい運動したらいいのか? 食事は1日3食がいいのか?2食がいいのか?食べる量は?

…などなど、どうしたら良いのか分からない!?という人も、大勢いらっしゃると思います。

若い人と、歳を取った人では運動量も筋肉量も食事の摂取量も違いますしねぇ~!

基本的に「使い過ぎ」も「使わなさ過ぎ」も良くないわけで、御自身が「丁度、良い」という加減を判断する必要があるんですが、多くの人は、この「ちょうど良さ」を判断する事が苦手なんでしょうねぇ~。

…っていうか、人間って丁度、良い加減を見極めるのが下手な生き物なのかもしれません。

意外と、良かれと思ってやっている事が、実は裏目に出ていたりする事も多々あったりしますしねぇ~。

解決策としては…

ちょうど良い加減を把握するには、自分の身体との対話というか、直感とでも言いますか…、自分でやってみて、「これ…ちょうど良いなぁ~」と感じ、体調が少しでも…、ほんの少しでも良くなったような気がしたら、それは続けるべきだと思うんですよねぇ~。

ただ、全てに言える事ですが、基本的には、何に於いても短期間で結果は出ないものなので、3ヶ月くらいは試してみる。…それで、少しでも良さを感じたなら、それは身体にとって良い事だと思うんです。

それと…、皆が皆、同じ事をする必要はないんですよねぇ~。それぞれ、個人個人の体質の違いがあるわけで、同じ臓器や同じ体格をしていても、弱かったり…強かったり…若かったり…老いていたり…、それぞれ個々の身体は別物ですからね…。

ただ、永年の経験から得た知恵や知識は、時々、まやかしな部分もあったりはしますが、使える有益な情報も多く含まれているのは確かです。

なので人から「これ…良いよ!」と言われる事を一度、試してみるのは有りだと思うんですよねぇ~。で…それを続けるか、止めるかは、自分の直感にまかせる。

あの人が言うからやっている…。有名人が良いってCMで言ってるから続けてるっていうのは、やめた方が良いと思うんですよね!

でも、「自分の身体としっかり対話」「直感」って?…どういう事?

…って思われると思うんですが、これは日頃の生活パターンの改善という事なんですよ!

「自分の身体としっかり対話」とは、食生活だったり、睡眠だったり、運動だったり…、労働時間だったり…、自分の身体にとって良い事と悪い事を見極めた上で、出来るだけ自分の身体に良い事を、生活の中に取り入れるって事なんです。

そうすると、自然と、良い・悪いの判断が自分自身で出来るようになり、直感が閃き、自己判断出来るはずです。

食生活や睡眠や運動などの、生活パターンの改善もせず、身体に悪いと分かっていながら、生活して体調不良になってしまうと、直感など思い浮かぶはずもなく、どうしてイイやら分からない…。だから、人の言う事を鵜呑みにして「あの人が言うから…」「この人が良いって言っていたから…」ってなっちゃうんだと思うんですよねぇ~。そうなってしまうと、お薬信仰とでも言うか…「薬は全て効くものだ!」「薬を飲んでいれば治る!」…と思い込むようになり、どんどん飲む薬の量が増えていく…。

生活パターンを改善し、自分の身体としっかり対話したうえで、閃く直感を信じる。…これが健康への近道だと思うんですよねぇ~。

NHKを見ていたら…

先日、溜め録りしていたTV番組を見ていたら、日本酒の獺祭の会社の社長さんが、アメリカに酒蔵を作り、アメリカの米と水を使い、現地のスタッフで日本酒を作ろうとしている….そんな番組をやっていました。

経験者として日本人のスタッフはいるものの、文化も違う新しい場所での日本酒造りは色々なトラブルが多く、大変だろうなぁ~と思う反面、獺祭を作っている蔵元だから出来る事なんだろうなぁ~…って思いましたねぇ~。…たしか、獺祭って杜氏の制度では無く、スタッフがデーターを取って酒造りをしている会社だと聞いた事があります。

昨今では、杜氏さんも勘に頼らず、データを取っての酒造りが主流なんでしょうが、日本酒業界も、この20年くらいで、随分と良い具合に変わりましたもんねぇ~。

ただ、海外に日本酒を紹介する時に、ワイングラスに入れて飲むのって…、なんだか抵抗があるというか、外国の文化に日和ってるなぁ~って思えちゃうんですよねぇ~。。

酒は、その土地の文化だと思うので、ワインを飲む時はワイングラス。ビールを飲む時はビアグラス…。日本酒を飲む時は徳利だったり、ぐい呑み・おちょこ…だったり、日本酒の香りを楽しむのであれば、陶磁器屋さんや窯元にワイングラスのような陶器のカップを作ってもらって、それで楽しむとかね…、日本ならではの文化も、日本酒とともにワンセットで紹介して欲しいなぁ~って思うんですよねぇ~。

一人勝ちをするんじゃなくて、周りの業種も共に繁栄するって、大事な事だと思うんです。今の日本の経済がV字回復するには、一人勝ちばかり望んでいては駄目だと思うんですよねぇ~。

話しは変わって…

先日の日曜日…『NHKスペシャル Last Days 坂本龍一 最期の日々』という番組を見ました。

御家族…多分、お子さんが撮られているんでしょうが、酸素マスクをしておどけた表情をしているけど、それは亡くなる2日前の映像だったり…、番組の最後の方で、亡くなる1時間前のタクトを振っているような動きをしている手だけの映像…なども衝撃的でした。坂本龍一という人の…生きていた証というか…、僕にとっては中3の頃、初めてYMOを聴いて以来、何かと楽しませてくれた人の最後の姿…。

坂本龍一さんの手記を朗読する田中泯さんの声と、坂本さんの曲が、なんとも言えなかったな…

いずれ、誰にも訪れる『死』と向きあい、どう死んでいったのかという記録映像は…なかなか見れるものじゃない。…そんな番組でしたね。

「生まれるのも日常、死ぬのも日常」…これは桂米朝さん言葉だったかな…

「生きるのも日常、死んでいくのも日常」…たしか、これは樹木希林さんの言葉だったと思います。

『坂本龍一 最後の日々』を見終わったあと、米朝さんと希林さんの言葉が、頭に浮かびました。

なんか…少し…分かったような気がする…鍉鍼編♪

鍼灸師になったのは2003年だから…鍼灸師になって、今年で21年目…

ず~と疑問に思っていた事があったんです。

正直に言います…

本当に…ず~と疑問に思っていたんです。

何を疑問に思っていたのかと言うと…

それは『鍉鍼』

いわゆる…刺さない鍼です。

因みに…鍉鍼の『鍉』って漢字には、どんな意味があるんだろうか?…と調べてみたら、

※ 誓いをたてる際に、血を入れるための器。
※ 医療用に用いる針。
※ 矛や矢の先端のとがった部分。ほこさき。やじり。
※ 錠前を開けるための鍵。

…と書いてありました。へぇ~~~知らんかった…(゜_゜)

国家試験を受ける為に、鍼灸の専門学校に通うようになって、そこで鍉鍼の存在を知り…「へぇ~刺さない鍼っていうのがあるのね!ほぉ~…」って感じで、鍼灸学校に通っていた頃、学生として個人的に色々な勉強会に参加し、鍉鍼を使う先生方に「どうやって使うんですか?」「どこで買えるんですか?」「どんな種類があるんですか?」…などなど、色々な話しを聞いたりして、その後、物珍しさも踏まえて、何本か鍉鍼を買ったりしたんですよね…。

まぁ~基本的に、僕は珍しい物を集めたりするのが好きなんでしょうねぇ~(^^;)

今、所持してる鍉鍼は…鑱鍼・圓鍼も合わせると、合計で7本くらいかな…

でもね…、鍼灸師になって21年ですが、正直言って、今まで臨床で鍉鍼を使っていなかったんですよ…。

何となく、趣味的な…とでも言いますか…、そんな方法もあるのね!?…という感じ…。例えて言うと…、ロックバンドをやってるけど、実は演歌にも興味があって、周りの人には演歌が好きなんて一言も言わず、一人でコソコソと演歌の音源を買ってきて、一人で聴いている…。

僕の中の鍉鍼って、そんな演歌な感じ…(^^;)…だったんです。

なぜ…今まで鍉鍼を使わなかったのか?…って事ですが…

…う~ん…正直言って、僕は、あまり…『気』というものを感じた事がないんですよ!

…で、この鍉鍼を使う場合、…色々な使い方があるんですが、学生時代に最初に体験したのが、身体のツボと言われる部分に鍉鍼を当てたり、近づけたりして「来てますか?」…とか、「今、気の流れが変わって…」とか、「少し温かくなってきたでしょ?」…と、施術者に言われて…、なんとなく、その場の空気を読むなら…、忖度して「来てる…ような気がします…」とか「はい…温かくなってきた…かも…」って言った方が良いんだろうなぁ~(^^;)…って感じだったので、正直…???????疑問だらけ…っていうのが、鍉鍼の初体験という感じだったんです。

…感覚が研ぎ澄まされてる人?…もしくは気を感じやすい人?…霊が見れる人?(^^;)…ならば、正直に…施術者の先生の問いに「来てます!」とか「今、気の流れが変わりましたね!」と、感じた事が言えるんでしょうが、僕には分からないというか…、正直言って、何も感じなかったですよねぇ~。

でも、その後も、なんか…鍉鍼には、興味があったんですよぉ~。…なので、理解しているような顔をして勉強会に行ってたりしましたねぇ~…(^^;)…そこは僕の中で忖度モードが起動したんでしょう…(-_-;)

鍼灸師になって、数年後に大師流の小児鍼の存在を知り、本を読んだり、講習にも数回ですが行った覚えがあります。あれも独特な鍼で、使い方にもコツがあって、すぐに運用できるものではないと思うんですが、…今の大師流の小児鍼も刺さないので、あれも鍉鍼と言えば…鍉鍼ですよねぇ~。

鍼灸の専門学校の時の同級生が、卒業と同時に千葉の石原先生の所に、弟子入りしていたので、その同級生から、鍉鍼も含め、九州にいながら色々な鍼法の情報を教えてもらってたなぁ~。

その同級生の影響もあって、鍼灸師になって10年目に1年間、月イチで東京に九鍼研究会の講習を受けに行って、その時に「あぁ~鍉鍼や鑱鍼や圓鍼って、そんな使い方があるのねぇ~」って思ったんですが…、鍉鍼に対しては、なんだか…まだ、学生時代の最初に体験した、鍉鍼のイメージが頭に焼き付いていた為か、臨床で鍉鍼を使う気にはならなかったんですよねぇ~。

なので、九鍼研究会の講習で得た知識を臨床で即、使ったのは火鍼とか大鍼とか長鍼かな…。刺絡も九鍼の講義に取り込まれてましたが、もう…その頃は、刺絡学会に参加していたので刺絡や灸頭鍼は既に臨床で使ってました。

なので、鍉鍼に関しては、いくつかの知識は持っているんだけども、臨床では使う気にならないというか、自分自身が納得できていない手法を、患者さんに施術するわけにはいかない…。そんな感じだったんです。

…で、今回、鍉鍼の何が…「少し…分かったような気がする…」って思い始めたのか?って事ですが…。

まぁ~…ここからは、言葉を選ばないと、鍉鍼を臨床で使っている鍼灸師の先生方から「まだ…そんな事を言ってるの?」とか「全然違うよ!」とか、すぐに否定されるんだろうなぁ~…という事を予想しながらも…、別に、たいした話しじゃないですしね…、思った事を正直に書きますね!…(^^;)

いやぁ~、今、僕は59歳なんです。…でね…、この1年前辺りから、五十肩になったり、腰が痛くなったり…、五十肩が治りかけて腕が上げれるようになったと思いきや、右足や右膝や右足首が痛くて、蹲踞が出来なくなったりと、…なんだか加齢による筋肉不調とでも言いますか…、調子がよくなかったんですよねぇ~。

知り合いの鍼灸師の友人の所に行って、治してもらおうとも思ったんですが、なんだかスケジュールが合わなくて、どうしようかな~?(>_<) …って思っていたところ、ふと…、以前、20数年前くらいに北京の東直門にある国際針灸培訓中心に行った時に、門の横にあった鍼灸用品の専門店で買った、刮痧に使う水牛の角を加工した物…。端的に言うと、ただの水牛の角の根元を球状に加工したものが、僕の机の上のペン立て刺さってたんです。

あぁ~…そういえば…こんなの、買ってたよなぁ~…

そうだ、この牛の角で足とか、腰とか、肩とか、足首とか、ただ軽く摩ってみてはどうだろうか?…と、ふと…閃いたので、やってみると…

あれ?…まだ動きに硬い部分はあるけど、蹲踞が出来るし、肩の可動域も広がっている。…(゜_゜) おっ!コレ…いいんじゃねぇ~!?!?。…って実体験したんですよねぇ~。

その時に、ふと、頭をよぎったのが、九鍼の講義の時に、石原先生が圓鍼の操作で「分肉が…どうのこうの…」って言ってたなぁ~。とか…鑱鍼も疎通という事で、皮膚表面を刺激していたよなぁ~。…って事を思い出したんですよねぇ~。

刺さずとも効果を得る方法…、これって鍉鍼や圓鍼や鑱鍼の理屈だよなぁ~。

牛の角でも効果が出る…という事は、鍼じゃ無くても…何でもイイという事か?…いやいや…そうじゃなかろう。…身体に合う素材ってものがあるはずだ…。

とりあえず、持ってる鍉鍼を使って、同じ事をやってみようと、自分の肩や腰や膝や足首を、鍉鍼を使って軽く摩ってみたところ、イイ感じなんですよ!

あっ!そうそう…いつもブログに書いてるので、耳にタコ…かもしれませんが…

基本的に、主動として身体の不調を治しているのは身体自身なので、運動や食事や睡眠が一番大事であって、医療・治療はサポートとして身体が治ろうとしているのを手助けする役割を担っている。これが体調不良を改善する為の初期段階での基本的な考え方なんです。

でも、これが逆転してしまい、医療や治療を主動として病気を治さなければいけない状態となれば、相当、大変な病気になってしまっている場合なので、そうならないように、普段からの身体のケアが必要なんですよねぇ~。

運動や食事や睡眠を、おざなりにして医療・治療のみで身体の不調を治そうとすると、最初は身体の修復が容易に可能なんですが、この方法を継続すると、複雑な症状に変化していき、容易に治せなくなってしまうんです。

『なぜ鍼が効くのか?』…って、よく患者さんから質問されるんです。

僕は、治療の基本は手当だと思うんですよ!…どこかが痛いから、痛いところに手を当てる…、人肌で温める…、手で優しく摩ってあげる…、これが治療の基本だと思うんですよね!

野生の動物は、体調が悪くなると、ジッとして動かず、体力の回復を待つか、痛い箇所を舐めますが、猿とか類人猿辺りになると、手を当てる…手当をするようになると思うんですよねぇ~。

いわゆる…猿人から進化していき、ホモサピエンスになった段階でも、まずは患部を摩ったり、温めたりすると思うんです。鍼自体は、鉄が加工されないと存在しませんしね…。

まずは、患部を摩ったり、温めたり…いわゆる、この行為は現代での、按摩・マッサージです。

その後、尖った石とか、片方が削れて刃のようになっている石…、砭石(へんせき)と言われてる尖った石が鍼の起源となるらしんですよ!…患部を摩ったり、温めたりしても治らない時に、この尖った石で患部を傷つけて鬱血した血液を外に出した方が治りが早い…というような事を、生活の知恵の中で発見したのが、後の鑱鍼や兎鍼や刺絡なんでしょうねぇ~。

その尖った石で皮膚を傷つけないまでも、摩ったり揉んだりするよりも強い刺激を皮膚に与える事で治ったりする事を発見したりして、鍼へと発展していったんでしょう。

その後…、鉄の加工が容易になり、今の鍼の形状が出来上がると、患部を皮膚の外から摩ったり、温めたりするよりも、身体の中に鍼を入れて刺激した方が効果が高いんじゃない?…っていう発想が、今の鍼の形態なんじゃないでしょうかねぇ~。

鍼の材質も、今はステンレスが主流ですが、金を使った金鍼や、銀を使った銀鍼を使っている先生もいますよねぇ~。

鍉鍼の場合も色んな素材で作られた鍉鍼が存在します。

金やら銀やら、チタンやらプラチナやら、銅やアルミの鍉鍼があったりします。

いつだったか…、江戸時代の頃の鍼の歴史を調べた事があるんですが、その時に何かの本に、ある江戸時代のお医者さんが言ってた言葉が紹介されていて…「近頃は、治療技術ではなく、金の鍼の方が良く効くとか、銀の鍼の方が良く効く…とか、鍼に付加価値をつけたがる…。嘆かわしいことだ…。」と書いてあったのを思い出しました。…(^^;)

まぁ~色々な考え方があるとは思いますが、なんにせよ…、鍼の素材は身体との親和性が重要だと思うので、身体に適した素材というのがあると思うんですよねぇ~。

鍼の歴史って、紀元前○○○年???からなのか?…よく分からないけど、その頃から現代までの時間の経過の中で、色々な素材が試され、採用されたり淘汰されたりを繰り返し、今の鍼の形態になっていると思うんですよね~。

鍉鍼の場合も金でもイイし、銀でもイイし…、プラチナでもチタンでも良い訳です。僕の身体との親和性で言えば、牛の角でも良かったわけですよねぇ~。僕の身体は自然的なモノとの親和性が高いのかも知れません。

何となく、惰性でここまで書いてみましたが…、結局の所、自分で体感して、実体験した事で「これは臨床で使えるぞ!」と確信を持てたという事なんですよねぇ~。

鍼灸師になって21年目の春…♪

「なんか…少し…分かったような気がする…」という…お話でした。

自分で効果を実体験した事で気分が高ぶり「コレは悟りか?…悟ったのか??開眼したのか???」…(゜_゜) と、その時は気持ちが高揚しましたが、多分、これって…ようやく21年目にして入り口に立つ事が出来た。…ただそれだけの事なんでしょうねぇ~…(^^;)

110年ぶり…

いやぁ~…先日の相撲…面白かったですねぇ~。

ここのところ、相撲に関しては、色々な問題が表沙汰になり「なんだかなぁ~」って感じだったんですが、尊富士と大の里の活躍で、TVで相撲を観ていて楽しめた…って感じです。

九州場所の時に何度か、ウチの鍼灸院に来られた竜電さんは6勝9敗で負け越しちゃったけど、…まだ本調子じゃないなぁ~って感じでしたねぇ~。

僕みたいな素人が言うのも何ですが…去年の九州場所の時、10勝5敗で勝ち越した時の竜電さんの相撲を思い出すと、彼の持ち味は、下から突き上げるように攻めて、右で回しを取る…って感じの攻めが定番だったはずが、この2場所、まったく下からの攻めが出来てないですもんねぇ~。次の場所は頑張って欲しいなぁ~♪

そうそう!

尊富士の新入幕での優勝は110年ぶりらしいですね!110年前って大正時代らしく、両国勇治郎って言う力士が、新入幕での優勝をしたらしいんですよねぇ~。この時は年2場所の開催だったらしく、1月の春場所と、5月夏場所で各10日間行われていたそうなんです。

嫁さんが…「大正時代の両国っていう、相撲取りさんの白黒の印刷写真がネットで見れるけど、けっこうイイ男だよ!」という情報と「110年前に日本で何があったと思う?」…って聞いてくるので「知らん…」って答えたら、嫁さん曰く「110年前に鹿児島の桜島が大爆発を起こして、その時に大隅半島と桜島がくっついたんだてよ!」…と教えてくれたんです。(゜_゜)

あぁ~そう言えば、桜島って「島」っていうのに陸続きだよなぁ~

大正時代に、くっ付いたんだぁ~。って言う事は、西郷隆盛や大久保利通は桜島が大隅半島つながっているって知らないんだねぇ~。…なんて事を思ったんですが、そう考えると…

今も頻繁に地震が起こってますが、今後、100年後に日本の形が変わっていても不思議じゃないよなぁ~…って思ったんです。

先の事なんて誰も分からないよねぇ~(^^;)…って言う、ただそれだけの…お話でした。(-_-;)

未来への礎…

先日、ニュースを見ていたら『東京のベンチャー企業が開発した小型ロケットの初号機が、爆発して打ち上げ失敗…』っていうニュースが流れてたんですよねぇ~。

なんとなくですけど…

このニュースを見て、思ったのが…「あぁ~やっぱ…、日本の技術って低下してるんだろうなぁ~」って頭に浮かんだんです。

ニュースでは専門家のコメントとして「ロケット開発では失敗自体は珍しいことではないんです…」というような事を言ってました。…まぁ~新しい事にチャレンジする場合は失敗はつきものなんだろうし…確かにそうなんだろうけどねぇ~

今現在、一般の日本人は財布事情が厳しく、気軽に海外旅行にも行けなくなっているし…、安売企業ばかりが幅を効かせている経済状況だし…、海外の半導体企業の誘致で景気が良くなっているニュースも耳にはしますが、裏を返せば労働力として日本の賃金が安いから、誘致されている側面もあるわけで、他人のフンドシで相撲を取ってる感は否めない…。

まるで日本がバブルの頃に労働賃金が安いからと、アジアの国々に工場を作っていた頃の状況が、しっぺ返しのように今現在、襲いかかってきている感じですよね!

バブルの頃に労働賃金が安いからと、アジアの国々に工場を作った事で、日本各地にあった中小企業の工場の仕事が無くなり、後継者がいなくなる事で、今の日本の技術の低下に拍車がかかっているわけなんですけどね…

たしかに…30年前~50年前の日本の技術は世界に誇れるものだった事は、紛れもない事実なんですが、最近よく言われている「失われた30年」といわれている間に、景気も悪くなり、技術者や研究者の海外流出が多くなり、確実に今の日本の技術は低下してると思うんですよぉ~。

だから、今の日本はインバウンドに頼るしかない。

世界的にみて観光を主軸にしている国って、経済的に国力が弱く、景気が悪い国なんですよねぇ~。

この状況が、いつか回復すると仮定して…、回復するには、どのくらいの時間がかかるんだろうか?…と、学者でも無く有識者でもない、いち…鍼灸師が考えてみたんです。…(^^;)

…まず、落ちる所まで落ちているという自覚を持たないと駄目だと思うんですよねぇ~。いつまでも「日本の技術は最高!」…とか、「気配りや…おもてなしが…」…とか、いつまでも中流意識を持ってる限り、飛躍した回復は見込めないと思います。

なんとなくですが、しっかりした技術の復興や、景気の回復には50年くらいかかると思うんですよねぇ~。一度失われた技術や商売を復興させるにあたって…商売を構築する上でのスタッフの育成や、経営者の育成…、および、一流の技術者を育成するのって、それくらいの時間は必要だと思うんです。

…あっ!あとは、…政治家も、今の世代の人達では、何もなし得る事は出来ないと思うので、一から国民が政治家を育成していかないとねぇ~…(^^;)

…そう考えると、景気回復や、より良い政治が行われるには、やはり50年はかかるかなぁ~…仮に、今のままの状態で体制を立て直せたとしても、歪なルールが出来上がって、今まで以上に身動きが取れなくなるんだろうなぁ~…(-_-;)

今現在、主軸としての労働の中枢、…経営者とか財界、政治家は30歳後半から60歳?70歳?くらいまでの人達だと思うんですが、その人達が、どれだけ、自分達が未来への礎となる覚悟を持っているかがキーポイントになると思うんですよねぇ~。

今の状況をみると、未来への礎というより「現状をいかに乗り切るか…、自分達の利を、どう得るか…」という事しか視野に入っていないのが今の現状じゃないんでしょうかねぇ~。

今に始まった事じゃないけど、大勢の政治家が裏金を着服してるのに「知らなかった…」と、子供のような言い訳で世間の目を欺こうとしていたり、景気が悪かったりと、良いニュースが少ない世の中でも、10代~20代の若者の中には、シッカリとした考え方の人はいるはずなんです。

その人達を、どのように育てるか…?

そこがポイントなんでしょうねぇ~。

今の日本を果樹農家に例えると、果樹が経年劣化で幹が弱ってきているのに、毎年、同じ収穫量を維持しようと、過去30年間、同じ樹に化学肥料を大量に与えて、なんとか収穫していたけど、どうしても収穫量が減ってしまって「さぁ~大変!」って騒いでいるのが、今の日本の現状なんでしょうねぇ~。

収穫量を減らしたくないのであれば、接ぎ木したり、品種改良した苗木を育てたりする必要があるんですが、多分、日本は失われた30年の間、この作業をしてこなかったんでしょう。

これを鍼灸師として、病気や治療に例えると…

身体の礎って…やはり健康なんですよ。基本的に健康を害するから病気になる。

…中には遺伝的なものや、今の医学では解明出来ない病気もありますが、一般的には老化することで肉体が衰え病気になる。

もしくは若くても、乱れた生活をおくる事で病気になる。ストレスにも肉体的なストレスもあれば、精神的なストレスがあり、病気になる要因って数限りないわけなんですよねぇ~。

じゃぁ~病気にならないようにするのは、どうすればいいのか?

老化は止められないものなので、老いに関しては、しょうがない事だとして…

やはり、『食事』と『睡眠』と『運動』…この3つが、病気から遠ざかる三種の神器じゃないけども…、大事な事なんですよねぇ~。…これに尽きるんじゃないでしょうかねぇ~。

この、食事と睡眠と運動…の補助として、投薬とか鍼灸とかマッサージなどの医療があるわけなんですよ!

食事とか睡眠とか運動をおざなりにして、今、この辛さや痛みだけを取れればいい。…というような考えの人は、まず投薬に頼るでしょうねぇ~。

最初は、薬が効くけど、薬は土台を治してはくれないから、投薬を続けて誤魔化していると、症状が複雑になり、身体が元に戻らなくなってしまう。…そうなると、今まで以上の効力を求めて、強い薬を飲み始めるか、病院を転々と変えていくか…、もしくは薬と医者に不信感を抱き、東洋医学に救いを求め鍼灸院の門を叩くか…

これって、最初に書いた、失われた30年で技術が低下して、景気が悪くなっている日本の状況と似てませんか?…(-_-;)

今の日本も…、病気になった人も…、基本的に土台を治さないと駄目なんですよねぇ~。

状況や症状によっては「今さら…土台をと言っても…手遅れかも…」って言う場合もあるとは思います。

でもね…、どんな時でも、手遅れの場合は、どうあがいても無理なんですよ。

しかしながら、1%の希望に賭ける場合においても、荒療治と同時並行で土台は整えるべきだと思うんです。

健康においての土台は身体です。

精神的にメンタルがダメージを受けていたとしても、身体は、いつでも健康に近づくように動いてくれています。

できるだけ、荒治療をしなくていいようにするために…。

日常生活を健康体で送れるようにするために…。

まずは土台作りの、食事と睡眠と運動…に重きを置く。

その上で、補助としての医療(投薬、鍼灸、マッサージ)。

この流れが未来への礎になるんですよねぇ~。